ゴーストストラトス   作:のんびり日和

28 / 34
24話

夏休みが始まって数日後、その間にアキトや楯無事刀奈達は夏休みの宿題を片付けたり、ゲームで対戦したりして夏休みを楽しんだ。

 

ある日の午前中、アキト達は家の中でゲームで対戦していた。

 

「これでラスト!」

 

そう言いアキトはキメ技を出す。だが

 

「それを待ってたのだぁ~!」

 

本音はそう言いカウンターを喰らわし、そのままの勢いでキメ技を繰り出す。

 

「なに!? カウンターからのキメ技! しかも即死の方だと!?」

 

アキトは驚いている中、本音のキャラのキメ技はアキトのキャラにヒットしそのままアキトのキャラのHPメーターは0になった。

 

『You Win!/You Lose!』

 

画面にそう出て、アキトはガックシと首を落とし、本音はやったーと手を掲げた。

 

「本音さんって結構強いんだね」

 

マドカは驚いた表情を浮かべながらそう呟く。

 

「……私も驚き」

 

簪もよく本音とゲームはするが、格闘ゲームでここまで強かったのは初めて知ったのだ。

 

「えっと、本音ちゃんの勝ちだから次は私と虚ちゃんね」

 

そう言い、アキトからコントローラーを受け取る刀奈。

 

「……私はあまり得意ではないのですが」

 

そう言いながら本音からコントローラーを受け取る虚。そして対戦が始まり虚が若干押されていると、インターホンの音が鳴り響き、アキトは確認しに扉に向かう。

 

「はぁ~い、どちら様ですか?」

 

『あ、隣に引っ越してきた者で~す!』

 

そう言われ、アキトは誰なのかすぐに分かった。

 

「そうですか、これからよろしくお願いしますね、真耶さん」

 

そう言うと、紙袋を持った真耶が立っていた。

 

「ふふふ。やっぱりバレちゃいましたか」

 

「そりゃああの手紙に書かれていた事を知っていたら誰だってわかりますよ」

 

そう言い、アキトは真耶を家へとあげる。真耶は持っていた手土産が入った紙袋をアキトに渡し、一緒にリビングへと行く。

 

「あ、山田先生」

 

ソファーに座りながらジュースを飲んでいた簪は真耶が入ってきたことに気づき挨拶する。

 

「こんにちわ、簪さん達もアキト君のお家に遊びに来てたんですね」

 

「はい。今日はアキトとマドカは非番らしく、家にいてるってことなんで皆とゲームしてたんです」

 

簪はそう言い、刀奈達の方へと目線を向ける。アキトが席を外した間に、刀奈が有利だったはずなのに、何時の間にか逆転されて虚が優勢になっていた。

 

「こ、この!」

 

「そこです!」

 

劣勢に立たされた刀奈は何とか逆転しようとするが、虚のキメ技が先に決まり虚の勝ちが決まった。

 

「うそ~!?」

 

「ふぅ~、何とか勝てました」

 

流石にこの展開は予想できなかったのか、本音や簪も驚いていた。

 

「……虚さんってゲームしたことあったっけ?」

 

「……うんん。お姉ちゃんは普段本とか新聞しか読まないよ」

 

「えっと、それじゃあ次は私と簪だね」

 

マドカは次の対戦相手を伝え、それぞれコントローラーを持ち試合を始める。アキトはその光景をソファーに座りながら眺めていると、ポケットに入れているスマホが鳴りアキトはスマホを持って廊下へと出て電話に出る。

 

「もしもしシャル、何か用か?」

 

『あ、アキト? 明日って、時間ある?』

 

「まぁ特に予定はないぞ」

 

『それじゃあ、アステック社が新しく建造した屋外プールパークに来ない?』

 

シャルの提案にアキトは、首を傾げる。

 

「あの屋外プールパークか? あそこってまだお披露目してないんだろ?」

 

『うん。お父さんが、開園前に友達と先に遊んでもいいぞって言ってくれたからさ。どうかな?』

 

アキトはそう言われ、家で刀奈達とゲーム三昧するよりいいかなと思いシャルの提案に乗る。

 

「わかった。そうだ、楯無さん達も連れて行ってもいいか?」

 

『更識先輩たちも? 別に良いと思うよ。パークは広いし、お父さんも色んな人から感想を貰いたいだろうし』

 

「ありがとう。それじゃあ明日現地で良いのか?」

 

『うんん。こっちから迎えに行くから家で待ってて』

 

分かったとアキトは了承し、電話を切る。そして部屋へと戻ってきてゲーム中の簪達に話しかけた。

 

「皆、明日プール行かないか?」

 

「「「プール?」」」

 

アキトの突然の提案に簪達は首を傾げていると、マドカが何処のか分かった表情を浮かべる。

 

「もしかして、シャルのお父さんが建造したプールパーク?」

 

「お、よく分かったな。マドカの言う通り、シャルのお父さんが開園前に友達を誘って遊んでもいいぞって言ってくれたらしいんだ。で、どうだ?」

 

そう言われ、楯無達は目も輝かせる。

 

「アメリカ最大の屋外プールが建造されているって聞いていたけど、まさか行けるなんて!」

 

「わぁ~、私海で泳ごうと思って水着持ってきてたからよかった~!」

 

「私も持ってきてよかった」

 

「わ、私もです!」

 

「楽しみです!」

 

全員行く気満々だった。

 

そして次の日、アキト達と珍しく非番だったナターシャと、有休を使った束とクロエは家で待っていると、1台の大型リムジンが到着した。

リムジンの後部座席が開き、其処に乗っていたのはラフな格好をしたシャルとセシリア達だった。

 

「皆、お待たせ。さぁ乗って」

 

シャルにそう誘われ、それぞれ乗り込んだ。

 

「わ、私リムジンって初めてなのよねぇ」

 

「私もだよ、お姉ちゃん」

 

「わぁ~、広~い!」

 

「こら本音! そんなにはしゃがないの!」

 

「こ、これ幾ら位ぐらいするんでしょう?」

 

「いや~、シャルちゃん私達も同伴させてくれてありがとうね」

 

「ありがとね~、シャルルン」

 

「ありがとうございますシャルロット様」

 

全員の感想を言っている中、シャルはかのISの生みの親である束から感謝されるとは思わず、慌てたように返す。

 

「い、いえ! こちらこそ来てくださってありがとうございます! えっとそれじゃあ皆乗ったようだし、セバスさん出してください」

 

シャルは運転席にいる白髭のダンディーな男性にそう伝えると、男性は

 

「かしこまりました、お嬢様」

 

そう言い車を走らせた。

 

それから数時間後、リムジンは目的地である屋外プールパークへと到着しそれぞれリムジンから降りて行くと、一人の男性が近付いてきた。

 

「いや~、皆さん今日はようこそいらっしゃいました。シャルロットの父、ロバートと言います。何時も娘と仲良くしてくださってありがとうございます」

 

そう言い全員やさしい父親だなぁと思っていると、ロバートはアキトにちょっとと言い手招きする。アキトは頭に疑問符を浮かべながら近付くと、誰にも聞かれないようにとロバートはアキトを連れ皆から少し離れた所に行く。

 

「……アキト君、例のもう一人の男子操縦者はシャルに何かしたりとかはしてないよね?」

 

「いや、特に何もしてないと思いますよ。普段から鈴やセシリア達と一緒に行動していることが多かったから話しかけられると言ったことは自分が知っている限りはありませんでした」

 

「……そうか。それならいい」

 

そう言いアキトを解放し、また皆の元へと戻る。

 

「それでは皆さん、係の人が更衣室まで案内いたしますので今日は思う存分楽しんでいってください」

 

そう言われ、ロバートは事務所へと向かい、アキト達はそれぞれ更衣室へと向かった。

 

数時間後、着替え終えたアキトはプール出入り口付近にいると、早速現れたのは鈴やセシリア、ラウラとシャルだった。

 

「早いな」

 

「そうでしょうか?」

 

「まぁ早く遊びたいから早く着替えたもの」

 

「うむ、プールで遊ぶのは初めてだからどのようなものがあるのか楽しみだぞ」

 

「ウォータースライダーに滝みたいに大量の水が降ってくる場所とか色々あるから見て回ってみて。あ、これMAPね」

 

そう言いシャルはそれぞれパークのMAPを渡していく。

 

「楯無先輩たちのは、アキト代わりに渡しておいてくれないかな? 私達先に行ってるから」

 

「分かった」

 

シャルからMAPを受け取り、アキトは残りの人たちが来るのを待っていると直ぐに簪達もやって来た。

 

「お、来た来た。やっぱりそれぞれ臨海学校の時のか」

 

「うん。……本音は着ぐるみじゃないけど」

 

「は?「アッキー、お待たせ~!」お、来た…き…た」

 

アキトは最後まで言葉が出づらくなった。その訳が

 

「本音! お前それって着ぐるみの中の水着じゃないか!?」

 

「そうだよ~、これでアッキーを悩殺じゃ~!」

 

そう言い本音は、胸を突き出すようにポーズをとる。

 

「どうアッキー? 悩殺された~?」

 

「……ノーコメントで」

 

そう言いアキトは視線を明後日の方へと向ける。その後ミント色の水着をした刀奈と、麦わら帽子を深くかぶったフリフリの付いた水着を着た虚もやって来た。

 

「うぅぅ、恥ずかしいです」

 

「アキト君お待たせ~!」

 

赤面し、俯いた状態の虚と頬を染めながらもアキトに褒めてもらおうと、色々ポーズをとる刀奈。

 

「お二人も似合ってますね」

 

「そりゃあ、アキト君に褒めて欲しかったからしっかり吟味して選んだもの」

 

「わ、私もアキト君に褒めて欲しくて頑張りました」

 

アキトが2人の水着を褒めていると、その場に残りのメンバーがやって来た。

 

「お兄ちゃんお待たせ!」

 

「お待たせいたしました、アキト様」

 

「いや~、ごめんねあっくんお待たせしちゃって」

 

「……(#^ω^)ピキピキ」

 

黒色の水着を着たマドカと白色の水着を着たクロエ。そして何故か長めのパーカー着た束。なぜか機嫌の悪いナターシャと

 

「……オロオロ」

 

機嫌の悪いナターシャにどう対応しようとオロオロした真耶。

 

「……姉さん何かあったの?」

 

アキトは恐る恐る聞くと、ナターシャはイラついた表情を浮かべながら答えた。

 

「……見ないうちに真耶の胸がまた大きくなってるのよ」

 

そう言い真耶の胸を睨むように目線を向けるナターシャ。真耶は涙目でアキトの後ろに隠れる。

 

「あうぅ~、アキト君助けて下さいぃ~!」

 

「ちょっ、真耶さん!?」

 

アキトの背中に隠れたため、真耶の大きな胸がアキトの背中に布一枚越しで感じられるためアキトは顔を赤くさせる。

 

「ちょっと真耶~! 何アキくんの後ろに隠れてるのよ!」

 

そう叫びアキトの後ろに隠れている真耶をアキトから離し、追いかける。

そのまま2人はプールへと向かい、アキト達はその場に茫然としていると、束がアキトの肩を叩く。

 

「さて、ナーちゃんが真耶やんを追いかけて行ったから、束さんの水着をお披露目だよ!」

 

そう言い束は着ていたパーカーに手を掛け、思いっきり脱ぎ捨てる。その下から現れたのはV字の水着だった。

 

「どうよあっくん、この束さんのグラマスな体型は!」

 

束の水着は勿論際どすぎるため、アキトは我慢できずきゅ~。と言いながら顔を真っ赤にさせて後ろに倒れてしまった。

 

「わぁぁ!? お兄ちゃん!」

 

「し、篠ノ之博士それは大胆すぎますよ!」

 

「アキト大丈夫!?」

 

マドカや虚、簪はアキトを心配し駆け寄る中、刀奈と本音は束の水着に興味津々だった。

 

「は、博士。この水着って何処で売ってるんですか?」

 

「私もこれが欲しかったです!」

 

「これね~、アメリカ人御用達のamaz○nで買ったんだよ! 何とこれ一着約2万円ほど!」

 

そんな光景をから少し離れた所にいたクロエは、束に向かってサムズアップする。

そんなクロエに束もお返しにサムズアップする。

 

(上手くいきましたね、束様。このまま私に妹か弟をください!)

 

(待っててねクーちゃん。あっくんとの間に子供をもうけて、クーちゃんに弟か妹をあげるからね!)

 

 

 

そんなこんながあり、マドカ達は兎に角アキトを引っ張ってプールへと向かった。




次回予告
プールはそれぞれエリア毎にアトラクションが変わっており、アキト達はウォーたスライダーのエリアで楽しんだ。いろんなことが起きたりもしたが、その日を終えアキト達は帰路へと着いた。
次回夏休み編3~こんな楽しい日がつづいたらいいなぁ~。~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。