放課後となり、アキトは楯無に言われた通り生徒会室へと向かっていた。その隣には生徒会に所属している本音がアキトと一緒に向かっていた。
「それにしても意外だな」
「うん? なにが~?」
アキトは意外そうな顔で呟くと、本音は何のことと聞く。
「いや、本音さんが生徒会に所属してたことだよ」
「ふふ~ん、人は見かけによらないのだ~」
そんな話をしている内に生徒会室に到着した。アキトは扉を数回ノックすると中から。
「どうぞ~」
そう聞こえ、アキトと本音は中へと入る。部屋の中には、楯無と虚そして簪がいた。
「あれ? 簪も生徒会に所属してたのか?」
「ううん、私はお姉ちゃんに呼ばれたから」
そうか。と呟いたアキトは楯無の方に視線を向ける。
「更識先輩、俺の用事は後でいいんで、先にそちらの用事を済ませて貰ってもいいですよ」
「大丈夫、その用事はアキト君にも関係あることだから」
そう言われアキトは首を傾げていると楯無は椅子から立ち上がり、アキトに抱き着く。突然の行動に部屋にいた全員が驚く。
「ちょっ、更識先輩?!」
「お、お嬢様、一体何を?!」
「お、お姉ちゃん?!」
「わ、わぁ~お嬢様だいた~ん!」
全員驚いている中、楯無は呟く。
「生きててくれて、本当に、本当に良かった」
そう呟きながら楯無は涙を零す。アキトは楯無の呟きに驚いた。
「さ、更識先輩、まさか……」
アキトがそう聞くと楯無は首を縦に振る。
「……スコールさんに教えて貰ったの」
「そう、ですか」
アキトが真実を知ったのかと思っていると、周りにいた簪たちがどういう訳か聞く。楯無はスコールに聞いた真実を簪たちに伝えると、全員感極まって涙を流しながらアキトに抱き着く。
「グス、……会いたかったよ、ヒック……アキト~」
「びぇぇぇん、アッキ~」
「またこうして会えて嬉しいです、アキト君」
全員が泣きながらアキトに抱きついた為、アキトはもう隠す必要はないなと思い呟く。
「……みんな、ただいま」
「「「「お帰りなさい、アキト(君)(アッキ―)!!」」」」
それから全員が泣き止んだ後に、アキトの部活探しとなったが楯無が生徒会に入らないかとアキトに尋ねる。
「生徒会にですか?」
「うん。ほら、生徒会にいるメンバーって今、3人しかいないのよ。だからアキト君も入れて4人にしようと思ってね」
「へぇ~、因みに本音は?」
「アキト君を他の部活になんか渡すものですか!」
「それが本音ですか」
アキトは苦笑いになりながらも生徒会に入ることを了承する。それからアキトは生徒会の仕事を虚に教わりながら手伝った。
その頃、マドカはと言うとシャルロットとセシリア、そして鈴とラウラと共にアリーナで訓練し終えたところだった。
(更識先輩達はちゃんとお兄ちゃんに言えたかな?)
そう思いながらアリーナに設置していた的などを片付け終え、帰ろうとしたところだった。
「ちょっと、いいか?」
そう声を掛けて来たのは一夏だった。声を掛けられた瞬間、アリーナにいたマドカ達全員の表情が真顔となる。
「何? 私達訓練終わって疲れてるから早く帰りたんだけど」
マドカは殺気を交えながら乱暴気に言葉を投げると、一夏は一瞬躊躇うように後ずさるが、それでも用件を伝えてきた。
「俺も明日から訓練に混ざりたんだが、いいか?」
一夏がそう言った瞬間マドカ、鈴、セシリアははぁ?と口から洩らす。
「なんであんたを混ぜなきゃならないのよ? 私は絶対反対よ」
鈴がそう言うと、セシリアとマドカも首を縦に振って同意する。
「な、なんでだよ! 別にいいじゃないか!」
「じゃあ聞くけど、なんで参加したいの?」
シャルロットがそう聞くと、一夏は当然と言わんばかりの顔を出す。
「アキトを正気に戻すには、俺が強くならなきゃいけないんだ」
「はぁ~、また言ってるよこいつ」
一夏の目的を聞いてマドカ達は呆れていると、ISを身に纏った箒が現れた。
「一夏! 訓練をするぞ!」
「ほら、あんたの幼馴染が呼んでるわよ」
鈴はそう言ってセシリア達と共に帰ろうとする。
「ま、待ってくれよ! 頼む、手伝ってくれ!」
そう言ってシャルロットの手を握ろうとするが、シャルロットはその手を払う。
「やめてよ。アキトは私と母の命の恩人なの。恩人であるアキトに付き纏っている君の頼み何て聞くわけないし聞きたくもない」
そう言ってシャルロットはセシリア達と共にアリーナを去った。
次回予告
アキトが生徒会に入って数日後、学年別タッグマッチトーナメント戦が開かれた。アキトはマドカとタッグを組んで出場する。そして1回戦で一夏と箒のタッグと戦う事となった。そんな戦いに黒い影が迫っていた。
次回タッグマッチトーナメント戦~さぁ行くぞ、マドカ!~