ゴーストストラトス   作:のんびり日和

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ごめんなさい


13話

更衣室に一夏を放置してアリーナへと出てきたアキトはクラスメイト達が集合している場所へと向かう。

 

「久しぶりアキト」

 

そう声を掛けられ、アキトは声がした方へと向くと、シャルロットがマドカと一緒に歩いてきた。

 

「おう、久しぶりだな」

 

アキトもそう返し、ふと気になったことを思い出し、その質問をシャルロットにする。

 

「そう言えば、どうして今頃になって転校してきたんだ? 俺とマドカはてっきり入学式に一緒に来ると思ってたんだが」

 

「あぁ、それね」

 

シャルロットはアキトの質問に苦笑い気味となり、アキトはその苦笑いで大体予想がついたのか、推論を出す。

 

「もしかして、親父さんか?」

 

「正解。お父さんが要らないことして私の入学する日をずらしてたんだ。おかげでアキト達と一緒に入学式に参加できなかったから暫くお父さんと口きかなかったんだ」

 

「は、ははは。相変わらず親バカは絶好調みたいだね」

 

マドカの乾いた笑いにシャルロットはため息を吐く。

 

「本当だよ。大切にしてくれるのはありがたいけど、限度ってものを考えて欲しいよ」

 

シャルロットの父親の愚痴を聞いているとアキトの傍にラウラとセシリアが近寄ってきた。

 

「アキトさん、少々宜しいでしょうか?」

 

「うん? 別にいいが」

 

アキトはそう言い、用件を聞こうとする前にラウラが突然殴りかかってきた。アキトは素早くその場から下がる。マドカはラウラの突然の行動に素早く対処しようとするがアキトが止めに入る。

 

「まて、マドカ。いきなり試すような攻撃をしてくるなよ。周りから見れば理由なき暴力だととられるぞ」

 

「それは済まない。だがセシリアから聞いた話がどれほど信用できるか試したかったからな」

 

そう言ってラウラは手を差し出してきた。アキトも同じように手を差し出し、握手する。

 

「さっきの行動を見てセシリアの言う通り、優秀な兵士だと理解できた。これからよろしく頼む」

 

「こちらこそ、ボーデヴィッヒさん」

 

「ラウラで構わない。こちらもアキトと呼ばせてもらう」

 

「分かった、よろしくなラウラ」

 

そう言って握手を続けているとチャイムが鳴り、全員列へと並ぶ。そして生徒達の前に千冬が出てきて号令を掛け、授業が開始された。

 

「ではこれより、1組と2組の合同実習を行う。鳳、オルコット、前に出ろ」

 

千冬の命令に渋々と言った表情で前へとでた2人。

 

「で、何するんですか? セシリアとの対戦ですか?」

 

「まぁ待て、もうすぐ来る」

 

そう言うと千冬の背後で一機のラファールが舞い降りた。

 

「私と2対1の戦いをしてもらいます」

 

舞い降りてきたラファールに乗っていた真耶がそう言うと、鈴とセシリアの目が普段とは違う、軍人の目へと変わった。

 

「まさか、ガンスリンガーと謳われた山田先生とやるとはね」

 

「全くですわ。ですが軍を辞められ数年経っております。わたくし達にも勝機はありますわ」

 

2人のやる気一杯の目を見て、真耶は満足そうな顔を浮かべる。

 

「フフフ。お二人ともやる気一杯で先生は嬉しいです。ですが元とは言え軍に所属していた私です。簡単には負けませんよ!」

 

そして3人は上空へと上がり模擬戦が行われた。

 

 

結果は真耶の圧勝で鈴とセシリアは真耶に傷つけることさえできずに墜とされた。

 

「軍を抜けて数年経ってるのに、全然腕が衰えていないって逆に怖すぎでしょ!」

 

「全くですわ! ぜひその秘訣を教えて欲しいですわ」

 

鈴とセシリアの呟きに真耶は苦笑いになりながらラファールから降りる。

 

「見ての通り、代表候補生が2人束になっても山田先生はこのように勝てる。全員ちゃんと敬うように!」

 

「「「はい!」」」

 

その後、専用機持ちごとに別れ生徒達に乗り方と歩き方の補助を行った。

 

それからお昼休みとなり、アキトはいつものメンバーにシャルロットとラウラを加え食堂で昼食をとっていた。

そして食後の雑談となった時、マドカはセシリアとラウラの仲がいい理由が気になり、理由を聞く。

 

「そう言えば、セシリアとラウラって結構仲いいみたいだけど、仲が良くなったきっかけってなんなの?」

 

「仲が良くなったきっかけですか? そうですね、では少し昔話をしましょうか」

 

そう言ってセシリアはラウラとの出会いから話し始めた。

 

「ラウラさんとは数年前に行われた英独とのISを交えた軍事訓練で会ったんです。当時のラウラさんは力こそ全てと言った方だったんです」

 

「今とは違うんだな」

 

アキトがそう言うとセシリアも同意するように頷く。

 

「はい。そして訓練の最後にIS同士の模擬戦が行われたんです。そしてわたくしとラウラさんとの戦いが始まって暫くして、わたくしがギリギリのところで勝てたのです」

 

「ギリギリって、その時にはもうフレシキブルは習得してたんでしょ? なんでギリギリだったのよ?」

 

鈴はセシリアが苦戦した理由を聞くとその訳をラウラが説明した。

 

「私のISにはAICと言う物を停めたりする事が出来る機能があるんだ。その機能を使ってセシリアのフレシキブルなどを回避したりしたんだ」

 

「へぇ~、そんな機能も存在するのか」

 

アキトが感心していると、セシリアが続きを話し始める。

 

「そう言う事ですわ。それで、戦いが終わった後にラウラさんのISからスライムのような物体が溢れだしてきて、そしたら織斑先生がモンドグロッソで乗られていた暮桜になったんです」

 

「それって、まさかVTシステム?」

 

マドカがそう聞くとセシリアは同意するように頷く。アキトはVTシステム?と呟くと隣にいた簪が説明した。

 

「VTシステムって言うのは、昔のモンドグロッソで受賞した人のデータをISに入れて、その人物と同じ動きが出来るようになるシステムなの」

 

「けどこのシステムには、人命を脅かす不具合が発見されて、今は何処の国もこのシステムの開発は禁止されているんだ」

 

「となると、誰かがラウラのISに組み込んだということか」

 

簪とシャルロットの説明を受け、アキトはラウラが暮桜になった理由を推理するとセシリアも同意するように頷く。

 

「はい。その後はイギリスのIS部隊、そしてドイツのIS部隊とラウラさんの部下達とで、ラウラさんを救助するため攻撃し、ラウラさんの体を見えたところでラウラさんをISから引きずり出して救助したんです」

 

「それで仲良くなったって言う事か」

 

「はい。その時からでしょうか、ラウラさんが力こそ全てではなく、仲間や絆が自分をもっと強くすると気付いたのは」

 

アキト達はセシリアとラウラの仲の良い理由を知り、納得する。

 

「そう言えば、ラウラのISに搭載されていたVTシステムは破壊されたのは分かったが、結局誰がラウラのISに搭載したんだ?」

 

アキトは、VTシステムを搭載した犯人が誰か聞くと、ラウラはイラついたような表情を浮かべ犯人が誰か告げる。

 

「軍の過激派の連中がやったと報告を受けている。しかも嘆かわしいことに女尊男卑に染まった女幹部が主導で行った事だとも聞いている。事件後、軍警察がその過激派連中を捕まえ粛清したと聞いている」

 

「あれ、あんたはセシリアと会う前は女尊男卑じゃなかったの?」

 

鈴はセシリアと会う前のラウラは女尊男卑に染まった人物と思っていたが、ラウラは首を横に振る。

 

「私はそんな風潮に染まるほど愚かではない。ISが無くても男の軍人は優秀だ。ドイツで非公式で行われたIS対戦闘機の空中戦でも、歴戦のパイロットの前ではISなんてものは無力に等しかったと聞いているからな。だから男の軍人でも軟弱じゃなければ敬意を向けている」

 

ラウラの意外な発言に驚きながらも、アキト達はラウラとは仲良くできるなと思うのであった。

 




次回予告
放課後となりアキトは生徒会室に行く。そして楯無達から真実を知ったことを告げ、昔みたいに親友として接したいと告げらる。アキトは驚きながらもそれに了承し昔みたいに親友として再出発を開始した
次回再出発~もう一度あの頃のようになりたいの~

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