ぼっちと魔術師   作:SPZS

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ゴールデンウィークなんて俺たちには存在しない


6話 クラウンの代償と"友達"

「ま、ますたーくらうん?なんですかそれは?鍛冶屋にでも売ってたんですか?」

 

「コレはネェ…無限のチカラを持つと言わレル伝説のアイテムダヨォ」

 

そう。何故だか知らんがみんなお馴染みマスタークラウンはマホロアパック1を習得した時に何故かついてきたのだ。ゲームの設定からすると第2形態になって無双できると思うのだが…だってゲームのマホロアどんだけ魔法打っても疲れる様子なかったしね。とりま第3形態にならないように気をつければ最強のアイテムだと思う。

 

そんな事を考えてると

 

「よし、全員揃ったな!武器を持っている者は自分のを使っていいぞ。武器を持っていない者は、モンスターにトドメを刺すのにこれを使え!」

 

そう言って先生は地面に転がってる物を指差す。それは様々な武器の山。ただ…

 

「せ、先生!武器が大き過ぎてどれも持てそうにないんですが…」

 

うん。とても12歳には無理だろ…ってレベルの大剣やら生徒よりデカイ刃がついてる斧を始め、巨大な武器がたくさん置いてあった。

すると先生は俺たちの前で巨大な剣を顔色一つ変えず軽々と持ち上げやがった…まじかよ!いつもポンコツな先生だと思ってたらやる時はやるもんなんだなぁ…

と、俺が先生を少し見直していると…

 

「コツは、自らの体に宿る魔力を肉体の隅々まで行き渡らせる事だ。それにより紅魔族は一時的に肉体を強化させる事ができる。今日までの授業を通して、実はお前達にその基礎を叩き込んでいた。意識さへすれば、自然とその力が使えるはずだ!」

 

紅魔族にそんな設定が…て事は魔法使いの癖に物理攻撃もこなせるという事か…こいつら種族的に酷いチートだなぁおい!もう全人類紅魔族にしたら魔王に勝てるんじゃね?

 

そんな感じに俺が悟ってると…

 

「……我が魔力よ、我が血脈を通り我が四肢に力を与えよ!」

 

「この子、私の持てる全ての魔力を注いでも壊れないだなんて……!さぁ、あなたには名前をあげる!そう、君の名は……」

 

「フッ!!……へぇ、今の素振りにも耐えるなんて、なかなかの業物ね。いいわ、これなら私の命を預けられる……!」

 

「え!?す、凄い……!凄いけど、そのセリフは必要だったの!?」

 

みんなが中二的なセリフを言いながら武器を選ぶ中、ゆんゆんはそんなみんなにツッコミを入れている。そこはノっておけばいいものを…それはともかく幼気な少女達が身の丈よりも大きいエモノを振り回してる絵面に違和感しか覚えない…なんだこれ、いつからここはドラ○ンボールの世界になったんだ?

 

すると

 

「せ、先生、これ全部ハリボテじゃないですか…。木に金属メッキがされてるだけで、どれもこれもすごく軽いんですけど…」

 

「ゆんゆん、減点5だ」

 

「ええっ!?ちょ、先生っ!」

 

ハリボテかい!世界観がド○ゴンボールから小学生のお遊戯会に成り下がったのを感じた。

 

「マホロア、お前は武器を選ばないのか」

 

「エ?」

 

「まぁお前は魔法を使えるし武器はなくていいのか」

 

「クックク…先生!ボク、武器は使わないケド……第2形態になってもいいカナァ?」

 

 

「だ、第二形態!?そんなものがあるのか!?」

 

先生が驚くと生徒達の視線もこちらに集まってきた。

 

「あるヨォ、ダカラなってもイイカイ?」

 

「もちろんだ!全くお前はどうしてこうも我々の琴線に触れてくれる!」

 

「ジャア…行くヨォ…」

 

そういい俺はゲームのマホロアの様に手で体を覆う様に力を入れる。自分の中で何かが高まるのを感じ、心なしかクラウンも動いた気がした。自分の体が光り出すのを確認すると…背伸びの感覚で腕を一気に解放!すると…

 

自分の体が変化するのを感じる…視線もどんどん上がっていく、そして自分の中で溢れるパワー…今ならなんでも出来る気がする!

そしてポカン( ゚д゚)…と口を開ける先生達に…

 

「な〜んて顔してるんダイ?これがボクの第二形態。どうダイ?かっこいいダロォ?」

 

先生ですら見下ろすくらいでっかくなった俺。そんな俺に

 

「す、凄い!なんだかラスボスって感じがしてかっこいいぞ!マホロア!」

 

そりゃぁ…ラスボスだしねぇ…

 

「マホロア!どうして昨日それは見せてくれなかったんだい!?それを知ってればもっといいストーリーが書けたのにっ!」

 

そう言ってめっちゃ紅く光らせた目で悔しそうに訴えてくるあるえ。そんなにウケるとは予想外だよ。

 

「めぐみんとの約束だったからネェ…、どうダイめぐみん。これが第二形態ダヨォ?」

 

「う…ま、まぁい、いいんじゃないですか?わ、私も見た目は変わってませんがな、中身は…」

 

どんどん尻すぼみになり言葉が消えていくめぐみん。勝ったな…これは言い逃れできまい…

 

「マ、マホロア…なんか魔王って言われても違和感ないような感じがする…」

 

「アリガトウゆんゆん。褒め言葉として受け取っておくヨォ」

 

 

*****************

 

そして森の中

 

「クックク…ハッハッハァ!!いいネェ!ぜんっぜん疲れないシ技の出せる数も多くなって快適ダヨォ!」

 

そういい俺は先生に氷結される前の魔物も駆逐していく。

 

ちなみに魔力球は8個

キルニードルは4個

一度に出せるようになった。

マホロア砲は試してないが多分威力とか上がってるだろう。

 

そんな感じで空からワープで移動し、魔物を見つけると、キルニードルで串刺しにしたり、魔力球ぶつけて粉砕したりして遊んでた。すると、

 

「おーい!マホロア!ちょっと降りて来い!」

 

先生から呼び出しを食らった。

 

「ドウしたノ?」

 

「おま、お前モンスターを狩りすぎだ!かっこいいけどこれでは他の生徒達のためにならない!以後自重するように!」

 

この教師から自重という言葉を聞くとは思わなかった…

 

「わかったヨォ…後は見守るダケにしとくネェ…」

 

まぁこれ以上弱いモンスター狩っても意味ないしな…休日あたりにいつぞやのクマさんでも血祭りにあげてこよう…

 

そんな感じで先生の後に着いていった。流石は腐っても紅魔族の大人、見事にトカゲモンスターの首から下を凍らせる先生。?なんか心なしか息が上がってるような…

 

そんな感じでしばらく成り行きを見守っていると…

 

「「「先生先生先生先生ーーーーッ!!」」」

 

ふにふら、どどんこ、ねりまきの叫び声が聞こえた。

 

「なんだ?…まさかモンスターに襲われたか!?」

 

そういい先生は声のした方向に掛けようとするが…

 

「ふぅ…ふぅ…」

 

疲れてすぐに動きを止める先生。

 

「ド、ドウしたノ!?」

 

「…いや、実は……朝たまごに魔力を全力で注いだから…その…魔力が……ない…」

 

えぇ…やっぱこの先生ポンコツだわ…人からの評価を上げて落とす天才なんだろうか……俺たちが呆れていると…

 

「…ま、マホロア!今こそお前の力を示す時だ!ゆけ!あいつらの命はお前にかかっているッ!」

 

「…ハイハイ。わかったヨォ…」

 

そういい俺はワープを使い声のした方向に進んでいく…

 

 

*****************

 

 

「めぐみん、アレは知り合い?なんか思い切り狙われてるけど」

 

「知り合いな訳ないじゃないですか、アレは私に秘められた力を恐れし、魔王の尖兵か何かで……、ほ、本当に、なぜ私を追いかけてくるんですか!」

 

「めぐみんの日頃の行いが悪いからよー!こないだ、マホロアのロッカーにミミズ入れてたの見たんだからね!」

 

両隣を走るあるえとゆんゆんの声を聞きながら、私はモンスターに追われていた。空に舞い上がったモンスターは他の者に目もくれず、なぜか私だけを追いかけてくる。

あるえは走る邪魔になる大きな武器はとっくに捨てていた。私はクロを頭に乗せ、第二形態のまま並走してる。マホロアの様に分かりやすくはないが、今の私は第二形態だ。そのおかげで体力に自信のない私でもあるえとゆんゆんに追いついている。

 

しかしこのままでは食われてしまう。仕方がない….これも生きるためだ。

私はクロを頭から引き離すとそれを高々と掲げ。

 

「仕方ありません、この毛玉を差し出しましょう!どうです?私よりも美味しそうでしょう!我が妹がごはんにしようと言い出す程ですから!」

 

「流石は主席、発想が違うね!」

 

「酷すぎる!そんな事ばかりしてるからモンスターに追われるのよ!」

 

ゆんゆんに叱られながらもクロを掲げてると、モンスターは空中でゆっくりと旋回し降りてきた。敵意は感じないが凶暴そうなので油断はできない。そして、私はモンスターと対峙する……とゆんゆんが私の前に立ち、無言で銀色の刃を煌めかせ構える。

 

無抵抗なウサギも殺せない小心者に倒せる訳がない。足も生まれたての子鹿の様に震えていた…

あるえは自分の冒険者カードを見る。強力な魔法を覚えられないか確認したのだろう。

…私なら既に上級魔法を覚える事ができる…しかし覚えてしまうと爆裂魔法が…。

しかし、ゆんゆんがこうしている以上…私も腹をくくるしか…くっ、こんな時にマホロアがいれば…

そう思った瞬間

 

「キルニードルワープ!」

 

「ギィ!?」

 

星型の'穴'がモンスターの横の空間に空けられ、そこから太い針が飛び出す。そしてそれは目の前のモンスターの羽を貫いた。

 

「アレェ?ヤッパリまだ思い通りにはならないナァ…」

 

上空からそんな言葉と共に降りてきたのは、

目の前のモンスターよりもモンスターらしい風貌の我が悪友だった。

 

 

*****************

 

 

「アレェ?ヤッパリまだ思い通りにはならないナァ…」

 

上空から声のした方にワープを続けていると、少し開けたところで見た事ないモンスターと対峙してる3人がいた。

 

うーん。あれだけ近づいてると魔力球じゃ2次被害が出そうだし…キルニードルを使うには遠すぎる…あ、そうだワープホールの応用をしてみよう!

 

と思いキルニードルワープを使ってみたのだが、これがまた繊細な技で今の俺じゃ1個完成されるのがやっとだ。しかも外れたし…要練習っと…

 

「マ、マホロア!」

 

「ハイハイマホロアダヨォ」

 

「遅いんですよ!もう少しで食べられるところでした!」

 

「でもピンチで助けに来ると言うのも中々美味しい展開…!」

 

とりあえず無事みたいだ。あるえはこの状況でも紅魔族のお約束を大事にするあたり流石だと思う。

 

「マ、マホロア!あのモンスター、まだ倒せてないよ!」

 

「マァマァ、ゆんゆんそう焦るなヨォ」

 

そういいつつモンスターを見ると少しよろめきながら俺の事を敵意たっぷりの視線で見つめてくる。そんな目で見つめるなよ……♠︎興奮しちゃうじゃないか……❤︎

 

まぁいいや消そ

 

「ハァァァァァァァァ」

 

またかめはめ波のように溜める。すると、"今の"俺と同じくらいの大きさの魔法陣が展開され魔力を帯び出す…

 

「マホロア砲!」

 

先日の物とは比べものにならないくらい太いビームがモンスターを襲う。

しかし、

 

「ッ!!」

 

間一髪のところで転がり、避けるモンスター

 

「ーーーーッワープ!」

 

ビームの先にワープホールを展開

そして出口を悪魔の転がる先に展開し

 

「!?ッギャァァァァァ!!!」

 

白い光が悪魔を包み込み消滅させる。

 

「クックク、少しはやるようだったケド、ボクの敵ジャアなかったネェ」

 

にしてもこんなに魔法を使ったのに全く疲れないとは…マスタークラウンやばすぎるだろ…これ量産してみんなに被せればそれこそ本当に世界とか征服できたりして…

 

そんな物騒な事を考えてると!

 

「マホロアぁ!」

 

ゆんゆんが抱きついてきた。

 

「怖かった…怖かったよぉ…」

 

余程怯えてたのか俺の胴体(?)…燃えてるように見えるところにしがみついてくるゆんゆん。そこって摑めるんだ…そんなゆんゆんの頭をなでていると…

 

「ねぇマホロア…君は昨日たくさん魔法を使って疲れてたよね?…どうして今は疲れてないんだい?」

 

「ソレは多分このマスタークラウンを、ツケてるからだネ…仮にも無限のチカラを持つ伝説のアイテムと言われてるからネェ、クックク」

 

「それを少し見せてくれないかい?挿絵にしたいから詳しく見てみたいんだ」

 

「イイヨォ」

 

そういい俺はクラウンを取るーーーー

 

 

*****************

 

 

ん?あれ?ここは………俺の部屋?

 

気がつくと今や見慣れた天井が視界にあった。

 

あれ?確かあるえに渡す為にマスタークラウンを脱いだところまでは覚えてるんだが…?

 

それにしても……

 

体がピクリとも動かん

 

体はいつもの第一形態なのだが…どう頑張っても腕1本動かす事ができん。どうなってるんだ?

 

そう思ってると

 

「気がついたかい?」

 

族長さんがマスタークラウンを手に部屋に入ってきた。

 

「体の調子はどうだい?」

 

ベッドの横の椅子に腰掛けながら聞いてくる。

 

「全身が動かないヨォ…」

 

「…そうかい、まぁ今はゆっくり休むといい」

 

「エッと、ボクは一体どうしたノ?」

 

「……ゆんゆんやあるえ、めぐみんが倒れてた君を抱えて森から出てきたんだ。これを持って」

 

そう言って族長さんはクラウンを撫でる。

 

「…ソウなんダ…」

 

「何があったのか聞かせてもらえないかい?」

 

俺は今日の事を話した。

第二形態になった事、

変なモンスターを消し炭にした事、

クラウンを取った後の記憶がない事、

俺が話してる間族長さんは目を紅く光らせて興味津々といった感じで話を聞いていた。

 

「つまり、これのおかげで第二形態とやらになれて、これを外すと倒れたというところかな?」

 

「タブンネェ…」

 

「禁忌の力…中々そそるものだが、これからはこれを使っちゃいけない。いいね?」

 

いつもは見ない族長さんの親のような厳しさを見た気がした。

 

「…わかっタ」

 

俺は特に歯向かってもメリットがないので従う事にした。まぁあの爽快感が味わえなくなるのが残念だが、今の状況を踏まえるとそこまでして使いたいものでもないという結論だ。

 

「じゃあこれはしばらく私が預かっておくね」

 

そう言って部屋を出て行く族長さん。

 

…さて、ここら辺で今の状況を踏まえて考えてみよう。

 

・俺はマスタークラウンを使い第二形態になった。

 

・普段はある程度使えば疲れるはずの魔法を際限なく使用できた。

 

・クラウンを外すと卒倒した。

 

と、

 

つまりあのマスタークラウン、劣化版という事だな…

【魔力が無限になると思い込ませてる】といったところか…

なんか麻薬みてぇだな…

 

限界を超えた魔力を使おうとすると生命力から持ってかれると聞いていたが、俺はクラウンによって生命力までも魔力に変えられていたという事か…生命力も無駄に高くて助かったのか?

まぁ、この全く動けない状態が助かったとは言い難いんだがな…

 

とりあえずなんか疲れたし寝よ…

 

 

*****************

 

 

……ドタドタドタ

 

……ん〜?ふあぁ…よく寝た…

 

なんか慌ただしい物音で目覚めた俺は首(?)だけ動かして時計を確認する。どうやら俺は長い事寝てたらしい…気付けば外はもう朱色に染まっていた。

 

ドタドタドタ…

 

?なんださっきから騒がしい…泥棒でも捕まえたのか?

そんな事を思っていると

 

ドタドタドタ…バタン!

 

勢いよく部屋の扉が開け放たれた。

そこには学校からここまで走ってきたのか息を荒くさせ、顔と目を赤くさせたゆんゆんがいた。

 

「マホロア!」

 

「…ヤァゆんゆん。ソンナに慌ててどうしタノ?」

 

「ッ!」

 

また抱きついてくるゆんゆん。しかし今度は決して離さないとでも言いたげに強く抱きしめられる。

 

「…ゆんゆん。い、イタイヨォ…ボクは今動けないんだカラもう少し優しく…」

 

「……どうしてあんな無茶したの?」

 

どうやら倒れたのは俺が無茶をしたと思ってるらしい。

 

「違うヨォ…アレはボクがクラウンのコトをチャーント把握してなかったのが原因なンダ…」

 

そう言って俺は未だ離してくれないゆんゆんに俺の先程の見解を説明した。

 

「…マホロア、クラウンは…」

 

「親父さんに没収されタヨォ…まぁボクとしてもアンマリ多用できるものじゃないシ構わないのだけドネ」

 

「…そう…」

 

そう小さく呟くとゆんゆんはやっと俺の事を離してくれた。目に涙を少し溜めて

 

「…ゴメンネゆんゆん…もう心配させるようなコトはしないように頑張るカラ」

 

「……約束よ?…マ、マホロアは私の仲間なんだから!」

 

俺を励まそうとしてるのか笑顔を作るゆんゆん。素直になればいいのに…強がりなのが丸わかりだ。

 

…ゆんゆんと約束したけど俺としてはあのクラウンをなんとか使いこなせるようになりたいんだがなぁ…とりあえず今は大人しくしてクラウンを奪還しよう…それから慣れるために修行だな…

 

 

*****************

つぎのひぃ

 

朝起きたら体は完全に元どおりで、普通に動けるようになってたんだが…

族長さんやゆんゆんに今日は大事をとって休めと言われてベッドに押し込まれた。まぁ人間じゃないし本当に大丈夫なのか不安だったんだろう。

 

そんな訳で暇になった俺は当然修行など許してくれるはずもなかったので、里を族長さんと共に散歩していろんな人に俺の事をよく知ってもらうのと、たまごに魔力を注いでもらったりしていた。

 

「おぉ…キミが噂の≪封印されし異界の魔術師≫だね?我が名はちぇけら!アークウィザードにして上級魔法を操る者、紅魔族随一の服屋の店主!キミは魔王を屠る旅に出るんだろ?ならば!我が傑作のローブを今ならやすくしとくよ!」

 

「このチョー強いドラゴン(?)にキミの魔力を注がせてあげるカラ…もうチョーット安くできないカナァ?」

 

と俺は*新しいコスチューム…もとい服を買ったり

 

ポーション屋でたまごに魔力を注がさせた上でスキルアップポーションをまけてもらったり

 

農家の人達に同じやり方で野菜を譲ってもらったり…

 

占い師そけっとのとこにも行って、占って貰うと何故か上手く映らなくて見通せなかったり(変わりにありったけの魔力を注いでもらった)

 

何もないニートにも出会ったが搾取できそうなものがなかったので魔力を限界近くまで搾取させてもらった。

 

…この人達の価値観はかっこいいが最優先だからかたまごに魔力を注ぐ事をとても名誉な事とおだてあげるとなんでもしてくれた。…ちょろすぎん?この人達…そんな感じで里のあちこちを挨拶兼ドーピングして回っていると、

 

「ここが謎の巨大施設だよ。中には世界を滅せるかもしれない兵器を始め危ない物が眠ってると伝えられている。

でもこの施設は古代の言語によって封印されており、誰も開ける事が出来ないんだ」

 

「ヘェ…チョット中を覗いてみていいカナァ?」

 

「?構わないけど…開けないから入り口までだけど…」

 

「いいカラいいカラ、少しダケ」

 

そういい俺は扉の近くに行くと…

 

【コナミコマンドを入力せよ】

 

と日本語で書かれていた。遠目で見てなんとなくわかったが、古代文字って日本語の事かぁ…にしてもコナミコマンド……やっべぇ忘れちゃったよ…あぁーくそ!まさか古いゲームの知識をこんなとこに活用できる日が来るとはッ!不覚!

 

「ね?何もないだろう?」

 

「アァー…ウン、そうダネェ…」

 

そんな感じで里を隅々まで案内され終わるとあたりはすっかり夕方になり、空も焼けていた。

 

*****************

 

家に帰り、新しい服に着替えて鏡の前で衣装合わせしていると

 

「ただいまー…」

 

心なしか元気がないゆんゆんが帰ってきた。どうしたんだろう

 

「!マホロア!その格好どうしたの!?」

 

すぐに顔色を戻してそう聞いてくるゆんゆん。

 

「新しい服を買ってもらったンダ!ドウ?似合ウ?」

 

「似合ってるけど…服を買いに行くなら私も行きたかったな…と、友達と服選び…いいなぁ…」

 

そう少し残念そうに肩をすぼめるゆんゆん。うん、やっぱいつものゆんゆんだわ。

 

「マァ…服選びクライ旅に出ればする機会なんていくらでもあるダロォ?」

 

「そ、それもそうね!そ、それに今日はふにふらさん達と……」

 

後半声が小さくなって聞こえなかったが、やっぱり何かあったんだろうか?

 

 

*****************

 

〜翌日

 

「あ、めぐみんおはよう。……クロちゃんもおはよう」

 

おかしい…いつもは私の姿を見つけると、嬉々として勝負を挑んでくるゆんゆんが、何故か普通に挨拶してきた。

 

「おはようございます。……どうしたんですか?いつもは私の顔を見ると、まるで野党か山賊のごとく、必ず喧嘩を売ってくるクセに…それと今日はマホロアは来るんですか?マホロアの弁当がある事が当たり前になっていたので昨日は妹が飢えてクロを食べかけたんですから」

 

「私、そこまで無法者だった!?いや、まあ間違ってはいないけど、も、もうちょっとこう、言い方を……。ライバル同士の勝負、とか…」

 

モニョモニョいうゆんゆん。まさかあのバカが倒れた事で感傷的になってしまったんだろうか…

するとふにふらとどどんこが近づいてくる。

 

「ゆんゆんおはよう!昨日はありがとね!助かったあー!やっぱ、持つべきものは友達だよね!」

 

「そうそう、ありがとね!さすがゆんゆん!」

 

「あ、その……。わ、私も、友達の助けになったのならよかったよ……!」

 

ゆんゆんがパァッと顔を輝かせ、笑みを浮かべた。

 

……何があったんだろう。

 

「ヤァ!みんなおはよう!マホロアは復活したヨォ!」

 

いつもの青い服ではなく白い服に身を包んだマホロアが勢いよく教室に入ってきた。

 

 

*****************

 

俺が新しい服を着て教室に入ると

 

「ま、マホロア!?まさか…一昨日のマホロアは死んで…二代目のマホロアになったのかい!?」

 

とあるえがなんか物騒な事を言ってる。

 

「イヤ、死んでないカラ…昨日散歩ついでに服を買っただけダカラ」

 

「よーし、お前ら席につけー!では、出欠を取る!」

 

と、担任が入ってきた。

 

その後、ゆんゆんの様子がおかしい事を探ろうと思ってると…

 

ガタッ!

 

授業中、椅子を蹴って立ち上がったゆんゆんが、泣きながらめぐみんに襲いかかり、廊下に2人共立たされていった…

 

大方からかわれたのだろうが、やっぱりなんかおかしい…か?いや、いつも通りか。

 

体育の授業、2人は未だ睨み合っていて、仲良く減点20とか食らってたりしてた。先生の質問にも互いを間接的に貶めるような答えを返してたが、先生に"なんちゃって紅魔族"とレッテルを貼られて正座してた。

…何やってんだこいつら…

 

で、各自ペアを作り、戦闘前のセリフを練習する授業が始まった。俺は情報を集めるためにゆんゆんの友達の一人、ねりまきに声をかけた。

 

「ヤァねりまき!キミ、ペアはイル?いないならボクと組もうヨォ!」

 

「?いいけど…マホロアが私を誘うなんて珍しいね、いつもは大抵あるえと組むのに…」

 

「マァたまには他の人もいいカナァ…テネッ!」

 

それからまずは

 

「ボクの戦闘力は……53万ダヨォ…」

 

「フッ…どうしたの?笑いなさいよマホロア…」

 

などと適当に授業をこなしながら本題に入る。

 

「13キロダヨォ………ところでねりまき、昨日ゆんゆんに何かなかったカナァ?」

 

「なん……だと……。?私は別に何も知らな………あっ、そういえば昨日はふにふらとどどんこがゆんゆんを誘ってどこかに行ってたようだけど…私は家の手伝いで帰ったから詳しい事は知らないよ」

 

「ヘェ………アリガトウねりまき……」

 

あの2人………か

 

*****************

 

放課後……

 

ゆんゆんに詳しい話を聞かせてもらおうとしてると…

 

「マホロア!昨日何があったか、何が起こったのか…しっかり聞かせてもらうよ!」

 

あるえにつかまった…

 

「エェ…今日はチョット…明日!明日話すカラ!」

 

逃げようとドアに手をかけるが…

 

「逃がさないよ…昨日もお預けを食らったんだ…今日!徹底的に聞かせてもらうよ!」

 

とがっちりホールドされる。おぉ…これはゆんゆんよりも凄い……これは明日森行き決定だな…

 

そんな訳であるえにつかまった俺は昨日ゆんゆんにした話をした後、あるえによる質問攻めにあった。

 

 

*****************

 

 

「ただいまー……」

 

「おかえりマホロア。どうしたの?遅かったじゃない」

 

「あるえに捕まって質問攻めにあってたンダ…」

 

「そ、そうなの…….あ、そうだ!さっきぶっころりーさんが明日相談に乗って欲しいって言ってきたんだけれど…めぐみんも一緒なんだけれど…マ、マホロアも来ない?」

 

ぶっころりー……あぁ…あのニートか…どーせろくな相談じゃないだろうしなぁ

 

「イヤ、やめておくヨォ…明日はやることがあるからネェ…」

 

適当な理由でごまかしておく。

 

「そ、そう…」

 

ゆんゆんにふにふら達のことを聞きたかったけどなんか今日はもう質問とかしたくないし…明日にしよう…

 

 

*****************

 

tomorrow

 

あるえにsan値を上昇させる攻撃を食らった俺は再び森に入っていた。

もちろん族長さんやゆんゆんには内緒だ。

 

ある程度の敵はキルニードルてワンパンなので魔力の消費も少なく、安全に狩っていると…

 

「「「ゴルァァァァァァ!!!」」」

猛り狂った一撃グマの群れが現れた。

 

「前は倒すのに苦労したケド…今のボクなら三秒で片付けてヤルヨ…」

 

と、マホロア砲を打つために魔力を集中していると

 

「キシャー!!!」

 

以前俺に噛み付いためぐみんの妹、こめっこだったか?が一撃グマの群れに突撃する……ちょ!?おま!?何してんの!?とりあえずこめっこを回収しようとワープホールの準備をすると

 

「こめっこさん!?」

 

そんな声と共に現れたのは漆黒の、強靭な肌を持つ。凶悪な牙や羽を持っている、今まで見た中でも一番強そうなモンスターだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




*新しいコスチューム

カービィハンターズのアレ

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