ぼっちと魔術師   作:SPZS

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あくまで趣味で描いてるものなので生暖かい目で読んでください。
感想でも批評でも大歓迎です。


5話 マホロアパック1

ある日♪

 

森の中♪

 

クマさんに♪

 

出会った♪

 

「グルオオオォォォォォォ!!!」

 

「ワァァァァァァ!!!」

 

はい。というわけで一撃グマというヒグマの2倍くらいあるおっそろしいモンスターと追いかけっこをしております。

 

「クソ!これでもクラエ!」

 

魔力球を2つ作りクマさんに投げつける。

が、しかし

 

「ガァァァァ!!」

 

その豪腕を使いそれを弾き飛ばす。

 

「ウソダロ!?」

 

今までファイヤードレイクとかなら3回当てたら倒せる威力のはずなのになぁ…弾いちゃうかぁ〜

 

なら

 

「ワープ!」

 

そう良い俺はクマさんの背後にワープする。そして魔力球を4つ作り、内2つをキョロキョロしてるクマさんに投げつける。

 

「グガァ!」

 

背中を攻撃されてすぐに振り返るクマさん。しかし

 

「かかったネ!!」

 

クマさんの鼻先に残る魔力球をぶつける。

すると

 

「ガァァァァ!?」

 

「オォ…今度は効いてルみたいダネ!」

 

クマさんは鼻を押さえて悶絶する。

 

「ええぃ!くたばりナァ!」

 

魔力球を2つ作っては投げ作っては投げ上空から悶絶するクマさんに総攻撃をかける。

 

 

「ウ………ガ……ァ……」

 

魔力球を15個あたり投げつけるとクマさんは動かなくなった。

 

「ハァ……ハァ……フゥー」

 

さすがに魔力値が高いとはいえこれだけ魔力球を連発すると疲れるな…

ちなみに今は魔力球は同時に4個まで出せる。

 

「今日はココまでカナァ…」

 

そう呟き俺はクマさんの肝を採って帰宅した。

 

 

*****************

 

 

「タダイマー」

 

「お帰り〜今日も森で修行かい?」

 

帰ると族長さんが迎えてくれた。

 

「ウン、今日は一撃グマっていうのに出会ったヨォ〜、イヤァおっそろしいモンスターだったナァ…でもボッコボコにしてやったヨォ!後、肝も換金してもらったんダ!」

 

「一撃グマを倒したのかい!?け、怪我した所とかはないのかい!?」

 

心配性だなぁ

 

「ないヨォ基本ボクは空から一方的にヤレるからネェ…クックク!」

 

自分でも卑怯だと思うが安全第一だしね

 

「と、取り敢えずご飯にしよう!今日は今朝畑から上がったばっかりのさんま定食だよ!」

 

この世界の食べ物っておかしいよね、最初は「何言ってんだこいつ」と思ったが実際土からチンアナゴの如く生えるさんまを見て俺は考えるのをやめた。

 

 

*****************

 

this night

 

「マホロア!これどう!?似合う?」

 

ゆんゆんが腰に短剣をぶら下げて嬉しそうにそう聞いてくる。どうやら俺が修行してる間にふにふら達とお買い物してたらしい。それにしても…

美少女に短剣ねぇ…

 

「ウン!イイと思うヨォ!なんかイイ感じダ!」

 

「でしょ!?ふふふ♪これでめぐみんにもっ………」

 

この子はその短剣でめぐみんをどうするつもりなのだろう。危ない思考に染まってなければいいんだが…

 

「ところでマホロアは今日も修行?」

 

「ウン、今日は森で一撃グマっていうモンスターを狩って来たンダ!」

 

「一撃グマ!?マホロアあんなのまで倒せるの!?」

 

「ケッコウ苦戦したケド…なんとかなったヨォ」

 

「へぇ…マホロアって見かけによらず強いのね…そう言えば一撃グマを倒したのならレベルも上がってるんじゃない?」

 

ふむ、そう言われれば一撃グマを狩ったのは初めてだしレベルが上がってるかも…

 

俺は懐(?)からカードを取り出して見てみるすると

 

マホロア

 

職業 魔術師 lv6

 

スキルポイント 15

 

(etc

 

おぉ!レベルが上がった時のポイントと授業で貰ったポーションのお陰かポイントが結構たまってる。

ちなみに俺はクラスで成績は3番だ

やっぱり勉強に興味を持てたら最強だと思う。これがあっちの世界でできてたらなぁ…

ともかくこれで俺はマホロアパック1を開けれるわけだ…正直ポイントをもっと貯めて≪ブラックホール≫とか覚えたいが取り敢えず攻撃手段が魔力球しかないのは厳しい。だから…

 

「ネェゆんゆん。スキルってドウやって習得するノ?」

 

「え?スキルは覚えたいスキルを選択して職業の絵のところを触ればいいのだけれど………マホロア、スキルポイント使っちゃうの?」

 

ゆんゆんが少し不安そうな顔で見てくる。

なんだ?

 

「ドウしたノ?」

 

「……マホロアはスキルを覚えたら…その…卒業しちゃうの?」

 

なんだそんなことか

 

「イヤ、ボクは最初からスキルを習得してルシ、コノ国について知りたいカラまだ卒業はしないヨォ」

 

「そっ、そうなの?…よかった…」

 

ほっとした顔でそう呟くゆんゆん。

 

「ソレより!スキルを覚えるヨォ!」

 

俺はそう言ってゆんゆんが教えてくれた通りに冒険者カードを操作する。

すると…

 

「オォ…なんか内側カラ何かが湧き上がル感じがスル…」

 

そんなよくわからん開放感と共に俺の体がペカーっと光り輝いていく。

 

そして光が引いたと思ったら…

 

「あれ?マホロア?その頭につけてるそれ…何?」

 

 

*****************

 

翌日

 

「めぐみん!わかってるわね、今日も勝負よ!」

 

よく晴れた日。 やけに上機嫌なゆんゆんはこれ見よがしに腰の短剣をめぐみんに見せながら今日も勝負を挑んでいる。

 

「いいでしょう、受けて立ちます。でも、掛け金代わりのスキルアップポーションを持ってないのですがどうします?」

 

「掛け金…。そ、それじゃあ私が勝ったらマホロアのお弁当を貰うわ!」

 

「食べタイなら作ってあげるノニ…」

 

「いいですよ。特別に、勝負方法はゆんゆんに決めさせてあげます。」

 

あれ?珍しい。いつもは勝負内容はめぐみんが決めるのに。

…内容は理不尽なんだがな。

 

「え?じゃ、じゃあ今回はこのUNOで勝負よ!」

 

そう言ってゆんゆんはカバンから製品化されたUNOを取り出す。プラスチックじゃなくて画用紙的な物というところがまた新鮮。

 

「いいでしょう、さぁ始めましょうか」

 

 

そして二人はUNOを始める

始めはめぐみんがリバースやスキップを使いゆんゆんにターンを譲らない。しかしゆんゆんも負けじとトラップカードを駆使し徐々にめぐみんを追い詰める。やはり経験の差が出ているな、家でこれでもかと勝負を挑んでくるゆんゆんはまだ目に新しい。

 

「くっ」

 

「ふふふ、今日こそ私が勝つ時が来たわよ!」

 

みればゆんゆんのカードは1枚、そしてめぐみんのカードは2枚でめぐみんのターンだ。

 

「……」

 

めぐみんはそっと緑の0を出す。そして

 

「これで私の勝ちよ!」

 

そういいゆんゆんは4カードを出す。

 

「クッ」

 

「ふふふ!初めてめぐみんに勝ったわ!」

置かれた4カードを悔しそうにみるめぐみん。

嬉しそうに跳ね回るゆんゆん。うん、よかったね。けどね…

 

「ゆんゆん」

 

「うん?何マホロア」

 

ニコニコした顔で振り返ってくるゆんゆん。

 

「…嬉しそうなトコロ悪いんだケドネ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数字カード以外で上がっチャダメなんダヨォ?」

 

 

 

ゆんゆんは笑顔のまま固まった。そして、

 

「ふっ…やはりこの私に敗北の2文字はないのです!」

 

「イヤ、キミさっきまでトーッテモ悔しそうにしてたヨネ?」

 

「ッ…」

 

ゆんゆんはさっきまでの喜びが恥ずかしさに変わり、ゆんゆんに襲いかかる。

 

ゆんゆんは手で顔を覆って机に突っ伏してしまった。

 

 

「取り敢えず、弁当は貰いますよ」

 

「キミは鬼なのカイ?」

 

「私にとっては死活問題なんです。しょうがないじゃないですか。」

 

「ソレはそうだケド…」

 

「はぁ…仕方ないですねぇ」

 

そういいめぐみんはゆんゆんの肩を叩く。

 

「ゆんゆん」

 

呼ばれたゆんゆんは赤い顔をあげて紅い目をめぐみんに向ける。

 

「今回は本当に負けるかと思いましたよ。初めて追い詰められた感じがします」

 

「めぐみん…」

 

「まぁ負けたら意味がないですし、さっきの私は第一形態で本気の10%も出してないんですがね」

 

上げて落とすんかい。ていうかそろそろゆんゆんがかわいそうな状態になってきた。あそこまで人の顔って赤くなるもんなのか?….紅魔族じゃあ当たり前なのかな…まぁ、フォローを入れてやろう。

 

「ヘェー!めぐみんも形態が変化するノ!?ワァオ!ボクだけかと思ってたヨ!ソレで?第何形態まであるんダイ?」

「ふぇ!?わ、我は第四形態まであります!その我に勝ってこそ真の勝利がつかめるでしょう!」

 

「ヘェ…ボク、めぐみんの最終形態が見たいナァ!ちなみにボクは第三形態までしかないんだケド…じゃあサ!明日の養殖の授業の時に見せてヨォ!ボクも第二形態になるカラ!」

 

「なっ!ふっ…いいでしょう!しかしマホロアが第二形態にしかならないのでしたら、私も第二形態までしかなりません!そう簡単に本気というのは見れないものなんですよ」

 

そんな奇妙な約束をすると。ゆんゆんはさらに顔を腕に埋めて机とくっついてしまった。一体どうすればよかったんだ…

 

 

 

*****************

 

〜放課後〜

 

「あるえ、ソウ言えば新しく魔法を覚えたケド…ミル?」

 

その言葉を聞くとあるえはブンっと音がなりそうなくらい早くこちらに向き直り

 

 

「おぉ!もう魔法を覚えたのかい!?是非!是非見せて欲しいな!」

 

めっちゃ食いついてくる文才少女あるえ。あるえには小説のネタのために魔法を覚えたらすぐ見せてくれと頼まれてる

 

「わ、私も行く!」

 

「私も見たことのない魔法には興味がありますから見に行きます。…まぁ、爆裂魔法には遠く及ばないでしょうが」

 

ゆんゆんとめぐみんも食いついてくる。

 

「ジャアみんなボクに捕まっテ!ワープで移動するヨォ!」

 

3人が俺の手を掴むのを確認すると、俺はワープを使いワープの射程ギリギリのところを飛び続け、あっという間に森の入り口に着いた。

 

「今の移動方法結構楽しいね!テレポートを使ったような気分だったよ!」

 

「こんなに早く移動できるなんて…やっぱりマホロアってすごいよね…」

 

「実はコレ、普通に歩くのの何倍も疲れるカラ普段は使わないンダ…」

 

「…なんでわざわざそんな事を…」

 

「カッコいいダロォ?」

 

「それには激しく同意します」

 

あるえも目を輝かせて頷いている。

ゆんゆんはなんか呆れたような顔をしてため息をついてる。そんなんだから浮いてしまうんだよ…ゆんゆん。郷に入っては郷に従えってね。

 

「マァそんなコトはどうでもイイ。まずはコレ!≪キルニードル≫」

 

俺は手をクロスさせて右腕をクイッと上げると、狙った地面からシュッと太い紫の針が飛び出してくる。大きさは後ろの木くらいある。

 

「なんとも恐ろしい技だね…これをモンスターとかに使ったら結構グロい仕留め方になりそうだよ…」

 

確かに串刺しだしね…でもこれならあの一撃プ○さんをワンパンできるかもしれない…

 

「ト、ともかく次はコレだよ!

ハァァァァァァァァ……」

 

どうやっていいかちょっとよくわかんなかったけど取り敢えずかめはめ波みたいに溜めてみる。すると

 

「おお…マホロアの正面に魔力が集まっていくのを感じます…!」

 

目の前に自分の体と同じくらいの魔法陣が展開される。そしてパワーが溜まるのを感じると、俺は手を前に勢いよく突き出す!

 

「ハァァァァァァァァ!!!」

 

≪マホロア砲≫

 

 

自分の体の一回り小さいビームが前にあった木次々と抉っていき、そこには森の奥の方まで見える程、ぽっかりと穴が木々に開けられていた。

 

「すごっ!技の出し方といいビームといい本当にマホロアは紅魔族の琴線に強く触れてくれるね!」

 

「い、今のは私もかっこいいと思った……」

 

好評なようでなによりだ。けど

 

「フゥ…フゥ…」

 

「?マホロア大丈夫かい?」

 

「ウン…大丈夫だケド…この技…魔力消費が…すごい…」

 

この前の一撃グマ戦くらい疲れた…。

 

「サァ…最後の技ダヨ…」

 

「マ、マホロア?無理しないでね?」

 

「大丈夫ダヨォゆんゆん。今からやるヤツはそんなに疲れないと思うカラ…」

 

そういい俺は手をかざし、指定した座標にワープホールを作る。そして少しずれたところにもう一つ作る。

 

「これは一体?」

 

「……ソノ中に石でも投げ込んでみてヨォ…」

 

「わかりました」

 

そういいめぐみんは手頃な石をワープホールに投げ込む。すると、もう一つのワープホールからさっきの石が出てくる。

 

「うーん。これは正直言ってそこまで魅力的なものじゃないかな…」

 

「それはなんでも中に通すことができるんダヨォ…ツマリ、さっきの≪マホロア砲≫や≪キルニードル≫も通すことができるンダ…ここまで言えばわかるヨネ?」

 

「…なるほど!つまりたとえ攻撃外したとしてもそれを使って追撃する事も出来るってことかい?」

 

「ソウダヨォ…ソレはあくまで補助の魔法ダネェ…」

 

「私は結構気に入りましたよ。石を投げ込んでもこっちから出てくるのが面白いです」

 

「わ、私もちょっと楽しいかも…」

 

2人はさっきからいろんなものをワープホールに投げ入れている。すると…

 

 

 

ゴトッ

 

 

 

何か得体の知れないものがワープホールから出てきた。

 

「…なんだろうこれ?私こんなの入れてないのだけれど…」

 

「私も入れてませんよ。元から入ってたんじゃないですか?」

 

「今日初めて使ったんだけどナァ…」

 

それは全体的に紫色でバスケットボールくらいの球形で、

 

「なんかシミのようなものがついてるし…これはもしかして…

 

 

 

 

 

 

 

 

何かのたまごではないかい?」

 

 

 

「え、えええぇぇ!?」

 

「いやいや、こんなたまご図鑑でも見たことがありませんよ?」

 

俺はそっとたまご?に耳をくっつけてみる。すると…

 

 

とくん……とくん……

 

 

「脈があるネ……多分たまごで間違いないヨォ…」

 

 

 

「ほ、本当に!?」

 

ゆんゆんがそう言うとみんなたまごに駆け寄り耳を当てる。

 

 

「た、確かに脈がありますね…」

 

 

「これはなんだろう…ドラゴンのたまごだったりして……!」

 

 

「確かになんかそれっぽいような気がしないでもないね…」

 

 

ドラゴン…ワープホールの中にあったたまごだから、出てくるとしたらランディアとかかなぁ…

 

 

「そうだ!ドラゴンはたまごの時に魔力を注ぐと個体値が上昇するらしいよ!」

 

個体値ってポケモンみたいだな…

 

まぁいいや

 

「ナラみんな魔力を注いでミル?」

 

「じゃあ私から」

 

若干食い込み気味にあるえは答えると目を紅く光らせながらたまごに触れる。そして…

 

「我が魔力!その身に宿すがいい!」

 

と言うとたまごに魔力をこめてるのかたまごが淡く光始める…

 

「ふぅ…初めてだったからうまくできたかわからないけど取り敢えずやってみたよ」

 

「じゃ、じゃあ次は私が!」

 

そう言ってゆんゆんもたまごに触れる。

 

するとたまごはさっきよりも少し強く光始める。

 

「何かセリフは言わないのカイ?」

 

「い、言わないわよ!恥ずかしい!」

 

と、ゆんゆんも魔力を注ぎ終わる。後は…

 

「めぐみんもやってみたら?」

 

「ふっ!我が魔力をこんな所では使うべきではありません!」

 

「今度あの喫茶店でナンカ奢ってアゲルカ「いいでしょう!我が魔力を喰らい、最強のドラゴンとなるのです!」」

 

こいつやっぱチョロいわ(笑)

 

めぐみんがたまごに手を触れるとさっきの2人よりか遥かに紅く輝き出し…っておいおい爆発とかしねぇよな?なんか危険な色になってるし、心なしかたまごが震えてる気が…

 

「ふぅ、我が魔力を受け止めきれたみたいですね。さすがはドラゴンといったところでしょう…」

 

たまごはなんかヤバそうだったがどうやらめぐみんの馬鹿魔力を食いきれたらしい。こいつは手加減というものを知らないのだろうか…

 

「エット、取り敢えずボクの新しい魔法は今ので全部ダヨォ」

 

「あ、うん。ありがとうマホロア、早速帰って小説を書いてみるよ!じゃあね!」

 

と、あるえは帰っていく。

 

「私も魔力を使って疲れたので家に帰ります。ではまた明日」

 

めぐみんも帰っていく。

 

「ジャア、帰ろうカ」

 

「う、うん。ところでそのたまごはどうするの?」

 

「ウーン….取り敢えず元の場所に戻しとくカナァ…」

 

そういい俺はワープホールの一つを消滅させて、残った方にたまごを放り込んだ。

 

「え?えぇ!?今普通に投げ込んだけど大丈夫なの!?」

 

「マァ元々あの中にあったし大丈夫じゃないカナァ?」

 

「そ、そう言う問題なのかなぁ?」

 

まぁ細かい事は気にすんな。なくなったらなくなったで鶏でも育てればいいさ。

 

「ところでゆんゆん」

 

「何?マホロア」

 

帰ろうとするゆんゆんを呼び止める

 

「実は魔力を使いすぎてヘトヘトなンダ…チョット家まで運んでくれないカナァ?」

 

「え」

 

 

*****************

 

 

「ところでマホロア」

 

「何?ゆんゆん」

 

俺は今ゆんゆんに抱っこされた状態だ。背中に当たるマシュマロ(おっぱい)がたまらんが…今の俺にはSAN値を上昇させる効果しかない。

 

「昨日のアレはどうして使わなかったの?」

 

「…ソレは…明日のお楽しみにトッテおこうと思ってネ」

 

「ふーん」

 

「ソレよりも!明日は学校にたまごを持って行ってミンナに魔力を注いでもらオウ!」

 

「…マホロア、なんだか生き生きしてない?」

 

「ボク、昔から何かを育てるのってトーッテモ好きだったんだよネ!」

 

「そ、そう…」

 

 

*****************

 

 

ねくすとでい

 

「………」

 

「……めぐみん。……め、めぐみん」

 

「おはようゆんゆん、マホロア。そんな顔をしてどうしましたか?」

 

「イヤ…キミ。ソレはナニ?」

 

「使い魔です」

 

俺が問うと、めぐみんは机の上で仰向けになっている黒猫に指を戯れつかれながらそう言った。

 

「使い魔!?使い魔を使役する魔法使いなんて、お伽話の中だけだと思ってたのに!」

 

「見て、あの愛くるしくもふてぶてしい顔を!恐ろしいわ、ああして無垢な子猫のフリをして、主人のめぐみんのために私達の昼ごはんを狙っているのよ!」

 

「悔しいっ!でも、ご飯あげちゃう!」

 

クラスのみんなはめぐみんの使い魔(猫)にメロメロである。もしかして俺のドラゴン(仮)のたまごに対抗心でも燃やしたのか?

 

「う、うわー……。ふわっふわだね……!ねえめぐみん、名前は?この子に、もう名前は付けてあげたの?」

 

目をキラキラさせて猫を撫でようとするゆんゆん。そしてゆんゆんが手を伸ばすと、

 

猫は警戒するように前足を構え、「フゥー!」と威嚇する。

 

「なんだろうこの子は。めぐみん以外には懐かない感じなのかな?」

 

あるえがそう言いながら伸ばす手を、猫はあっさり受け入れた。

 

「クックク…どんまいゆんゆん。…マァいいじゃなイカ、ボクらにはコノたまごがあるんだカラサ!」

 

泣きそうなゆんゆんにフォローを入れつつ、俺は先日手に入れたたまごを机の上に召喚する。

 

「え、えぇ!!!??なにそのたまご!?」

 

「色も見たことないし…ドラゴンのたまごなんじゃない!?すごいよマホロア!私ドラゴンのたまごなんて初めて見た!!」

 

「な、なんのドラゴンかな?紫色だし…ポイズンドラゴン?…それともシャギードラゴン?…まさか!新種のドラゴンだったりして!!」

 

この間ゆんゆんの友達になった3人を中心にいろんな人がたまごに詰め寄ってくる。

 

「コレは昨日ボクが新しい魔法の試運転をシタラ、偶然拾ったンダ。………ソレよりミンナ!ドラゴンのたまごには個体値を高くスルためにたまごの時から魔力を注ぐんダロォ?コノ子のために、みんなの魔力を分けてくれタラ、嬉しいナァ!!」

 

「「「「!!」」」」

 

俺がさりげなーくみんなにたまごに魔力を注ぐ事を伝えると、みんなは目を紅く輝かせながら

 

「わ、私のを分けてあげる!」

 

「わ、私のも!」

 

「ちょっ!どきなさいよ!私が先よ!」

 

「ハイハイ、押さないデネー。チャーントみんなの魔力は受け取るカラ列になって待っててネェ」

 

「……マ、マホロア、ノリノリですね…」

 

計画通り……(ニヤァ)

うまくみんなを誘導する事ができたぜぇ…これで俺のドラゴンの潜在能力は格段にアップするはず…なんせここには<アークウィザード>しかいない。つまりは魔力がバカ高い連中の集まりという事…その全員から魔力を受け取る事が出来れば…クックク。孵化が楽しみだゼェ。

 

「ン?」

 

ふと頭に少し重い感触が…とってみると

 

「にゃう!」

 

さっきの使い魔が俺の手に抱かれながら鳴いた。ゆんゆんと違ってこいつは俺には懐くらしい。

 

「オォ…どうしたんダイ?まさかキミもたまごに魔力を注ぎたいノ?」

 

猫がたまごに手を伸ばすのでそう聞いてみると…

 

「にゃう!」

 

言葉がわかってるのかわからないがそんな返事(?)をしたので取り敢えずたまごの上に乗っけてみる。すると…

 

「ワァオ!?」

 

たまごがまたペカーと光りだした。この猫…まさかただの猫じゃなくてなんかの魔獣の子供じゃねぇのか?初心者殺しみたいなやつの…

 

そんな事を思ってると光りは収まり、猫はたまごから飛び降りる。

 

「マサカ本当に魔力を注ぐと……は……ネ………」

 

「?どうしたのマホロア」

 

「イヤ…ゆんゆん。昨日コノたまごのシミにこんなのなかったヨネ?」

 

そう言い俺はたまごの一角(?)を指差す。

 

「?どれそ…………え?」

 

そこには猫のようなシミが出来てた。

 

「ふふっ、なんか一気に可愛くなりましたね…中から猫でも産まれるんじゃないですか?」

 

いや、猫は哺乳類だしたまごからは出ないだろう…

 

「コレ…出てくるヤツに支障とか起きないんだろうネ?顔が猫のドラゴンとか出てきタラ泣くヨ?ボク」

 

「たまごの中身がキメラならあり得るんじゃないですか?」

 

まじかよ……

 

 

*****************

 

 

それから、猫を飼う事を担任には反対されたがめぐみんは紅魔族的ニュアンスを用いて説得(?)したところ「おもしろそうだから」という理由で認めた先生。大丈夫なのか?この学校…ちなみに名前はゆんゆんによって「クロ」と名付けられた。

そしてたまごについては、話したところ「我が強大なる魔力を受け取るがいい!」といい昨日のめぐみんのようにたまごがめっちゃ光りだすまで魔力を注ぎ込んだ。ノリのいい先生でよかった。

 

「先日、里のニート……手の空いていた勇敢なる者達を引き連れ、里周辺のモンスターを駆除した事は知っているな?おかげで現在、里の周りには強いモンスターがいない。弱いモンスターはあえて残してもらって、危険なものだけを駆除してもらった。今日の授業は野外でも実践だ。比較的安全になった里周辺で、我が紅魔族に伝わる、養殖と呼ばれるレベル上げ方法を使って全員のレベルの底上げをする。というわけで校庭に集合する事!グループを作りたいものは作っても構わん!以上!」

 

「めぐみん、例の準備は出来てるのカイ?」

 

「えぇ、マホロアこそ出来てるのですか?」

 

「バッチリダヨォ」

 

そんなやり取りをしているとゆんゆんが座ったまま俺らをチラチラ見てくるのに気付いた。

 

「なんですか?自称私のライバルのゆんゆん」

 

「自称!?いや、その……そうだけど……。…….グループ作りだってさ」

 

「そうダネェ。マ、ボクは一人でやるつもりだけどネェ」

 

どうやら俺とめぐみんを誘いたかったらしいが断る。…アレのテストも兼ねてるからね…ゆんゆんは出鼻を挫かれてオロオロしだした。しかしめぐみんの方を誘うつもりなのかまたソワソワしだした。

 

「めぐみん。組む人がいないなら私とどうだい?」

 

いつの間にか俺の後ろにいたあるえが声をかけていた。

 

「いいですよ。一緒に組みましょうか」

 

「!?」

 

ゆんゆんはそんな二人のやり取りを見て困ったようにオドオドしだした。

そして…

 

「あ、あの、めぐみん、私も「ねーゆんゆん、あたし達と一緒に組むでしょ?」」

 

「うんうん。いつもあぶれてるよね?入れてあげるよ」

 

「私達友達になったんだしさ、一緒に組もうよー」

 

「あ、あの、えっと……」

 

とニューフレンズに連れて行かれるゆんゆん。

 

そんな後ろ姿を眺めるめぐみんにあるえがポツリと…

 

「これが寝取られ…」

 

「ね、寝取られじゃない!」

 

 

*****************

 

 

さぁて遂にこの時がきた。うまく行くかな…行かなくても何かしらの影響は出るはずなんだが…と、物思いにふけり、校庭で俺は待機していると…

 

「遅くなりましたマホロア!よく目に焼き付ける事ですね!これこそが!我が第二形態です!」

 

頭にクロを乗せ、めぐみんは得意げに言う。

 

「イヤ、クロ乗せただけじゃなイカ」

 

「言ったでしょう?こいつは私の半身……つまり!今の私はこの子と合体する事によって1つになったというわけです!」

 

「もう苦し紛れの言い訳にしか聞こえないヨォ…」

 

「マホロアだって!そのカッコいい王冠を被っただけじゃないですか!大体それはなんなんですか?」

 

「コレカイ?コレはネェ…

 

 

 

 

 

 

 

 

マスタークラウンダヨォ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんのたまごかはお楽しみに多分これ読んでる人ならわかるんじゃないかなぁ…

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