ぼっちと魔術師   作:SPZS

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今回は少しだけ作者の独自の解釈が含まれております。


4話 とあるボッチの友達作り

そんなこんなと日常を過ごしていたのだが、気づいたことが二つある。

ちなみにめぐみんとは互いに見下したり脅したりしないという約束の元、停戦契約を結んだ。…余談だがそのあとも俺は貧乏で可哀想なめぐみんの為にお昼ご飯を作ってる。別に見返りを求めているわけじゃないしただの善意だったんだが…

 

 

 

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「これはなんですか?また檄物でも持ってきたんですか?」

 

「違うヨォ、めぐみんはホントーに飢えてるみたいだから作ってあげてるだけダヨ。タダの善意だから受け取って欲しいナァ」

 

「…怪しいですね。本当に何も入れてませんか?この間のが軽くトラウマなんですが…」

 

「めぐみん!マホロアはあの後ちゃんと反省していたのよ!流石にやり過ぎたって、だから受け取ってあげてめぐみん!」

 

「そんなに言うならゆんゆん。あなたが毒見をしてください」

 

「えぇ!?…わ、わかったわよ…えっと、マホロア?ほ、本当に何も入れてないんだよね?」

 

「心外ダナァ、何も入れてないっテバ」

 

「そ、そう…………………ん、普通においしい……」

 

「そうですか。ではゆんゆん、私のお昼ご飯を返してください。今食べた分はあなたの弁当で我慢してあげますよ」

 

「えぇ!?毒見してって言ったのはあんたでしょう!?なんで勝負もなしに私の弁当をあげなきゃいけないのよ!」

 

「私は毒見をしろと言っただけで誰も食べろとは言ってませんよ?ほら早くマホロアの弁当とあなたの弁当をください。くれないのなら学校中にあなたが私の弁当を盗んだって言いふらしますよ?」

 

「や、やめてぇ!わかったわよ!弁当はあげるから!」

 

「クックク、やっぱりイイ性格してるヨネェ、めぐみんは」

 

「あなた程ではないですよ」

 

 

 

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という事があったが、今は素直に受け入れてくれている。

話が逸れてしまったんだが、まず気づいた事が一つ。実は俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

トイレなんてしません。

 

 

 

 

 

 

 

 

びっくりした。何にびっくりしたってトイレをしなかった事に全く気づかなかった自分にびっくりした。前々から人間として何か失ったような気はしてたんだが気づくまでに数日かかった。だって全く尿意も便意もなかったんだからさぁ。

ちなみにお風呂に入ってる時に自分の体を色々探ってみたんだが、この体に口以外の穴がない!一体食べたものや飲んだものは何処に消えたのか…。

しかしそんな事はどうでもいい。もっと大変な事に気付いたのだ。

 

 

 

 

 

 

俺は自慰行為する事が出来ない…

 

 

 

 

 

 

これには流石の俺も絶望した。この間下級生の女の子達に「かわいい!」と言いながら抱きつかれたその夜。久しぶりにムラムラしたからしようと思ったんだが…そこでこの事実に気付いた。前世でもエロ大魔神だった俺にこれ以上の苦痛があると思うか!?いや無いね!だから俺は自分の内側で増殖し続ける欲望を発散するかのようにここ最近は森でモンスター狩りをしている。

 

 

そしてもう一つ気付いた事というのは…

 

 

ゆんゆんはマジで友達がいないという事だった。

学校でも話しているのはめぐみんか俺、たまーにあるえと話しているがそれ以外の人とはあまりというか全く接点が無い。

 

これは流石にマズイっしょ…、大事な青春の一部なんだ。ゆんゆんにはそれを寂しく過ごして欲しく無い。だから俺は決意した。未来のパーティメンバーとしてそして友達としてゆんゆんに友達を作ってやろうと!

 

「ネェゆんゆん。ゆんゆんにはボクとめぐみん以外に友達は何人いるノ?」

 

「え!?えっと………ひと……りだけ……それに…めぐみんは友達じゃなくてライバルで………」

 

おぉ、あるえとはもう友達になっていたのか…

 

「ソノ一人って「い、今連れてくるね!」……行っちゃタ…」

 

うん?連れてくる?もう夜も遅いのにあるえが家にいるとは考えにくいし…この家でペットかなんか飼ってるとは聞いてないし…

 

「お待たせマホロア!私の最初の友達!サボテンのサボちゃんよ!」

 

絶句した。ここまで重症だとは…まだ末期(イマジナリーフレンド)にまで行ってないだけマシなのか?ま、まぁいいともかく

 

「ゆ、ゆんゆん。もっと友達が欲しくないカイ?」

 

 

 

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翌日 学校

 

 

「ね、ねぇマホロア?本当に友達ができるの?」

 

「ソレができるかはゆんゆんしだいダヨ、ボクはあくまでキッカケを作るだけダ。ソコからはゆんゆん、君の力で友達を作るンダ。」

 

「う、うん!わかったわ!私頑張る!マホロアが昨日の夜教えてくれた講義を、私は無駄にしないわ!」

 

「ククッ、その意気ダヨ!」

 

そういい俺達は教室に入っていく…決行は昼休み!さぁ…ゆんゆんお前は今日をもってボッチを卒業するのだ!

 

 

 

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〜昼休み〜

 

「サァ!ゆんゆん!昨日図書室で話していたツインテとかポニテとかに声をかけてくるンダ!」

 

そういい俺はテーブル4つくらいをくっつけて大きな1つのテーブルを作る。そしてその上に昨日俺が徹夜して作ったある物を乗せる。俺の考えた史上最強の友達作りアイテム!その名も

 

 

 

 

 

 

 

 

UNOである!!

 

 

 

 

 

 

こぉの素晴らしきパーティゲームは俺が前世で一番友達を作るのに成功したゲームだ!これを俺は昨日一晩で作ってやりました。眠い!

 

 

ともかくそしてゲームをするメンバーが集まった。メンバーは

 

俺、ゆんゆん、めぐみん、ツインテ、ポニテ、ぱっつんロング、

 

「サァ!これからゲームを始めるヨ!これはボクの故郷で流行っていたゲームなんダ!後ボクはまだみんなの名前がわからないカラ教えて欲しいナ!」

 

とりあえず俺も名前が知りたいし、ゆんゆんのためにも、まずはお互いを知っておく必要がある。

 

「ゆ、ゆんゆんです「ん"んんっ」…うぅ、わ、我が名はゆんゆん…、やがては紅魔族の長となる者…」

 

そう言って赤くなった顔を手で覆いながら座るゆんゆん。うむ、よくやった!まずは自分を知ってもらう事が大事だからね、説明した時は猛反対したが友達を作る為というと渋々了承してくれた。チョロい。

 

「我が名はめぐみん!紅魔族随一の天才にして、爆裂魔法を愛する者!」

 

さてめぐみんにはゆんゆんの友達作りの為に協力してもらっている。やはりゆんゆんも知ってる人が近くにいた方が色々と安心するだろうと思ってね。ちなみに「嫌です」と反対されたが、明日の弁当を倍にすると言うと快く引き受けてくれた。こいつもなんだかんだでチョロい。

 

「我が名はどどんこ、紅魔族随一の…!随一の…。なんだっけ…」

 

えぇ…紅魔族はみんな濃いキャラの中でさらに個性があり、なかなかカオスになっているのにこの子はなんだろう。濃いキャラで留まってるといった感じだ。そんなにキャラが欲しいなら紅魔族随一のポニテとかでいいんじゃないかな。ちなみにゆんゆんにはボッチという個性が付与されてしまってる。

 

「我が名はふにふら、紅魔族随一の弟おもいにしてブラコンと呼ばれし者!……ブラコン……」

 

こいつはなんだろうクラスに一人はいるスキャンダルとかに過敏に食いつく系の女子な気がする。ツインテだし。でもツインテにありがちなツンデレという感じはしない。自分でブラコンとか言ってるあたりもうかなりのもんなんだろう。

 

「我が名はねりまき、紅魔族随一の酒屋の娘、居酒屋の女将を目指す者!」

 

居酒屋かぁ、そういや族長さんにはお酒を飲んでいいのか聞いてみたところ、年齢的には問題ないらしいのだが学校に行ってるからダメらしい。卒業したら一緒に飲もうと約束した。

 

そんなこんなで自己紹介が終ったら俺はみんなにルールを説明した。そして楽しい楽しい友達作りUNOが始まった。

 

 

〜数分後〜

 

 

俺の手札は3枚、ゆんゆんは2枚、他の人が4枚といった感じだ。

 

と、ゆんゆんのターンになる

ゆんゆんは手札を一枚捨て…やばい!ゆんゆんが先に上がってしまうと友達を作るという目的が達成されない!ここは仕方がないアレを使うか。

 

「ワァオ!ゆんゆん!もう手札が一枚じゃナイカ!さすがは時期族長!覚えが早いネェ!」

 

「え?えっと、そう?私が…すごい?」

 

よし!ゆんゆんの気を引く事に成功!

今だめぐみん!やれ!

 

俺はそういいめぐみんに目で合図をする。めぐみんも俺の意図に気付いたのか頷き…

 

「ドロー!」

 

「でも時期族長なら紅魔「ゆんゆん」……どうしたの?」

 

「キミ、残り1枚になったのに≪ウノ≫って言ってないヨネ?」

 

「あっ!」

 

「クックク!ジャア2枚引かないトネ!あーんな簡単な子供騙しに引っかかるナンテ、ゆんゆんはチョロいネェ、ククク!」

 

そういうとゆんゆんが恨めしそうに俺を見る。仕方がない、説明してやるか

 

俺はゆんゆんの近くに行き、ゆんゆんにそっと耳打ちする

 

「ゆんゆんが先に上がっタラ意味がないダロウ?ボクはそれを止めたんダヨォ?だからボクに感謝して欲しいナァ。コレも友達を作る為なんだヨォ」

 

「むぅ、でもそういう事なら仕方がない……かも」

 

よし!丸め込めた。しかしこの子のチョロさも改善するべきかな?

 

その後も俺はゆんゆんが上がりそうになる度にドロ4とか貯めておいたドロ2をぶつけたりして遊んでいると

 

「マホロア、ちょっと時間をもらっても構わないかい?」

 

あるえが後ろから話しかけてきた。

 

「イイヨ、ジャアボクはちょっと抜けるカラ、後は適当に楽しんでてネ!」

 

そういい俺はUNOから抜けると

 

「ソレで、どうしたんダイ?」

 

「うん、実は君をネタにした小説を書いてみたんだが良ければ感想をもらいたいんだ」

 

そういいあるえは紙の束(厚さ8cm)を手渡してきた。

 

俺いや「ボク」をネタにした小説かぁ、ていうかこの子寝てないな目の下のクマがくっきり出てるしとっても眠そうだ。

 

「じゃあ読み終えたら起こして感想を聞かせて……」

 

そういい机に突っ伏して寝始めた。

 

えぇとどれどれ

 

「邪悪な魔女との死闘に敗れたマホロア、彼は醜い化け物の姿に変えられる。だが彼は箱舟≪ローア≫を使い命辛々も逃走に成功。降り立った先は洗練された魔法使いの地だった!そこで最初は魔物と間違えられるも、なんとか説得し治療を受ける事が出来た。そこで彼は一人の孤独な凄腕女魔法使や、知的な魔法使い、さらには鍛え上げられた肉体を持つ魔法使いと出会い、彼女らと邪悪な魔女を倒すための度に出かける。

そして…

 

 

中略

 

 

〜邪悪な魔女を倒した彼女ら。そして彼は真の姿へと戻る。しかし、彼はなんと魔女の手によって姿を変えられた邪悪な魔法使いだった!世界を滅ぼしかねない力を取り戻した彼は、仲間だった彼女らに向き直り、今まで彼女らを利用していた事や本当の目的、さらには彼女らの故郷、ましてや全世界をを丸ごと征服すると言った。それを聞いた彼女らはショックを隠しきれず、唖然と彼を見上げるしかしこのままでは彼女らの故郷、家族、そして全世界が彼の手に渡ってしまう。そして彼に立ち向かう彼女ら。全世界をかけた戦いが今始まる!」

 

………これ、ほっとんどマホロアそのものじゃねぇか!確かに腹黒い性格とかついつい出てしまう事があったり、覚える予定の技についても話したがここまでまんま作るとは思わなかった…俺も最初マホロアの正体を知った時かなりびっくりだったのに…それをたったあれだけの情報で再現するとは…あるえ、恐ろしい子っ

 

 

「あるえ…オーイ、起きテ!起きロッテバ!」

 

あるえの肩を叩いても起きなかったので揺さぶってみる。しかし起きない。仕方がない俺は適当な紙に感想を書き、あるえの机の上に置いた。

 

一方UNOの方は

 

「め、めぐみん!またマホロアみたいな手を使って、正々堂々とやりなさいよ!」

 

「勝った方が正義なのですよ!騙される方が悪いのです!」

 

「や、やめたげなよめぐみん。ゆんゆんがかわいそうになってきた」

 

「まぁまぁ、そんな事もあるって!それより…はい!くらえねりまき!ドロ2!」

 

「ふ、甘いよふにふら!ドロ2重ね!はいゆんゆん!」

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

おぉ、これはひどい…なんてかわいそなゆんゆん。しかしこれはいい流れだ。ゆんゆんがめぐみん以外の人に相手にされている。よし、もう充分だろう。

 

「ハイハイ!もう昼休みも終わるシ片付けるヨォ〜」

 

そういい俺はUNOを片付けにかかるその際にゆんゆんの側に行き、

 

「今がチャンスダヨォ」

 

と告げる。それを聞いたゆんゆんは一瞬ビクッとなったが覚悟を決めたような顔をして俺に頷く。そして

 

「ふ、ふにふらさんにどどんこさん!それとねりまきさん!わ、私と友達になってくれませんか!」

 

ナイスだゆんゆん!

 

「え?う、うん!あたしもあんたとは友達になりたかったのよ!」

 

「ほ、本当ですか!?」

 

「うん、私もゆんゆんはあまり他の人と関わりたくないって感じがしてたから話しかけずらかったんだけど…」

 

「えぇ!?私ってそんな風にみられてたの!?」

 

「ゆんゆんって変わり者だし、孤独が好きなんだと思ってたんだけど…私で良ければ友達になるよ!」

 

「か、変わり者……で、でもこれからと、友達になってくれるんですよね!?」

 

「「「うん」」」

 

「ふっ……、ふつつかものですが、これからよろしくお願いします!」

 

「ねぇゆんゆん、あんた友達ってなにかわかってる!?わかってるんだよね!?」

 

…一部危ない発言もあったが何はともあれゆんゆんのボッチは卒業できたな!

 

「ボクの手にかかレバこんなもんダヨ。めぐみん」

 

「あのボッチが友達を作るとは明日は雪が降るかもしれませんね」

 

「めぐみんも友達になってきたらドウ?」

 

「やめておきます。私に友達は必要ありません」

 

「ソコで意地を貼るのは得策じゃないと思うナァ」

 

「もし仮に作るとしても自分でやります」

 

あぁ、そういうことね。

つまりは人の手は借りないと、こいつのプライドの高さは折り紙付きだな。

 

「ならボクから言うことは何もないネ、でもニンゲン何事も一人でできることには限りがあるってコトをお忘れるなヨォ?」

 

「……頭の隅に置いておきます」

 

 

 

**************************

 

 

 

 

「お父さん!お母さん!今日はね、マホロアのおかげで友達が3人もできたんのよ!」

 

「本当かい!?よかったなぁゆんゆん!マホロア君もありがとう!」

 

「ボクはただキッカケを作っただけダヨォ、後はゆんゆんが頑張ったからダヨ」

 

「でもマホロア君がきっかけを作ったのでしょう?ところでそのきっかけって何なのかしら?」

 

「ソレはネ、このUNOっていうボクの故郷に伝わるカードゲームだヨォ」

 

「へぇ、トランプに似てるけどこれはどうやって遊ぶものなんだい?」

 

「エットネェ…」

 

それから4人でUNOをした。やっぱりUNOは絆を深めたり新しく出会いを作る事が出来る素晴らしいアイテムだと思う。

 

その夜

 

「マホロア、少しいい?」

 

「ウン、イイヨ」

 

もう寝ようかと思ってた時にゆんゆんが部屋を訪ねてきた。

 

「マホロア、今日は本当にありがとう!…多分、マホロアがいなければ私、ずっと一人ぼっちだったと思うの」

 

「何度も言うケド…それはゆんゆん自信が掴んだ栄光ダヨォ。ソレにゆんゆんならその内友達くらいできていたっテバ」

 

しかしゆんゆんは首を横に振る。そして

 

「でも私…マホロアに恩返しがしたい!マホロアは私の子供の頃からの夢を叶えてくれた恩人なの!だから私にできることが何でも行って欲しい!」

 

どうやら俺はゆんゆんのヒーローか何かになってしまったらしい。

 

「ジャアゆんゆん、改めて言うネ。ゆんゆんが卒業したらボクが元の姿に戻るための旅についてきてくれるカイ?」

 

「うん!私マホロアの為、そして時期族長として強くなる!だから…これからもよろしくお願いします!!」

 

「ウン!よろしくネ!ゆんゆん!」

 

ゆんゆんが自分の意思で仲間になる事を決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




来週こそはバトルシーンとか書きたいと思います。

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