VSカズマ
武器を全てスティールされようが能力値的に勝てる。ただし、後々覚えるドレインタッチがあると厳しくなる可能性が高い。
VSアクア
ダメージを与えてもすぐに回復されるのでアクアが何かをやらかさない限りは勝てない。一撃で削りきるのは不可能。
VSめぐみん
エクスプロージョンに当たらなければ勝てる。当たったら消滅する。耐えれる要素がない。
VSダクネス
少なくとも勝てることはない。会心の一撃とかのシステムがない状態でHPが数百はあるメタルスライムを相手にするようなもの。削る前にダクネスの攻撃が当たる可能性の方が高い。
書き出してみると敵からしたら全員、厄介この上ないパーティーだなと思いました(小並感)
湖の浄化のクエストを受け、アクアを除く四人は森の中を歩いて湖に向かっていた。肝心のアクアは…
「………ねえカズマさん………私、これから売られていく希少モンスターの気分なんですけど…」
「でも、それならほぼ安全だろ?凶悪モンスターでも捕まえられる檻なんだから、ブルータルアリゲーターでも壊せないはず、水は中に入ってくるから、浄化が終わるまでは檻ごと湖に浸かってればいいっていう完璧な計画だ。危なくなった時はちゃんと引き上げてやるから安心しろよ。」
「その時は、私とダクネスで一生懸命引っ張るから。ね?」
「うう…わかったわよ…」
……………
「アクア大丈夫かなぁ…」
「まあ、しばらくは何ともないだろ。ティーバッグになった気分だとか言ってたが。」
「…うーん、じゃあちょっとお薬を作るための材料とか探しとこっかなー。暇みたいだし。」
「前に言ってたスキルで作ってる傷薬とかですか…ルミ、魔力を回復するタイプの薬は作れませんか?」
「えっと…さすがにめぐみんが欲しい量の魔力を回復するのは無理かな…使い道って爆裂魔法でしょ?」
「作れたとしても作らないでくれよ…タダでさえ苦情があるらしいのに何発も撃たせられるか。」
「な、なぁルミ。死なないぐらいの毒薬とかは作れないか?」
「え?多分…というか武器に仕込んだりするから作ったりしてるけど、なんで?」
「い、いや、少し私のスキルがどのくらいの毒までなら無効化できるのかと気になって…べ、別に他意はない、ぞ?」
「言うまでもなくダクネスのために作る必要はないからな。」
「う、うん?」
……ティーバッグ作戦開始から二時間経過……
「ルミー、この草でいいのかー?」
「えっと…うん!これこれ!すごく品質もいいよ!」
「さすがはカズマの運ですね。キャベツ狩りの報酬にも納得がいきます。」
「まあ、やっぱり素材収集とかは運も関連するだろうしなぁ。っと、ダクネス、アクアの様子はどんなもんだ?」
「特に動きはないぞ。」
「んー…っぽいな。おーいアクアー!浄化はどんなもんだー?」
『浄化は順調よー!』
「水に浸かりっぱなしだと冷えるだろー!もしあれだったらトイレー、行きたくなったら言えよー!」
『なっ⁉︎アークプリーストの私がトイレなんて行くわけないでしょー⁉︎』
「いくらなんでも失礼だと思いますよカズマ。…あと、関係ありませんけど、紅魔族もトイレなんて行きませんから。」
「…お前らは一昔前のアイドルか。」
「わ、私もク、クルセイダーだから…トイレは…トイレはぁ…」
「無理に対抗すんなよ。アクアとめぐみんには、1日で終わらないクエストを受けて本当にトイレに行かないか確かめてやる。」
「や、やめてください!紅魔族はトイレには行きませんよ?…行きませんけど、謝るのでやめてください。」
「…って、ちょっと待て。…ルミは?」
「ん?確かにどこに行ったのだ?」
「…あ、向こうにいますよ。」
「ん?どしたのみんな。」
「いや、ルミはどこに行ったんだって話になってな。」
「え?おしっこだけど…」
「…ちょ、ルミ⁉︎どこで⁉︎」
「え?む、向こうの草むら…」
「ダメですよ!女の子なら恥じらいというものをですね!」
「え、ええ?」
「…そ、そんな手が…⁉︎い、いや、好みとは少し方向性が…し、しかし新境地というのも…!」
『いいぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁ!なんか出た!なんか出てきたぁぁぁあああ⁉︎』
「な、なんだ⁉︎」
「あ!カズマ!アクアがワニ…ブルータルアリゲーターに襲われようとしてる!」
「…うっわ〜…すげえなあれ…」
「いやいや、人ごとじゃないよ!」
「そうは言っても私たちにできることはないですよ。」
「爆裂魔法はどうしたのだ?」
「へ?い、いやいや、その、私の爆裂魔法はですね、ワニごときに使うようなものではないのですよ?」
「いっつもはカエルやらに無駄にポンポン撃とうとするくせに…とにかく、俺たちは浄化が終わるかアクアがギブするまではここで待機するしかないんだ。ルミの弓で攻撃してもいいけど、こっちにヘイトが向いちゃったらアクアの引き上げに支障が出るかもしれないからな。」
「うう…ん…そっか…わかった。待ってる。」
『いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!助けて!助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』
……ティーバッグ作戦開始から四時間経過……
『ピュリフィケーション!ピュリフィケーション!ピュリフィケーショヒイイィィィィ!!!』
アクアは魔法も使って必死に水の浄化をしていた。時折、ブルータルアリゲーターが噛み付いた場所から鈍い音が聞こえる。
「カズマ、あれは本当に大丈夫そうなの?ストップかけなくて大丈夫なの…?」
「まあ、確かにやば気だよな。おーいアクアー!引き上げた方がいいかー?」
『嫌よ!こんなところで諦めたりしたら報酬があぁぁぁぁぁぁ!!?檻からなっちゃいけない音がしたんですけどおおおぉぉぉぉ!!!?』
「えっと…あの場合はどうしたらいいのかな?」
「…本人がああ言ってるんだからいいんじゃないか?」
「そ、そう?」
「…あの檻の中、ちょっとだけ楽しそうだなぁ…」
「…行くなよ?」
「くぅっ…あそこに爆裂魔法をブチ込めればどれだけ気持ちいいか…!」
「め、めぐみん⁉︎ダメだからね⁉︎あそこにはアクアもいるんだから!キャベツ狩りの時にダクネスはなんとか耐えれたらしいけど普通は大変なことになるから!」
……ティーバッグ作戦開始から七時間経過……
濁っていた湖は底が見えるほどに綺麗に浄化され、ブルータルアリゲーターたちも去っていった。しかし、アクアが檻から出てくる様子はない。
「おいアクアー、大丈夫かー?」
「ア、アクア?もう大丈夫だよ?浄化できたよ?」
「…………」
「おいアクア!」
「……グスっ…………ヒック…」
「そんなになるぐらいならとっとと諦めればよかっただろうに…」
「だっでぇ………」
「あ、あの、報酬はアクア一人で貰ってもいいからね?その、私たちは見てただけだし…み、みんな、それでいいよね?」
「そ、そうだな。」
「三十万エリスです、アクア。喜んでくださいよ。」
「…なぁ、いい加減檻から出てきたらどうだ?もうワニはいないから。」
「…………出たくない………このまま連れてって………」
「はぁ?」
「檻の外の世界…怖い……このまま街まで連れてって………」
「い、いや、でもー…ええ…?……どうしよカズマ?」
「もう危険はないんだから出てこいって。」
「嫌よ!外に出たらまた襲われるもの!ここが私の聖域よ!」
「…はぁ…テコでも動きそうにないな。仕方ないからこのまま運ぶぞ。」
「ドナドナドーナー…」
「おい、その歌詞はやめてくれ。」
○
「「でーがらしーめーがみーが運ばれてーくーよー…きーっとーこーのーまーまー…売られていーくーよー…」」
街についてもアクアは立ち直れず、まだ檻の中にこもっていた。ルミが檻の横に座って手を出すと、一応は怯えずに握ってきたので、引き上げた直後に比べれば幾分かはマシにはなっている。
「なぁ、街についたんだからいい加減その歌を歌うのはやめて出てきてくれ。ただでさえ最近俺の評判が悪いのに余計悪くなるだろ。もう安全な街の中なんだから出てこいって。ってかルミも一緒に歌うのはやめてくれよ…」
「…嫌よ…」
「一緒に歌ったら少しでも元気にならないかなって思ったんだけど…」
「私が今怖くないと思えるのはルミだけよ…」
『…女神様ぁ⁉︎』
この後どうするものかとカズマが考えていると、後ろから大声で近づいてくる人物がいた。
「女神様⁉︎女神様じゃないですか⁉︎何をしているのですかそんなところで!君、少し寄ってくれ!くっ、こんなもの…!」
「うわわっ!っと!」
少しルミに声をかけてからその男は檻を力任せに折り曲げた。荷台が揺れたので、ギリギリで座っていたルミは落ちはしなかったものの若干転びそうになりながら着地した。
「おい、私の仲間に馴れ馴れしく触るな。貴様何者だ。知り合いにしてはアクアはお前に反応していないが…」
男はダクネスの問いに答えず、見るからに仕方なさそうに首を振る。
「おいアクア。あれ、お前の知り合いじゃないのか?女神とか言ってるし。」
「…女神?」
「そうだよ。」
「……?………ああ、女神!そうよ女神よ私は!よっと!」
カズマにそう声をかけられてアクアは檻の中で立ち上がり、さっき男が曲げたところから出てきた。
(…あれ?…カズマ、アクア自分のこと女神だって忘れてたんじゃ…)
(…俺にもそう見える…初期知力3だったか8だったかだったしな…)
(3って………)
「…あんた誰?」
「僕です!御剣響夜です!あなたにこの魔剣グラムを授けられて転生した御剣響夜ですよ!」
「…え?」
「へ?」
「………あー!そんな人もいたような気がするわね!いやー、ごめんね!結構な数の人を送ってたから覚えてなくってもしょーがないわよねぇ!」
カズマにアクア、そしてミツルギと名乗った三人が話している間、ルミはその後ろにいるめぐみんとダクネスの近くにいた。
「…あれ?めぐみん?何言ってるの?…んー?」
「……より黒く………漆黒……」
「ちょ、ダメだよ!こんなところでそれしたら大変なことになっちゃうよ⁉︎」
「だがめぐみんの気持ちもわかるというものだ。私もあの男は生理的に無理だ。」
「ルミ、何故止めるのです。私はあのエリート顔に爆裂魔法をぶち込まないと気が済みません。」
「ダメだってば!」
「ちょ、ちょっと、みんな、あの人怖いんですけど。超怖いんですけど…!ナルシスト入ってて話勝手に進めるし…」
「あ、アクア。カズマは?」
「そ、そうだわ。カズマさんがあの男に集られてるの。助けないと…何とかして助けないと…」
四人がカズマの方を見ると、まだミツルギと言い争っていた。というよりはミツルギが一方的にカズマに突っかかっていっているようだ。
「もう仲間たちもお前のパーティーは嫌だって言ってるだろ。今日はもう仕事は終わったんだ。通してくれ。」
「…確か、君は特典として女神様を選んだんだね?」
「そうだけど。」
「…なら、賭けをしよう。」
「はぁ?」
「それぞれの転生特典を賭けて勝負だよ。」
話がだんだん平和的ではない方に流れていっているようだ。
「マクラギだかって言う人、アクアを賭けろとか言ってますよ。道徳観どうなってるんですか。」
「アクアを物とでも思って…ルミ?」
「あ、あれ?…ル、ルミさん?ちょっと、槍なんて持ってどうしたの…?」
「…懲らしめてくるの。」
「ま、待てルミ!目が本気になっているぞ⁉︎」
「離して!離してダクネス!あいつ殺せない!」
「爆裂魔法を撃とうとしてた私が言うのもなんですけど殺すのはダメですって!捕まりますよ⁉︎」
「カズマを馬鹿にしてアクアを物扱いしたんだよ⁉︎あんな!あんなぁ!」
「ルミ、落ち着け。俺は大丈夫だ。」
「カズマ…!」
「勝負を受けるのか?」
「ああ、いいぜうおおぉぉぉ!」
「なっ⁉︎くっ!」
「スティール!」
応答とともに襲いかかってきたカズマにミユルギは怯み、隙ができてしまう。剣をすぐさま構え直すが、カズマは左手を突き出しスティールを使うと、その手からグラムは消滅し、カズマの手に現れた。
「なっ…⁉︎ぐあっ!!!」
「「キャー⁉︎キョウヤー⁉︎」」
「………気絶してるな。……ふっ、俺の勝ちだ……」
カズマはニツルギが気絶したのを確認して、無駄にイケボでそう宣言した。
「…ひ、卑怯者卑怯者ー!」
「そうよ!さっきの勝負なんて無効よ!グラムを返しなさいよ!それはキョウヤ専用なんだから!」
「そうなのか?」
「ほら、ルミの時も言ったでしょ?基本、転生特典は選んだ本人専用よ。まあ、せいぜい重くて切れ味がそこそこいい剣止まりじゃないかしら。」
「んー、まあいいか。賭けでもらった奴だし。恨みっこなしだってそいつに言っといてくれよー。」
「いや、その人が気に入らないとは私も思うけど、とりあえず返しといたほうがよくない?」
「そうは言ってもな、ルミ。返したところで俺にメリットもな………待てよ……ここで魔剣返しとけば借りができるんじゃ……それでもう突っかかってくんなって言うのも後々…………いや、だが売れば金に………」
「早く返しなさいよー!」
「…よし、決めた!やっぱこれはもらってく。」
「ちょ、あんたさっきから私たちの話聞きなさいよ⁉︎キョウヤの魔剣を返して!」
「………真の男女平等主義者な俺は、女の子相手にもドロップキックをくらわせられる公平な男…手加減してもらえると思うなよ?公衆の面前で俺のスティールが炸裂するぞ?」
「「「…うわぁ…」」」
「あれ?なんで引いてるの?カズマそんな酷いこと言った?」
「な、なんであの子は警戒心もなくあの男に近づけるの…?」
「…あ…ま、まさかこの男あんな小さな子に下着を履かないのが普通とかって教え込んでるんじゃ…」
「「………い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
カズマにとって致命的な勘違いをして、ミツルヒの仲間の女の子二人は逃げていった。
「……あ、あれ?なんでカズマが悪い感じに?ね、ねえみんな⁉︎どうしてカズマから離れてくの⁉︎」
「…き、気にするなルミ…ルミは…その、悪くないから………はぁ………とりあえず、今日は解散で…」
ミウルギとの遭遇で失うものは何もなかったが、カズマの心には大きな傷跡を残した。
「僕の名前は御剣響夜だ!何度言えば覚えてくれるんだ!」
…ミツルギキョウヤ?知らない子ですね。
ルミはまだ小さいので感情に従って行動しようとすることも多いです。
うたわれるもの用語
毒…まだこの作品では武器としては使ったことはない、偽りの仮面主人公のハクの武器である鉄扇には小さな溝があり、そこに毒を流し込んで殺傷能力を高めている。技にも反映されているものがある。
槍…モデルはアトゥイが持ってる槍。ちゃんと折りたたみ式。持ってると戦闘狂になるとかはない。