爆豪勝己に成ってたんだが以下略   作:大仙

5 / 12
ヒロバトでかっちゃんにフラれる日々。

アニメが待ち遠し過ぎる。
遅くなり申し訳ない。評価、コメントありがとうございます。


隠すの上手くないですか?

  あの子供と出会ったのは、全くの偶然だった。

 

 

 

 

 

  その日俺は珍しく表に出ていた。それもこれも、偶には外出したらどうか、という仲間の提案から便乗を重ねられ無理矢理外に出された様なもんだったが。

 

  流石に白昼堂々バカな奴等の顔を拝みながら道を歩けはしないので、日が沈み暗くなってきてから人気のない場所へと放り出された。

 

 

 

  面倒でしょうがないが黒のフードを深く被って月光の下、林道を歩く。別に何をするわけでもないというのに何故外に出なければならないのか。計画の一部、ならば渋々納得はしそうなものだが今回は只悪ノリをかまされただけな気がする。

 

 

 

  ────ぁあくそっ、忌々しい。

 

 

 

  苛立ちのままに首を掻くと力が入りすぎたのかガリリ、と皮膚に爪が食い込む。

 

  瞬間、視界の端に、薄香色が通り過ぎた。

 

 

 

 

 

  ────こんなトコロに人が居んのか。

 

 

 

  すぐ林で見えなくなったそれを、好奇心に駆られて追い掛けるように草木を掻き分ける。

 

 

 

  見失ってしまうかとも思ったが案外その色の持ち主は少し進んだ場所で立ち止まっていた。

 

  此方に背を向けるようにして立つその背丈からして、少年くらいか。四方に跳ねた活発そうな髪の毛は薄香色で、先見えたのはこれだったのかと妙に残念がっている自分がいることに気がついたが、些細なことだったので頭の隅へと追いやる。

 

 

 

  少年が佇んでいたのは、雑木林から少し進んだ場所にある小高い丘だった。走ってきたのかその肩は激しく上下に揺れている。俺は、その少年から何故だか目を離せなかった。なにもない筈だ。たかが五月蝿そうなガキに、何で俺はこんなに興味を惹かれてるんだ?初対面だ。それは間違いなかった。何故なら、こんな異質な奴、一度会ったら忘れられそうにない。

 

 

 

  それほどまでに、その少年から感じる雰囲気には違和感があった。まるで熟練の戦士の様な雰囲気のくせに、外見は中学生にも満たない。

 

 

 

 

 

  ─────異常だ、異質だ。

 

 

 

 

 

  ─────あいつは、俺と同じだ。

 

 

 

  それは、ほの暗い歓喜。

 

 

 

 

 

  少年は何を思ったのか、ひらりとその身を前後左右に、踊るように、舞うように動き始めた。

 

 一瞬気付かれて、個性発動かと思って身構えたがどうも違うようだ。

 

  少年は楽しそうに、愉しそうに舞う。ちらと見えた緋い瞳は、何処かぼんやりと虚空を見詰めながら。

 

 知らずのうちに緊張していたのか、口内はカラカラで薄縹色に染まった前髪から食い入るように目が離せなかった。

 

 

 

  その内ピタ、と静止したその少年は、次の瞬間掌を前に翳すとその状態のままにゆっくり、ゆっくりと地面に向かって下ろしていく。

 

 

 

 

 

  ─────なにか、不味い。

 

  けれど、それ以上にこれから何を起こすのかという好奇心が勝った。

 

  少年が掌を地面に向ける。息を吸う。掌が光る。

 

 

 

 

 

  ────瞬間。大轟音が辺りに響いた。

 

 

 

  呆然とそれを見た。爆発だ。C4以上の爆発だった。土埃が辺りに舞って視界が霞む中で風が吹いた。流れる風に連れて土埃は晴れていった。

 

 

 

  少年(バケモノ)は、そこに、変わらずそこに立っていた。

 

  未だ立ち上がる爆炎と煙霧を見上げながら、少年(バケモノ)は愉しそうに、薄く口の端を上げて、()()()()()

 

 

 

  ──────いいな、あいつ。

 

 

 

  興味が湧いた。あの、何処か歪な少年に。

 

  帰ったら黒霧に話して、いや、"あの人"にも話してみようか。きっと二人とも興味が湧くに違いない。……いややっぱり黒霧はどうだろう。まぁいい。先ずはあの子供のことを調べてみるとするか。

 

 

 

  あの少年のことを調べても何ら可笑しなことはない、ということなんてない筈だ。あんなに歪な(可笑しい)んだから。

 

  将来、あの少年を仲間にするのも良いかもしれない。今から、というのも手だがそれだと少々手間がかかりすぎるだろう。なら、将来あの少年は此方(ヴィラン)側に来るか賭けてみるのもいい。ゲームは好きだ。きっと楽しめる。もしあの少年が彼方(ヒーロー)側だとしてもそれはそれで楽しめそうだ。完膚なきまでに叩き潰して、再教育してやるのもいいだろう。

 

 

 

  爆炎に照らされたかの様な緋い月を見上げながら、俺は踵を返してその場を後にした。込み上げてくる嗤いを隠しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




かっちゃん主「ふぇっくしっ(………なんだ?誰か僕の噂でもしてんのかなぁ。悪口じゃないといいけど)」

盛大な勘違い。
書いてみたら立派な変態ペド野郎の思考みたくなってしまったけど純粋な悪への勧誘、悪の素質に目を付けただけ。でもおまわりさん此方です、な展開には違いないネ!



▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。