ケロちゃんのヒーローアカデミア!   作:諏訪子大好き

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修正

 

 

 

 朝、目覚めると何故か家にいた。隣にはお姉ちゃんが一緒になって眠っている。ん~昨日は確か体力テストを受けて、気を失って、入学式を受けてそれから家族と宴会……お酒は飲んでないからパーティーして眠ったんだ。それで、諏訪子様達とあって……宴会をした。うん、問題ないね。

 

「ケロちゃん、冬眠からの目覚め~」

 

 お姉ちゃんの横から抜け出して、蛙の着ぐるみから着替える。着ぐるみを脱いで下着から身に着けていく。着ぐるみの中には何も着ていないの。

 

「ん?」

 

 私とお姉ちゃんの勉強机の上に何かの袋があった。一つはお母さんとおばあちゃんからの入学祝いで筆記用具や携帯電話などがあった。お姉ちゃんのものちゃんとある。でも、私の机の上にはもう一つ大きな包みがあった。

 

「?」

 

 とりあえず、包みをあけてみるとそこには……巫女服と私の普段着である諏訪子様と同じ服が入っていた。それに手紙もあった。読んでみる。

 

『この手紙を読んでいるということは無事に届いたようですね。流石は紫さんです。その服は私と諏訪子様で作りました。ヒーローコスチュームとして使ってください。たっぷりと加護が与えられているので、耐人耐寒耐熱までなんでもござれです。着ているだけで幸運も舞い込みますので是非着てくださいね。とくに巫女服を。あなたのお姉ちゃんより』

 

 すごいのってことはわかった。神具だろうしね。でも、一つわからないのは()()? 人に対する耐性ってことだよね? もしかして、人型から受けるダメージが減るとか? そんなわけないか。

 

「どっち着よ?」

 

 早苗からしたら巫女服を着ろってことなんだよね。でも、巫女服よりやっぱりこっちだよね。というわけで、ケロちゃんの装備を着ることにする。今日はヒーロー基礎学の授業があるから、コスチュームは多分いるだろうから持っていく。あ、でも今からやるには巫女服の方がいいし、そっちに着替えて下に降りる。

 

 

 朝の3時では誰も起きていない。なので、起こさないように足音や気配を消して行動する。外に出て冷水を浴びながら祈って禊を行う。

 禊が終わったら着替えてから冷蔵庫を開けて中身を確認。卵やベーコン、野菜を取り出して料理を始める。今日の朝食は煮物と鮭の塩焼き、目玉焼きとベーコン。それにサラダ。あとはお味噌汁と海苔、野菜ジュースだよ。ちなみ野菜は足りなかったので、増やした。後はお弁当も作る。家族みんなの分も。

 

「よし、完成」

 

 作り終えたのは朝の4時。洩矢のお米も炊き上がっている。神棚にお供えしてお祈りしてから料理を並べていると、お母さんが起きてきた。お母さんはいつも早くに起きてきてくれる。

 

「おはよう、諏訪子。今日も早いのね。お母さんも早く起きようとしたんだけど……」

「お母さんは寝ていていいよ? 私に合わせなくても……」

「駄目よ! 絶対に駄目!」

 

 お母さんが私を抱きしめてくれる。

 

「何もできなかったお母さんだけど、せめてできるかぎりは一緒に居たいの」

「あーうー……わかったよ~一緒に食べよ」

「ええ」

 

 お母さんと食事を終えたら、見送ってもらいながら出かける。お姉ちゃんは5時か6時に起きるので一人だ。といっても、寝る前にしっかりと私と訓練しているので仕方ない。そもそも身体が根本的に違うのだから、仕方ない。私はほとんど睡眠を必要としていないしね。

 

 

 

 

 さて、今日もやってきました多古場海浜公園。日に日にここに来るまでにかかる時間が短くなっている。もちろん、"個性"を使わずにね。だんだんと身体が馴染んできているから、身体能力が上がってきている。

 

「おはよう」

「早いね。まだ六時だよ」

「出久君もね」

 

 ジャージ姿の彼は既に修行を始めていた。

 

「あ、鉄の輪を頼める? いい重りがなくて……」

「いいよー。それとそろそろ海の中でやってみようか。肩が浸かるくらいで」

「オールマイトに怒られないかな?」

「大丈夫、大丈夫。いざとなれば私が助けてあげるから」

「それ、大丈夫とはいわない……でも、強くなるためにはしかたないか」

「そうそう」

 

 というわけで、一時間ちょっと海に入って修行する。正拳突きや蹴りを頑張る。それが終れば組手を行う。二人で互いに殴ったり蹴ったりするのが理想だけど、出久君は私に攻撃してこないので私が一方的に攻撃して捌く訓練になっている。

 

「相手が女の子や子供だからって、攻撃しないのは駄目だよ」

「そっ、それはわかっているんだけど……」

「それに私の身体は特別製だから壊れたり、怪我をしたりしないよ」

「で、でも……昨日は……」

「あれは私の"個性"が消されたせいだよ。だから、大丈夫だよ~」

「でも、ボクの"個性"が発動したら……」

「平気平気。だいたい、神様であるこの身体に何かできると思うとか、おこがましいよ」

「そっ、それは……」

「さあ、来い」

「でも~」

「ヘタレ」

「ぐっ」

「チキン」

「あがっ!?」

「そんなんでヒーローになれると思っているの!」

「あっ、ああ……ボクは、僕は……」

「ほら、頑張ってよ。オールマイトの後継者になるんでしょ!」

「そうだ……オールマイトの後継者に僕がなる! って、なんで知ってるの!?」

「かっ、神様だからだよ」

 

 そっぽを向いて口笛を吹く。

 

「あっ、そうだ。出久君が私に有効打を入れたら、黙っててあげてもいいよ。でも、無理だろうし……あ、なんならご褒美をあげてもいいよ。そうだね~なんでも一つだけ言う事をきいてあげる。エッチなことでも」

 

 耳元で囁いてあげると、顔を真っ赤にして鼻血をだした。何を想像したのかな~?

 

「ななななな」

「あはははは、冗談だよ。諏訪子ちゃんはそんな安い女の子じゃないよ~。むしろ、超高級品だよ。なにせ、この身は神様への供物であり、依代であるんだから~」

「そっ、それは……」

 

 くるくるとまわりながら、言ってあげる。

 

「って、オールマイトの秘密を知ってるの!?」

「うん、知ってるよー。それが何かは教えてあげない。私に一撃を入れるまでは……」

「わかった。やってみるよ」

「おいで」

 

 やっとやる気になった出久君相手に組手を行う。素早い突きをはたき落とし、カウンターをいれようとすると蹴りが飛んでくる。腕でガードして、身体を回転させて蹴りを放つ。

 

「あっ」

「?」

 

 何故か意識をそらした出久君はそのまま吹き飛んだ。

 

「どうしたの?」

「そっ、それはその……スカートで蹴りはどうかと……」

「っ!?」

 

 言われた言葉を理解した瞬間。顔が赤くなる。帽子を深く被って顔を隠して見えなくしてしまう。

 

「あーうー。これは私が悪いね。時間もあれだし、今日はここまでにしよう」

「そ、そうだね。そろそろ学校に行かないといけない時間だし!」

「それと、その……忘れてね」

「う、うん」

 

 絶対に忘れてないと思う。おのれ、祟ってやろうか。

 

「っ!? 悪寒が……」

 

 まあ、私のせいだからそんなことはしないけど。

 

 

 

 

 

 二人で雄英に途中まで向かう。駅の近くでお姉ちゃんと合流して一緒に向かう。そのまま三人でたわいない会話をしながら、教室に入ると一気に視線が集まってきた。

 それもほとんどが恐怖や畏怖といった感情。なかにはあからさまに机の下に隠れている変な髪形のチビッ子もいる。でも、これは仕方ないよね。祟り神にあったんだから。

 

「諏訪子、大丈夫?」

「へいきへっちゃらだよ~だって、有象無象なんて神の依代であるこの私が気にするはずもないし」

「「なっ!?」」

「私が気にするのは家族と神様達と、出久君。後はとくにいないかな。それ以外はどうでもいいんだよ」

 

 オールマイトは出久君を育ててくれないと困るけれど、他の有象無象は気にしない。信仰してくれるなら別だけどね。

 

「なんという傲慢さだ! 君はそれでもヒーローを目指しているのか!」

「ん~ヒーローか。そうだね。オールマイトみたいなのは目指しているかな。他のその他大勢はぶっちゃけてどうでもいいよ」

「なっ!? 偉大な先輩方を……」

「んなことはどうでもいい! なんで出久が有象無象じゃなくて俺が有象無象なんだ!」

「? だって、出久君は私と同じで、"無個性"だったもん。彼は"個性"の発現が遅かっただけかもしれないけど、それまでは私とおんなじで"個性"を持つ人たちにひどい目にあわされてた。だから、特別。わかった?」

「てめぇっ」

「待って諏訪子ちゃんも"個性"は後から発現したの?」

「違うよ? 私は今も"無個性"のままだし」

 

 どちらかというと、私は今も"無個性″。だって、これは借り物の力だしね。

 

「君は強力な"個性"を持っているじゃないか!」

「私の力は神様から借りている力だよ。だから、私自身の力じゃない」

「神様なんているはずが……」

「それに……」

「いるよ。昨日、あったよね。あの人が私の神様。私が信仰し、生贄として身体を捧げたの。気まぐれで神様は私の願いを叶えてくれるといった。私は神様と同化することを願って、力を手に入れた。もっとも、私が私でいられる時間制限はあるから、皆は気にしなくていいよ。多分、来年には私は消えて神様がでてくるだろうし」

「諏訪子、そこまで聞いてないわよ」

「ん~だって、お姉ちゃんには悪いけれどこれは私が選んだことだから、仕方のないことなんだよ」

 

 笑いながら、くるくると回る。皆が恐怖に震えたり、理解できないといった表情をしている。

 

「私が……普通にドアから来た! って、なんだい、この空気は?」

「ケロケロ。私が冗談半分の事実をいっただけだよ」

「あいた!?」

 

 でも、お姉ちゃんに頭を叩かれた。お姉ちゃんはお冠のようです。

 

「なんだ、冗談か」

「だよね……でも、できそうな気がしたのが怖い」

「いや、冗談半分って半分は事実なんじゃ……」

「さて、何処からが本当で何処からが冗談だろうね! 正解は一年後! 乞うご期待ってね!」

「はい、席についてね。授業時間がおしているからね。まず、今日は戦闘訓練を行う。だから、訓練所に移動してもらう。だが、その前にこれに着替えて貰おう。そう、ヒーローにとって大事なコスチュームだ!」

 

 壁の一部が出てきて、コスチュームが入ったケースが沢山置かれている。私の番号もある。中をみると、空っぽ。まあ、事前に雄英と契約しているサポート会社に送っておかないといけないしね。だから、出していない私のはない。自前で持ってきているし。

 

 

 

 東方の諏訪子様と同じ格好になった私。それ以外の人はなんていうかコスプレ集団? ちょっと凄い格好になっている。そんな私達はオールマイトの説明を聞いていく。

 

「ヒーローとヴィランに別れて、ヴィランが所持している核兵器を奪取してもらう。核兵器はビルの中にあるから、それに触れたらヒーローの勝ちだ。他にも捕獲テープを巻けばオッケー。これはヴィランも同じだ。ヴィランの勝利条件は他には一定時間核兵器を守ることだ」

 

 皆が色々と質問していくので、オールマイトがカンペを使いながら説明していく。

 

「せんせー19人なんで、わりきれないよー私は別に一人でもいいけど」

「そうだね。19人だから、何処かで1人チームになってもらう。そうだね、お望み通り諏訪子君が一人でやってみようか」

「やった」

「必要ないかもしれないけど、頑張ってね」

「うん。妹に任せてよ!」

 

 ここはうろ覚えの原作通り。私が外れただけ。

 

「まずはAチームとDチームだ」

「出久君、一緒に頑張ろう!」

「う、うん。こちらこそ……」

 

 さて、二人の戦いは……原作通りになった。何故って? それは鉄の輪を取り忘れたからだよ! ハンディキャップ戦だよ、ケロケロ! まあ、"個性"を使ったけど、腕は壊れずに指だけ壊れた。成長しているね。

 そんなこんなで私の番がやってきた。私はヴィラン側で、ヒーローが二人。うん、ナイスシチュエーション。

 

 

 ビルに移った諏訪子ちゃんは派手にいっちゃうよ。だって、ヴィランだし遊んでもいいよね。

 

『では、スタートだ』

「けろけろけろ。神遊びのはじまりはじまり~」

 

 まずやることは急いで窓によって外をみる。するとヒーローさん、Bチームが中に入ってこようとしている。

 

「開宴するよ~二拝二拍一拝」

「「!?」」

 

 二人は慌てて上をみる。私は窓から身を乗り出しながら宣言する。ビルの四方を囲むようにレーザーを発射し、ついでに大玉を落として爆発させて礫を放つ。二人は慌てて下がって逃げる。ビルの周りはクレーターだらけとなっちゃった。

 

『諏訪子君、やりすぎだ!』

「大丈夫、大丈夫、あたっても痛いだけで死なないから。それにこれは時間稼ぎ」

「しまった! 乗り込め!」

「遅いよ~。天地開闢の調べをここに」

 

 ビルが土の壁に覆われ、その土から無数の植物が生えてくる。内部構造を徹底的に改造してダンジョンを作る。配置するモンスターはミシャグジさま大中小。あと、植物の達。準備が完成したので、入口に鳥居を設置する。

 

「さあさあ、ヒーローさん達。私が作った諏訪迷宮にようこそ。歓迎するよ! でも、ここは私の領域だから、気を付けてね。さもないと、祟られるよ」

「ふん、いくぞ」

「ああ」

 

 二人が中に入ってきたので、テーブルを作ってその上に茶葉と木のコップを作って緑茶を入れつつ、木の実をかじる。

 

『諏訪子君、授業中なんだけどね』

「えー私がやることは終わったよ」

 

 少しすると冷気が漂ってきた。氷をメインに使っているようなので、氷に強いものを用意する。トレント相手に頑張って倒してきている。けど……って、肝心なことを忘れていたよ。

 

「テステス。轟君、聞こえる? 火は絶対に使わないでね。私、それにトラウマがあって、パニックちゃって本気で殺しにいっちゃうかも知れないから。後、酸素濃度をあげておくから、使ったら死ぬから気を付けるように~」

 

 これでよし。酸素濃度をあげおけば使うことはないよね。

 

『諏訪子君、まじかい?』

「まじだよ。だから、小さな火は大丈夫だけど、5センチを超えると無理。それ以上だと完全に大暴れだよ」

『了解した。それまでに止めるとしよう』

「お願いします」

 

 お腹も膨れたので、土を作ってコネコネして諏訪子ちゃん像を作っていっぱい放つ。あと、回りの温度も全体的にあげておいた。ゆっくりと待っていると、終了2分前で轟君がやってきた。とても疲れている。

 

「ふふふ、ヒーローさんよく来たね。ここが玉座の間であり、神様が御座す場所だよ」

「核はどこだ」

「核? 核なら目の前にあるよ」

 

 多きな木が動いて、その身体の中をみせる。そこにはハリボテの核が置いてある。

 

「さあ、欲しければ私を倒してみせるがいい」

「望むところだ」

 

 駆け寄ってくる轟君に鉄の輪を大量に呼び出してプレゼントする。さらにたくさんの花を作って、種をマシンガンのように発射させる。轟君は忠告通りに氷だけで戦ってくれる。

 

「ははは、楽しいね」

「そうでもない」

 

 無数の氷をステップで避ける。諏訪子様の弾幕と比べたら児戯に等しいからね。逆にこちらが弾幕をプレゼントするとそれの処理にいっぱいいっぱいになる。

 

「これでタイムアップ……」

「いや、俺達の勝ちだ」

「んにゃ?」

 

 窓ガラスが割られて中に障子君が入ってきて、核に手を触れる。

 

「これで俺達の勝ちだ」

「外から登るのは苦労したぞ」

「いいや、まだだよ」

「なに?」

「こういうこともヴィランならするよ!」

 

 私は懐から取り出したスイッチを押す。すると核が破裂して無数の弦が障子君を拘束して首をしめる。

 

「馬鹿な……」

「私が言ったのは核なら目の前にあるといっただけで、これが核なんて一言もいってないよ」

「くっ……」

「さて、これで人質は手に入れた。大人しく降伏してくれる?」

「それは……」

「私に構うな」

「そう。じゃあ、食べちゃえ」

「「え!?」」

 

 核に擬態していた巨大な花が口をあけて、彼を飲み込んでいく。

 

「人質に価値がないのなら、処分するのは当然だよ。あと、こういうのもある。自爆スイッチ~このビルを倒壊させます。てなわけで、アデュー!」

「まっ!」

 

 私は壁を崩して窓から飛び出すと同時に空を飛んで屋上の上へと到着する。そこには更に大きな大樹があり、核の実がなっている。核の実をもぎるとあら不思議。地震だよ!

 

『諏訪子君、本当に倒壊させたりしないよね?』

「ビルは倒壊するけど安全は保証しているよ。それにヴィランが脱出方法を考えていないはずないじゃん。ということで、核を持って私は逃げる!」

『あ、そこから逃げるのはなしだよ』

「ぶーぶー」

 

 しかたないので崩壊するビルを屋上でみている。

 

『タイムアップだ。勝利はKチーム……いや、諏訪子君だ。轟君達は無事かね?』

「無事だよ」

 

 倒壊したビルから花が出て来て、蕾が開いて二人がでてくる。

 

「だいじょ~ぶ?」

「ああ、なんとかな」

「勉強になった」

「相手の言葉を信じたら駄目だよ。フェイクなんていっぱい作れるし、ヴィランなら自爆特攻くらいはしてくるよ。後はそうだね……相手の思惑通りに進ませたら駄目ってことかな。ちなみになんの障害物もなく、一直線で核までいける楽ちんルートも用意してあったんだよ」

「なんだと」

「本当かよ」

「うん。言ったよね。神様の領域だって。開演・二拝二拍一拝だって。それに鳥居もちゃんと用意してあるし。つまり、ちゃんと礼節に則っていたら、苦労せずに勝利できました~」

 

 あっ、二人が項垂れた。どれが真実で、どれが嘘か。しっかりと判断しないと痛い目をみるってことだよね。

 っと、空を飛んで沢山の木の実を収穫。轟君達にも配って皆のところに戻る。

 

「諏訪子、やりすぎよ」

 

 皆がかなり引いている。でも、気にしないよ。だって、気にする必要もないから。

 

「え~そうかな~? 祟ってないだけまだ甘々だよ? 本気の諏訪子ちゃんなら、中にすら入らせないもん」

「さて諏訪子君はやりすぎだが、彼女が言っていたことは事実だ。自爆はともかく、フェイクや逃げる用意をしているなど基本中の基本。しっかりと覚えておくように。情報の選択によっては今回のようなことが起こるからね。では、次、行ってみよう!」

 

 お姉ちゃんの相手は透明の人と空手っぽい人。でも、二人共相手になっていなかった。お姉ちゃんが狭い中を高速移動して、気化させた麻痺毒をばら撒いてさっさと捕まえてしまった。

 

 

 

 

「けっろ、けろけろ、蛙の子。諏訪の国からやあてきた~」

「やめなさい」

「は~い」

「でも、ご機嫌ね」

「うん。だって、久しぶりに"個性"を思いっきり使って遊べたからね」

「そうね。私も思ったより、強くなっていたわ」

「弾幕ゲーム、一緒にやってるからね」

「確かにそれで回避技術と高速移動、それに命中精度もあがっているわ」

「今日もやろうね」

「ええ。でも、緑谷君だったかしら。あの子の"個性"、オールマイトに似ているわね」

「だよね。これからが楽しみだよ」

「ねえ、どこまでが事実なの?」

「少なくとも、私に残された時間が少ないというのは事実だよ」

「そう……」

「でも、大丈夫。私が私になるだけだからね」

「……そう、ね……」

 

 

 

 

 

 


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