ケロちゃんのヒーローアカデミア! 作:諏訪子大好き
警察署などでのやっかいごとを終え、試験勉強をすることになったよ。これでまた睡眠時間がなくなるけど、大丈夫。毎日ノルマとして10冊以上の参考書をこなして、禊とお祈りをこなしていく。
学校にいっておらず、睡眠時間が短くても問題ないからこそできる手段。といっても、流石に冬眠みたいに一気に寝る必要はあるのだけど。
そんな生活を半年間行って、まるでパチュリーのように本を読んで勉強した。もともと高校生卒業程度の知識はあるので、法律や社会などを覚えるだけでよかった。
という訳で、諏訪大社で御守りを買ってお祈りしてから雄英へと向かう。校門の前でお姉ちゃんを待っていると、大勢の受験者が門を潜って入っていく。その中で緑色の髪の男の子、主人公の緑谷出久がこけそうになって、女の子麗日お茶子に助けられていた。
「諏訪子、待たせちゃったようね」
「そんなことないよ。それより調子はどうなの?」
「問題ないわ。諏訪子は?」
「私も大丈夫だと思うよ」
「そう。お互い、頑張りましょう」
「うん。受かってるといいね~」
「ええ」
二人で手を繋いで一緒に歩いていく。会場に入り、席についていると変な髪形のボイスヒーロー、プレゼント・マイクさん。
「受験生のリスナー。今日は俺のライブにようこそ!」
「けろけろ、誰もライブになんかきてないよねー」
「しっ。いっちゃ駄目よ」
「こいつはしびぃー。なら、受験生のリスナーにさくっと実技試験についてプレゼンするぜ。アーユレディー!」
「ゴーッ!」
私が叫ぶと、一斉に皆がこちらをみた。それをケラケラと笑いながら、お腹を押さえる。
「諏訪子、真面目にしなさい」
「だって、可愛そうなんだもん」
「ああ、そっちなのね」
「だって滑稽で哀れだよ?」
「そうね。時と場所を考えなさいとは思うわ」
なんか、マイクが微妙な表情をしたけど諏訪子ちゃんは気にしない。諏訪子様に面白い映像をみせないといけないし。
「こほん。各自、プレゼン後は渡されている受験票に書かれている実技試験の会場に向かってくれよな。OK?」
受験票をみると、お姉ちゃんと番号は違うし会場も違った。
「どうやら、兄妹も離したようね。おそらく、同じ学校も離したのでしょうね」
「完全な個人戦だね。楽しみだね~」
「私はあまり、戦闘が得意じゃないのだけれど」
「そう? なんならミシャグジさまをつけてあげようか?」
「いらないわ。それは私の力じゃないから」
「そっかー残念~」
「会場には仮想ヴィランを配置してある。それぞれ1ポイントから3ポイントまでのヴィランで、倒すごとに得点が入る仕組みだ」
簡単にいえば、この試験は仮想ヴィランを倒せばいいんだね。後は他人への攻撃は原点なんだ。残念だね。さて眼鏡君が質問しているけど、正直どうでもいいかな。0ポイントなら相手をする必要もないかも。
「諏訪子、気付いている?」
「なにが~?」
「この試験の意味よ。これ、ポイントだけじゃないわね。おそらく、人助けもポイントになるわよ」
「ああ、レスキューヒーローがいるんだから、当然だよね。そういう人もいるんだから」
「ええ、そうよ。私はそっちをメインに目指すわ。諏訪子はどうするの?」
「じゃあ、私は気分次第かな?」
「そう。くれぐれも油断しないようにね。あなたの"個性"は……」
「わかってるよー」
「ならいいわ。お互いに頑張りましょう」
「うん。またねー」
お姉ちゃんと別れてバスで移動する。私の参加場所はA会場。という訳で、扉の前で皆が集まっている。誰がいるかを確認すると、嫌いな人がいた。
ツンツン頭の嫌な奴。爆轟ってやつ。こいつの"個性"ってハンターハンターのリトルフラワーの人を思い出すし、性格もやだー。
とりあえず、試験の前にお祈りをしようかな。両手を重ねて諏訪子様にお祈りをしていく。
お祈りをしていると、扉が開いていく。だから、私は速攻で走って大きな門の上に飛び乗る。
「うぉ!? 抜け駆けか!」
「やろう!」
門の上には監視のヒーローがいる。そこには宇宙服を着た13号先生がいた。
「実戦にスタートの合図はありませんよ」
私は先生の横に座って、見学する。
「おや、いかないのですか? 時間はあまりありませんよ」
「うん。だって、呼び出すのに時間がかかるからね~。それに他の人を巻き込んだら駄目なんだよね」
「ええ、そうですね」
「それより、ブラックホールの"個性"をみせてほしいな~なんて」
「駄目です。今は試験中です」
「残念だね~」
街中の至るところで爆発がおき、爆弾魔君が暴れている。
「ところで、残り時間は?」
「残り六分ですね」
「じゃあ、もういいかな」
門の上から立ち上がって、くるりと両手をひろげて回る。
「今からでは間に合いませんよ?」
「一人ならね。おいで、ミシャグジさま。攻撃されていないヴィランを祟り、負傷者を救助して」
複数のビルを分解して大量のミシャグジさまを呼び出す代償にしていく。
「白い石の蛇ですか……演習場全体に出現とは……ためていた理由はこれですか」
「そう。纏めて一掃だよ」
この子達は私の分体でもあるけれど、一応"個性"で生み出しているので違反はないよね?
「他の受験生に時間を与えていたのは他の人にもポイントをあげる為ですか」
「否定はしないよ。っと、私もいくね。じゃあね、先生」
「ええ、いってらっしゃい」
門から飛び降りてビルからビルへと飛び移って移動する。奥の方にいくとミシャグジさま達が機械ヴィランに絡みついたり、噛み付いて倒している。私はギミックである巨大なヴィランを探す。
「てめぇっ!? その蛇の親玉か! よくも俺様の獲物をとりやがったな!」
「え~知らないよ~。攻撃しているのは除外しているから、早く倒さないほうがわるいんだよ~ケロケロ~」
「ふざけんな餓鬼が!」
「餓鬼って、同い年なんだけど」
「ちんちくりんがなにを言ってやがる!」
「決めた。天罰を下してあげる」
「はっ、やれるもんなら……」
「と、思ったけど後まわしでいいかな。雑魚の相手はしてられないし」
「なんだと!?」
目的ははなっから、0ポイントのヴィランだしこんなことで天罰なんて流石に諏訪子様としては駄目だよね。ミシャグジさまから連絡がきたので、そちらへ急行する。巨大ヴィランに襲われている人の間に入って、ヴィランの腕を作った鉄の輪で受け止める。
「神具・洩矢の鉄の輪」
無数の赤く高速回転する輪が生成されて、巨大ヴィランの腕を輪投げやフラフープみたいに投げて輪切りにしていく。
「お兄さん達、大丈夫かな?」
「ありがとう」
「助かったよ、お嬢ちゃん」
「試験頑張ってね~」
0ポイントは倒したので、後は災害救助でもして時間を潰そう。どうせ敵は全滅だろうしね。