ケロちゃんのヒーローアカデミア! 作:諏訪子大好き
「あーうー」
縁側に座り、足をブラブラさせながら色々と考える。問題が発生した。それも大きな問題なんだよね。
「まっ、どうでもいっか! 楽しければいいんだしね!」
よっと、縁側から飛び降りて両手をぐーぱーぐーぱーして、確かめる。あちらの
「よし、決めた! めいいっぱい遊ぼう!」
「随分と楽しそうじゃないか。何をして遊ぶの?」
「あ、萃香じゃない。どうしたの?」
「久しぶりにアンタと戦おうと思っただけ。天界も飽きてきたしね」
「じゃあ、久しぶりに遊ぼうか」
「お、乗り気だね」
両手に鉄の輪を呼び出すと、萃香が構える。互いに神気と妖気を解放して対峙する。
「前よりも元気いっぱいじゃないか」
「いいの、
「そうかそうか。じゃあ、いっちょやるか」
「スペルカード? それとも、ガチの殴り合い~?」
「もちろん、殴り合いで……」
「やめてください。洩矢神社を崩壊させるつもりですか!」
私達の間に早苗が入ってきて、とめてきた。あ~普通なら止まるんだけど、萃香が相手だと逆効果だよ?
「人間風情が鬼の喧嘩に割り込むとは、いい度胸じゃないか」
「駄目なものは駄目です。やるなら別のところでやってください。まあ、その場合は用意したとっておきのお酒を料理に使いますが」
「駄目~! 萃香っ、とりあえず遊びは後回し!」
「くっ、喧嘩は止めだ。まずは酒!」
「では、二名様ご案内です」
神社の中で早苗が用意したお酒を飲みつつ、萃香と色々と話していく。
「そういえば、力が増えているようだけど、どうしたの?」
「ん~信仰を集めているだけだよ」
「ほほう。まあ、飲め飲め。鬼の酒だ。極上だよ」
「おっとと」
杯に酒を注いでもらい、それを飲んでいく。相変わらず美味いね。
「で、面白いことをなんかやってんだろ? 私も混ぜてよ」
「え~」
「退屈そうにしていた諏訪子が、楽しそうにしているんだ。どうせ奇跡でも使ってなんかやってんだろ?」
今、萃香まで入ってくると非常に困るんだよね。今は見逃してもらっているけれど、覗き見賢者が境界を弄って繋がりを消してきたらまだ、私との融合は完全じゃないあの子が死んじゃう。
もう少し、時間を稼がないといけない。せめて、あちらの私が洩矢神として活動できるくらいまでは安定させないと。契約不履行なんて、神様として認められないよ。そうなると、力をもっと使わせるのがいい。
でも、相手になるのはオールマイトとかいうのくらい? 彼は弱ってる。治してあげてもいいけど、またそこまでの力はだせない。
「諏訪子?」
「ふふふ、いいのがいるじゃない。ねえ、暇なんだよね? 退屈なんだよね? 刺激を求めているんだよね?」
「そうだけど」
「混ぜろっていったよね。いいよ、混ぜてあげる♪」
笑いながら、萃香の手をとる。獅子は我が子を谷に突き落とすというし、神様である私は我が子や人に試練を与えよう。人類が超えるべき
「っ!?」
嫌な予感がして、飛び起きる。
「あら、起きた?」
「ん~お姉ちゃん~」
周りをみると、バスの中でお姉ちゃんにもたれかかって寝ていたみたい。そういえば、今はレスキュー訓練を受ける為にバスで移動中だったね。周りでは爆豪君が騒いでる。
「もうすぐ着くぞ。いい加減にしとけ」
「「「は~い」」」
ドームの前には13号先生が待っていた。私達は先生の案内に従って中に入る。そこはまるでUSJで、テーマパークみたい。まあ、名前もUSJなんだけどね。というか、ここが私が知っている原作の終わりなんだよね。
まあ、知らない事件も報道されているんだけど。近くの街でヒーロー事務所が襲われて、ヒーローが倒されたりする事件とか物騒なものが多い。
「さて、始める前にお小言を一つ二つ三つ……」
13号先生の先生の話が始まると、麗日さんが物凄く頷いている。
「私の力はブラックホール。なんでも吸い込んで塵にする力です」
「それで災害救助をしているんだ……ですよね」
「はい。ですが、この力は使い方を間違えれば簡単に人を殺せる力です。それは皆さんも変わりません。超人社会ではそれぞれが強い力を持っています。資格制度にして"個性"を制限していますが、それも完全ではありません。ここで皆には自分の"個性"が人を守る力になるということを学んでいただきます」
13号先生の話の間、私はストレッチを行う。やってくるのはわかっている。なら、叩き潰すだけ。
「よし」
「どうしたの?」
「お姉ちゃん、気を付けてね」
「?」
電球が壊れて光が消えていく瞬間、中心部に向かって私は走る。
「おい……ちっ、そういうことか! 13号、生徒を守れ!」
「先輩っ」
到着した私は先制攻撃として丁度、出て来た手をいっぱいつけた人をぶん殴る。
「こんにちは、そしてさようならだよ!」
「え?」
あたれば死ぬ拳が顔に命中する直前、何かが現れて私を蹴ってくる。その蹴りの威力はすさまじく、腕が折れて山のほうへと吹き飛ばされた。
「痛いな~」
立ち上がると山の斜面には大きなクレーターができていた。数百メートルは蹴り飛ばされたみたい。まったく、私の計画が台無しだよ。指揮官を潰して、脳無を動けなくしようとしたのに。あれも脳無なのかな? まあ、お姉ちゃんを助けにいくとしよう。そう思ったのだけれど、立ちくらみがして一瞬だけ視目の前が真っ暗になる。
「しかし、別世界というのも面白いもんだね。そうだろ、もう一人の諏訪子」
「っ!?」
視界が戻って声がした瞬間に腕をクロスさせて、飛んできた女の子の蹴りをガードする。今度は地面に引きずられた足の跡を残しながらだけれど、止まれた。
「そっちこそ、なんでここにいるのかな? 鬼がこんなところに来ていいと思っているの?」
相手の少女は薄い茶色のロングヘアーを先っぽのほうで一つにまとめている。真紅の瞳を持ち、その頭の左右から身長と不釣り合いに長くねじれた角が二本生えている。服装は白のノースリーブに紫のロングスカートで、頭に赤の大きなリボンをつけ、左の角にも青のリボンを巻いている。紫の瓢箪を持ち、三角錐、球、立方体の分銅を腰などから鎖で吊るしている。
「思ってるさ。土地神がいるんだから、私がここに居ても問題ないでしょ。さあ、やろうじゃないか、諏訪子。こっちなら暴れても結界が壊れる心配もない。だから、思う存分、暴れられるってもんだ」
一瞬で姿が消えたと思うと、目の前で拳を放ってきた。私は後ろに飛びながら、下からミシャグジさまを呼び出して襲わせる。でも、軽く殴られるだけでミシャグジさまは消滅させられる。それでも時間が稼げた。
「天地開闢っ!」
大量の弾幕を生み出して放つ。同時に鉄の輪を呼び出して、拳を防ぐ。鬼なだけあって力が強い。それに格闘経験値も相手のほうが高いから、どうしようもない。
私も私から教わっているけれど、まだまだ鬼にはかなわない。防いだり、避けたりするほど、クレーターが発生して、山が崩れていく。
「流石にこの程度は持つか」
「これでも、諏訪子だからね。伊吹萃香」
地面から大量の槍を出現させ、串刺しにするも、相手は霧になって抜けてくる。彼女の力は密と疎を操る程度の能力。あらゆるものの密度を自在に操る。物質は密度を高めれば高熱を帯び、逆に密度を下げれば物質は霧状になる性質がある。この特性を使い彼女は霧になることが出来る。この時でも体当たりなど物理的な干渉は可能なはずなんだけど、まるで効いていない。
「なら、もう少し力をだそうか」
瓢箪に口をつけて中身のお酒を飲んでいく。
「というか、なんで敵対するの!?」
「決まってるじゃないか。そっちのほうが面白いからだよ」
「うわ~納得できる理由だよ!」
「じゃあ、いっちょいきますか。ミッシングパワー!」
両手を天に突き出しながら、密と疎を操る程度の能力を利用して巨大化していく。巨大な姿となった彼女は天井を破壊し、容赦なくふみつぶしにかかってくる。
「ええ、巨大化には巨大化っ! 土地神・手長足長さま!」
私も巨大化して殴り合う。何度も吹き飛ばされて、回りの施設をお尻で叩き潰したり、手でぺちゃんこにしたりするけど、気にしている場合じゃない。怪獣大決戦、再びだね。
「手伝って、ミシャグジさま!」
「いくら集まろうと、無駄無駄無駄無駄っ!」
まとわりついてくる巨大化なミシャグジさまを鬱陶しそうに殴り飛ばしていく。
「アンタはこれでもくらいなっ」
「っ!?」
口から炎を吐き、私が炎に包まれる。
「いやぁあああああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!?」
全力で火を振り払うけれど、それもできずに力も解除されていく。
「ちっ、この程度か。期待外れだ。また今度遊んでやる」
私は全力で走って水に飛び込んでなんとか火を消す。それから外にでると相澤先生が手足を折られ、脳無に押さえつけられていた。近くにお姉ちゃんもいて、殺されそうになっている。
「っ!?」
横合いから殴られ、頭を掴まれた状態で地面を引きずられる。
「さっきはよくもやってくれたよ。お蔭で脳無がいなきゃ死にかけたじゃないか」
髪の毛を掴まれて持ち上げられて、姿がみえる。隣には脳無がいつの間にかいた。やっぱり、私じゃ駄目みたい。胃から湧き上がってくる血を吐きながら、先生をみる。
「こふっ。せんせー」
「蛙吹……」
「……消して……」
「お前……」
「……私は、超える……プルスウルトラだよ……皆、助ける……」
「何を言っている。まあいいや。お前は危険だから、ここで死ね」
「ちっ、恨んでくれて構わんからなっ!」
「ん?」
私の"個性"が先生によって消される。停止した心臓から、作られていた血液が流れでて、どんどん冷たくなってくる。
「ん? こいつ、死にかけじゃないか」
「……けろけろ……開け、天地開闢の扉……日本を祟れる神様の、降臨……」
「ああ? 狂ったか?」
私は停止し、もう一人の私が動き出す。もう一人の私は脳無の腕を掴むと、彼の身体が、回りが発生した溶岩に飲み込まれて溶けていく。
「なんだ?」
脳無を風の刃で斬り刻み、溶岩に溶かしてそれをミシャグジさまに飲ませていく。現れた私は首を鳴らしながら帽子を掴んで目深にかぶる。
「さあ、者共。祟られる覚悟はできたかな? ここからは……神話の世界だよ」
数万数億のミシャグジさまが現れる。そのタイミングで扉が破壊され、オールマイト先生が入ってきた。
「もう大丈夫。私が来た」
「ちっ、このタイミングでか。黒霧、撤退だ」
「はい」
オールマイト先生がやってきて、相手は逃げようとしてくる。私は……