ケロちゃんのヒーローアカデミア!   作:諏訪子大好き

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修正

 

 

 

「さて、突然だが……委員長を決めてもらう」

「「「くそ学校っぽいのきたぁ!!」」」

 

 委員長を決める。それはヒーローを目指す上でリーダーシップを磨くために有効な手段らしい。内申点もあがるしね。というわけで、私以外の人が手をあげて希望する。私はぶっちゃけ、どうでもいいんだよね。

だって、委員長って感じじゃないもん。諏訪子ちゃんが委員長とか、学級崩壊まったなしだよ! しかし、関わらないのは()()()()()。諏訪子様には私を通して見てもらっているんだから、面白くしないといけない。これは私の()()だよね。

 

「はいは~い! 注目だよ!」

「ん?」

「なんだ?」

 

 私がミシャグジさまを呼び出して、頭に乗って誰よりも高い位置になる。

 

「私以外のみんなが希望している委員長だけど、ヒーローは人気商売でもあるのは知ってるよね。だから、ここは多数決にしようよ。客観的にどう思われているかわかるしね」

「それは確かにその通りですね」

「俺も賛成」

「ぐっ、私が言おうとしたことを……」

「それで、諏訪子のことだから普通にやるつもりはないよね?」

「うん。まず、委員長に相応しいと思う人を書いてもらうの。た・だ・し、自薦は無し。自分以外の名前を必ずかくこと。投票者の名前も書いてもらうからね。私は参加しないから、誰が誰に投票したかもちゃんと黙ってるよ~」

「なんでだよ」

「ふざけんな!」

「いや、これは当たり前のことだよ。他者をちゃんと評価できない人に委員長が務まると思うの? 委員長なんだから、公平にやってもらわないとね。でも、これだけじゃ面白くない。今から10分間の時間を設け、自由に考えて行動することにするの。つまり、説得や賄賂、取引を行って票を集めるんだよ」

「「「黒い!」」」

「つまり、選挙活動ということね」

「その通り! じゃあ、頑張ってね。私は投票用紙を作ってるから」

 

 ノートをハサミで切って用紙を作っていく。

 

「おい、出久! 俺に入れろ!」

「ええ!?」

「是非私に!」

 

 思いのほか、面白いことになっている。しかし、ヒーローを目指すだけあって、賄賂とかはないようだよ。残念だね。

 

「諏訪子」

「お姉ちゃん、どうしたの?」

「誰にいれるの?」

「私? 私はお姉ちゃんか出久君かな。でも、たぶんお姉ちゃんだね」

「そう。説得するまでもなかったのね」

「うん」

 

 さてさて、結果はどうなるかな? 書いてもらった用紙を受け取り、集計していく。くっくっく、誰も気づいていない。この私がイカサマをしないなんて言っていないということを。けろけろ。

 

「じゃあ、結果発表~! 一位は緑谷出久君四票だね! 二位はお姉ちゃん、蛙吹梅雨ちゃんだよ!」

 

 結果を発表したあと、紙はさっさとミシャグジさまにパックンちょしてもらう。証拠隠滅完了。

 

「ではでは、お二人さん挨拶をどうぞ!」

「えっと、緑谷出久です。僕なんかでいいのかはわからないけれど、頑張ります」

「蛙吹梅雨よ。せいいっぱい務めさせてもらうわ」

 

 さてさて、これでお姉ちゃんと出久君にアシストをしてあげた。いい仕事したよね。

 

 

 

 そう思っていたのだけれど、お昼に騒ぎがあって……出久君が委員長を辞退して、飯田君になっちゃった。って、この展開って原作通りじゃん! やばい、忘れてた。えっと、えっと、この後は確か襲われるんだっけ? ん~ちゃんと覚えてないけど……まあ、どうにかなるよね。

 

「さて、ホームルームは以上だ。ああ、蛙吹妹は生活指導室にくるように。そこでオールマイトが待っている」

「は~い。お姉ちゃんはどうする?」

「一緒にいくわ」

 

 私はホームルームが終ってから、お姉ちゃんと一緒に生活指導室へと向かう。扉の前に到着して、ノックする。

 

「開いてるよ!」

「「失礼します」」

 

お姉ちゃんと一緒に部屋の中に入るとオールマイトが待っていた。

 

「来たね。とりあえず座ってくれ」

「「はい」」

「さて、来てもらったのは蛙吹少女の火についてだ。火が駄目だというのはヒーローにとって致命的になる。トラウマの克服をしてもらうことになるが、いいかね?」

 

私は身体がビクッとして震えだすけれど、お姉ちゃんが手を握ってくれて少し落ち着けた。

 

「はい」

「では、まずお願いするのは相澤君が言っていた例外に私も例登録してほしい。もし、君が暴れた時に押さえる役割になるからね」

「確かに必要よね」

「うん」

「ありがとう。それで訓練の仕方なんだが、これは簡単にこれを使おうと思う」

 

そう言ってオールマイト先生が取り出したのはロウソクとマッチだった。

 

「まずは火に慣れるということかしら?」

「そうだよ。それとどこまで耐えられるかを調べる意味もある」

「頑張る」

「じゃあ、火をつけるのはお姉ちゃんの方に頼めるかな?」

「落としたら危険だものね」

「お願い」

 

お姉ちゃんがマッチの火をつけてくれる。これぐらいならまだ大丈夫。それをロウソクにしてくれる。これも大丈夫。すごく怖いけれど……でも、ここからどうするの?

 

「では、火に近づいてくれ」

「……あっ」

 

私はあまり近付くことができなくて、何度も訓練を繰り返した。

 

 

 

 


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