魔王の写し児   作:ドリーム

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デバイス起動

 

気がついたら俺は真っ黒い城にいた。

城内は青い炎にボンヤリ照らされている。

紫色の絨毯が城内に道のように引かれていて、それをたどっていくと、城の最奥、玉座に着く。

俺はその玉座に座っていた。

 

 

 

 

 

なんでや…

 

 

 

 

おかしいな…俺はベットに入った後、いつも通り潜り混んで来たアホお兄様をぶっ◯して普通に寝てたんだけどな…

 

というかなんだこの不気味な城は…窓から見える月は紅いし…炎は青いし…

 

 

 

これはもうワカラナイ(圧倒的)

 

 

 

 

『誰じゃ…貴様…妾の玉座でなにをしている』

 

ヘアァッ!?だ、誰ですか…?

声のする方に振り向く。そこにはいる人物を見たとき…俺は息を呑んだ…

 

 

 

黒い艶やかな髪、病的にまで白い肌、漆黒のドレス、そして布の上からでもわかる豊満な胸…

ドレスはところどころ開いており、そこから見えそうで見えないチラリズムが発生している。

 

そこには紅い瞳で俺を睨む妖艶な雰囲気の女性がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『妾は貴様に何者だときいている…』

 

ウェ?ああそうだな。俺は…喋れん。ガチで喋れん。

ゑゑゑゑゑゑゑゑ!!!?

今わかった衝撃の事実…俺は今喋れない…

 

 

 

『………』

 

うわぁ…めっちゃイライラしてるよぉ…

な、なんとかしてこの事実を伝えなくては!

えっと…口を指差した後にバッテンを作る!これで伝わるかッ!

 

『?』

 

あら、首を傾げて可愛い…じゃなくて!もう一度さっきのジェスチャーをする。頼む気づいてくれッ!

 

『貴様…まさか喋れんとでも言うのか?』

 

Yes Yes Yes !!おっとついジョジョネタに走ってしまった。

 

『…ふん、まあいい。妾の体はあの忌々しい勇者のせいでボロボロだ。今更侵入者の1人や2人…』

 

うつらうつら…

玉座に座り込み、今にも寝てしまいそうな声で彼女は独り言を呟いた。

あれ?これやばくね?俗に言う、寝るな!寝たら死ぬぞ!冗談抜きでッ!ってやつかな?

 

大丈夫ですか?肩揉む?

 

そう俺は彼女のいる玉座に近づく。

 

『…近寄るな。貴様…』

 

しかし彼女は手で振り叩こうとするが、

 

 

 

パシッ

 

 

 

俺はその手を受け止めた。

 

…強いな。この体の手が痺れるなんて…

 

『ほう…力の大半を失なったとはいえ、妾の腕を止めるか。…貴様ただの小娘ではないようだn…なんだ?』

 

ゑゑゑゑゑゑゑッ!!!!!?

なんか俺の胸元が黒色に光り出したんだけど!?その光が腕を通って彼女の方に流れてるんですけど!?怖えよッ!!!

 

『コレは…魔力!?しかもこの魔力は()()()()娘…貴様一体…』

 

ギャぁぁぁぁぁぁッ!!!俺の体が透け始めてるぅぅぅぅッ!?ああ…なんか力も抜けて…きた…

 

『ま、待て娘!!貴様には聞きたいことが…』

 

待ちたくても待てねえよぉぉぉぉぉ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんという夢だ。ここまで俺の頭は妄想ハッピーにできていたのか!?

ん…いや…コレは…

 

「手が…()()()()()()

 

 

 

 

……夢じゃない…のか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼頃

 

廊下を歩いていると曲がり角から急にドヤ顔+ダサポーズ=お兄様()が出てきた。

「よう、まおか。ちょっとお兄ちゃんお前に会わせたい奴が…」

「豚のくせに人間の言葉を喋らないでください。人間の方が赤面してしまうので」

「お兄ちゃんはお前にとって豚同等なのか…」

「はい」

「即答ッ!?(グハッ」

 

さて、地べたを這いつくばっているお兄様()はほっといて、いつもの所に行くか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃ホテル

 

はい、いつもの場所に来ました。今日は土曜日、つまり昼からずっと修行ができる日。ちょっとご無沙汰気味だったから今日は張り切るか!

 

「まずは…腕立て、腹筋、背筋300回を5セットして…ん?」

 

…そういえばアレどうなったかな?

 

ちょっとランニング気分でのぞいて見るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

アレ…とは、俺がまだガチ幼女だった頃入っていたPODのことだ。

もう数年前のことだが、あれのおかげで今の俺がいるし、せめて様子見だけでもしければな。

 

「到着っと…うわぁ…植物に侵食されてるよ…」

 

絡みついた植物を、引きちぎっては引きちぎる。ようやくそのまんまるとした本体が見えて来た。

 

「よーし…ふう。結構強情な草だったな。さて…開くのかな…『開け!』」

 

するとあのプシューという音を鳴らしながらドアが開いた。

 

中は綺麗で、あの時のままだった。しかし、昔は気づかなったが…座席の後ろに()があった。

 

「なんぞこれ?指紋認証みたいな感じか?」

 

黒い小さい面に親指を押し付けて見る。開いた事には驚いたが、案の定、指紋認証で開いた。

 

「さて中身は〜…ご☆ま☆だ☆れ〜!…なんじゃこりゃ…」

 

箱には何やら一つの機械があった。

 

これどうするんだ?形がヘッドホンみたいだし…つけて見るか

 

 

 

 

両耳にその機会を押し付ける。すると機械が起動したらしく、機械らしいピロピロした音を出す。そして…

 

『ーーーーーデバイス起動。個体ナンバー.893。リアクター起動を確認。マスター認証、実験体ナンバー.9789306。認証しました。ーーーー

初めましてマスター。あなたのデバイス『リアクター』。今確かに起動しました。何なりとご命令を』

 

 

喋った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キイィヤアァァァァァシャベッタァァァァ!!!!!???」

 

 

 

 

 

 




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