決めていこうぜ新生活。誰もが引っ越しとかしたらそう考える(多分)
ここにいる1人の少女もそう考えている。
「今日は転校生を紹介する。入って来なさい」
先生に言われ扉を開く。先生の隣まで移動し、黒板に書いた名前を読み上げる。
「王華まおかと言います。よろしくお願いします」
そう転校生の少女とは…俺だ。
先生がクラスみんなに俺のために自己紹介させるこの時間。
うん、やっぱり全然覚えられんわ。人の名前って似てるの多いし、一回言われただけじゃ俺の記憶力じゃあ覚えられんわ。
そういえばお兄様はちゃんと自己紹介出来ているだろうか？少し心配だ。
ところで話は変わるが俺は今伊達メガネを掛けている。
理由はもちろんしっかりある。それはこのオッドアイだ。
左右違うこの眼は周りの人間からは異物の象徴なんだろう。子供特有の無邪気からの弄り…そしてそこから発展して生まれるイジメ。
最初は驚いた。いじめてくるほとんどが男子でしかもいじめの仕方が落書きとかゴミ投げつけるとかそういうわかりやすいものじゃなくて、まさかの集団で休み時間や放課後に校舎裏に呼び押せて、胸揉んで来たり、尻撫でてくるやり方だからね。本当に驚きだよ。
どんだけ性にご執着なんだよ。最近の小学生はおっかないな〜(お兄様を思い出しながら)
しかも、どこから聞いたのか(おそらくお兄様)俺が家でメイド服を着てる情報を得た男子生徒は、メイド服を持ってくるように言い、メイド服に着替えさせられスカートに顔を突っ込まれたこともあった。
中身がおっさんじゃなかったら一生モンのトラウマだよエロガキどもが…
まあその代わり女子はすんごい優しかったけどね。
この眼が綺麗と言われ、なんか色々泣けてきていた。というか泣いた。
でもまあ男子どもはしっかり転校直前にぶっ飛ばしてきたから問題ない。まあ、三年生にもなれば途中からのいじめてくるやつも少なくなったけどな。
というわけで、このメガネはオッドアイを隠すためにお爺様の知り合いが色々細工したものだ。(構造は一切不明)なんか怖いよ。
コンタクトでもよかったけどなんか眼が痛くてどっかの天空の城の王族末裔みたいになりそうだからメガネにした。
しかし髪の毛を切らないで、メガネをかければ必然的に根暗少女が誕生するんだけど俺は悔しくないです。根暗に見えたっていいモン。中身おっさんって知られるよりマシです。
「体育か…」
やったぜ…退屈な学校での唯一の体を動かせる時間。休み時間は女子だし、周りの視線的に外では遊べなかった。だってほぼ全員の女子がインドアで遊んでるんだぜ？俺1人外とか無理っすわ。
「ドッジボール…久しぶりだな」
まあ、面倒だから割愛するけど、要約すると圧勝です。
スポーツ系男子曰く、「ボールが見えなかった」
学力系女子曰く、「消える魔球…！」
ギャグ系男子曰く、「何言ってるかわからねえと思うが俺も何が起きたのかわからなかった…頭が(ry」
学級長女子曰く、「もうこれわかんねえな」
おかしいな。前に学校じゃあ、「もっと来い！」だとか言って大の字で寝転がってスタンばってる息荒い男子だったり、「俺の神速についてこれるか？」とか言ってるクラス1遅い事が周知の男子だったり、「うおぉぉぉぉぉッ！唸れ俺の拳ッ」って言いながらどう見ても足でボール蹴ってる男子だったり色々いたのにこっちの男子はノーマルしかいないようだ。いや…それが普通なのか？うん普通だな(確信)
次の日から、一部の男子には「まおか様」、一部の女子からは「お姉様」呼ばれるようになり、即刻撤回を申し出た。
うん、前言撤回。どこの学校もぜんぜん普通じゃねえわ(白目)
感想指摘待ってます。