愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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今回、一部のオーフィスちゃんファンにとって歓喜な内容になるかと思います

どういう意味かはその目でお確かめを

それでは本編どうぞ


好きな子からの応援で振り切れなければ男じゃない

もうすぐ夏休み。俺はそれを4月の学校が始まった時からずっと待ち望んでいた。

 

別に学校は嫌いというわけではないが、学校にいるあいだはオーフィスといられないというのがやはり俺にとっては辛い。だが、夏休みという長期休暇に入ってしまえば、一日中オーフィスと一緒にいられる時間が増えるのだ・・・・・それが俺にとって嬉しくてたまらない。まあ、夏休みに入れば俺も他種族、他神郡との和平の仲介役としてやることも出てくるが。

 

しかし・・・・・夏休みに入る前に、学生ならば避けては通れない試練がある。その名も期末テスト・・・・・学生が嫌いな学校行事の最たるものといっても過言ではないものだ。

 

そして現在、俺はイッセー、ヴァーリ、アーシア、そして白音と共にうちで勉強会を開いて勉強しているのだが・・・・これが中々辛い。辛いといっても勉強がではない。辛いのは・・・・

 

「ヴァーリ、この問題教えてー」

 

「ああ。この問題はこの公式を当てはめて・・・・」

 

「なるほど・・・・ありがとうヴァーリ。さすがは私のお婿さんだね」

 

「ふふっ、どういたしまして」

 

勉強しながらイチャイチャしているバカップルのイッセーとヴァーリを横目にして勉強することだ。本当にもうマジで辛い。

 

「お前らな・・・・・イチャつくなら自分の家で勉強しろよ」

 

「え?別にイチャついてないけど?」

 

「イッセーの言うとおりだ。俺達は普通に勉強しているだけだが?」

 

「それを本気で言ってるならタチが悪いぞ・・・・・」

 

100人が見たら100人・・・・とはいかなくても、90人以上はイチャついてるって答えるぞ。こいつらは本当に人目をはばからないからな・・・・・というか・・・・

 

「・・・・・・・」

 

二人共・・・・というかヴァーリ、アーシアの視線気づいてるか?なんかすっごい笑顔だけで目が全然笑ってないんだけど?なんか冷たい目でヴァーリのこと見てるんだけど?前にヴァーリからちょっと聞いたけどやっぱりアーシアってちょっと腹黒入ってるの?普段の印象が印象なだけに怖いんだけど・・・・俺が今まで見た中である意味では一番悪魔らしいんだけど。

 

ま、まああまり触れないでおこう・・・・・・・下手に突っ込むと俺が損しそうだし。とにかく、今は勉強に集中して・・・・・

 

「あの・・・・咲良先輩。イチャつく云々については咲良先輩は人のこと言えないと思うんですが」

 

集中して勉強しようと思った矢先、白音にそう言われてしまった。

 

「人のこと言えないって・・・・どういうことだ?」

 

「どうって・・・・・見たままなんですが、敢えて言うならそれです」

 

そいって白音が指を指すのは・・・・・・・・俺の膝の上にちょこんと座り、本を読んでいるオーフィスであった。ちなみに読んでいる本のタイトルは『良妻になるために~覚えよう100の条件~』というものだ。うん・・・・・まあ、素直に嬉しいからその本の出処を突っ込むのはやめておこう。

 

「いや、これは別にイチャついてるわけじゃないぞ?膝の上(ここ)はオーフィスの定位置だし。俺としてもオーフィスが傍にいると落ち着けて勉強がはかどるし」

 

「傍目からみるとイチャついてるようにしか見えません。それでイチャついてないというなら先輩の頭は残念ながらおかしいと言わざるを得ません」

 

「否めないね」

 

「否めないな」

 

「・・・・あはは」

 

白音の言葉に、イッセー、ヴァーリが同調し、アーシアは苦笑いを浮かべる・・・・まあこれも同調と見ていいだろう。これは少々解せない。というか、白音ちょっと毒舌すぎやしないだろうか?

 

「・・・・・・オーフィス、皆が虐める」

 

「よしよし」

 

読んでいた本を閉じ、こちらに振り返ってきたオーフィスは俺の頭を優しく撫でてくれた。もはやオーフェイスは本を読むまでもなく良妻と言ってもいいと思う。まあまだ結婚してないけど。

 

「咲良、そんなもの見せられたら余計にイチャついてるように思われるにゃ」

 

近くに居た黒歌に突っ込まれる。まあ、確かに頭まで撫でられたら否定はできない。否定はできないが・・・・

 

「皆で勉強をしている横で、ゲームしてる黒歌には突っ込まれたくない」

 

「まあそこはお構いなく」

 

「全く姉様は・・・・」

 

黒歌は俺の言うことなどお構いなしといった様子で、ゲームをし続けている。一応俺たちに配慮して携帯ゲーム機で音量を小さくして遊んでくれているが・・・・やはり視界の隅でゲームをされてしまうと集中が削がれてしまう。妹の白音もこれには呆れ返っている。

 

はあ・・・・・なんか集中削がれてきたし、ここらで一旦休憩にするか。

 

「そろそろ休憩にしよう。お茶持ってくるからちょっと待っててくれ」

 

「我も手伝う」

 

「そうか?それじゃ頼むな」

 

「うん」

 

俺はオーフィスと共に、台所にお茶を入れに行った・・・・まあ、ついでに俺手製の水ようかんも出してやるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりさ。俺って勉強向いてないのかなぁ」

 

「急にどうしたの咲良?」

 

お茶と水ようかんで一息付いている時に俺が呟くと、黒歌がどうしたのかと尋ねてくる。

 

「いや、なんていうかさ・・・・勉強って別に嫌いなわけじゃないんだけど、どうにもやる気にならないんだよ」

 

今は勉強会って事で一応真面目に勉強はしているが、正直そうでなければ勉強しようだなんて思わない。テストがあるからといって、個人的には特にやる気が出るわけではないのだ。逆に、テストだからと気が滅入ることもないのだが。

 

「そういえば、この家でかれこれ3ヶ月以上暮らしてるけど咲良が勉強してるところは一度も見たことないにゃ」

 

「まあ特に理由がない限りは、勉強してる暇があったらオーフィスや黒歌とゲームとかしてたほうがずっと有意義だからな」

 

「我も咲良と一緒にいるとゆーいぎ」

 

「うん、それは良かった」

 

有意義という言葉の意味がわかっているかどうかはともかく、やはりオーフィスにそう言ってもらえるのは嬉しいな。

 

「なら、咲良先輩は勉強は苦手なんですか?」

 

俺とオーフィスのやり取りをスルーして、白音が尋ねてきた。白音のスルースキルも上がってきたな・・・・これも黒歌の教えの賜物というやつか?

 

「別に苦手ってわけではない・・・・かな?一応歴史系科目と英語は得意だし」

 

「確かに・・・・その科目は咲良テストでも毎回90点以上出してるもんね」

 

「私も日本の歴史についてはよく咲良さんに教えてもらっています」

 

イッセーとアーシアが感心したように言ってくる。まあ、その辺りについてはそのうち必要になるかもしれないからって幼い時から爺さんに叩き込まれたからな。語学に関しては英語以外にも10カ国後は教えられたし。

 

「それ以外の科目も70点以下を取ることはないようだし・・・・おそらく根本的に勉強が嫌いでできないというわけではなく、興味自体は多少はあるがそれ以外に優先したいものがあるがゆえに集中できないのだろう」

 

おそらくヴァーリの言っている通りだろう。妙に実感の篭って聞こえるのは、ヴァーリもそうだったからだろうか?なんか勉強よりもイッセーを優先しそうだし、アザゼルさんから聞いたけど結構な戦い好きなようだし。まあ、そうだったとしてもヴァーリは学年でもトップクラスの成績保持者だからすごいとは思うが。

 

「まあ別に勉強に集中できなくてもいいんだけどな。勉強嫌いじゃないといっても、とりあえずは卒業するのに問題ない成績さえ取れればそれでいいし」

 

最悪赤点さえ回避できれば卒業には問題ないだろうからな。いい成績を取りたい理由がないのだから無理して頑張る必要もない。

 

「咲良がそれでいいなら私は全然構わないんだけど・・・・・にゃは♪」

 

何やら黒歌がイタズラを思いついた悪ガキのような表情を浮かべる。一体何をする気なのかと尋ねようとしたら、オーフィスの手を掴んで立ち上がり・・・・

 

「ちょっとオーフィス借りていくにゃ。すぐに戻るから待ってて♪」

 

と言って、そそくさと部屋から出ていってしまった。

 

「・・・・白音、お前の姉は一体何を企んでいるんだ?」

 

「わかりません。ですが・・・・・先に謝っておきます。申し訳ありません」

 

黒歌がロクでもないことをしでかそうとしていると思ったようで、白音は先に俺に謝ってきた。別に白音が何かするわけでもないし、悪いこととは限らないから謝る必要はないと思うのだが・・・・まあ、黒歌だから仕方ないということにしておこう。というか、オーフィスまで巻き込んでマジで一体何をする気だよ。

 

何が起こるのかと期待2割、不安8割で待っていると・・・・・10分ほどして、ようやく黒歌は戻ってきた。戻ってきたのだが・・・・・・俺は黒歌の傍にいるオーフィスの姿を見て、思わず目を見開いてしまった。

 

「咲良、似合う?」

 

小首を傾げながら尋ねてくるオーフィス。オーフィスは今・・・・紫を基調としたチアリーダーの服を着ていた。両手にはオレンジ色のポンポンを持っている。

 

「そうだなぁ・・・・似合っているか似合っていないかで言われれば超絶可愛い」

 

「咲良さん、似合ってるかどうか答えてないんですけど・・・・」

 

「アーシア、多分今の咲良に何を言っても無駄だから」

 

アーシアとイッセーが何か言っているが、何を言ってるのかは聞き取れない。そんなことよりも、俺の意識はオーフィスにのみ注がれているのだから。

 

「ふふふっ・・・・どうやら超絶可愛いオーフィスのチア姿に度肝を抜かれたようね。オーフィス、ここで教えたとおりにしてみるにゃ」

 

「わかった・・・・ふれーふれーさ・く・ら。勉強がんばれさ・く・ら。ふぁいとー」

 

オーフィスは手に持ったポンポンを振りながら、可愛らしいステップでチアダンスを踊りながら俺の応援を始める。

 

それを見た瞬間・・・・・・俺の中で何かのスイッチが入る音がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全教科満点とは・・・・・すごいな咲良」

 

オーフィスの応援から数日経った学校にて。俺の机の上に置かれたテストの答案を見ながらゼノヴィアが感嘆の声をあげる。机の上の全ての答案には100の数字が刻まれている・・・・・つまり、ゼノヴィアの言うとおり全教科満点ということだ。

 

「私も自信はあったのだが・・・・・これは完敗だな」

 

ゼノヴィアはゼノヴィアで全教科90点以上という、武闘派(?)とは思えない高得点をたたき出しているが、俺の点数に及ばないということで残念がっている。

 

「ちょっと、どうしちゃったのよ咲良?いつもは歴史系や英語以外はパッとしない点数だったのに・・・・」

 

普段の俺の点数を知っている桐生が驚いた様子で尋ねてくる。まあ、普段とはかけ離れた点数をたたき出してしまったのだからその反応は仕方がないだろう。

 

「なんというかな・・・・・超絶可愛い女神からの応援のおかげでちょっとやる気が出てな」

 

「「「・・・・ちょっと?」」」

 

俺が桐生に説明してやると、イッセーとヴァーリとアーシアは同時に疑問の声をあげる。

 

「いやいやいや・・・・・あれはちょっとだなんて次元じゃないと思う」

 

「鬼気迫るとはまさにああいうことを言うのだろうな・・・・・」

 

「咲良さんには申し訳ないですが・・・・少し怖かったです」

 

あの時あの場に居合わせた3人は思い思いに言葉に出す。

 

オーフィスの可愛いチアダンスによる応援を受けた俺は・・・・正直自分ではよく覚えていないのだが、とてつもない勢いで勉強していたらしい。そのおかげでテスト範囲の内容は全て暗記。テストでは一切ペンを止めることなく全問埋めて、3回も見直しをした結果全教科満点という自分でも驚く結果を叩き出してしまったのである。

 

まあともかく・・・・・一つだけ言える絶対的な真実は・・・・・

 

俺の婚約者のチア姿・・・・・・マジ最強でした




咲良さんは身体能力、頭脳的には普通よりちょっといい程度の人間です。それ以上でも以下でもありません

ただし、オーフィスちゃんが関わるとたまにいろいろ振り切れることもあります。惚れちゃってるんだから仕方ないね

にしてもチア姿のオーフィスちゃんとか・・・・・・・マジ最強でしょ

それでは次回もまたお楽しみに!

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