愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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今回のメインは咲良さんとオーフィスちゃん、それと二天龍夫婦です

思いのほか難産だった・・・・・

それでは本編どうぞ


競い合う想い

黒歌と白音の再会がなされた後、俺とオーフィス、そして今後の他種族、他神郡との和睦のことが爺さんとアザゼルさんによって説明された。その際のリアクションはまあお察しの通りというやつだろう・・・・・・驚かれるのにも慣れたものだ。

 

そしてその後は三種族の和平が成されたことを祝っての宴会が行われたのだが・・・・

 

「・・・・・ごめんなさい」

 

「・・・・・すみません」

 

リアス先輩と生徒会長がものすごく申し訳なさそうに謝罪してきた。二人の視線の先にはお酒飲んで馬鹿騒ぎしてるサーゼクスさんと、生徒会長のお姉さんで現レヴィアタンであるセラフォルーさんがいる。二人の謝罪は、身内の所業に対するものであろう。

 

「いえ、お二人が謝る必要はありませんよ。馬鹿騒ぎの中心にいるのうちの爺さんだし」

 

「あとアザゼルもだな・・・・・・まあよくある事だが」

 

俺とヴァーリが呆れながら言う。宴会やるって言った時点でこうなることは正直予想できたんだよなぁ・・・・・まあ、別に止めやしないけどさ。止めやしないが・・・・・

 

「・・・・・とりあえず、爺さんの明日の朝食は飲み物なしでビスケット100枚だな」

 

「酒やけした喉に飲みのもなしでビスケット100枚って・・・・悪魔の所業だね」

 

イッセーが何やら突っ込んできた。というか悪魔はお前だろうが。

 

「・・・・・あの、騒がしいの苦手なら部屋変えます?広い部屋ならまだありますし、食べ物と飲み物も念のためわけてとってありますし」

 

「そうね。ここでは落ち着けないし・・・・・案内お願いするわ」

 

「わかりました。こっちです」

 

リアス先輩に言われ、俺は未成年組+黒歌を連れて別室に向かった・・・・・そういえば、黒歌って未成年なのかな?普通に酒は飲んでたけど・・・・一体いくつなんだ?

 

「咲良、今失礼なこと考えなかったかにゃ?」

 

「いえ、滅相もございません」

 

黒歌が黒い笑みを浮かべながら尋ねてきたのでとりあえず誤魔化した。やはり女性に年齢のことはタブーだということか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても・・・・・まさかこんなところにオーフィスがいたとはな」

 

別室に移動し、飲み食いしたりゲームしたり各自思い思いにいている中、ヴァーリが俺の膝の上に座るオーフィスに視線を向けながら言う。ちなみに近くには当然のようにイッセーもいる。

 

「その上咲良の婚約者とは・・・・・予想外にも程がある」

 

「まあ気持ちはわからんでもないが・・・・俺としてはヴァーリとイッセーが二天龍だっていうことの方が驚きだがな」

 

「ドライグもアルビオンも久しい」

 

オーフィスはヴァーリとイッセーに対して言う。二人に対してというよりは、二人の神器に宿るドラゴンに対してだろうが。

 

「というか、二天龍って宿敵どうしなんだろ?それなのに恋人同士・・・・・二天龍夫婦ってマジか」

 

「二天龍夫婦って・・・・・なにその呼び方。まあ妙にしっくりくるけど」

 

「呼び方といえば、爺さんやアザゼルさんからお前達が『乳龍帝』やら『ケツ龍皇』やらって呼ばれてるって聞いたんだが・・・・」

 

『『うおぉぉぉぉぉん!!』』

 

何やら嘆き声が聞こえてきた。

 

「今の声・・・・なんだ?」

 

「ドライグとアルビオンの声だった」

 

「あ~・・・・こいつら私達が『乳龍帝』やら『ケツ龍皇』って呼ばれるの嫌がってな。呼ばれるたびにむせび泣くんだよ」

 

・・・・・まあ、数多の種族に恐れられていた二天龍がそんな呼ばれ方されればむせび泣きもするか。ドライグもアルビオンも普通にかわいそうである。

 

「乳龍帝とケツ龍皇・・・・・なら我はショタ龍神?」

 

「オーフィス、それは普通なら蔑称扱いされるもので自分で名乗るものじゃない」

 

「そっか、見た目幼女だけどオーフィスって咲良よりもだいぶ年上なんだっけか・・・・・つまり合法ロリ?」

 

「イッセー、それは触れちゃあかん」

 

まあロリババアって言わなかっただけマシか・・・・・言ってたら説教だったけど。

 

「・・・・ん?」

 

「どうしたイッセー?」

 

「いや・・・・・なんか今とびきりの危機を回避したような気がして」

 

勘がいいなイッセー。

 

「まあそれはともかくとして話を戻すけど、パッと見だとオーフィスってただの女の子にしか見えないから・・・・そんなオーフィスの婚約者だっていうなら咲良って何も知らない人からはペド扱いされそうだよね」

 

「そういえば以前桐生が咲良を見る目が変わらざるを得ないと言っていたが・・・・桐生はオーフィスと会ったことがあるようだし、何となく理由はわかったな」

 

「おっとその話題はNGだ」

 

前に桐生にペド呼ばわりされたこと思い出しちゃったじゃないかちくしょう。

 

「咲良、大丈夫?」

 

俺が精神的ダメージを受けていると、オーフィスが振り返って俺の頭を撫でてきた。可愛らしい婚約者の行為に俺は心が癒されるのを感じる。

 

「ありがとうオーフィス。大丈夫だよ」

 

「ん・・・・・ならいい」

 

「まさか咲良がこんなにも堂々とイチャイチャするだなんて・・・・」

 

「いや、イチャイチャしてるつもりはないんだが・・・・」

 

「いやいや・・・・・周り見てみ?」

 

イッセーに言われて周囲を見てみると、何やら胸焼けを起こしたように気分悪そうにしている。なんか黒歌だけ達観した表情ですぐそばにいた白音の肩に手を置いていたが。

 

「・・・・・ふむ、皆耐性低いんだな。これぐらいなら最近は黒歌も慣れたって言ってたのに」

 

「いや、そのリアクションはおかしいと思うのだが」

 

「そのツッコミをヴァーリがするのもおかしいと思うがな」

 

お前だってさんざんイッセーとイチャついてるだろうが・・・・・誰に言われても仕方ないと思うがお前には言われたくない。

 

「我、もっと咲良とイチャイチャしたい」

 

「そうだな。だけど、今はちょっと空気を読んで欲しいかなとも思うかな?」

 

「わかった」

 

俺が言うと素直に返事を返してくるオーフィス・・・・・というか、これまで空気読んでないって自覚してたのか?

 

「そういえば、オーフィスはどうしてここで暮らしてるの?普通龍神がこんな町中で暮らしてるだなんてありえないと思うんだけど・・・・・」

 

「まあその疑問はもっともだな。オーフィスは10年前に爺さんが連れてきたんだよ。今日から一緒に暮らすことになったってな」

 

この時俺はオーフィスに一目惚れしてしまったのだが、それは言わない方向で・・・・

 

「その時咲良に結婚して欲しいって言われた」

 

・・・・・言わないでおこうと思った矢先にこれですかオーフィスさん。空気読めてないじゃないですか。

 

「10年前ということは咲良は7歳・・・・7歳でプロポーズとは咲良はとんだ大物だな」

 

「うぐっ・・・・し、仕方がないだろう。一目惚れだったんだから・・・・」

 

「その時は咲良の言ってることよくわからなかった。けど・・・・・今は嬉しい。初めて会った時から我のこと好きになってくれてすごく嬉しい」

 

そう言いながらオーフィスは俺に擦り寄ってくる。うん、もう空気読む気は一切ないということがわかった。

 

まあ、俺としては嬉しいから止める気もないが。

 

「えっと・・・・・話は逸れちゃったけど、結局オーフィスがこの家で暮らしてる理由がわからないんだけど?」

 

まあ、まだきっかけは俺の爺さんということしか話してないからな。理由まではまだわからないだろう。

 

「10年前の我は次元の狭間に帰って静寂を手にしたいと思ってた。その時に伊槻に会って・・・・・伊槻言ってた。静寂なんかよりもずっと大切なことはいくらでもあるって。我はそれが知りたくてここで暮らすことを決めた」

 

「それが君がここで暮らす理由か・・・・・それで、その大切なことというのは何かわかったのか?」

 

「うん。我、静寂よりも・・・・咲良の方が大切だって知った。咲良といるとポカポカして暖かくなる。咲良といると楽しくて嬉しくて・・・・・これからも咲良と一緒に居たいって思う。何があっても・・・・咲良と離れたくない」

 

「「「おおう・・・」」」

 

オーフィスのこの発言に、俺もイッセーもヴァーリもこのリアクションだ。おそらくこれは純粋にオーフィスが思っていることなのだろう。

 

なんというか・・・・・愛されすぎてて涙も出てきそうだ。嬉しすぎて。

 

「オーフィス・・・・・・俺も同じ気持ちだよ。俺もこれからもオーフィスと一緒に居たいって思う」

 

「咲良も我と同じ気持ち?」

 

「ああ・・・・いや、ちょと違うな」

 

「え?」

 

「オーフィスが俺のことを想ってくれてる以上に・・・・俺の方がオーフィスのこと想っているよ」

 

オーフィスを想うこの気持ち・・・・・誰にも負けない自信がある。俺のオーフィスを想う気持ちは間違いなく何にも勝るはずだ。

 

「む・・・・・そんなことない。我の方が咲良のこと想ってる。これだけは咲良でも譲れない」

 

「いやいや俺の方が・・・・」

 

「我の方が・・・・」

 

互いに一歩も退かない俺とオーフィス。

 

仕方がない・・・・・ここは俺も本気を出して・・・・

 

「ストップストップ!これ以上はもうやめて!周り見て!」

 

イッセーに言われて周囲を見る俺とオーフィス・・・・・先程は胸焼けを起こしていたが、現在は何やらピクピクと痙攣している。さっきは平気そうにしていた黒歌もだ。

 

「・・・・・・我やりすぎた?」

 

「・・・・・・俺やりすぎた?」

 

「うん、それはもう盛大に・・・・・ていうか私もだいぶギリギリだし」

 

「俺も・・・・・これはさすがにくるな」

 

わお・・・・俺とオーフィスの想いは二天龍を怯ませるのか。ここまで来るといっそ誇らしいな。

 

「・・・・・オーフィス、皆がいるときはほどほどにしておくか」

 

「うん。仕方ない」

 

さすがにこれは皆に悪いので、大人数の前ではあまりイチャイチャしすぎないようにきをつけようと心に誓った俺とオーフィスであった。




あんなものリアルタイムで直で見せられれば痙攣したってしょうがない

なお、イッセーとヴァーリは自分たちもよくイチャつくため耐性がある模様

それにしても咲良さんと想いの強さを張り合うオーフィスちゃん可愛すぎマジで

それでは次回もまたお楽しみに!

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