愛しき龍神と過ごす日々   作:shin-Ex-

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またまた酷いサブタイだけどまあお気になさらず。本編とそこまで関係ないから・・・・たぶん

そしてラストでとうとうあの方が・・・・

それでは本編どうぞ


転校してきた女の子ってそれだけでヒロイン力が上がる気がする

縁というのは不思議なものだ。どこで生まれ、どう紡がれていくのかはきっとどんな賢人にだって予測することはできないだろ。そしてそれは俺にも言える。周りの連中いわく、俺は縁を築く能力が異様なまでに高いようだが、別に意識しているわけではないし、どう紡がれていくのかなんて予測できるはずもない。

 

というか・・・・・こんなの予測できるわけがない。

 

「このクラスに転入したゼノヴィアだ。よろしく」

 

「・・・・マジかー」

 

数日前うちでご飯を食べた教会の戦士ゼノヴィアが・・・・うちのクラスに転入してくるなんてマジどうなってるの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか転入してきたクラスに君がいるとは思わなかった。驚いたよ咲良」

 

「まあそりゃ驚くだろう。でもな・・・・確信持って言えるけど、俺の方がゼノヴィアの数倍驚いてるよ?」

 

朝のHRを終えて、俺は速攻でゼノヴィアを学校の屋上に連れてきた。理由はもちろん事情を説明してもらうためだ。連れ出すときほとんどクラスメイトに不思議そうな視線を送られたが、正直気にしている余裕はなかった。

 

「とりあえず、どういう経緯でうちのクラス、というよりこの学園に転入することになったのか簡潔にでいいから教えてくれないか?」

 

「色々あって悪魔に転生してね。それでこの学園に転入することになったんだ」

 

「簡潔にって言ったけど普通はもう少し具体的に説明しない!?」

 

あまりにも簡潔すぎる説明に、俺は思わずツッコミを入れてしまった。ただまあ、おそらく最も重要でありそうな『悪魔に転生』のところだけでも知れたからまだマシだが。

 

「どういういきさつで悪魔になったのか教えてくれるか?」

 

「・・・・・色々あってね」

 

「・・・・イリナはどうしてる?あいつもこの学園に転入しているのか?」

 

「イリナは・・・・任務を終えて教会に帰った。悪魔に転生し、この学園に転入したのは私だけだよ」

 

「・・・・どうしてそうなった?」

 

「・・・・・色々あってね」

 

どうやらゼノヴィアに話す意思はないらしい。正直、どういったいきさつがあったのかは非常に気になるのだが・・・・これ以上それで詮索するのはやめようと思った。ゼノヴィアの表情がどこか悲しそうで・・・・辛そうだったから。

 

本来悪魔と敵対関係にある教会の戦士が悪魔に転生したのだ。それも、共に任務に就いていたイリヤと一緒にではなく、ゼノヴィア一人で・・・・よほどの事情があるのだということはわかる。それを言いたくないのなら聞かないでおくべきだろう。

 

「言いたくないなら無理に言わなくてもいいさ。聞き出そうとして悪かった」

 

「いや、咲良が謝ることはない。私の方こそすまない・・・・本来恩人である君にはきちんと事情を説明するのが筋なのだが・・・・」

 

「気にしなくてもいいさ。恩云々のこともな。別に俺としては恩を売ったつもりはないんだからさ」

 

「そういうわけにはいかない。君は私にとって恩人・・・・その思いを忘れてしまえば私は自分が許せなくなる」

 

どうにも頑ななゼノヴィア。義理堅いというかなんというか・・・・・まあそういうところは素直に好感が持てるけど。ただ、やっぱり恩人扱いはくすぐったいな。

 

「まあどういういきさつがあったにせよ、これからクラスメイトとしてよろしくなゼノヴィア」

 

「ふむ・・・・クラスメイトとして、か」

 

とりあえず握手でもしておこうかと手を差し出して言うが、ゼノヴィアはなぜか考え込む仕草を取った。

 

「ゼノヴィア?どうした?」

 

「いや、まあ・・・・私個人としてはクラスメイトではなく、咲良の愛人になりたいと思ってね」

 

「・・・・・は?」

 

一瞬、ゼノヴィアが何を言っているのかわからずに俺は間の抜けた声を上げてしまった。

 

「ゼ、ゼノヴィア?お前は一体何を・・・・」

 

キーンコーンカーンコーン♪

 

俺がゼノヴィアに先ほどの発言の意味を尋ねようとしたら、予鈴がなってしまった。

 

「む?これは予鈴というやつか?さすがに転入初日から授業に遅れるのはマズイな・・・・咲良、教室に戻ろう」

 

「いや、ちょと待て。その前にさっき言ってたことの意味を・・・・」

 

「そんなことより早く戻るぞ」

 

「ちょ、ゼノヴィア!」

 

俺は待ったをかけるが、構わずにゼノヴィアは俺の手を引いて教室へと向かい始める。結局、先程のゼノヴィアの発言の意味を聞くことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼノヴィアが悪魔になって咲良のクラスに転入って・・・・・一体どういう経緯でそんなことになったの?」

 

「色々あったらしい」

 

学校を終え、家に帰ってきた俺はオーフィスと黒歌にゼノヴィアのことを話した。黒歌の方は予想通りのリアクションを返し、オーフィスも表情はあまり変わらないがどこか驚いている様子だ。

 

「色々ね・・・・・教会の戦士が悪魔に転生するような事情って一体・・・?」

 

「それについては俺も気になるけど、ゼノヴィア自身が事情を説明したがらないからな。その事情がなんなのかはわからない」

 

「・・・・・ゼノヴィア、何か悪いことがあった?」

 

事情を説明したがらないのは悪いことがあったからなのかと思ったようで、オーフィスは心配そうにしている。

 

「あるいはそうなのかもな・・・・悪魔に転生したのがゼノヴィア一人だけで、イリナは教会に帰ったっていうのも気になる」

 

「任務中に何かあったのかもしれないわね」

 

「まあ、それも憶測の域をでないけどな。知ってるとすればゼノヴィアとゼノヴィアを転生させた悪魔とその眷属ぐらいかな?」

 

「ゼノヴィアを転生させた悪魔って誰にゃ?」

 

「おそらくリアス・グレモリーだ。ゼノヴィア、彼女が部長を務めるオカルト研究部に入るみたいだから」

 

「リアス・グレモリー・・・・ということは白音と・・・・」

 

黒歌の表情が少々陰る。リアス先輩の眷属の中には黒歌の妹もいるので、思うところがあるのだろう。

 

「・・・・咲良、そのリアスって悪魔からゼノヴィアのこと聞いてみる?」

 

オーフィスが俺に尋ねてくる。

 

「んー・・・・どうしようか迷い中だな。ゼノヴィア本人が言おうとしないことを他のひとから聞くのは気が引ける」

 

それになにより、リアス先輩たちは俺が悪魔やらなんやらのことを理解してるってことをおそらく知らない。もしも俺がリアス先輩たちにゼノヴィアのことを聞くとなると、俺がどうして悪魔とかのことを知っているのかを説明しなければならない。別にそのこと自体は面倒ではあれど構わないのだが・・・・下手をするとオーフィスや黒歌のことがバレかねないんだよなぁ。二人の立場を考えるとそれはあまりよろしくないだろう。だからリアス先輩たちに聞くことはできない。

 

・・・・今更だけど、ゼノヴィアはそのことをリアス先輩たちに秘密にしてくれるだろうか?教会には言わないって約束してくれたから大丈夫だとは思うが・・・・まあ、そこはゼノヴィアを信じよう。

 

「まあ、ゼノヴィアが話してくれるまで待とう。気持ちが落ち着いたら話してくれるかもしれないしな」

 

「それがいいわ。そういえば咲良の学校に転入してきたってことはゼノヴィアはこの町に住んでるのよね?ということは近いうちにまたご飯を食べに来るのかにゃ?」

 

「ゼノヴィアとご飯、楽しみ」

 

二人はゼノヴィアが来るのが楽しみらしく、微笑みを浮かべている。

 

だが・・・・

 

「いや・・・・・きっと当分は来ない」

 

「え?どうしてにゃ?」

 

「確かにまたご飯を食べに来るって約束したけど・・・・それは多分イリナ含めての話だ。二人は相当仲がいいみたいだから・・・・・一緒じゃないとここには来ないと思う」

 

屋上で話してたとき、イリナの名前を出したら明らかに顔色が変わったもんな・・・・やはり気にしているんだろう。そんなイリナをよそにゼノヴィアがこの家に来ることはまずないと思う。

 

「・・・・ゼノヴィアとイリナ喧嘩した?だから二人一緒にいない?」

 

「ああ・・・・もしかしたらそうなのかもな」

 

ただ、喧嘩という次元に収まっていないかもしれないが・・・・

 

「だったら・・・・仲直りして欲しい。我、また二人とご飯食べたい」

 

「そうね・・・・私もにゃ」

 

二人共、ゼノヴィアとイリナの仲を心配している。かく言う俺もだ。何があったのかわからないが・・・・また二人が一緒にいられるようになれたらいと思う。そして二人でまたうちにご飯を食べに来て欲しいと願う。

 

「ゼノヴィアの・・・・二人のことで俺たちができる事は今はほとんどないだろうな。当人か、あるいは周りの環境、時間が解決してくれるのを待つしかないだろう」

 

「・・・・それしかできない?」

 

「それ以外となると・・・・・相談に乗るぐらいか?もっともそれはゼノヴィア次第だが」

 

「クラスメイトな咲良はともかくとして、実質私達は何もできないのと同じにゃ」

 

黒歌の言うとおりだな。俺はクラスメイトだから話す機会はあるけど・・・・オーフィスや黒歌は家に来てくれないと会うことさえ難しい。

 

にしても・・・・

 

「クラスメイト、か」

 

クラスメイト・・・・俺はその言葉からあることを思い出していた。

 

『私個人としてはクラスメイトではなく、咲良の愛人になりたいと思ってね』

 

ゼノヴィアに言われたあの言葉・・・・一体どういう意味なのだろうか。言葉通り受け取るとなるとゼノヴィアは・・・・

 

「・・・・咲良、今何考えてた?」

 

ゼノヴィアの言った言葉の意味を考えていると、オーフィスが声をかけてきた。それもどこか不機嫌そうにだ・・・・まさか、なにか察してる?

 

「そりゃまあゼノヴィアのことをな。話の流れ的にもおかしくないだろ?」

 

間違ってはいない。ただ、肝心な事を言っていないが・・・・愛人のこと言ったらやっぱりオーフィス怒るかな・・・・

 

「・・・・・うん、わかった。咲良のこと信じてるからそれでいい」

 

あ、これ絶対になにか察してますわ。内容まではさすがにわかってないだろうけど・・・・俺の婚約者鋭すぎっす。これ龍神だからとか絶対に関係ないよな・・・・まあ、それだけ愛されてるんだと思えば嬉しいが。

 

「さて、それじゃあそろそろ夕食作らないとな」

 

「今日のご飯は何かにゃ?」

 

「クリームシチューと鮭のムニエル、あとサラダだな」

 

「我、咲良のクリームシチュー好き。ムニエルもサラダも」

 

「オーフィスは咲良の料理ならなんでも好きなんじゃ・・・・まあ私もだけど。咲良、今日も美味しいご飯期待してるにゃ」

 

「ああ。その期待に応えさせてもらうよ」

 

夕食をつくろうと、俺は台所に向かおうと立ち上がる。

 

その時・・・・

 

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

 

家の呼び鈴が5回鳴った。

 

「あら、お客さん?でも5回って・・・・知り合いなら3回じゃなかったっけ?」

 

「・・・・やれやれ、ようやく帰ってきやがったな」

 

「帰ってきた?それってもしかして・・・・」

 

「5回は伊槻が帰ってきた合図」

 

「半年ぶりか・・・・あのクソ爺が」

 

さて、オーフィスにいらんことを吹き込みまくってくれた礼をしなければな・・・・・覚悟しろよ爺さん?

 

 




咲良さんに惚れてしまっているゼノヴィアさん。まさに胃袋を掴まれてる状態です

まあ、オーフィスちゃんって婚約者がいる知ってるので愛人の枠に収まろうとしてますが・・・・もっとも咲良さんはオーフィスさん一筋なので受け入れないですが

そして何かあったのだと察して嫉妬を顕にするオーフィスちゃんやっぱ可愛い

次回はとうとう超絶チートお爺ちゃんこと湊内伊槻登場。乞うご期待

それでは次回もまたお楽しみに!

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