穂乃果「いえーい!」
銀時「テンション、バカ高っ!」
木にするなって!
あ、間違えた。気にするなって!
銀時「変換間違えか」
穂乃果「ある意味、あるあるだよね」
Simeji、便利だけどまたに有るんだよね〜、変換間違え。
間違って私が押しちゃうだけだけど。
銀時「まぁ、今回は真選組サイドと俺達サイドが半々・・・だな。多分」
穂乃果「多分ね」
最近、読みたい小説が全然更新されなくて悲しいよ。占いツクールで。
穂乃果「あ〜」
銀時「まぁ、ドンマイ?」
うん、とりあえず、ラブ魂更新頑張るけどね?なるべく、一年更新とか一生ないようにしたいよ、ラブ魂は。
穂乃果「ま、頑張って!応援してる!ファイトだよっ!」
お!穂乃果のファイトだよ!頂きました!
銀時「つか、ラブ魂では全然言わないよな」
・・・うん、そうだね。
穂乃果「じゃあ、とりあえず本編に行こう!」
銀時「そうだな」
よし、じゃあよろしく!
銀時・穂乃果「ラブ魂!始まります!!」
ここは真選組屯所。
そこは、何故か冒頭から騒がしかった。
「副長オオオオ!!絵里さぁぁぁん!!局長が女にフラれたうえ」
「女を賭けた決闘で汚い手を使われて負けたってホントかァァ!!」
「女にフラれるのはいつもの事だが」
「喧嘩で負けたって信じられないわ!!」
「銀髪の侍ってのは、何者なの!?」
どうやら、騒がしかった理由はコレのようで。
土方「会議中にやかましーんだよ」
絵里「そうよ。それに、あの近藤さんが負けるわけないじゃない」
土方「誰だ。くだらねェ噂、たれ流してんのは」
「沖田隊長と希さんが」
「スピーカーでふれ回ってたぜ!!」
黙ってお茶を飲んでいた沖田と希を見ると、ニタァと、そんな感じで笑った。
沖田「俺は土方さんにききやした」
希「うちはえりちに聞いたんよ」
土方「コイツにしゃべった俺がバカだった・・・」
絵里「ええ、浅はかだったわね・・・」
そんな土方と絵里に文句を言いまくる。
土方「うるせェェぁぁ!!」
そんな奴らに、元々堪忍袋の緒がキレやすい土方はテーブルを蹴っ飛ばしてキレた。
そんな土方に静かになる面々。
土方「会議中に私語した奴ァ切腹だ。俺が介錯してやる。山崎・・・まずはお前からだ」
山崎「え”え”え”!?俺・・・何もしゃべってな・・・」
土方「しゃべってんだろーが。現在進行形で」
理不尽である。
近藤「ウィース。おお、いつになく白熱した会議だな。よ〜し。じゃあ、みんな今日も元気に市中見廻りにいこうか」
そう言って来た近藤の左頬はすごい腫れていた。
それを見て、黙って近藤を見つめちゃう面々。
近藤「ん?どーしたの?」
そんな近藤にため息をつく土方と絵里。
*
「それじゃあ、いいんスね?」
土方「どうせ止めたってやるだろ」
「安心してください、副長。必ず見つけだしますから」
「よし!行くわよ!」
複数「おお!」
絵里「って、女連中も行くのね」
「勿論ですよ〜!安心して待っててください、絵里さん!」
絵里「はいはい、期待しないで待ってるわね」
何かの許可を取ったらしき、隊員が部屋を出ていく。
土方「分かってねェな・・・」
絵里「ええ、分かってないわね・・・」
───近藤さんをやった相手が、お前ら如きで潰せるとでも思ってるのか
───例え、近藤さんが卑怯な手でやられたとしても、どうにもならないに決まってるわ
この二人の心境をよそに、大人数で行くらしい隊員。
「いいか!!相手は一人だ!!」
「必ず見つけ出せ!!」
「真選組の名誉にかけて!!」
コイツら、一応本気らしい。
「ターゲットは銀髪の侍だ」
*
場所変わって、ここは万事屋。
銀時「オイオイオイオイオイ。まさか、俺を倒そうってねぇんじゃねぇよな。それはアレだ。無謀を通り越して傲慢どころか膨満感だよ。ゲップ出ちゃうって」
言い終わった後に、ホントにゲップを出す銀時。
神楽「ふん、やるなら命懸けで来るアルヨ。二度とゲップの出来ない身体にしてやるアル」
銀時同様、ゲップをする神楽。
新八「ふっ、気合いで勝負決まる程、甘くないですよ。この勝負、ゲップなんかじゃなくて頭脳がものを言う」
こんな事言ってる癖に、ゲップをする新八。
穂乃果「ふふっ、ゲップも頭脳もこの勝負には関係ないよ。何せ、運がものを言うんだから!私、自分で言うのも何なんだけど、運は凄い良いんだよ?」
と言いつつ、穂乃果もゲップ・・・ではなく、何故かクシャミを出した。ホントに何故?
「ゲップなんてどうでもいいから早くしろって。しかも、最後に至っては、ゲップじゃなくてクシャミだし」
と、初登場の頭のテッペンだけ髪がない男もゲップをする。
新八【皆さん、こんばんは。志村新八です。新宿も日に日に色が濃くなってきましたね。ところで、何故僕らがこんな顔して睨み合っているのかというと、実はとっても深い事情があるんです。小説だから、こんな顔と言われても分かんないかも知れませんが】
神楽【オッス!オラ、悟空。オイ、皆!等々、宇宙一大決戦が始まっちまったぞ。難しい事は良く分かんないけど、オラすげぇビックリしたぞ!】
穂乃果「え!?」【えっと・・・そう、これは譲れない戦いなのだ!と言うわけで、キミに決めた!】
そんな三人に銀時からのツッコミ。
銀時「おい、お前ら。心の声のフリして、全部丸聞こえだぞ。壊れたフリですか、コノヤロー。つか、穂乃果は別に無理してやらなくてもいいんだぞ?つか、何でポ○モン?と言うわけって、どういわけよ?しかも、それ、主人公のセリフだし、去年の映画の題名でもあるだろ」
長いツッコミありがとー。
新八【ほっといて下さい。これも作戦の一つですから】
神楽【壊れたフリとは失礼アル。フリとは】
穂乃果【べ、別に無理にやってるわけじゃないよ!?】
銀時【ただでさえ、子供に伝わり憎いアニメとか原作とか言われてるんだ。いい加減にしねぇと、愛想つかされて終わるぞ。この小説。と、銀時は心の中で叫んでいた】
新八【叫んでいたって・・・銀さん、マネしないでくださいよ】
銀時【バカヤロー、こんな事で負けてられっかよ】
神楽【そうアル。この勝負だけは絶対に負けられないアル】
穂乃果【そうだよ!私だって、譲れない!】
アホな事をやりつつ、睨み合いをする四人。
「どーしてこんな事になっちまったのか・・・取り敢えず、コレを見ろ!!」
〜これまでのあらすじ〜(これからの途中のナレーションは初登場のこの人がやります。)〜
いつものように、怠惰な日常を送っていた銀時、穂乃果、新八、神楽の万事屋ご一行。
その平穏を打ち破ったのは一人の依頼人であった。
その人物こそ、歌舞伎町町内会兼大工の石田・ピエール・源八左右衛門、63歳、乙女座。(映像はないが、石田本人の主観により、275%容姿が美化されています。申し訳ございません。)
彼の依頼は大工の手伝い。
しかし、その依頼は恐ろしい罠が仕掛けられていたのだ。
そう、人材は二人。たった、二人だけが働く事になるのだ。(またまた申し訳ございません。石田本人の主観により384%美化されています。)
その瞬間、彼等は動いた!!
ハイレベルな駆け引きと攻防を口八丁手八丁、様々な提案が提出されては却下されていく。(本日3度目ですが、申し訳ございません。石田本人により4万兆12%美化されています。)
口八丁手八丁の結果、彼等はその一人を決めるある方法へと辿り着いたのだ。(つーか、いい加減にしろ、じじい。いや、マジで。)
その方法とは、勝負の王道、ジャンケンである。
はい!次からは普通にやります!
銀時「いいか!一発勝負!文句はねぇな!?」
その言葉に穂乃果、神楽、新八の三人は頷く。
────負ければ一日重労働。この勝負、絶対に負けられない!
────そう、負けられない戦い!だからこそ・・・
────どんな手を使ってでも!
────必ず勝つアル!
銀時「じゃあ、行くぞ!ジャーン────」
いいかけた銀時の顎めがけて、何故か平手打ちをかます神楽。
穂乃果「銀ちゃーん!!?」
新八「って、何やってるんだよ神楽ちゃん!!これ、ジャンケンだから!!しかも先出しなんて聞いたことないし!!」
神楽「先手必勝アルヨ」
新八「だからジャンケンだって言ってるじゃん!」
そんな神楽の様子に、銀時は立ち上がり、木刀に手を掛けながら言った。
銀時「いいぜ。おめェ等がその気なら、こっちもその気でいかせてもらう」
新八「おいぃぃぃ!!ジャンケンだって言ってるだろーがァ!!」
新八のツッコミで仕切り直しをする事に。
銀時「いいかァ、一発勝負。文句はねぇな!?」
その言葉に再度頷く面々。
穂乃果「じゃあ、次の掛け声は私で行くよ!最初はグー!」
その言葉で一斉に出したが、何故か穂乃果以外のみんなが揃ってパーを出した。
穂乃果「・・・あれ?」
石田「はい、一人目は穂乃果ちゃんだな」
穂乃果「そ、そんなぁ・・・」
なんとまぁ、バカ正直な穂乃果には呆れる。
しかし、文句は言ってもしょうがないので石田の腰掛けてるソファの隣に行き、座る。
何よりも、こんな事想像出来たことだと、穂乃果はため息をついて諦めた。
銀時「おいおい、どー言うつもりだァ?お二人さん。確か、穂乃果は最初はグーって言ったハズだろ」
神楽「うちの実家じゃ、これグー言うアル」
銀時「うわっ、苦しっ!ナニソレ、言い訳?意味わかんないんですけど」
新八「そーいう銀さんもパー出してますけどね」
一瞬の沈黙の後、再び今度は三人でジャンケンをする。
銀時「ジャーンケーン!」
掛け声で新八はグーを出したが、二人はジャンケンとは違うと思われるものを出した。
神楽は影絵のカニを出し、銀時はどこから出したのか五本の指人形を指につけて出した。
新八「アンタら、ジャンケンの意味知ってるの!?なんスか、それ!?」
神楽「見てわからないアルカ。カニアルヨ。カニ」
銀時「少なくとも、グーよりは高級だな。しかし、この俺様には敵うまい」
新八「何処の家族連れてきてるの!」
銀時「子供がまだ食べてるでしょうが」
と、中指を動かしながら言う銀時。
新八「だから、ジャンケンなんだってば!!」
神楽「新八の負けアル。しっかり働いてくるアルヨ」
新八「だから何で僕なんだよ!?二人の反則負けだろ!?」
銀時「ふざけんなよ。こっちは知恵絞ってジャンケンやってんだよ。甘えんな」
新八「世の中にはルールってのが、あるの知ってますか!?」
神楽「ルールは破る為にあるアルヨ」
新八「ふざけんなァァァァ!!」
そんな面々に痺れを切らしたのか、石田は思案顔をした後、ソファを立ち三人に近づき、銀時の手をあげて言った。
石田「はい、銀さんの勝ちー」
銀時「ビクトリー」
新八「ええっ!?」
そんな新八に神楽が近づき、肩に手をやって悪い顔をしながら言った。
神楽「ふっ、じゃあな。負け犬。しっかり働いてこいや」
銀時「そうだぞ、新八。依頼人は神様だ。何でも、言う事聞いてこいよ」
そんな事言う銀時の手を何故か引く石田。
銀時「ちょっ!これ、どゆこと?」
石田「何言っちょる。勝った人間が有難い仕事をするんだよ。感謝するんだな。ほら、穂乃果ちゃんも行くよー」
穂乃果「あ、はーい!」
銀時「いや、そーじゃなくて・・・え、えー?」
神楽・新八「いってらっしゃーい」
*
暫く歩いて、ちょっとばかり騒がしい道に出た。(とは言っても、騒がしいのは真選組だけだが。銀時も穂乃果も石田も気づいてはいない。)
石田「おら、ここだ」
そう言い扉を開けたのは、集英建設と言う建物だ。
銀時「いや、なんて言うかさ、どうにも釈然としないんだけど」
石田「文句ばっか言うな、とっとと現場に荷物運ぶぞ。穂乃果ちゃんは取り敢えず軽いもの持ってな。で、現場でめちゃ頑張って」
穂乃果「はーい」
*
で、現場に荷物を運んでこれから働くというところだ。
石田「ちゃっちゃと働け。仕事は山ほどあるんだからな。もっと、穂乃果ちゃんを見習え」
銀時「分かってねェな。人を使うってのはよォ、相手舞い上がらせて、なんぼだって知ってっか?」
石田「はいはい、舞い上がって落ちないように気を付けな」
と、銀時にヘルメットを被せる。
前を真選組が通ったが、ヘルメットのおかげで銀時が銀髪である事に気づかなかったようだ。
穂乃果「?真選組?」
石田「穂乃果ちゃんは銀さん以上にもっと気を付けろよ。はい、ヘルメット」
穂乃果「あ、うん!ありがとう!石田さん!」
*
所変わって、真選組屯所。
希「え?斬るん?銀髪の侍を!?」
絵里「そ、どっかの誰かさん達のせいでね。何でも、銀髪の侍を探してる連中が、自分の大将が負けたって触れ回ってるような事をしてるみたいよ。だから、今から先に行ってもらってる土方さんと沖田さんに合流するつもり」
その言葉に、へーっと言い、どうでも良さげのような態度をする希。
希「そんなら、いってらっしゃい。えりち」
絵里「何言ってるの?あなたも行くのよ。の・ぞ・み」
希「わ、分かってるって。ちょっとした冗談やん。顔、怖いよ?」
絵里「誰のせいよ。誰の!」
絵里は落ち着けようと、息をゆっくりと吐き出した。
絵里「元はといえば、あなたのせいでもあるんだからね。あなたも連れて行くために、土方さんと沖田さんに先に行ってもらったのよ」
希「ふーん、にこっちは?」
絵里「にこは近藤さんの方に行ってるわ。ま、そーいう訳でわたし達だけで行くわよ」
*
希「思った以上に、張り紙いっぱいやね」
絵里「ホントよ」
そこに、前方の方に土方と沖田が見えたので駆け寄る二人。
絵里「ごめんなさい、遅かった?」
土方「いや?そうでもないさ。ま、話の続きだが、でけー事になる前に俺で始末するって事さ」
絵里「普通、物騒な話をこんな道中でする?」
そんな絵里の言葉を無視する面々。
沖田「土方さんは二言目には[斬る]で、困りまさァ。古来、暗殺で大事を成した人はいませんぜ」
土方「暗殺じゃねェ。堂々と行って斬ってくる」
沖田「そこまでせんでも、適当に銀髪の侍を見繕って連れ帰りゃ、隊士達も納得しますぜ」
そう言って、沖田は近くにいた銀髪の老人に近づき、話を続ける。
沖田「これなんて、どーです。ホラ、ちゃんと木刀もちな」
土方「ジーさん、その木刀でそいつの頭かち割ってくれ」
そこで、希が何かにピーン!と来たのか老人の沖田がいる逆隣に来て、何故かドヤ顔をした。
希「ふっふっふっ・・・えりち、うちはピーンと来たで」
絵里「は?」
沖田「お、希さんもですかィ?」
希「お、沖田さんも来たん?」
沖田「そうですぜィ」
・・・怖っ!この二人、怖いよ!?
希「パッと見、さえないけど・・・でも」
沖田「眼鏡をとったら、ホラ」
沖田・希「武蔵じゃん」
土方・絵里「何その無駄なカッコよさ!!」
ひと息ついて、武蔵似の老人とサヨナラをして、話を再び続ける。
希「ホントに殺る気なん?銀髪って情報しかこっちにはないんよね?」
絵里「そうねぇ」
土方「近藤さん負かすからには、タダ者じゃねェ。見ればすぐ分かるさ」
そこに、土方の携帯電話に電話が来る。
ちょっと話して、電話を切った土方に沖田が話しかける。
沖田「見つかったんですかィ?」
土方「山崎がそれらしい奴を見つけたらしい」
絵里「んじゃ、早く行きましょうか」
土方「ああ」
*
土方「ここか・・・」
とある建物の前に、合流した山崎を含めて立った。
土方「真選組だァ!!御用改めである!!」
が、しかしそこに居たのは二人の男女で銀髪がいなかった。
「何か御用ですか」
一瞬の沈黙の後。
土方「こりゃ」
山崎「カツカツの、侍」
その言葉に、沖田、絵里、希の三人は手をポン、とする。
土方「つ、しかあってねェじゃねぇか。山崎てめェェェ!!」
逃げる山崎とそれを追い掛ける土方を見てる三人。
沖田「銀髪の侍か・・・いったい、何処にいるんでしょうかねェ」
絵里「ええ、ホントにね」
希「んー、こうなったら、占うしか・・・あ!」
何かを思いついたらしい希。
そんな希に疑問符を浮かべる二人。
*
銀髪の侍は、ここにいた。
石田「金槌はもっと魂込めて打つんだよ」
銀時「おめェの頭にだったら、魂込めて打ち込んでやるよ、ハゲェ」
石田「んだと、コノヤロー!グダグダの銀髪パーマの分際で偉そうな事言うな!」
穂乃果「銀ちゃん!ハゲなんて、悪口はダメだよ!」
石田「おー、相変わらず。穂乃果ちゃんはいい子だなァ」
この孫娘を見るような目、間違いない。穂乃果に骨抜きの証だ。
石田「ま、とにかく、あっち半分は銀さん。こっち半分は穂乃果ちゃんが頼むよ。俺はあっちをするから」
穂乃果「はーい」
銀時「おー」
*
はい、視点転換が激しいけど、再び土方サイド。
沖田「見つかりませんねェ」
絵里「ええ、ホントに」
沖田は土方と話し、絵里は希と話す。
絵里「ねぇ、ホントに池田屋の時にいた銀髪がそうなの?」
希「間違いないと思うよ。うちの勘は凄い当たるし、占いはもっと当たる。その占いもさっきやったら、結果は池田屋の時の銀髪の侍」
絵里「うーん、確かにその通りね。それに、まぁあの銀髪程度なら、近藤さんを負かしても不思議じゃないのかしら・・・?」
だが、しかし、絵里にも疑問は残っている。
絵里「何故、それを土方さんに言わないの?」
希「え?その方が面白そうやから?」
絵里「ふざけないでよ、希。・・・長い付き合いだから、分かるわ。あなただって、心中穏やかじゃないでしょ」
希は絵里のその言葉に、片目をつぶって・・・さぁて、どうやろうね?と言った。
絵里「忘れたわけじゃないでしょう。・・・いいえ、忘れられるわけが無い。あの人が、わたし達にしてくれた事を。あの人がわたし達を拾ってくれたから、女でも真選組をやれている。・・・わたし達真選組が胸を張って街を出歩けるのは、近藤さんのおかげなんだから。わたし達は女でなかったら良かったとは思わずに、女である事を誇りに思い、失望なんてさせないように、近藤さんについて行く。そう、決めたじゃない?」
大人しく、絵里の言葉を聞いていた希は微笑むだけで何も言わない。
と、そこでテンション低く土方に声がかかった。
声をかけたのは坂田銀時、その人である。
銀時「おーい、兄ちゃん危ないよ」
その声に、上を見た土方を襲ったのは、落ちてくる木材の束だった。
土方「うぉわァアアアァ!!」
絵里「!?土方さん!!平気ですか!?」
土方「あっ・・・危ねーだろがァァ!!」
銀時「だから、危ねーっつったろ」
土方「もっとテンションあげて言えや!わかるか!!」
銀時「うるせーな。他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねーよ」
被ってたヘルメットを頭から外して、顔を見えるようになり、銀時の顔を見た土方と絵里は絶叫した。
土方「てめーは・・・池田屋の時の・・・」
銀時「?」
土方「そぉか・・・そういや、てめーも銀髪だったな」
銀時「・・・えーと。君、誰?」
どうやら忘れているようです。
銀時「あ・・・もしかして、
そこに穂乃果の声がかかる。
穂乃果「銀ちゃーん!石田さんが早くこっちお願いっt・・・あれ?トシ君とそー君。久し振りだね!あ、でも池田屋でも会ってるか」
と言って手を振ってくる穂乃果に和みながら、手を振り返す土方と沖田。
その二人とは対照的に固まる銀時。
────え!?何、穂乃果コイツらと知り合いなの!?って言うか、何か親しげ?明らかにあだ名で呼んでたよね?
穂乃果「あ、そうだ。銀ちゃん、石田さんがこっちお願いって言ってるよ!早くだって!」
銀時「お、おー、分かった。今、行くわ。じゃ、多串。俺、仕事だから」
と、屋根の上の方に行く銀時を見て、土方に話しかける三人。
沖田「行っちゃいましたよ。どーしやす、多串君」
希「うち的には、例の銀髪の侍で当たりやと思うんやけど、どー思う?多串君」
絵里「やっぱり、うちの大将を負かしたんですから、さっき言った通り、斬っちゃいますか?多串君」
土方「誰が多串君だ、誰が!!」
ツッコんだ後に、土方は屋根の上の方を見て、忌々しげに言った。
土方「あの野郎。わずか三、四話で人のこと忘れやがって」
沖田「普通、忘れると思いますよ」
希「せやな。この小説、更新不定期の上、投稿日の曜日が決まっとるし」
絵里「発言がメタイわね、アナタ達」
土方「総悟、ちょっと刀貸せ」
絵里「希、わたしにも刀を貸して」
沖田は疑問符を浮かべて刀を貸し、希は苦笑いを浮かべて刀を貸した。
希「ええの?近藤さんをやった相手はただ一人やのに」
絵里「関係ないわね」
希「・・・相変わらずやなぁ・・・」
*
銀時「まったくよォ。こんなハゲと一日一緒に仕事してたら、こっちまでハゲになるわ」
石田「ちっ。人手不足じゃなかったら、てめーの所なんかに頼まねぇのによォ。そこ、ちゃんとやっとけよ。穂乃果ちゃんもよろしくね」
言いながら、違う所に行く石田。
穂乃果「はーい」
銀時「おめーもな、ハゲ」
そこに銀時と穂乃果にそれぞれ声がかかる。
言わずもがな、土方と絵里である。
土方「爆弾処理の次は、屋根の修理か?」
絵里「久しぶりね、高坂穂乃果」
穂乃果「あ、えっと・・・真選組、の人だよね?そー君・・・あー、じゃなくて、トシ君と同期?」
土方「節操のねェ野郎だ。一体何がしてーんだ、てめェは」
銀時「爆弾!?・・・お前、あん時の」
土方の爆弾と言う言葉でやっと思い出したようだ。
土方「やっと思い出したか。あれ以来、どうにもお前の事がひっかかってた。あんな無茶する奴ァ、
銀時「近藤さん?」
土方の言葉に何かが分かったらしい穂乃果。
穂乃果「ああ・・・もしかして、銀ちゃんに用事なの?」
絵里「いえ、元々はそうだったんだけど、あなたに興味が出たのよ。だから、わたしの用事はあなた」
穂乃果「そ、そっかぁ〜」
嫌な予感が感じるためか、笑顔が引きつっている穂乃果。
土方「女とり合った仲なんだろ。そんなにイイ女なのか。まぁ、俺には関係ないがな」
そう言いながら、剣を銀時に投げて渡す土方。
絵里も隣で投げながら剣を穂乃果に渡す。
銀時「お前、あのゴリラの知り合いかよ。・・・にしてもなんの真似だ、こりゃ・・・!!」
銀時の話してる途中だが、関係ないようで土方は銀時に、絵里は穂乃果に斬りかかった。
斬りかかる方向がそれぞれ違ったので、銀時と穂乃果は若干離れてしまった。
銀時「穂乃果!!」
穂乃果「銀ちゃん!!」
土方・絵里「行かせ(ねェ/ない)!!」
お互いにお互いの場所に行こうとしたが、邪魔をされ行けない。
穂乃果「───何するの!?」
絵里「あなたの相手はわたし。銀髪の侍の相手は土方さん。セオリーでいいじゃない?」
そう言って笑う絵里に、穂乃果は深呼吸をして自分を落ち着かせる。
穂乃果「・・・私は高坂穂乃果。よろしくね!さぁ、あなたも名乗って」
一瞬驚いた後に笑顔で名乗る。
絵里「・・・絢瀬絵里よ。よろしく、穂乃果」
穂乃果「よろしくね、絵里ちゃん」
そう言った後、ちょっとだけ笑顔を見せて剣を鞘から抜いて真剣な眼差しで前を見据えて、剣を構える。
どうやら仕方ない、と諦め相手をする事にしたらしい。
しばらくの間、お互いに真剣な眼差しでお互いを見る。
先に動いたのは絵里だ。
穂乃果に向かって、剣を振り下ろす。が、穂乃果は振り下ろした剣先を絶妙な力加減で逸らす。
落ち着いた様子でこちらの攻撃を対処する穂乃果に、若干驚きつつ、絵里はその手を休ませずに穂乃果に向かって行く。
絵里は剣を横薙ぎに振るった。
それを見て、焦ることなくバックステップの要領で後ろに下がってかわす。しかし、避けきれなかった剣先がかすり、頬を赤い線が走った。
浅いため、傷に残ることのない、心配する程の事はない傷である。
浅い傷を指で軽く拭り、手についた血を見てちょっと考えた後、先程よりも目を鋭くして、また構える。
穂乃果(仕方ない・・・。絵里ちゃんは手を抜いて勝てるような甘い相手じゃない!やるしかない!!)
絵里(やっと本気を出してくれるつもりになったのかしら・・・。そうこなくっちゃ)
さっきよりも警戒を強め、さっきと同様に一気に穂乃果に走って向かう。
絵里の剣先はかなりのスピードを伴って穂乃果に振り下ろされた。
穂乃果はそれを剣で受け止める。それだけではない。そのまま半回転させて、絵里の剣を上へと勢い良く弾いた。
その素早い技に絵里は目を見開く。
絵里(なんて早業っ・・・!?)
穂乃果の早業を身近で見た絵里は、今まで見た中で一番かもしれないとふと思った。真選組の中でスピードと言えば、沖田とにこの二人がツートップであると誰もが答える。絵里もそう思う。しかし穂乃果の速さを身近に感じると思わずにはいられない。ツートップである二人以上では無いかと。
体制を立て直す暇も与えられない絵里は負けを素直に受け入れた。容赦なく来る横からの剣先に自然と身体が強ばる。
固く目を瞑っていた絵里は、いつまで経っても想像していた痛みが来ない事を不思議に思った。そっと目を開ける。
目を開けた先に見えたのは、絵里に当たる寸前で止まっている剣だった。因みに、打ち上げられた剣は瓦に突き刺さっている。
目を見開いて驚いている絵里を見た穂乃果はゆっくりと剣をひく。
穂乃果「私の勝ちだね!」
絵里「・・・そうね。でも、その・・・」
穂乃果「?」
絵里「・・・なんで、剣を寸でのところで止めるのよ?あなたは勝った。わたしは負けた。・・・それなのに」
絵里にとっては当然の質問でも、穂乃果にとっては疑問の塊のような質問だったらしい。
穂乃果「え?だって、斬っちゃうと痛いよ?」
絵里「それはそうだけど・・・殺し合いなのよ?」
穂乃果「え?そうなの?」
今度は絵里がド肝を抜かれた。
絵里「そうなの・・・って、剣を渡す時点でそうでしょ!?」
穂乃果「んー・・・でも、私は無意味な殺しはしたくないの。それに、絵里ちゃんとも仲良くしたいしね。死んじゃったら、それも出来ないよ。それに、私は私の思うままに生き抜くって、昔から決めてるの。その方が悔いのない日々を送れると思わない?・・・──だから、私は自分の
絵里「・・・そう。アッチも終わったみたいだし、行ったら?」
穂乃果「うん、そうするね」
そう言って、「銀ちゃーん!!」と叫びながら走って銀時の所に行く穂乃果を見送り、すれ違いがてら穂乃果と話してきた土方に話しかける。
絵里「土方さん、負けちゃったわ」
土方「ああ、俺も負けたよ」
絵里「そう。・・・穂乃果とは、どんな関係なの?」
土方「ちょっとした、昔馴染みってところだ」
絵里「幼馴染ってとこ?」
土方「まぁ、あながち間違ってないか?とは言え、あの銀髪の侍の方が付き合いは長いみたいだがな」
別の屋根からは、沖田と近藤、希とにこがいた。
沖田「・・・フフ、面白ェ人だ。俺も一戦交えたくなりましたぜ」
近藤「やめとけ。お前でもキツいぞ、総悟」
にこ「沖田でもキツいんなら、私たちはもっと無理ね」
希「せやなぁ・・・あの、沖田さんがキツいんなら、無理やな」
うんうん、と頷き合うにこと希。
近藤「女の方は分からないが、アイツは目の前で刃を合わせていても、全然別のところで勝手に闘ってるよーな男なんだよ。勝ちも負けも浄も不浄も超えたところでな」
希「女の人の方に関してウチに言わせてもらえば、そうやなぁ・・・しいって言えば、人を惹きつける様な感じの、大空を連想する子、やな」
沖田「大空?」
希「あの子の笑顔は大空に浮かぶ太陽の様で、大空の様に全てを包み込む様な・・・そんな感じで人々を惹きつける子。そう、ウチの占いには出たよ」
にこ「希の占いは当たるものね」
それを聞いて、的を得ている、と沖田と土方は思った。
絵里「ごめんなさい、近藤さん。負けちゃったわ」
土方「俺も負けちまったよ」
*
穂乃果「銀ちゃん、大丈夫?」
銀時「ああ、こんなのかすり傷だ、平気さ。それよりお前は?」
穂乃果「私も平気。銀ちゃんよりも軽症だし、本当にこっちはかすり傷だし。それよりも病院行くでしょ?いいよ、仕事は私がやっとくから。説明もちゃんとするよ」
銀時「ん・・・じゃあ、お願いな」
そう言って銀時が頭を撫でてくれるものだから、嬉しくなって、元気よく「うん!」と言った。
銀時「そう言えば、さっき多串君と何話してたんだ?」
穂乃果「え?あ、これだけは銀ちゃんでもナイショだよ!」
あんまり自分には隠し事しない穂乃果だからこそ、この言葉には凄い大ダメージを銀時に与えた。
穂乃果はあんまり銀時に内緒事したり、嘘をついたりしたくないので、滅多に隠し事はしないが、これだけは何となく言う気になれなかったのだ。
穂乃果「じゃあ、行ってらっしゃい!」
銀時「あ、ああ・・・」
銀時を見送り、石田に説明をし、仕事に戻りながら土方との会話を思い出した。
穂乃果『トシ君!久しぶりだね!』
土方『ああ、久しぶりだな。穂乃果』
穂乃果『あ、ねぇねぇ。今度、どこか行かない?久しぶりだしね!』
土方『そうだな・・・じゃあ、遊園地とか行くか?』
穂乃果『え!?行く行く!じゃあ、そー君も誘って3人で行こ!私は基本的に大丈夫だけど、真選組の方は休み取れるの?』
土方『まぁ、平気だよ。でも・・・できれば二人で・・・いや、やっぱ何でもない』
穂乃果『?そう?じゃあ、私はそろそろ行くね?』
土方『ああ、連絡は適当にする』
穂乃果『うん!じゃあね!』
土方との会話を思い出し、楽しみだな・・・と笑顔を浮かべる穂乃果だった。
はい、今日は特に重要な新キャラが出てきた訳では無いので、設定はなしですね。
穂乃果「ね」
銀時「つか、はたメーワクなヤツらだな」
穂乃果「被害被ったのは私だよ。ホント、絵里ちゃんってば戦闘狂なんだから。どこの風紀委員長?」
ちょっ!?それ、違う作品だからァ!!
好きだけどね!その風紀委員長様、私好きだけどね!!
銀時「とうとう、そんな事を言うようになっちまったよ、穂乃果。お前、そんなヤツだっけ?」
いや、ラブ魂のキャラとしていた時から、こんなんじゃなかった?
銀時「そうだっけか?」
穂乃果「二人してなんか酷くない!?」
はい、それはともかく、アンケート・・・的なのを活動報告で載せたのでそれをお知らせします。
詳しくは、活動報告にて。
そのアンケート、とりあえず見るだけ見てくださると幸いです。
銀時「・・・そういやぁ、今日はゲストいないの?」
ん?呼ぶ?
とりあえず、予告のためだけになっちゃうかもだけど。
穂乃果「呼ぼうよ!誰が来るの?」
誰がいい?
穂乃果「え?んー・・・じゃあ、にこちゃん!」
はい、じゃあにこで!
にこ「矢澤にこよ。・・・じゃない!!いきなり何よ!これでも忙しいのよ!?」
何言ってんの、沖田さんと喧嘩してただけじゃん。
穂乃果「そうだ、なんでにこちゃんとそー君はそんなに仲が悪いの?」
にこ「・・・アイツが、アイツがっ!気に入らないからよ!!なんなの!?あのシスコン!!」
・・・触らぬが仏といいますし、どうしよう。
にこ「大体ねぇ、年上は敬えってーのよ!!人を背と胸で決めつけるなァ!!見た目で決めつけるなァ!!」
あー・・・あの、にこさん?
にこ「なによ!?あ、それより聞いてよ!」
え、ええっ・・・?
にこ「あんの
・・・にこ、沖田ファンに殺されるんじゃない?
銀時「いや、ギリセーフじゃね?」
穂乃果「私的にはアウトな気がするけど」
あー・・・取り敢えず、次回予告よろしく、にこ。
*
にこ「次回は、オリジナル回よ。穂乃果と真選組のある二人がデート・・・的な事をするの。まぁ、誰かは大体分かる人もいると思うけれど。まぁ、大雑把だろうけど、こんなモンよ」
*
にこ「こほん、それじゃあ・・・にっこにっこに〜!次回も楽しみにしてて欲しいにこ〜!」
え・・・
穂乃果「・・・にこちゃん」
銀時「・・・お前」
にこ「な、何よ、その反応!」
いや、だってねぇ?
銀時「おまっ・・・原作の高校生でも無理があった感があったのに、成人してる今、それをやったら無理を通り越して寒いわ!」
穂乃果「むしろ寒いを通り越して暑いよ!?」
いや、それはおかしい。
言いたいことは分かるけど。
にこ「うっ・・・うるさーい!!」