申し訳ないですが、今後も不定期になります。
『お前にふさわしいソイルは決まった!!』
風は対峙者達に対し指を向け静かに叫ぶ。
『光なき魂の叫び、ダークグリーン。』
『我は無敵なり、』
ベルトに刺していたソイル入りの弾丸を顔の前に持って来て、指ではじき一本目を魔銃へ装填し、ソラノが魔力を脚部へ溜めながら一歩ずつ向かっていく。
『生み出すことを許さない、ヴァージンホワイト。』
『我が影技に敵う者無し、』
<ビシビシッ!!>
更に、風は二本目を装填。ソラノの魔力は周りの木々や地面を意図せず割いていく。
『そして、全てを凍てつかせる、アイスブルー。』
『我が一撃は無敵なり!!』
最後はベルトを叩き、弾丸を勢いよく飛ばしシリンダーに装填した。魔銃にある風の心臓の鼓動が早くなりドリルが唸りを上げ、ソラノの目が対峙する相手へ見開かれた!
『光れ、召喚獣……シヴァ!!』
『見よう見まね
氷の結晶のような召喚獣が森の木々を凍てつかせ、その木々ごとソラノの音速の蹴りが対峙者達へ吸い込まれていく。
が、
『全ての、我が美しき調べによりて去り行くがいい!』
『行くぞ不俱戴天!』
対峙する者達も、
『白熱の
『剛の型!!』
唯指をくわえてやられるのを待っているわけではない!!
<<グォォォォォォ!!>>
<<ガキン!!>>
白い蛇のような召喚獣が風の召喚獣とぶつかり、一振りの刀がソラノの蹴りを迎え撃つ。
『君の召喚獣はいつ見ても綺麗だよ。』
「…ぬかせ(け、
片方は雑談を交え気軽に。
「カァグゥラァァァァァァ!!」
「エンジェルゥゥゥゥゥゥ!!」
もう片方は鬼気迫る形相、で…鬼気迫る形相で
…何故!?
オホン、此処は魔女が住まうと噂される深い森の中。風達は来る対
行っているんだが、
「「ハァァァァァァァァァァ!!」」
…若干2名その趣旨を忘れ、全力で
「ユキノ!ライブラの重力魔法でカグラの動きを止めるんだゾ!!」
「えっ!?で、でも姉さんこれは模擬戦でs「風を義兄にする為だゾ!」ッ!負けられない戦いがあるのですね!お願い『ライブラ』!!」
…何故か、アグリア姉妹による息の合った連携が此処に完成してしまった。
「なっ!?…こうなったら、
「いや私、そんなカッコいい二つ名付いてないんですけど!?ってか、今の私鍵を持ってないから星霊魔法使えないって前にも言ったよね!?」
相対するカグラは、未来から来たルーシィ…隻腕のルーシィに「そこぉ!変な
「そ、そんなこと…させてたまるかぁぁぁぁぁぁ!!」
「カ、カグラ様をこれ以上ライブラで抑えられません!ソラノ姉さん!!」
「分かったんだゾ!これで、極めるんだゾ!!」
ライブラの重力を打ち破ろうと魔力を全開にするカグラ。その隙を突き必殺の一撃を叩き込もうとするソラノ。一進一退の攻防が、
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「見よう見まねクルダ流交殺法、表技!
此処で、
「これで、晴れて風様が義兄に!!」
「これ、模擬戦なんだけど!?何で相手の命
決着する。
「
<<ギィン!!>>
一人の男の登場により。
「…何をやっている(何やってんだよアグリア姉妹は!?今のはマジでやばかったぞ!!)。」
「か、風殿(あぁ、やっぱり風
ソラノの
「チッ、もう少しで正妻の座が(小声)。ちょ、ちょっと力が入りすぎちゃったんだゾ。ごめんなさいだゾ。」
「か、風様申し訳ありませんでした!!」
アグリア姉妹は風には素直に頭を下げたが、
「…(べーだゾ)」
「…(叩き切ってやろうか!?:口パク)」
ソラノだけは風からは見えない位置で、カグラへあっかんべーをしていた。
『さて、今日の模擬戦はこれで終わりでいいかな?』
「…ああ、終わりだ。汗を流したら昼食にしよう。」
今日も今日とて森の一部が消し飛んだがいつもの事で、残った木々が魔力を吸って数日で元の森へ戻っていく。
この不思議な現象は、偶に森へ運悪く―魔獣ですら息を殺して模擬戦が終わるのを待っている為、魔獣に襲われないので運がいいのかもしれない―森へ訪れたA級以上の魔導士に目撃され、森へ入る人間が激減しているのだが、風達は全く知らない。
■□■□
「今までの模擬戦で分かったことがある…と言うより改めなくても本人や周りも理解しているだろう。」
ソラノ=アグリア 黒き風 と書かれた表札(ソラノ=アグリアの箇所だけ滅多切りになっており、辛うじて読めるぐらいなのだが)の家へ皆帰宅(?)し汗を流した後カグラが第一声にそう言い放った。
「…魔獣のソテーだ。(ほい、カグラちゃんソテー持ってきたぜ)」
「風殿が持ってきただけでエンジェルが料理した汚ぶt…失礼、風殿が持ってきただけで唯の素っ気ない肉が至宝に代わってしまったぞ!!」
料理当番は、ソラノ→ユキノ→カグラ の順番で日ごと変わっている。朝食だけユキノということだったが、風に食事を提供=餌付け という事実に直面した二人はユキノや風達を説得(半ばゴリ押し)した。
風も作ると言ったが、試しに作った料理がほぼ半生の何かの肉で常識人のルーシィとユキノに説得され、せめて料理を運ぶことはさせて欲しいと今のウェイターっぽいポジションを確保している。
風の料理の腕を知らなかった若干1名は、ソレを気合で食し数日腹痛に悩まされたが気にしてはいけない。
「今後の課題ですね。私のせいでもあるのですg「…ソテーだ。それと、食事中はその話は止めろ。」も、申し訳ありません風様!今日はソテーにしたんですね姉さん。」
「…ごめん。」
今話題になってしまっている未来から来たルーシィが、ユキノの後に顔を伏せたまま謝る。
「…隻腕の「まだそのネタ引っ張るの!?」スマン。先ほども言ったが、食事が先だ。その話をするのはその後だ。」
「も、申し訳ありません風殿!さ、さぁ!食事を楽しもう!!」
「…フフフ。あのカグラが此処までオドオドするなんで、今でも信じられないわ。」
風の機転(?)で重苦しい空気があっという間に飛散し、
「なーにが『ちょっと目つきの鋭いお姉さん』なんだゾ。そんなんだからお堅いお侍様って言われて子供たちに避けられるんだゾ元ちびっ子。」
料理をしていたソラノも食事のために食卓が置いてある部屋へやってきた。
「ム、そんな事はない!カッコいいお姉ちゃんと言われ子供達に慕わられてる!!」
「それは、唯憧れてるだけなんだゾ。エンジェルちゃんみたいに子供と一緒に遊び学んでいける事が、良き母になれるんだゾ。」
「グヌヌ!!」
息を吐くようにカグラを煽りマウントを取っていくソラノ。この家では日常の風景になりつつある。
カグラとソラノは口論しながら食事を器用にとり、ユキノと風が言葉数は多くないが話しながら食事し、食事を必要としない白き雲が風達の会話に入り微笑む。
「ウッ、グス!!」
そんな日常を、見慣れだした束の間の平和を彼女、
「ど、どうしたんだゾルーシィ!?またカグラに虐められたんだゾ!?」
「わ、私は虐めてなんていない!大丈夫かルーシィ!?」
「ル、ルーシィ様どうしたんですか!?何かあったんですか!?」
「…ルーシィ大丈夫か?」
『いったいどうしたんだいルーシィ?』
ルーシィは、
「私、この
噛みしめていた。