大轟竜転生奇譚〜これが私の大轟竜としての、生き様だ〜(友人の金の月もいるよ!)   作:熨斗付けた紅白蛇

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あらすじ

親が帰ってこない


つまるところ生きなければ

…………はい、見事に夜。新月なのか木々の間から見える空は暗くて星が輝いています。

しかし、それだけ暗くなっても親は帰ってこない。

幾ら何でもおかしい。何かしら、あったのかもしれない。例えば、ハンターに狩られたとか……。

 

ティガレックスと言えば、その獰猛さとかそういうのが原因で即狩るか立ち去るのを待たなきゃいけない系列のモンスター。無駄に強いからその分強いハンターが狩りに来る。

そして、もし本当に親となるティガレックスが狩られたとすれば……

 

「…………ぎゅっ(詰んだ。)」

 

詰み。子供だけで、しかも孵ったばかりの私が生き残ることが出来る可能性は非常に低い。

動きもとろとろのさのさ……と、までは言わないが子供の身ではのろいし、獲物を探せても獲れるかと聞かれれば、キツイ。ケルピぐらいなら狩れるかもしれないが、この辺りにケルピが居る道理もない。ティガレックスの住処が近いのだから。

かと言って、遠出をしようものなら、いくらティガレックス希少種とは言え、まだ生まれたばかりの幼体。他の……それこそリオ夫婦に狩られるかもしれない。

冗談ではない。私はまだ死んでたまるか。この可愛い可愛いティガボディを堪能しきっていないのに。

だが、食料の問題は切実である。どうすべきか……

 

「…………ぎゅっ?(ん?)」

 

ふと、目に入ったのは巣の周りに生えていた草と青いぼんやりと光るキノコ。大抵巣の近くにはキノコとかが生えている気がする。

近づいて見ると、なんだかゲーム内で見たアイテムの名前が当てはまりそうな見た目の草とキノコであった。

試しに草の方を引きちぎる。粘つく。

キノコの方を……嫌々ながら食べてみる。うん、なんか回復した気がする。

 

ネンチャク草とアオキノコですね本当にありがとうございます。

てか、アオキノコなら食えるじゃん。2日ぐらいの食料にはなるだけの量あるし。本音?肉食べたい。てか、これが本当にアオキノコで良かった。ドクテングダケとかじゃなくて良かった。

ネンチャク草は……石ころとかがあったら素材玉に出来るかな?でも、合成とかって……どうしよう……

 

うん、出来なかったら諦めましょう。

そういう方針で。

最悪、ネンチャク草に関しては上手くやればそのまま使えそうだし。

……道具を使えば、生まれたばかりの幼体でもどうにか出来そうだ。うん、今の私はそう思う。

そうと決まれば、日が明けるのを待とう。暗闇の中で動くのは危険だ。見えないわけではないけど、それでも昼間よりはやはり見える範囲は狭い。そんな中に出れば、今の私ではあっという間に蹂躙されるだろう。主に今の時間ならホロロとかホロロとか蜘蛛とか。

 

そんなわけで、力を温存する意味でも、眠ってしまおう。そして、日が昇れば、食料と使えるものを探しに行こう。

あとそれから……まだしばらく、他のタマゴが孵らないことを祈ろう。今孵ってしまえば、共ども飢え倒れるだろうから。




ティガレックス希少種(幼体)の状態

生後半日
体長約1m
体重………kg(ここだけ引き裂かれていて、読めない)

現在、アオキノコが食べられることに気づいた様子。
巣からは出てこなかった。


独自解釈のタグを付けた方が良さそうですね…

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