大轟竜転生奇譚〜これが私の大轟竜としての、生き様だ〜(友人の金の月もいるよ!)   作:熨斗付けた紅白蛇

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小説サブタイトル
(ルート1end)つまるところ、私は私のせいで死ぬ。


ネタバレは小説内でやる。私が出来る限り心掛けていることです。

ルート1は早めに終わらせます。
endタイトルは、あとがきに解説付きで。
なお、地味にネタバレ済み。主にルート2(ドキドキノコの効果がむっちゃ睡眠時間を延ばすであったために擬人化フラグは回避された)の時の。


ルート1 つまるところ、私は

結論から言って、この人間の姿は便利でアイルーやメラルーの中でも話せる個体とは会話出来た。

そうして、私は自分の正体と自分の目的を告げ、少なくとも害する気は無いことだけは伝えた。

完全には信じてもらえてなかっただろうが、時々キノコなとを差し入れたりして、少しずつ信じてもらった。

 

 

私に転機が訪れたのは、この人間の姿でキノコを採りに狩場にいた時のこと。

 

……まあ一言で言うなら、保護された。

 

やはりと言うべきではあるのだが、この姿だと感覚が鈍る。

元のキティちゃんボディなら、隣のエリアのハンターの匂いに気づくことができた。

しかし、人間の身体は非常に感覚が鈍い。そのせいで、ハンターが近づいてくるのに気づかなかった。

見つかって、逃げて隠れたけれども見つかった。

放っておくわけも無いと言えばなかった。

危険な狩場に子どもがいるのなど、見逃すはずもなかった。

 

おかげで私の楽しい野生ライフは一度おさらばする羽目になった。

何しろ、ハンターがしつこいのなんの……

言葉が通じたが故に、何としても保護しようと躍起になっていた。

いや、下手な言い訳をした私も私だった訳なんだが。

我ながら今思い返してもなんだ

『親に捨てられて仕方なくここに居る』なんて。バカか?

そりゃハンターもなんとかして保護しようとするわ具体的には人間らしい生活とかさせようとするわ。

あー、今思い出しても自分で自分に腹が立つ。

 

もちろん、隙を見て狩場に戻るつもりだ。だがしかし、もうあの遺跡平原には戻るだけ無駄だろう。下手に見つかっても嫌だし。

そんな訳で、今は私を保護してきやがったハンターのところで世話になっている。

まあ無駄に人が良い人が良い。ハンターとしての勘とかそういうのがなかったら騙されまくってたんじゃないかってぐらい人が良い。

正直あれだよ?少し頼まれただけでタダで苦労して手に入れたであろう素材とかを渡すようなお人良しだよ?

もうなにこいつ、聖人かなんか?

そんなのなせいで滅多に私も一人にはなれないてかこっちに来てから一人になった覚えがない。酷い話だ。

おかげでキティちゃんボディに戻ることもままならない。てか、最近キノコ効果が切れかけてきているのか、肌が赤みがかって来た。

正直ヤバい。

だから

 

 

 

 

 

 

夜逃げします。

 

……え?意味が違う?

細かいことは気にしない。夜に逃げるんだからある意味間違ってない。見つからないように抜け出しんだしある意味間違ってない。

夜逃げって見つからないように抜け出すじゃないか。

 

逃げ出しの決行は本日。ハンターが起きないように逃げます。

罪悪感なんてものはない……はず。

人間としての感性ではなく、ティガレックスとしての感性である私に、躊躇う理由などない。

 

 

 

 

 

 

 

夜になって、オトモたちもあのハンターも寝静まってしまったこの時間。深夜の時間。

 

そろりそろりと足跡を忍ばせて、窓の方によっていく。

窓を開けて、音がしないように着地。

そうして、私は駈け出す。

 

どこにいくかなど、決めていない。

とりあえず、私は行きたいところに行こうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

…………胸が痛いのは気のせいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………何年経ったとか、覚えてない。

けれども、私は成体のティガレックス希少種。人間からすればかなりの時は生きてきた。

けれども、その竜生は、今日終わりになる。

ここは塔の上。狩人たちの狩場。

引き寄せられるように、ここに来てしまった。

そこに狩りに来たハンターは、あの時、何の因果か人間の姿になっていた私を保護したあのお人好しなハンターにそっくりなハンター。

多分、血は繋がっているんだろうなとか、ぼんやりと思っていた。

 

手加減したつもりなんてなかった。

殺しに行ったつもりだった。

 

でも、

 

 

殺せる時に、動けなかった

隙だらけだったのに、私はただ威嚇しただけ

 

なにをやっていたのか

 

手加減もなにも、してるじゃないか

まったく、なにをやっているのだろう?

 

私は竜である。

人間と相対する存在。

なのに、なんでこんなことをしていたのか

 

 

 

 

そんなこと、わかっている

 

あのお人好しなハンターに重ねてしまっているからだ

あの優しかったハンターを思い出してしまっているからだ

 

 

私は、もう人を殺せない。

 

あの時、出て行く時に感じていたのは、哀愁か謝罪の念か

 

それとも…………出て行くことへの後悔か

 

 

バカなことであった。

あのハンターに会ってしまって、共に過ごしてしまった時点で、私は半端だった。

いや、元々半端だったのが、さらに酷くなったというべきか?

ティガレックスとしての獰猛さに身を委ね切れず、もう違う筈だったのに、また人に戻ってしまって

そして人と過ごして、また人の好意というものに触れてしまって

 

 

…………あのハンターのことを思い出した時点で、あのような時を過ごしてしまった時点で

私の結末は決まっていたのだろう。

 

 

 

人を憎からず思ってしまっている時点で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………あーあ、倒されちゃった。

 

倒れた私の視界は暗くなる。

最後に見えたのは、血まみれで荒く息をしている、あのハンターにそっくりなハンターだった。

 

 

 

 




endルート1
はい、かなりぶりの更新です。
活動報告の方にあったように、
"擬人化フラグはどこにでも乱立しています。そのフラグが回収される度にルートは分岐していきます。"


そんなわけで、まずはルート1
捨て切れなかった人間への好意

ようするに、相手を殺せなかったために自分が殺されるパターン。
あのハンターに保護された時期は、まだティガレックスとしての感性は完成仕切ってない時期。(ダジャレじゃないよ?)
そこへ、人間の好意を注ぐと、まだ消えきってない人間の感性が強化もとい割合が増える。

ティガレックスと人としての感性の対比は
あの保護された時点で7.5:2.5
それが、人間の好意を注ぐと、
6:4にまでなる。

ティガレックス感性が完成していれば対比は
9.5:0.5
なお、あの0.5は美的センスと知性。(作者が本当にそんな風に書けるかは話が別。)

まあ、つまり、
人間を殺すことに躊躇してしまう、人間の感性が出てきた末のデッドエンド。
そして、あの狩ったハンターは見事にティガレックス希少種の初狩りとなる。

……………………この世界線でのキティちゃんは、友人(リオレイアのストーカー)に会えていません。
なにしろ、会う前に遺跡平原を出てきてしまったから。

ルート2では…………登場させます。てか、させないと話が進まない。

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