とある海域。ここは今現在人類に対し攻撃を行い多大なる被害をもたらしている深海戦艦の本拠地でもあった。
深海棲艦とは一体何なのだろうか。
―――曰く。艦娘の亡霊。
―――曰く。戦争で死んだ者たちの思念。
―――曰く。宇宙人。
などなど、様々な憶測が飛び交っているがいまだに結論は出ていない。統率者はいなく、鬼・姫と呼ばれる人語を操れる深海棲艦がトップの者だといわれている。ただし、人語を操るというのは一隻だけ例外がいるがそれは今は置いておこう。けど、一つその例外について述べるならば最凶であり災悪だということだ。
話を戻すが深海棲艦の本拠地であるそこは禍々しい雰囲気を漂わせていた。黒い霧が周囲を暗まし、水は黑く染め上げあれ、白き深海棲艦とその黒き深海棲艦の取り巻き。まさに、見るものを恐怖とさせるものだ。
この光景を見た者は必ず額に汗を流し、死を直感的に感じ取るだろう。実際に深海棲艦での攻撃で死んだ人の数は計り知れない。
「―――」
長い漆黒の髪を棚引かせ額から生える2本の角が特徴的な深海棲艦。
大本営が名付けた戦艦棲姫と呼ばれているものだ。
その周りにも見た目は幼い子供だが高い攻撃力を誇る北方棲姫。
その北方棲姫を親のように見守っている港湾棲姫。
ゴスロリ姿の離島棲姫などなど全種の深海棲艦の鬼・姫級がそこに集結していた。
戦艦棲姫は全員に顔が見れるように体を向け言い放った。
「ココニワタシタチノアラタナルナカマガクワワッタ。」
そう言い放つと金色のオーラを纏い片目が青色に染まった深海棲艦が姿を現した。
その登場で周囲はざわつく…ことはなかった。
皆してなんだそんなことかといったような顔をしている。
「ソレダケノコトデワザワザアツメタノ?」
「ホッポウセイキ、カ。タシカニソレダケノコトデアツメハセン。」
「ジャアナニカホカニアルノ?」
「アァ。」
戦艦棲姫がその場から少しばかり体をずらすとそこには一つの机と人影があった。
人影を目視した瞬間の全員の行動は素早かった。すぐさま陣形を整えて主砲を構える。
その光景に戦艦棲姫は感心しながらも主砲を下ろすことを支持する。
「ケイカイヲスルノハイイガミカタダ、アンシンシロ。」
「トツゼンナニヲイッテルノ!?ヒトハテキデショ!」
港湾棲姫が叫ぶがその内容について首を横に振って否定する。
「―――ワレワレノテイトクノチャクニンダ。」
その目先には誰も気づいていないが横須賀に向かう飛行機が優雅に空を舞っていた。
多分けものフレンズ最終話によってこの小説の行く末が決まります。