A 留学の準備とか試験とかで忙しんだよこんちくしょー!!
すみません、遅れました。これからは不定期投稿となってしまいますがよろしくお願いします・・・!!
「ちょっと誰ですか!!この執務室に異様なモニュメントを作ったのは!!」
「さぁー?」「かれいなるもにゅめんとでは?」「せいさくしゃにはだつぼう」「たくみのこころいきをかんじますな」
「このトーテムポールみたいな何処が華麗で匠の心意気を感じるのかどうか無知な私に教えてくださいませんかね?」
「しゃべりますが?」
―――は?
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ァ”ァ”!!」
「ちょ、怖いですよこれ!!」
―――絶賛私の秘書艦こと朝潮さんは妖精さんの対応へと追われてました。秘書艦になってくれと頼んだら最初は拒否してきましたが私とて人間です。そうです、少しでも楽がしたいのです。ここで断られたらまた他の秘書艦候補の方を探さなければいけないですしそんなのは面――いえ、非効率ですので提督命令ですと言ったら渋々引き受けてくれました。
朝潮さんは命令と聞くと素直に従ってくれるようです…。まるで忠犬ですね。ブラックな提督だったらこのまま―――やめておきましょう。そんなことを考えても私にとって理があるわけでもないですし彼女に大変失礼です。
「―――」
ふぅと小さく息を吐きだした朝潮はゆっくりと目を細める。
「あまりこういう手を使いたくはありませんが…。」
「「「「?」」」」
「―――。ここに羊羹がありますので犯人教えてくれたらこれを皆さんに差し上げましょう。」
流石は私が選んだ子ですねもう妖精さんたちの扱い方をマスターしたのですか。好物を目にした妖精さんはそれを得るためには手を選びません。
「「「「こいつがやったー」」」」「えぇー…」
ほら、やっぱり誰かに罪を擦り付けました。―――ん?この指をさされた子って誰も住んでいない土地に国を建設するときにいじめられていた子じゃないですか!?まさかここで再開するとは…。全然変わってなくて何よりです。
「朝潮さん、もうそこにいる妖精さんたち全員を罰してくださいな」
「そんなー!」「おじひをおじひを!」「とつぜんのはんけつになみだなみだ…」「とうぜんのむくいですな」
*
さて、お仕置きも終わりましたし本題に入りますか。まずは妖精の件でお爺さんに問い合わせてみましょう。FAX?でしたっけ、あれは便利です。衰退した人類にはもったいないハイテクです。次に、明日行われる会議ですね。
「大本営での緊急会議…ですか?」
「はい。その会議には秘書艦との参加が義務付けられていますので朝潮さんには一緒に来てもらいます。あっ、助手さんはすみませんがお留守番をお願いします。」
そう言って黙々と書類作業をしている助手さんを見ると親指をグッと上げてきたので私もそれで応じます。コミュニケーション、大事。
すると、私の机に妖精さんたちが集まってきました。
「にんげんさんや」
「はい。なんですか、妖精さん?」
「おでかけですか?」
「はいそうですよ。あなたたちも来ますか?」
どうせ人間には見えてもあまり問題はありませんし一緒に行っても平気ですよね。というか、何をしでかすかわからない妖精さんをここでお留守番させておきたくはありません。
「それはできませぬな」
まっ!なんということでしょう。あの好奇心旺盛の塊で目の前に未知があるならば奈落の底に躊躇いもなく落ちていくような妖精さんが断りました。明日は槍が降ってきますね、重装備で行きましょう。
「なぜですか?大本営の会議ですよ?初めてのことですから楽しいかも知れませんよ?」
「ふかんしょうじょうやくてきな?」「やぶったらたいへん」「せんそうのひだねとなりますゆえ」「やさしいせかいだからつらいことですな」「いっそおーばーてくのろじーでじんせいらくしたい」
―――優しい世界だけど辛いってどういうことですかね?そして、不干渉条約とは一体…。妖精さんは素性が暗黒物質が如く謎だらけなので驚くのもいまさらって感じですか。最後の妖精さんは個人的にお話をしてみたいものです。
「―――はぁ。わかりました、妖精さんの管理は大淀さんにお願いしましょう。もう少し休ませてあげたかったですがこればかりはしょうがありません。休日出勤の扱いとしてあとで何か報酬を与えますか。」
大淀さん、すみません。と心の中で謝罪をしておきます。
「では、これをー」
妖精さんが何かを渡してきました。
「ホットドックですか…?」
朝潮さんはそれを見て呟く。それは前に私にくれたホットドックのそれでした。
「またですか…。これを食べればいいんですか?」
「どうぞー」
妖精さんがこちらを無垢な目で見つめてきます。―――流石に断れません、味をしないホットドックを食べて以来なぜか苦手意識が生まれてしまったのです。頭の中でこれを食べるととても面倒くさい目に合うと最大音量の警告が流れてきますがそれを振り払い口に運びます。
はむっ。
数回噛んだ後私は静かに涙を流していました。
「て、提督!?」
朝潮さんが慌てて駆け寄ってくれました。少しは信用し始めてくれてる証拠ですかね?そう思いつつ袖で涙を拭う。
「いえ、あまりにもおいしかったのでつい…。」
こんなおいしい食べ物は初めてです。
「あじをつけてみましたー」
どうやら前回の反省を踏まえたうえでこれらしいですね。素晴らしい働きです。これをたくさん作れたら…。
そこまで考えて私はハッと名案を思い浮かべました。
「量産して」
「はい?」
「庭を使っていいので品種改良して新種をたくさん作ってばんばん量産して。はいこれ命令書。」
そう言ってただの白紙にやってという一言を書いた紙を渡す。これで少しでも食糧事業を改善されたら鳳翔さんの負担が減ります!
「では、朝潮さん。明日はお願いしますね。それと、この後はずっと書類整理となりますが大丈夫ですか?」
「あっ!はい!わかりました!!」
そういってきれいな敬礼をする朝潮さんに微笑みかけて椅子と机を用意します。もちろん妖精さんに作らせました。―――けどこれって調停官事務所でのあの規定『妖精との過度の接触は禁止』というものに触れてしまわないでしょうか?うーん、今は提督という立場での接触なので大丈夫!いえ、ぎりでセーフ?
*
「では、行きますか朝潮さん。」
まだ私を疑ってる艦娘たちからの熱い洗礼を受けながら朝潮さんと待たせていた車まで向かいます。ここから空港に向かい飛行機で大本営がある横須賀でしたっけ?あそこまで向かいます。長時間のフライトですね。
「それで今日はどういった内容の議会が行われるのでしょうか?」
車に乗り空港に向かう途中そのような話題を振ってきた。
「なんでも強力な深海棲艦が出たからその対策についての会議らしいです。」
大本営から送られてきた書類に目を通しながらそれに答える。
「一体、どういうのが出てきたんでしょうか…。」
顎に手をやり一人で考え始める朝潮さんは見た目があれなのでとても微笑ましいです。
「大本営はこう名付けたそうですよ。」
一拍置いて私はその名を口に出す。
―――ヲ級flagship改と。