それでも今作品を読んでくださる方々、本当にありがとうございます。
切るかどうか悩みましたが一応これで、そろそろ長かったZEROも完結・・・させられたらいいな・・・。
皆さん星四は誰を選びましたか?私はランサーオルトリアを・・・
ピッグアップ回してもランサーオルトリアもマーリンも来ません。
「ああ、やっと来てくれたんですね。おとーさん♥・・・と、その他大勢。」
上機嫌に一行を出迎えたのは海魔討伐の際に突如として現れた謎のサーヴァント、ウル・ルガルであった。
「うーん、まさかここまでこちらに戦力を割くとは、割と予想外でした。」と、さして気にも留めない様子で言葉を続ける。
その全くこちらを舐めているとしか思えない態度にウェイバーは内心でバカにしやがってと思いかけるもその言葉を飲み込んだ。例えこちらにが現在ライダーを含めアサシン、アーチャー、キャスター(今はセイバーらしいが)の四体を味方につけているとはいえ、この二名は目の前の男と無関係というわけではない。下手に刺激すれば逆にこちらを見限って敵になることすらありうる。
油断や慢心といったたぐいのものが自身には無縁のものであるとは思っているがそれでも慎重に慎重を重ねて言葉を模索した。
「・・・おまえ。いったい何がしたいんだ。なんでこんなまどろっこしい真似・・・それこそ僕たちを順に狩っていったほうが確実だろうっ。」
「目的?」
ウェイバーの問いにきょとんと眼を見開きウル・ルガルが聞き返した。
・・・続いて何処か嘲りを含んだ笑いが空気を震わせる。
「くっ、ふふふっ・・・なんだ?あの男、なんと言い訳をでっちあげてそのような方向にもっていったのだ?・・・で?小僧。貴様はそれを当然のように信じて僕の元に来たと?」
「・・・。」
「図星か。」
途端にウェイバーの顔に朱が差す。今更ながら自身がその場の勢いでとんだ愚行に走ったものだと自分自身を呪いたくなった。あのちょっとした作戦会議の後、アイリスフィールの治療を受けて何とか容態のよくなった切嗣の話を聞き、「海魔戦で見た正体不明のサーヴァントに一方的な服従を迫られ、断ったら手酷くやられ、残りの令呪も奪われた」「交換条件として提示された奴の望みは原罪の獣を使役し、世界を作り変えることだ」と言われ、急ぐようにと頼まれたのだ。本当に何故こう流されてしまうのか、本当に穴があったら入りたい。
「ちょっと」
そこに更なる声が加わる。それは先程の会議でも聞いたよく通る声だった。
その場にいた味方全員が一瞬固まる。
「な、あなたは、さっきまで。」
「?なんでもいいのだけれど、いつになれば私とランサーは逃がしてもらえるのかしら。なるべく早くしてほしいのだけれど。」
その場に立っていたのはアインツベルンの城で別れたはずのソラウ・ヌゥザレ・ソフィアリだった。
彼女の手には一画分損なわれた令呪が刻まれている。
そんなここにいるはずのない彼女の心底苛立っている様子をなだめることもせずに「さあ?」とウル・ルガルがかえす。
「それは僕ではなく彼・・・ああ、君としては彼女との契約ですか?なので、僕の預かり知らぬことですね。」
「なっ話が違うわっ私は貴方達が私たちを匿って幇助してくれるっていうかガアッあっ」
激高したソラウの腕がその場で千切れとんだ、そして遅れて銃声が聞こえる。
その衝撃で倒れた彼女はそのままその場で半狂乱になってのた打ち回る。
「あああああっは、話が違うっはなし、はなしいいいいいっで、ディルムッド、でぃるううううううっわ、私を、わた、たすけてええええああああああいや、いやああああっ」
交渉の席に着く間もなく敵側であれ人一人がもがき苦しむ姿に緊張が走る。
しかし、それも長くは続かなかった。
続いて放たれた弾丸が、的確にのた打ち回っている彼女の脳髄を打ち抜くことでその、人体の機能を停止させるに至ったからだ。後に残ったのは動かない肉の塊と広がる血だけだ。
「・・・早速一人脱落っと・・・この人数を一人で相手しろとは、なんですこれ、今流行りの無理ゲーとかってやつですか?」
やはりなんの感情もない表情のまま大袈裟に男が溜息を吐いた。
が、その直後にウェイバーに向かって微笑みかける。
「ああ、でもこれぐらいで吐かなくなったんですから、まあ、君の成長ぶりには及第点を上げましょう。褒美としてちょっとだけ独り言を君に。僕はただここにとどめたいだけなんですよ。ある人を。ただ、それを向こうがおじゃんにしようとしてるだけで。・・・まあ、というわけで、僕は後戦いも何もしないので早急に向こうに帰ったほうがいいですよ?特に誰とは言いませんがシスコン拗らせた王様(笑)とか覿面で・・・間に合わないかもしれませんが。あ、と。そこの赤い人にはこっちを」
笑顔を崩さぬまま片手をすり合わせぱちんと音を出したと同時に赤い外套のアーチャーの足元に唐突に魔法陣が浮かび、そのまま彼ごと消失した。
「移動させただけですよ。じゃ、僕もこれで。」
「あーあ。散々引っ張っておとーさんにだけアドバイス(笑)しようと思ってたのになあ。」と言って何か帯のようなもので包まれ彼はそのまま退場していった。
四苦八苦するウェイバーたちを置いて。
「間に合わないって・・・」
そこに突如閃光が走りぬけ視界を焼いた。
次いで、地鳴り。
先程までウェイバーたちのいたアインツベルンの城あたりから天に向けて一条の黄金の輝きが立ち上がっているのが見える。その光は徐々に色を変えていき、夜だというのに視認できる暗黒の色へとその姿を変えた。
「・・・おい、そこな雑種。己は先に行く。お前は道すがら、探し物でも探しているがよい。」
「今あそこに行ってはお前まで汚染されかねんからな。」そう言った最古の王は何処か遠くを見るかのような瞳で立ち上る柱を見た後によくわからない飛空艇のようなものを出し、それに乗り込んでいってしまった。
「・・・何が起こってるんだよ。いったい。」
着々とヒロインをヒーローにできないかめしめし固めてみてます。
そしてあまり親子を絡ませられない悲劇。
・・・戦闘シーンが始まって収集つかなくなるっていうこの何とも言えない感からいつもどっかに逸れます。スミマセン。
閲覧ありがとうございました。