なのに隣で一緒にガチャしてた身内は一発で引き当ててました。おのれ。
もうどーにでもなーれ・・・。
お気に入りの数が・・・数が・・・思わず夢だと思って二度寝を決行しようとしました。
皆様。当作品を読んでいただきありがとうございます。
これから諸事情あって、今回の様に作品の投稿が不定期になることが多くなるとは思いますがなるべく調整しようと思っているのでこれからもよろしくお願いします。
誤字脱字報告ありがとうございました。修正完了しました。
切実に文才と辞書と・・・国語力が欲しいです。
コツコツと硬質な床に靴音を反響させながら、言峰綺礼は間桐家の回廊を歩いていた。
斜め前には白いサーヴァントが案内役として同行しており、その気は全くないとしてもまず逃走などできないであろう状況だということは明白だ。
ーーー間桐雁夜は用心深いのだな。
単純に綺礼はそう思った。自身と時臣の関係と経過を観れば家に上げすらしなかったのだろうが、更に綺礼本人ではなく教会そのものが暗躍しているということがわかっているのであろう、何か探りを入れるためにわざわざ綺礼の面会を許可したのだと、綺礼は推測する。
そして、今自身の案内役を務めるこの英霊が綺礼が何か行動を起こした際に命を刈り取る者なのだと。
「雁夜が」
不意に前方を進むサーヴァントが呟いた。
「雁夜が特別に、貴方になら
いいえ、とひとりごちに否定の言葉を述べた女は更に続ける。
「貴方には、知る権利があると。」
ピタリとサーヴァントがある部屋の前で立ち止まる。
ジャラリと鍵束を取り出すとそのうちの一本で解錠し、おもむろに扉を開いた。
「あ、ママ。」
暗闇の中から幼い声が聞こえる。それ以外はガサガサギチギチというなにかの蠢く音だけだ。自身の背後から漏れる光で辛うじて見える室内に綺礼は目を凝らした。
そこにあったのは、大量に蠢く何かと、それに集られ、黒い紐のようなものでところどころぐるぐる巻きにされた敬愛する師。そして、その元息女である少女。
「見て。私、影をここまでできるようになったの。」
無表情ではあるが嬉しそうな声で、少女は師の身体を紐状の何かで持ち上げる。
「はい、素晴らしいです。桜。まださわり程度しか教えていないのにもうここまで・・・よくできましたっ。後でお祝いしましょうっ。」
今日はお赤飯ですねっ。と先程までの冷たい気配はなくまるでテストを見せた子供を褒める母親の様なサーヴァント。どうやらこの、長年代行者として死徒やら魔術師やらを狩ってきた綺礼ですら見たこともない魔術体系は彼女の指導によるものらしい。
ブンブンと黒い紐が揺れると、どしゃりと師の身体が落下した。
「あ」
生身の人間の、それも実父の痛々しい姿にてっきり心痛めているのだろうかと思い少女の方を見ると、残念そうに見はしても別段悲哀や憐憫といった感情は無い様だった。
「・・・お人形でこれだから。まだまだ修行が必要。」
ね。と少女が言うと同時に背後からずるりと黒い何かーーー巨大な影の犬が出現する。
全長は目視であれどまず2mは超えている恐ろしく精巧なオブジェの様な黒犬は、桜を庇うかのように顔をこちらに向けたまま胴を桜の後方に滑り込ませる。少女の
片やお人形と言われた男は今だ目が虚ろながらも時折娘である少女に向かってパクパクと口を開閉し、必死に何かを訴えかけようとしていたが、対する少女は極めて事務的に告げた。
「ロット。
先程から一切鳴いていなかった犬がこれまた鳴くことなく時臣の頭を噛み、跳躍した。
ズダンという音と共に途中で放られた時臣の身体がゴトンと回廊の床に転がる。
この時、綺礼の何かがざわついた。師と慕った人物が無下に扱われていることに怒りを覚えたわけでも、その元息女が実父に対してあんな反応をするような胸糞悪い環境への侮蔑でもない。
むしろ、その全く逆。此処で起きたすべての出来事に狂喜し、喚起した。
手の届くところまで落ちてきたのだ、自身への答が。
あんなに誇り高くあろうとした師の蟲にまみれた醜態。
大切だったであろう愛娘に必死に、それこそあの犬に銜えられていても手を伸ばした師の姿。
そんな実父に毛ほどの関心も見せず、全く父親の意を解さない娘。
ーーーなんとその様の美しいことか。
ーーーああ、天にまします我らが主よ。そして、尊敬する師よ。此度の導き、感謝いたします。
思考しながらも綺礼は口角が上がり笑みを形作っていくことに、最早何の抵抗もしなかった。
◇ ◆ ◇
「ヒャッホ―――――ッ。どけどけえっこの俺、モードレットの前を走るんじゃねえええっ。」
「マ、マスターっ君はもう少し道交法というものをだねっ。ぐっ、と、とりあえず私にハンドルを貸したまえっ。頼むからっ。」
現在、マスターであるモードレッドとそのサーヴァントであるアーチャーはある住宅から拝借した自動車を使い海岸を目指している。
しかし、モードレッドの運転はかなり荒く、彼女本人は至って何もなく気にもしていない。が、助手席に座っているアーチャーは先程から体の節々をどこかしらにぶつけたりと二次被害が半端ない。アーチャーはこのままでは海岸に着くまでの間に
「あ?んなの却下だ。第一お前騎乗スキルないんだから無理だろ。・・・んじゃ、かっ飛ばすぜえええええっ。」
ヴォオオオンッと一層車を唸らせ、・・・つまり一気にアクセルを踏み込んだ。
そんな彼女に彼は一言。
「じ、地獄に堕ちろっマスタアアアアアッ」
そんなやり取りがあってから数十分後。
やっと自動車が停止し、死のドライブが終わりを告げた。
「ふう、やっとか。やっぱ回り道ばっかじゃ仕方ねえか・・・。」
怪訝そうに自動車を降りるモードレットに対して反対側から降りてきたアーチャーは心なし足取りがおぼつかなかった。
「うっ、全く、ひどい目・・・に・・・?」
車体によりかかることで何とか体勢を保つ。
周囲に目を向ければ既に何人かの・・・恐らくマスターとサーヴァントだと思われる人物たちを発見する。
現代風ではない、まだ動物に頑丈な御者席のついている形状の戦車に乗った少年少女と大男。
見覚えのある青い装いの少女騎士と白い女性。
そして、そして。
ーーー誰かの面影のある面差しの少女と髪と目の色こそ違えど、成長した彼女がいた。
「あ・・・ああ・・・。」
自然と微かな嗚咽が口から洩れる。
ふらふらと、先程とはまた違った危うげな足取りで、彼は彼女の許へ歩き出した。
「なんで・・・お前が・・・。」
そして、それはそんな彼のマスターも同じであった。
その眼は驚きに見開かれている。
主従の歩みは最初こそふらふらとしたものであったが、徐々に速度を増していき、そのまま彼女に突撃する。
「なんでお前がここにいるんだっ。」
「何故君がここにいるんだっ。」
ほぼ同時に言われてがくがくと肩を揺さぶられ何が何だかわからないウルレシュテム本人はというと・・・。
「Aaaaaaaaa」
やっと出てきた言葉がそれだった。
急展開過ぎて言葉が歌声に戻ってしまっている。
いきなりやってきた変な二人組が母親に絡みだしたのを見ていた桜にある人物の言葉が過ぎった。
ーーーよいか、桜。もし何か自分でどうにもできないような事が起きたら・・・。
手順を思い出しながら、首から下げていた子供用の可愛らしい携帯電話を開く。
そのダイヤルの上の方に並んだ1,2,3という数字の中から1をタップし耳をあてた。
「もしもし、警察ですか。」
ーーーこのけいたいでんわとやらのこのボタンを押して警察に電話を掛けろ。何、きっとすぐ解決する。
言わずもがな金ぴか(弟)の入れ知恵によって桜ちゃんが警察(?)に電話。
まあ、警察かどうかも定かじゃないが。だって、教えたの金ぴかだぜ?
そして赤主従は勘違いです。裏側にはそれなりに事情ありますが・・・。
やったね!神父が覚醒したよ。
ちなみにこの神父。間桐さんちの雁夜君とその後顔を合わせた際に
綺(あれ・・・なんか・・・普通・・・?)
雁(やっとまともな人来たーーー)
とお互いに思っていたり。
時臣、蟲蔵卒業するってよ。
・・・とまあ、詰めてみました。
閲覧ありがとうございます。