と読み返してみて思います。
けどFGO見てても割とそんな場面も多かったなと思ってなんとも言えない気持ちになりました。
「「「・・・・。」」」
三人が沈黙する中、轟音が止まることなく鳴り響く。
「・・・罠。とか」
言ってウルレシュテムは二人の方に目線をやる。
二人は揃って首を左右に振った。
その様子からまた、何処かの神が軍勢でも引き連れて攻めてきたのかと思い城の周囲に張り巡らせた糸に感覚を繋げる。
しかし、糸が感知したのはたった一人分の、それもまだ年若い女性の形だった。
この形と感知した場所から該当する人物がウルレシュテムの脳裏を掠める。
「貴方たち二人だけで来たんですか?・・・
「「・・・」」
二人が黙ったまま顔を背ける。
ああ、そう。忘れてたの・・・。とウルレシュテムは内心で溜め息をついた。
一応結界の防音機能を取り去ると轟音に混じって言葉も聞こえてくる。
「・・・と・・・・・・さ・・よ。」
途切れ途切れに聞こえているそれは明らかに最近友人()のお気に入りだった依代の女性の声だ。
「ちょっとっ。置いてくなんて酷いじゃないっ私も城に入れなさいよっ。」
三人無言で屋外に出る。
空は結界越しに跳ね返る光線によって夜だというのに昼のように明るい。なんだか東方の弾幕みたいだというのがウルレシュテムの感想である。
「綺麗だね。」
「ああ、まるで流星群みたいだ」
現実逃避しかけの二人を尻目にウルレシュテムは張り巡らせていた糸を手繰り寄せる。
その糸を気付かれないよう慎重に友人()の身体に巻き付けると故意に結界に穴を開けそのまま思い切り引きずり込んだ。
キャーという可愛らしい悲鳴とともにいつぞやのように墜落する女神。
その姿は完全にある繋ぎの王に射られた時と同じであった。
◇ ◆ ◇
「いっつう。ほんっとあんたって撃ち落とすの好きよねっ。」
まだ痛むであろう頭に氷を乗せながらイシュタルはウルレシュテムを睨んだ。
「撃ち落としたんじゃありません。絡めとって引きずり込んだんです。」
さらりとその視線ごと言葉も言葉で打ち返すウルレシュテムに「どっちも一緒よっ」と更にムキになって反論するイシュタル。怒鳴ったせいで傷が痛んだのかもう一度頭に氷を当てなおした後着席する。
「・・・ほんと、心配して損した。」
ぼそりと言ったイシュタルの一言にウルレシュテムが持っていたお盆を落とした。
お盆に乗せてあったお茶はなんとか持ち直したウルレシュテムが零れることを阻止したが、一緒に乗っていた菓子は地面に落ちる・・・ことはなく目にも留まらぬ速さで動いたギルガメッシュとエルキドゥの活躍によってすべて無事だった。その直後二人の腹に入ってしまったためあまり意味はなかったが。
「ちょ、それ私のっ」
「・・・今、なんて」
どんだけ菓子に飢えてたんだと言わんばかりに菓子を貪る二人に思わず席を立ちあがったイシュタルは、呆然としているウルレシュテムの方を見て自身の失言を覚る。途端に赤面し、しどろもどろになりながらも必死に言い訳を募る。
「べ、別に。暇。そう、暇だったから着いてきただけよ。で、でも一応その・・・なんというか。あ、あんたは私の相か・・・ら、ライバルだから。何があったのか様子でも見に行こうかなと思ったくらい・・・・て、もう何言ってんのかしら私。」
「ふ、ふん。私が認めた相手なのだから精々のうのうと生きていればいいのだわ。」
などと頭を抱えた状態でいうものだからウルレシュテムもウルレシュテムで赤面する。
まさか、元王で半神とはいえ人間の血が混じった者に女神が遠まわしに対等紛いの関係であると吐露したのだ驚くなというほうが無理である。
「な、なによ。」
静かになった周囲の雰囲気に耐え切れなくなったイシュタルがぶっきらぼうにいう。
「あ、ありがとう・・・ございます。」
それに応対するウルレシュテムは対照的に穏やかに微笑んだ。
残る二人はその後ろで「あれ、ほんとにイシュタル?偽物じゃない?」「いや、もしや頭を打った時に一周回って改心したか、頭に異常をきたしたのかもしれんぞ。」と囁き合っている。
「聞こえてるわよ。そこ。」
言いながらイシュタルは二人をマアンナで追い回し始める。
追うイシュタルに逃げる二人。
そんな三人の姿を見ながらくすくすと笑い、お茶会の準備をするウルレシュテム。
お茶会はまだ始まったばかり。
こんな時間がもう一度来ることを願ったのはさて、誰だったことやら。
前回のあとがきに書いてたことを読み返してあれ?案外これギルガメッシュに近くね?とか思ってしまいましたが、まあ、この作品のギルガメッシュは子供要素過多の青年みたいな感じで・・・うん、おかしいですね。すみません。
お気に入りの数を確認して飲み物噴出した後なので正直自分も何書いてるのかいまいち・・・ほんとごめんなさい。
お気に入り、感想ありがとうございます。
それとキャラ改変タグを新たに付けさせていただきました。
これからも、閲覧よろしくお願いします。