前回のあらすじ
血液(以上
「パン作りでお世話になったから、今度は家に招待するわね!」
さらっと宣伝乙。
と、いうわけで。
向かっております甘兎庵。
「どんなところだろうなー」
「何て名前ですか?」
「甘兎庵・・って聞いてるけど」
「ああ、それであってるよ」
「甘兎庵じゃと!?」
「チノちゃんなにか知ってる?」
「おじいちゃんの時代に張り合っていたと聞いてます」
(明らかにチノの声じゃなかった・・・)
とか思ってるんだろうな・・・
不思議な顔をしているリゼの心が見える見える
「な、何だ?」
リゼが僕の視線に気づく。
「いや、何でもないよ。」
「ここ・・・であってますよね」
甘 兎 庵 。
でっかく書いてある。
「看板やたらと渋いなー・・」
「俺、兎、甘い・・」
老舗あるある:看板の文字が逆向き。
しかも読めてねぇし。
「あま、うさ、あんな?」
とりあえず訂正。
「おじゃましまーす!」
「あらみんな!いらっしゃい。どうぞ座って。」
「あ、その服・・・」
「初めて会ったとき、その服だったな」
「これは仕事着。あの時はお得意さんに羊羹を配ってたのよ。」
「あのようかんおいしかったなー!三本くらいいけたよ!」
「「三本」」
こらハモんなリゼ。うれしいけど。
「あ、うさぎがいる!」
真っ黒な体毛に輝く王冠。口回り、腹、尻尾は白い。
「看板兎のあんこよ。これでも一応生き物よ?」
そう言い直すほど微動だにしない。僕も最初は置物にしか見えんかった。
「久しいなあんこ!元気してたか?」
あんこジャンプ。僕に飛びついてくる。
覚えててくれたんだな、地味に嬉しい。
「うーしうしうし、いい子だ」
と。
ふいにあんこが、チノの頭上。
白い塊に目を向けた。
バシュッ!
ドゴッ!
バタバタン!
文面だけ見るとわけわからん。
なのでお久。状況説明のお時間。全員集合しなくてよろしい。
あんこジャンプfrom僕の胸元、toティッピー。
たいあたり。こうかはばつぐんだ。
バランスを失った僕、チノ、転倒。命に別状なし。
「「だいじょぶ(です)か!?」」
リゼは僕のもとに、ココアはチノのもとに。
差し出された手を握る。暖かい。てか細い。
「だいじょぶです・・・よっと。サンキュ。」
「いや、別に」
「大丈夫?おねえちゃんが今助けてあげるからね!」
「大袈裟です・・・」
かおす。
「私完全に蚊帳の外状態ね・・・」グスン
「ああすまんて!」
「冗談よ。それにしても、初めて見たわ、あんなあんこ・・・」
「どうしてこうなった」引用:赤二キ
「あれは・・・きっと濃いね!」
「・・・ん?」
目指せ10000UA!