ご注文は青春ですか!   作:YAW

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もはや何も言うまい


タイトル詐欺

前回のあらすじ

 

香風家金持ち説。

 

 

 

 

「このオーラは紛れもない歴戦の勇者・・・!

今日はお前に教官を任せた!」

 

「任された!」

 

 

二人して炎上してらっしゃる。

 

「私も仲間に・・・!」

 

「千夜、やめとけ。燃やされるぞ」

 

「暑苦しいです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、各自持ってきたものを提出〜!」

 

 

「私は新規開拓に、焼きそばパンならぬ焼うどんパンを作るよ!」

 

新規開拓とはいかに。

 

「私は自家製の小豆と、梅と、海苔に・・・」

 

「冷蔵庫にいくらと鮭と納豆があったはずです。」

 

・・・・・

 

マーガリンを持って立ちすくむ俺氏。

 

「リゼ先輩?ここパン作りの会場だよな?」

 

いちごジャムとマーマレードを持った先輩に話しかける。

 

「ああ、そのはずなんだが・・・」

 

どうしよう。オーブン壊れたりしないかな・・・

 

 

 

「今日はドライイーストを使います!」

 

「!?それ、食べてもいいものなんですよね!?」

 

「ドライイーストは酵母菌なんだよ!

これを入れなきゃぱっさぱさになっちゃうよ?」

 

「こ、攻歩菌・・・!?パサパサパンでいいです!!」

 

イメージの差がすごいな・・・

 

「チノ?漢字変換ミスってないか?」

 

「・・・え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「パンをこねるのって疲れますね・・・」

 

「腕が・・・もう、限界だわ・・・」

 

「リゼさんは・・・平気ですよね。」

 

「決めつけるな。」

 

「いや、全然汗かいてないじゃねぇか」

 

「」

 

 

「ココアさんは・・・!?」

 

ココアの全身からなんか得体の知れないオーラが出ている!怖い!

 

「この時のパンがすっごくモチモチしてて可愛いんだよ!」

 

「「愛の力!?」」

 

リゼハモるなし。

 

「ああ・・・疲れたわ・・・」

 

「一旦休めば?」

 

「いいえ!大丈夫よ。」

 

「頑張りますなぁ」

 

「健気だね!」

 

 

(ここでみんなに迷惑はかけられないわ・・・!)

 

 

「ここで折れたら武士の恥!息絶えるわけにはいかんきん!」

 

「健気・・・?」

 

「わかったから、とりあえず肩の力を抜け。」

 

そっと千夜の肩に手を置く。

 

「・・・ん、ありがとう。」

 

力が抜けた表情で微笑む。変なとこエ□い。

 

 

「・・・相変わらずですね・・・」

 

「本当に無意識だとすれば、もう才能の域だぞ・・・」

 

???

 

「翔くん、私もちょっと疲れたかも。」

 

「おいこら、笑顔で言うな」

 

 

 

 

 

 

 

「チノはどんな形にするの?」

 

「おじいちゃんです。私が小さい頃からお世話になって・・

コーヒーを淹れる姿がかっこよかったんですよ」

 

ティッピーから湯気が出た。気がした。

 

「では、これからおじいちゃんを焼きます」

 

【悲報】♯火葬開始のお知らせ

 

ティッピーが冷めた。チノ容赦なし。

 

「リゼは・・・かわゆす」

 

「無難にうさぎパンだ。焼けたらチョコで顔を描くんだよ」

 

「」

 

女子力を惜しみなく発揮。可愛い。

 

「頼むから揺らすなよ!?」

 

そう言ってチョコに取り掛かる。

 

・・・まだあったかくね?大丈夫?

 

それを言葉にする前に、リゼは失敗を悟ったようです。

 

「ああ!まだパンが冷めてなかったか!」

 

チョコが側面にフライアウェーィしている。

 

「傾いてる!」

「歌舞伎うさぎだわ!」

 

「「・・・」」

 

なんか、天然とか超えてる。

もしかしなくてもVakaなのかもしれない。

 

「チノちゃんは何やってるの?」

 

オーブンの真ん前で張り付かんばかりに中を凝視なう。

 

「どんどん膨らむので、楽しいですよ」

 

「どれどれ・・・」

 

無意識に、チノの隣に顔を近づける。

 

もうちょいで頬と頬がくっつきそう。

 

「・・・!?」バッ

 

すごい勢いで飛び退くチノ。

 

「ああ、驚かせたな。すまんな」

 

そう言って手を差し伸べる。

 

「あ、あの、・・・ありがとう、ございます//」

 

躊躇いつつぎゅっと手を握るチノ。

 

女の子の手ってやっぱ細いな・・・

 

「・・・あ、あの、翔さん?」

 

「!あ、ごめん!」

 

つい握っていてしまった。

 

守ってあげたくなるような手だった。

 

「あ、チノちゃんがトップに躍り出たよ!」

 

空気読めよ。

 

「何がですか・・・」

 

見ると、俺ら以外三人がオーブンに釘付けになっていた。

 

「あ、リゼさんのが出遅れてますね・・・がんばってください」

 

「私に言ってどうしろと」

 

「あ、そうだ!千夜ちゃんにラテアート作ったんだよ!」

 

「まあ、すごい上手!」

 

「今回のは自信作なんだよ!」

 

「じゃあ、遠慮なく、いただきま・・・」

 

「あぁ!」

 

ココアが名残惜しそうに声を出す。自信作だからか・・・

 

千夜、飲みにくそう。

 

「ココア?いくら上手く行ったって飲み物は飲むものだぞ?」

 

「・・・だけどぉ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんなーできたよ!」

 

 

 

「美味しい!」

 

「案外いけますね」

 

「焼きたてもあってのことだろ」

 

「そうだな。だって具材がえげつないもん」

 

梅干しパン、焼うどんパン、いくらパン。

 

なんかいろいろおかしい。

 

ちなみにオーブンは無事です(黒焦げ

 

「食欲そそらないな・・・」

 

「それな」

 

チーン!

 

「ん、焼けたみたいだね!」

 

「お、さっきの?運ぶの手伝うわ」

 

 

 

「ジャーン!ティッピーパンでーす!」

 

「「!!!」」

 

チノとその頭上からズキューンて音が聞こえた。

 

「看板メニュー決定だな。」

 

「おいしそうだわ・・・」

 

「いただきまーす!」

 

「ん・・・すごいモチモチしてますね」

 

「中はいちごジャムね!」

 

何かエグい。血液めっちゃドロドロやん。

 

 

 

こうして、メニューの下に新しいメニューが追加された。

 

 




もはや何も言うまい

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