そして今回の水着ガチャ前半は10連が本当に強かったです。
「誰を当てた?美女だ!? ローマだ!? もちろん、余だよ♪」
そういうことです。
聖杯、それは『最後の晩餐』において、キリストが弟子達に「私の血である」としてワインを注ぎ、振舞ったという杯。
その弟子達の手によって各地へと運ばれており様々な神話にも関与しており、アーサー王伝説において聖杯探索に探されたのもこの杯である。
ただ、
神滅具の聖杯は所在不明とかなんとか。神の不在により全ての神器を把握できなくなった上に神滅具の捜索すら上手くいってない状況になっているため仕方ないとのこと。
神滅具のことは置いといて、俺が話すのはある意味原始的な聖杯と言えるだろう。
「文字通り万能の願望機、か。そんなもんあるならとっくの昔に俺たちの誰か、もしくは当時生きてた人間が確保してるはずだ」
「まあ、色々と可能性はあるんだろうけど俺も詳しくは知らない。『与えられた知識』だけで戦ってるようなもんだからな」
今ここにいるのは三陣営のトップの方々、熾天使ミカエル、堕天使総督アザゼル、そして魔王ルシファーだ。流石にあれを見せつけてはいさよならと行かなかった。
トップシークレットということもあり一人面識があるらしい赤龍帝の籠手、確かドライグというドラゴンが宿る兵藤先輩以外のオカルト部はともかく、本当にトップクラスしか残らないとは思ってなかった。なんか面接を受けてるような錯覚になるな…………
「与えられた知識と力はいつから自覚をし始めたのですか?」
「高校に上がってから、としか。はっきりと自覚したのは初めてはぐれ悪魔に出会った時です。あれはあれでびっくりした…………」
「コカビエルを倒すほどの力を持つ弓矢なら低級のはぐれ悪魔は障害にすらならないのは当たり前か。サーヴァントだったね、英雄の魂を降ろして仕えさせる儀式…………明るみに出たら混乱が生じる」
『マスターとやらが居ない特殊なもので助かったな。もし、彼女が使役させられていたらと思うと俺は真っ先にそいつを殺すかもな』
明らかな不満を漏らしているのがガッチガチに緊張した兵藤先輩の籠手から喋るドラゴンだ。
ドライグはアーサー王に深く関わりがある龍であり、彼女を娘のように思っていたとのこと。そこら辺は俺も知らないが、もしかしたら…………
「アーサー王を直接見て知ってるドラゴンが保証してる訳だから言うけど、ランサーがアーサー・ペンドラゴンだという事は確定だ。ランサーだから
『待て、それに疑問がある。なぜ彼女があんなに成長しているのだ?聖剣を手に入れた年で肉体年齢は止まってそのまま亡くなったはずだが』
「俺はかなり特殊なタイプだけどランサーも特殊だ。英霊にも多岐に別れた物語がある。それを『もしも』の形で召喚されるのも聖杯戦争だ」
「つまり、どこかで聖剣を捨てて体の成長が再開し、聖槍に持ち替えたいうことか」
そういうことだという感じで首を縦にふる。実際のところは分からないが、アザゼルが言ったことが1番有力な説だからな。
「それで、新志はどういうタイプだ?戸籍を洗ったが偽名使ってる訳じゃないはずだが」
「サラッと詮索してますね。彼は自分で特殊なタイプとおっしゃっていました。あなたは英霊ではないのですか?」
「正確に言ったら英霊擬きというところだ。知識からして、英霊が俺に宿って戦う代わりに肉体の強化と技術の譲渡をしてもらってる擬似的なサーヴァントだ」
どこぞの盾系最硬後輩デミサーヴァントみたく『現時点で生きている人間』に英霊が宿ったという形だろう。実際に俺はアーラシュと会話したこともないし、俺がアーラシュ本人な訳がない。
力を与える代わりに願いをかけて血を血で洗う戦いを強制されてる訳だ。俺はその中で偶然、何十億分の一の確率で当たっただけに過ぎない。
最も恐ろしいことがあの場にいた俺以外のサーヴァントは『本物のサーヴァント』だった。俺のような奴は誰一人いなかった。
セイバーこと皇帝ネロ、ランサーことアーサー王はいい。キャスター、あいつの正体だけが分からない。奴も物凄く特殊だってことは感じたが正体を掴むまでには至らなかった。
オーフィスとやらを味方につけていたが白龍皇の一撃でアッサリ消滅したし、まあ肉体的にガチガチな白龍皇の全力(?)でキャスターが殴られたら消滅待ったなしだよな。
「真名だけは勘弁してくれ。真名が判明するだけで致命的な弱点が露見する場合があるんだ。それに加えて宝具もばれて対策を組まれる可能性もある」
俺の口調が気さくになってしまっているが真剣な顔をして聞いてくれている。兵藤先輩だけ置いてけぼりにされているけど仕方ない。
「宝具?それは各々の英霊が使用する神器みたいなものと言えばいいのですか?」
「そういう認識で構わない。…………俺も随分と勘違いしてた」
俺が使っていた弓は神器ではなく保有スキルの『弓矢作成・A』による弓矢だった。確かに弓の英雄だからザ・アーチャーとか名付けたけど…………今でも使いまわしてるから別にいいとするか。
『ジ』ではなく『ザ』なのはその方がしっくりくるからだ。別に間違っていてもいいじゃないか、雰囲気さえよかったら!
口外していないことはともかく、ロンゴミニアドは俺の手に余るものだ。セイバーの宝具もキツイんだが、というよりキツくない宝具なんてない。
あの皇帝の黄金劇場は完全に独壇場&勝利フラグと言われるほどだ。しかもほぼ完全に近接に持ち込まれるからアーチャーにとって致命的だ。エミヤさんは帰ってください。
一応は近接にも対応しているがセイバーとランサー相手だと力不足に思えた。やっぱり矢を放たないと弓兵の名折れだ。
話を戻すがランサーの宝具は完全に突進型とも言えるだろうな。女神ロンゴミニアドだと最高ランクの宝具の数千倍という威力で文字通り大地を焼くが、今回戦った時はアルトリアだからそこまでの威力は出ないはずだが真名解放せずともあの威力、学校くらい軽く吹き飛ぶんじゃないか?
「そういえば擬似的な宝具として
『あの剣は感じたところレプリカのはずだが、恐らくアルトリアが何かしらの手を加えたのだろう。本物には程遠いとはいえかなりの無茶をさせていたはずだ』
「最後には刀身がボロボロになっていたけど…………使い捨てと言えないだろうな。ま、あれを治せる奴が向こうにいたらの話だけどね」
魔王ルシファーがそう呟くけど、本当にいるんじゃないかと思ってしまう。カリスマ性あるアーサー王が一人でいるとは思えない。流石に円卓の騎士はいないだろうけど鍛冶職人とかならついて行きそうだ。
この世界は未だに神代の部分が多く残っているイメージが大きいし、時間をかけたら作り出すだろう。
『…………アルトリア、お前の願いは一体なんなんだ?何を後悔してこの様な戦いに現れたんだ?』
ドライグの呟きが喋っている最中の俺たちに聞こえた。そこに込められているのは怒りなのか悲しみなのか分からない。もしかしたら欲望溢れる戦いを終わらせるために現れたのかもしれないし、あるいは自分の国を…………
考えても答えは出ないが自分が知っていることは話した。まだ寝なくてもいけるがもう夜が明けそうになるため話はここまでとなった。学校もあるので長居はしたくない様だ。
外を見たら既に俺たちの戦いで出来たクレーターが無かった。しかも何も起こっていなかったと言われても信じるほどに自然な校庭に戻っていた。
…………それでも始まってるんだ。何でもない日常の中で俺達の聖杯戦争が、誰も知らない聖杯を取り合うための殺し合いが。待てよ、肝心なことをすっかり忘れていた。
俺の願いって何だ?
アルトリアもネロもクラスが増えてきました、さてどうしましょう?
帝都術「そろそろ私の礼装も出てきてもいいんじゃないですかね?」
帝都殺「その前にわしが出るわ!ほれ、かの宮本武蔵が出てきそうな7本勝負にな!」
帝都術「(まあ三下臭いし無理だろうなぁ、多分)まず貴方どこから湧いて出てきたんですか」
帝都殺「え、わし今回の聖杯戦争の参加者やないがか!?」
*ここでの出来事は本編とは一切関係ないし触れもしません。
帝都殺「なんじゃとー!?」
帝都弓「文字だけだとワシと被っておらんか?」