三階中広間での奇襲を何とか撃退した僕らであったが、その代償としてこちらは烏間先生が毒ガスにやられてしまった。潜入直後の一階ロビーでイリーナ先生は僕らを通すための囮になってくれたし、殺せんせーは完全防御形態を維持したまま身動きできない状態である。
とはいえ四階は客室だけで階段も続いていたのでスルーして先へ進んでいく。黒幕のいる十階まで全部スルー出来れば楽なんだけどなぁ。しかし五階の展望回廊に差し掛かった時、僕らは足を止めざる得ない状況に直面した。
「……あの雰囲気」
「あぁ、いい加減見分けがつくようになったわ。どう見ても“殺る”側の人間だ」
狭くて見通しがよく隠れる場所もない展望回廊。その通路の窓に
まず間違いなく犯人側の刺客と見ていいだろう。でも待ち構える敵を迂回して進めるルートなんて他にない。逃げも隠れも出来ないこの状況……だが僕にはこの状況を上手くやり過ごせるかもしれない方法が一つだけあった。
「皆、今こそ先生に教えられたことを実践する時だよ」
「吉井君、先生に教えられたことって……?」
僕の言葉を聞いた渚君が不思議そうに問い掛けてきた。渚君だけじゃなくて他の皆も疑問の眼差しを向けてくる。
えー、分かんないかな?殺せんせーも言ってたじゃないか、学んだことをしっかりやればいいって。
避けることの出来ないルートに待ち構える敵をやり過ごす方法。その方法といえば、
「普通に通ればいいんじゃない?」
「いや絶対に誤魔化せないわよ⁉︎」
「相手はホテルの警備員じゃないからな。ビッチ先生の時みたいに上手くは行かないだろう」
良い案だと思ったんだけど片岡さんに速攻で否定されてしまった。続けて磯貝君からも理由付きで駄目出しされる。
まぁ確かに磯貝君の言うことも一理あるか。何も知らないホテルの警備員と事情を知ってる犯人側の殺し屋じゃあ警戒度が違う。イリーナ先生が実践したことを真似る方法は満場一致で没ということにーーー
「……いや、試す価値はあるかもしれんぞ」
と思ったその時、意外にも秀吉から僕の提案を援護する声が上がった。
意外な発言に思わず全員の視線が秀吉へと向けられる。その中で指揮を取る立場にある烏間先生がその根拠を問い質す。
「木下君、どういうことだ?」
「うむ、もしかすると相手はワシらの情報を正確に把握していない可能性があるということじゃ。でなければワシを女と間違えるはずがない」
「その推測、お前の私怨がかなり入ってねぇか?」
「俺だったらまず性別の情報ミスを疑うわ」
援護してくれた秀吉には悪いが僕も寺坂君や吉田君と同じ意見である。少なくとも秀吉を初見で男だと確信を持って言える人間は絶対に多くないだろう。
ただ実際にじゃあ他に良い案があるのか、と言われると誰もが黙っていることから八方塞がりなのも確かだ。だったら秀吉の後押し(私怨丸出し)もあることだし、失敗する可能性が高いとしても試してみる価値はあるだろう。
「まぁ集団だと流石に目に付くだろうし、他に手はなさそうだからまずは僕が先に行ってみるね。それで行けそうだったら皆もバラけて後に続いて」
「しかし、それでは吉井君の危険があまりにも大きすぎる」
「大丈夫ですよ、烏間先生。身の危険を感じたらすぐに距離を取りますから」
そう言って僕は烏間先生に止められる前に展望回廊の物陰から歩み出た。ここからは誰の手助けもなく身一つでなんとかしなければならない。
殺し屋を視界に収めながら最大限まで意識を相手から外し、警戒されないように敢えて気配や足音は消さず一般人を装う。こういうのは意識すればするほど動きや仕草に出ちゃうから、何も考えずに何食わぬ顔で通過するのが一番である。何も考えないのは僕の得意分野だ。
この時点で相手にも僕の姿は見えているはずだが、男は窓に凭れ掛かったまま動く気配がない。そのままどんどんと距離が縮まっていき……あれ、これはもしかしなくてもすんなり行けるーーー
ビシッ‼︎、と窓ガラスにヒビが走った。
「ッ‼︎」
それと同時に僕はバックステップで殺し屋から大きく距離を取る。窓ガラスにヒビが入った原因は殺し屋が素手で、それも拳ではなく指先に力を入れただけで窓ガラスを割ったのだ。そんな握力オバケ相手に不意を突かれての近接戦闘なんて無謀過ぎる。
だが殺し屋からは僕が自身の射程から離れていくにも関わらず追い討ちを掛ける様子が見られない。どうやら窓ガラスを割ったのはただの威嚇だったようだ。
……ってことはまだ何とかやり過ごせるか?それともただの余裕か……確かめてみるか。確かめるだけならタダだ。
「な、なんだなんだ⁉︎ あんたの仕業か⁉︎ いったい何のつもりだ‼︎」
ちょっと窓ガラスが割れた時の対応と台詞が合ってない気がするが、マフィア勢力もいるんだから少しくらい手慣れててもおかしくないだろう。
油断せず十分な距離を空けて構えた僕に対して、殺し屋は佇んだまま僕を見据えて淡々と述べる。
「……無駄な小細工はよせ。視界に入らぬとも足音と息遣いで複数の人間が潜んでいることには気付いていたぬ。少年、お前がそのうちの一人だということもぬ。“スモッグ”からの連絡がないということは奴はやられたようだぬ。隠れたままの奴らも出てこい」
あー、これは本当に全部見抜かれてるっぽいな。せめて皆のことはバレてなければ僕が囮になってなんとかなった可能性もあったけどそれも無理だろう。
殺し屋に言われて恐る恐るといった感じで皆が出てきたものの、その表情は驚愕と緊張とある点にツッコミたいという衝動に駆られた様子である。でも殺し屋相手にツッコミを入れられる強心臓の持ち主なんて……
「“ぬ”多くね、おじさん?」
あぁ、カルマ君がいたわ。カルマ君みたいに心臓に毛が生えているのを通り越して鬱蒼と生い茂っているような人間は良くも悪くも貴重である。
しかし自身の間違いを指摘されても殺し屋が余裕を崩すことはなかった。
「“ぬ”を付けるとサムライっぽい口調になると小耳に挟んだ。格好良さそうだから試してみたぬ。間違っているならそれでもいいぬ。この場の全員を殺してから“ぬ”を取れば恥にもならぬ」
なるほど、目撃者は始末するっていう殺し屋の典型パターンか。だけど日本語ペラペラで文法も問題ないのに“ぬ”の使い方だけが間違ってるなんて……分かったぞ。この人、天然の馬鹿なんだ。きっと誰かに
勝手に殺し屋に親近感を覚えている僕はさておき、何も持ってない手を持ち上げて関節を鳴らす殺し屋を見た殺せんせーが言葉を漏らす。
「素手……それが貴方の暗殺道具ですか」
「こう見えて需要があるぬ。身体検査に引っ掛からぬ利点は大きい」
確かに手ぶらだったら怪しまれても引き止められる理由がないだろうし、仮に引き止められたとしても物的証拠はないから事前に捕まえようがない。暗殺成功率を高めるためにも十分に合理的だ。
「だが面白いものでぬ。人殺しのための力を鍛えるほどに暗殺以外にも試してみたくなる。すなわち闘い……強い敵との殺し合いだ」
殺し屋はそう言って烏間先生を一瞥したものの、磯貝君に支えられて立っているのもやっとな姿を見て落胆を露わにする。
「だががっかりぬ。お目当てがこの様では試す気も失せた。雑魚ばかり一人で殺るのも面倒だ。ボスと仲間を呼んで皆殺しぬ」
そう言いつつポケットから携帯を取り出して仲間を呼ぶ。そのために視線を僕らから外して携帯を操作し……次の瞬間、展望回廊に飾られていた観葉植物を振り抜いたカルマ君の一撃が携帯を窓ガラスとともに叩き割った。
「ねぇ、おじさんぬ。意外とプロっていうのも普通なんだね。ガラスとか頭蓋骨なら俺でも壊せるよ。……ていうか速攻仲間を呼んじゃう辺り、中坊とタイマン張るのも怖い人?」
「止せ‼︎ 無謀ーーー」
「ストップです、烏間先生」
僕の時と同じく危険と判断して止めに入ろうとした烏間先生だったが、そんな先生に対して殺せんせーから制止の声が掛ける。どうやら殺せんせーはこの場をカルマ君に任せるつもりのようだ。
「……いいだろう。試してやるぬ」
殺し屋も自分と対峙するカルマ君の様子を見てやる気になったらしい。不意を突かれた状態から立ち直ると上着を脱いで改めて構え直した。
そこへ空かさず観葉植物を振り回して殴り掛かったカルマ君だったものの、殺し屋に難なく掌で受け止められて握り潰されてしまう。
「柔い。もっと良い武器を探すべきだぬ」
「必要ないね」
使い物にならなくなった観葉植物を投げ捨てたカルマ君は、今度こそ仕掛けてきた殺し屋と真正面から相対する。
一度掴まれたらまず間違いなく観葉植物のように骨ごと握り潰されるはずだ。しかしカルマ君はその必殺の一撃を体捌きだけで躱し、躱しきれない場合だけ伸ばされた腕を弾いて危なげなく往なしていく。
「凄い……全部避けるか捌いてる」
「烏間先生の防御テクニックですねぇ」
殺し屋にとって防御技術は優先度が低いとのことで烏間先生は授業で教えていなかったけど、カルマ君は烏間先生の動きを見て覚えたのだろう。攻め一辺倒だった昔の動きとはかなり違う。
まぁ油断していたとはいえ殺し屋に気付かれることなく肉薄して携帯を壊せたんだ。着いていける速さなのは戦う前から大まかに予想できていた。だからこそ殺せんせーも対応できると判断して止めなかったに違いない。
しばらく二人の攻防は途切れることなく続いていたが、ふと殺し屋は攻撃の手を緩めて動きを止めた。
「……どうした?攻撃してこなくては永久にここを抜けられぬぞ」
「どうかな〜。あんたを引きつけるだけ引きつけといて、その隙に皆がちょっとずつ抜けるってのもアリかと思って」
攻め気のないカルマ君の戦い方と言葉に殺し屋は何やら考え込んでいる様子だった。恐らくどういう意図なのか推し量っているのだろう。
しかしそんな殺し屋の考えを遮るようにカルマ君が拳を構える。
「……安心しなよ。そんな狡いことはなしだ。今度は俺から行くからさ。あんたに合わせて正々堂々、素手のタイマンで決着をつけるよ」
「……良い顔だぬ、少年選手よ。お前とならやれそうぬ。暗殺稼業では味わえないフェアな闘いが」
攻め気を見せたカルマ君とそれを待ち構える殺し屋の立ち会いに誰もが真剣な面持ちで固唾を呑む中、僕だけは思いっきり疑惑の視線をカルマ君へと向けていた。
あのカルマ君が正々堂々……?奇襲上等、不意打ち当たり前、喧嘩では手段を選ばずに相手を蹴散らすあのカルマ君が……?
疑わしい目を向ける僕を尻目にカルマ君は駆け出した。その勢いのまま飛び蹴りを繰り出し、殺し屋に反撃させる隙を与えず攻め続ける。
と、その甲斐あって殺し屋の体勢を崩すことに成功した。その隙を逃さずカルマ君は空かさず追撃を仕掛け、
見覚えのあるガスが殺し屋からカルマ君に向けて噴射された。
そして倒れ込んでいくカルマ君の頭を殺し屋が掴んで持ち上げる。
「一丁上がりぬ。少し長引きそうだったんで“スモッグ”の麻酔ガスを試してみることにしたぬ」
今の毒ガスを浴びせる手際と余裕な態度……体勢を崩したのはわざとか‼︎ カルマ君の隙を作るために敢えて劣勢なフリをして誘い込んだんだ‼︎
「き、汚ねぇ……そんなモン隠し持っといてどこがフェアだよ」
毒ガスを持ち出したことに吉田君から非難の声が上がるも、そんな非難を殺し屋が受け付けるわけがない。
「俺は一度も素手だけとは言ってないぬ。拘ることに拘り過ぎない、それもまたこの仕事を長くやっていく秘訣だぬ。至近距離からのガス噴射、予期していなければ絶対に防げぬ」
そもそも戦いはスポーツじゃないんだ。正々堂々と戦って負けるよりも卑怯卑劣な手を使ってでも勝つことに意味がある。寧ろプロとしては当然の戦略だろう。
とはいえカルマ君がやられたんじゃ次は誰かがやらないといけないし、このまま棒立ちでいたら最悪カルマ君の頭が握り潰されかねない。
後手に回っても良いことはないと考えた僕はカルマ君の救出優先で駆け出そうとし、
またもや見覚えのあるガスがカルマ君から殺し屋に向けて噴射された。
「ーーー奇遇だね、二人とも同じこと考えてた」
そう言ってやられたはずのカルマ君が憎たらしい笑みを浮かべていた。まさかカルマ君も相手の隙を作るために毒ガスを食らったフリをしていたとは……本当に手口も得物も全くの同じである。っていうかいつの間に毒ガスをくすねてたんだ。
毒ガスを食らった殺し屋は足腰を震わせながらもナイフを取り出したが、そんな身体が痺れた状態でカルマ君を捉えられるわけがない。力を振り絞って取り出したナイフで斬り掛かるも、逆にその腕を掴まえられ関節を極められて床へと叩きつけられる。
「ほら寺坂、早く早く。ガムテと人数使わないとこんな化けモン勝てないって」
「へーへー、てめぇが素手でタイマンの約束とか
促された寺坂君に続いて他の皆も駆け出し、倒れた殺し屋の身体に全員で
寺坂君が持ってきていたリュックの中からカルマ君の私物であるガムテープを取り出し、手で掴まれないように注意を払いながら殺し屋を縛っていく。なんでカルマ君が私物のガムテープを持ってきてるのかは察してほしい。
縛り終えて芋虫状態にされた殺し屋は悔しそうに呻いており、その顔には疑問の色が浮かんでいた。
「何故だ……俺の毒ガス攻撃、お前は読んでいたから吸わなかった。俺は素手しか見せていないのに何故……」
そう、幾らなんでも素振りすら見せていなかった不意打ちの毒ガスを初見で防げるとは思えない。それに対応できたということは毒ガスでの攻撃を読んでいたということなのだろう。
そんな殺し屋の疑問にカルマ君は得意げな表情で答えた。
「とーぜんっしょ。
「え、マジで?それじゃあこの人がゲイでカルマ君にセクハラを仕掛けて動揺させてくる可能性なんかも……」
「そんな特殊過ぎる状況は警戒してない。ちょっと話逸れるから黙っててくんない?」
僕の疑問はカルマ君にバッサリと切り捨てられてしまった。その可能性だってゼロじゃないのに……。
改めてカルマ君は殺し屋の前に座り込んで顔を真正面から見据えて答える。
「あんたが素手の闘いをしたかったのはホントだろうけど、この状況で素手に固執し続けるようじゃプロじゃない。俺らをここで止めるためにはどんな手段でも使うべきだし、俺でもそっちの立場ならそうしてる。……あんたのプロ意識を信じたんだよ。信じたから警戒してた」
そう語るカルマ君の目には勝者が敗者に向けるような優越感はなく、ある種の敬意さえ感じさせる真摯な眼差しであった。
昔と比べると随分丸くなった印象を受ける。なんだかんだカルマ君も殺せんせーに手入れされてきたってことだね。
「……大した奴だ、少年戦士よ。負けはしたが楽しい時間を過ごせたぬ」
カルマ君の言葉を聞いた殺し屋は満ち足りた様子で自身の敗北を認めた。ここまで言われて負けを認めなければそれこそプロ失格だろう。
さて、それじゃあこの殺し屋も人目のつかないところに一先ず隠してーーー
「え、何言ってんの?楽しいのはこれからじゃん」
と、話が纏まりかけたところでカルマ君は懐からわさびとからしのチューブを取り出した。なんでカルマ君は物事を穏便に済ませられないかなぁ。
殺し屋はチューブに書かれている文字が読めないのか、それらを取り出したことに理解が追いつかないのか……いや、あの表情はまず間違いなく理解が追いついていない方だな。とにかく冷や汗を掻きながらカルマ君に問い質す。
「……なんだぬ?それは……」
「わさび&からし☆。おじさんぬの鼻の穴に捩じ込むの♪」
その宣言で殺し屋の表情が絶望に染まるものの、相手が絶望した程度でカルマ君の
「これ入れたら専用クリップで鼻塞いでぇ、口の中にブートジョロキアぶち込んでぇ……その上から猿轡して処置完了。さぁおじさんぬ、今こそプロの意地を見せる時だよ‼︎」
最早拷問と言ってもいい仕打ちに殺し屋は悶え苦しむが、徐々に苦悶の声は萎んでいき遂には動かなくなる。
「あぁ、折角の楽しい時間が終わっちゃった……よし、叩き起こすか」
「カルマ君、時間が勿体無いからあとにしてよ」
「いや、時間の問題ではないじゃろ……」
取引までタイムリミットが刻一刻と迫っている中、カルマ君の趣味に時間を費やすわけにはいかない。そういうのは全てが終わってから毒ガスさんでも握力オバケさんでも黒幕でも好きなようにすればいいだろう。
取り敢えず毒ガスさんと同じく気を失った握力オバケさんの身体も隠して僕らは先に進むのだった。
次話 本編
〜女子の時間〜
https://novel.syosetu.org/112657/41.html
明久「これで“カルマ(の戦闘中)の時間”は終わり‼︎ 皆、楽しんでくれたかな?」
カルマ「いやいや、全然物足りないよ。あともう一話くらい俺に時間くれない?」
秀吉「まだ続けるつもりか……確実にやり過ぎて引かれるぞ」
カルマ「えー、まだ序の口だって。なんせ市販のものしか使ってないからね」
明久「十分アウトだから。鼻の穴に刺激物をぶち撒けられるのって半端ないんだよ」
カルマ「なるほど、経験者は語る……か」
明久「なんかメッチャ他人事みたいに言ってるけど下手人は君だからね?」
秀吉「それにしてもカルマはよく読んでいたとはいえ奇襲の毒ガスに対応できたの」
カルマ「毒ガスおじさんも言ってたじゃん。あの毒ガスは外気に触れればすぐに分解されるって。逆に言えば噴射されるタイミングさえ見極められれば数秒息を止めるだけでも防げるってわけ」
明久「……あれ?でもカルマ君、自分が毒ガスを使う時はハンカチ構えてなかった?」
カルマ「あんなの毒ガス吸ってないよー、っていう原作での演出に決まってんじゃん。噴射される毒ガス吸わなかったのに噴射する毒ガスなんて吸うわけないし」
秀吉「そういえば小説内ではハンカチという単語は出てきておらんな」
カルマ「そういうこと。っていうかあのガス、一瞬でも吸えば象すら気絶させるって触れ込みの割には今のところ誰も気絶させられてないよね」
明久「それは言わないであげておこうよ。烏間先生と握力オバケさんの身体が象以上にタフだったってことで」
秀吉「それも無理があるのではないかのぅ……」
カルマ「ま、俺の活躍の場は終わったからあとは皆のお手並み拝見かな」
秀吉「まだ潜入中であることは忘れるでないぞ。最後まで油断だけはせんようにな」
明久「それじゃあ今回はこの辺で終わりにしとこうか。次の話も楽しみにしててね‼︎」
寺坂「改めてなんで俺がカルマの荷物持たされてんだよ」
雄二「そりゃカルマのパシリと言えば寺坂しかいないだろ」
寺坂「うるせー‼︎ てめぇは毒食らってんだから大人しく寝込んどけ‼︎」
雄二「お前それ人のこと言えないだろ……」