fateの世界で頑張る俺   作:AKIRA@お豆腐メンタル

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はい、2週間ぶりですね。お久しぶりです。
遅くなってしまい、すいませんでした。
お気に入り登録数が前回、76件でした。
そして今回!121件になりました!
そして総合評価が125に……えっと、本当に何があったのですかね?…物凄く嬉しいです。
UAが4569になりました!
本当にありがとうございます!

そして、評価バーに色がつきましたァ!!

黄色です!

その日の朝起きて見て、
『あ、なんだ…見間違えか……うん?……おぉ?!』
みたいな感じになりました。評価して下さって、ありがとうございます。

次回はお気に入り100件を越えた記念として番外編を投稿したいと思います。

とまぁ前置きはこのくらいで…

それでは、どうぞ!


第五話 参加の決意

「それにしても貴方に聞きたいことがあるのよ」

 

するとそれに続いて士郎も聞きたいことがあるという。

 

「あぁ、俺も聞きたい事だらけだ」

 

遠坂が言いたいことはわかるんだが士郎は何を知りたいんだ?うーん、わからん。

悩んでいても仕方ないし、素直に聞き入れるとしよう。

 

「あぁ、何でも聞いてくれ……と言ってもまぁ、自分でも分からん事の方が多いんだけどな」

 

これで答えられない問いには分からないが通用する。悪いが保険を掛けさせてもらった。

 

すると先に士郎が聞いてきた。

 

「神楽、なぜお前はそんなに詳しいんだ?昨日のあの青いヤツの事とか…」

 

どうやら外でセイバーもアーチャーもこちらに聞き耳を立てている様だ。何となくだが気配を感じた。

 

「あぁ、それについてはだな、俺の知識量だと思う。というかアイツの事は半信半疑だったと言うか、当てはまる所が何個かあって鎌をかけたらまんまと引っかかったってところだな」

 

何度も言った事だが、ここに来る前に調べていた事だ。

それと、前の俺の家には地下に大量の本があった。それはこの世界でも同じ事だったし、それの内容も全部は確認していないがほとんど同じ内容だったと思う。違うところと言えば、聖杯戦争の事について書かれていた本や英雄達の伝記があった事だろう。

 

それに続けて士郎はもう一つ質問してきた。

 

「お前、昨日今日で魔術の存在を知ったんじゃなかったのか?」

 

すると遠坂はそれを聞いて驚いていた。

 

「それについてはだな…どうやら俺は記憶を封印されていたみたいなんだ。父さん達にだ…」

 

それを聞いた2人は驚いていた。

 

「最近、お前物忘れが酷いようだったけどそれと何か関係があるのか?」

 

「あぁ、恐らく記憶が混濁してて混乱してたんだと思う。徐々に思い出していて、遂にこの手帳を開けて魔術と記憶の封印が漸く解けたってところだな……今では昔の記憶はあまり思い出せない。恐らくだが、さっきも言った様に記憶の混濁で一時期忘れているだけだと思う。あの手帳を開けてから徐々に自分の記憶を取り戻しているような感じがするんだ」

 

最初、俺は並行世界から意識だけがこの世界の俺に乗り移ったんじゃなかろうかと考えていた。だが、それは本当なんだろうかと思った。だが、fateと言う作品などを知っていると言うこから、恐らくは並行世界から此処に来たという事で合っていると思う。

 

そして2人は俺の言葉に顔を少しだけ暗くしたが再び質問してきた。

今度は遠坂からだった。

 

「さっきの事もだけど、あなたの魔術…どうなってるのよ!あんなの現代の魔術じゃ考えられないわ!」

 

なんでそんなに効果があるのかは知りません。何となくでしか魔術使ってないしなぁ。使い方も合ってるのかよく分からんし。そもそもそんなの無かった場所で生活してましたし?分からんのですよ。

 

「うーん、それについては俺もわからないんだ。どうしてあんなに効果が出るのか……そもそも使い方もよく分かってないし…」

 

これには遠坂もすごく驚いてました。というか!?遠坂さん!?胸ぐら掴むの止めてくれますかぁ!?

そして胸ぐらを掴んだまま次の質問をしてくる。

 

「そもそもなんでサーヴァントと戦えるのよ!」

 

少し怒り気味だ。そんなカリカリしてても得な事なんかないぞ?ほんと……カルシウム足りてないんじゃないか?……っとまぁそれは置いといてだな。

離してくれなきな喋れんがな。

 

「ちょ、離してくれます?じゃなきゃ喋るづらいっす」

 

「えぇ、じゃあ離すからきちんと喋って(吐いて)もらいますからね?」

 

笑顔が貼り付いているというような表情をしている遠坂。今の状況全く優雅じゃないよ?あんたの家訓どこ行ったよ。

それに今、なにか聞き間違えたのだろうか。吐いてって聞こえたような。聞き間違えじゃないですよねー……はぁ…

 

「それについてはあれだな小さい時から鍛えてたって言っても納得してくれないよなぁ…」

 

さっきから笑ってはいるのに全然穏やかじゃない。

これが優雅と呼べるのだろうか。いいや、呼べないだろう。ミスパーフェクトと呼ばれているのがどうしてなのかと考えてしまう。恐らくこういう表情は学校等では出さないのだろう。そうしなければ、そう呼ばれることも無いだろうし。それを考えるとだいぶ苦労してるんだろうなと思ってしまう。が、口にはしない。まだ死にたくないし。

 

「えぇ、納得出来ないわね。もっと詳しく教えてくれるかしら?」

 

そして俺は無言で手帳のあるページを開いて見せた。

 

すると遠坂は何なのよこれはと言いたげに手帳をしゃくり取って読み始める。

 

「な……な、何なのよこれは?!こんなのズルじゃないの!現代において魔術とは『まぁあったら便利かなぁ』って言うくらいのもんなのにこんなのにこんなのおかしいわよ!」

 

「恐らくそのお陰で強化やら、今の怪我等も治ったと推測されまする……」

 

デスヨネ。自分でもおかしいと思うよ。未だに重要だと思える記憶は入ってきてないし。あ、いや2つくらいはよく分からんけど入ってはいるのか……

 

すると士郎はなんの事だかわからないと言った表情で俺と遠坂を交互に見る。

 

「神崎君、貴方、魔術の事をどのくらいまで知ってるの?」

 

「だいたいしか知りませんね。基本的に等価交換であり、触媒を使用しなくても己の魔力を消費してその効果を表していて、魔術回路は一子相伝みたいなもので親から子へと代々受け継がれる代物でありまして。魔術は神代から現代へと衰えて来ているにも関わらず魔術の根源へと至る為、過去へ向かって突っ走ろうとしている。というのをこの手帳を読んで思い出しました。それに伴い頭がものすごく痛い次第でありまして……今は休息をとらせていただきたいのですがそれは……」

 

そもそもこの知識は自分が元から知っている知識だ。

この世界に来る前に色々とfateの魔術関連を調べてみて小出しした知識だ。

 

「殆どそれで合ってるけど、自分の魔術は他の魔術師には隠すべきよ。それと、もう少しで終わるから待ってもらえる?……あ、そうそう…貴方の親は何をしている人なの?」

 

ん?俺の親達?俺を置いて妹の方へ行った両親?ロンドンに転勤とかいう馬鹿げた親達の仕事?

 

「えっと、確か海外に旅行という名目の転勤でロンドンに妹と一緒に行ったはずです。俺は詳しく聞いてないので『他の人に聞かれたら旅行って言っといて〜』と言われたんで…」

 

みんなはこの事を何故喋った(吐いた)?…と、思うだろうが此処で誤魔化すのは良くないですよね。

 

だって、右の掌を気を付けの姿勢の様にピンと伸ばして、左手で右腕を支えているポーズを執っていますし……オォ、オソロシヤ…

 

それと、今の図を表すと布団の上で正座をしている俺に対して、遠坂は仁王立ちで今にもその手にしている手帳を破かんばかりの怒声を上げているような図だ。

右手はそのまま俺の方を向いているし……

ちなみに士郎はその俺と遠坂の横に正座して俺達を見守っている感じだ。

 

遠坂はまさに今までの私の苦労は何なのよと言ったように少し遠い目になっている。それもそうですよね。死に物狂いで頑張ったのに、ポッと出の俺に魔術の質で越されそうなのだから。

 

俺だって頑張ったのにいきなり現れたやつに抜かれそうになったら怒り狂いそうだし。それに自分の魔術回路は親から受け継いだものではないと思う。今現在は7本開いていると思うのだが、まだこれ以上あるように思うし。

 

「えっと、判っていただけたでしょうか…?」

 

「えぇまぁ、だいたいね。今の所はこれくらいで許してあげるわ」

 

ほんと、ありがとうございます。これ以上やられると俺は精神的に死にそうでしたし……

士郎的にはまだ納得出来てなさそうだ。

あ、そう言えば……

 

「士郎……庭のクレーターの事なんだが……すまん。許してくれ、いや、許してください」

 

俺は士郎の方に向き直ると正座のまま頭を下げた。

つまりは土下座の形である。

 

「え?!あぁ、いや、いいよ。それより頭を上げてくれ。それくらいなら直ぐに治るさ。というか昨日遠坂が窓を治すついでに治してくれたから…」

 

え?マジすか?遠坂さん、ほんとありがとうございます…

 

「遠坂……すまん。ありがとう」

 

すると遠坂は少し顔を赤くしてそっぽ向いてしまった。

ん?なんでそんな反応すんの?まぁ、いいか。

 

それよりこれからどうするかだよな…

 

「神楽、あの時は今は何も聞かずこれを読めってこの紙を渡してきたよな?その、マスター? だとかはいまいち判ってないんだ。教えてくれると助かるんだが…?」

 

そう言って士郎はあの時のメモを渡してきた。

 

あーそう言えば、その紙渡してたなぁ……っ!?

後ろが…後ろが何故か怖い…振り向くのが怖いです。

壊れた機械仕掛けの玩具の様にギシギシと首を回しながら後ろを向いた。

 

何ということでしょう。そこには笑顔で俺のことを見ている遠坂さんがいるではありませんか。

さぁて、俺はちょっくら用事ができたんでお(いとま)させてもらうとします。

 

俺は立てろうとしたが遠坂さんは逃がさんぞと言うように俺の肩を掴んで座り直させた。

 

「神崎クン?…まだ何かと知っているようね?全部話してもらえるかしら?」

 

その笑顔は俺にとっては毒でした。

 

_________

 

まったく、何が『思った事が現実に起こる』よ、そんなの魔術協会が知ったらホルマリン漬けになるの待ったナシじゃないの。

 

私のこの10年間は何だったのか、と思えてくるのだけど?私の苦労は彼と比べれば月と鼈なのに…

ほんと彼、何なのよ。それに妹と両親がロンドンに行ったですって?それどう考えても時計塔じゃないの?両親は恐らくそこで働いているのだろう。転勤と言っていたが日本の支部で働いていたのだろうか…?

 

等価交換の概念ガン無視の魔術だなんて……いや、でも魔力は消費するから等価交換なのかしら?それなら消費量はどのくらいなのかしら……どう考えても少なすぎるような気がするのだけれど……って、そもそも己の使える魔術は他の魔術師にそう易々と教えていいものじゃないのに……あ、私が説明してって言ったんだったか……

 

「士郎……庭のクレーターの事なんだが……すまん。許してくれ、いや、許してください」

 

彼はそんな事を気にしていたの?そんなの地面なんだから土を入れればどうとでもなるのに…それにその事については私が治したわよ…

 

「え?!あぁ、いや、いいよ。それより頭を上げてくれ。それくらいなら直ぐに治るさ。というか昨日遠坂が窓を治すついでに治してくれたから…」

 

すると彼はこちらへ向き直り、ここに女神がいたのか!

と言わんばかりに救われたような顔をしていた。

 

「遠坂……すまん。ありがとう」

 

な、何でそんな笑顔で言うの?それにそんな事で言う程の物でもないのに…

 

私は無意識に顔を彼から背けていた。

 

もうこの歳になると昔みたいに『凛ちゃん』なんて呼んではくれないか…それに私も『神楽くん』なんて恥ずかしくて呼ぶことも出来ないし。

あ、そもそも彼は記憶が曖昧になってるから今は覚えてない、か……

 

──あれ?いくらお粗末な召喚だったとは言え記憶が曖昧なアーチャーと、数ヶ月前から様子がおかしかった彼。手帳を開けた事で少しずつ記憶が戻っている……つまりは記憶が曖昧……?

 

手帳に掛けられた魔術が少し、間の抜けたものだったとすれば──

 

色々と考えてはみたのだが何もかもが憶測でしかなく、確証を得られるわけでもないのでこの事について深く考えるのはやめた。

 

この話に区切りが付いたと思われた頃、衛宮君は爆弾を投下した。

 

「神楽、あの時は今は何も聞かずこれを読めってこの紙を渡してきたよな?その、マスター? だとかはいまいち判ってないんだ。教えてくれると助かるんだが…?」

 

その紙に書かれていた内容は遠目からでもわかる程綺麗な字で英霊召喚の呪文が書かれていた。

私はてっきり彼は魔術の事を知っているのを隠していたのだと思っていたが、どうやら違っていたみたいだ。そもそも、この町に2人も、しかもその片方は家族ぐるみで、預かり知らぬ魔術師が生活してたなんてセカンドオーナーである私に挨拶にこないのはどうしてよ!……あ、そもそも魔術について詳しくなかったんだったか……いや、でも神崎君の家族は来てもいいはずよね?…っと、その事は置いといて、今は彼にもっと話を聞かなければならなくなった…

 

色々と考えていたが、彼が逃げ出しそうな雰囲気が感じられたので笑顔で肩を掴んで座り直させた。

 

「神崎クン?…まだ何かと知っているようね?全部話してもらえるかしら?」

 

彼は観念したらしく、大人しく話してくれるみたいだった。

 

「えっと、さっき手帳を開けた事によって記憶が戻り始めていると言いましたよね?…それと(うち)の地下に大量の本があることをご存知だと思うのですが…その本の中に聖杯戦争に関係するものがありまして……そこで色々と知った訳なんですが、記憶を封印されてたのでその事も忘れていたって事です。ハイ」

 

なるほど、そういう事だったのか。

心して聞いて損した気分である。

そしてその後は私と神崎君で衛宮君に説明して今日の深夜に、言峰──エセ神父──の元に聖杯戦争への参加表明をしに行く事になった。

 

_______

 

 

色々と解らない事だらけだったが、神楽と遠坂のお陰で色々と知ることが出来た。

 

まず、神楽の説明でだいたいは魔術のことが分かった。

それと、聖杯戦争とは7人のマスターとサーヴァントによる、バトルロワイヤルだと知った。

 

そして、サーヴァントにはクラスというものがあり、

俺のところにいる『セイバー』、遠坂の所にいる『アーチャー』、昨日俺の命を奪ったはずの『ランサー』、それとまだ見たことの無い『キャスター』、『アサシン』、『ライダー』、『バーサーカー』といるらしい。

 

俺は、本当はセイバーに戦ってほしくない。

だけど、俺に戦う力は無い。

昨日の神楽の様にサーヴァントとも戦えるようになりたい。その為に、努力は惜しまない。

だけど、神楽は中学の時、俺に言った。

 

『そんなに救う事だけを考えて生きてちゃ、疲れるだけだと思うぜ?時には、羽を休める時だって必要なんだ。いざって時に動かなければダメだしな。それに[救う事しか考えてない士郎は人間じゃないように見える]。それは、俺にとっては嫌だ。他の人にとっても嫌だと思われる。何故か分かるか?ちっとは、他人のことも考えろよ?みんなが皆、お前が犠牲になればこの世界は救われるだなんて思っちゃいない。皆、お前の事を心配してるんだよ……自分で気が付かなきゃ意味が無いとかってよく言うけどな?お前には面と向かって言ってやらなきゃ伝わらんと思って言った。だから、お前一人が抱え込む必要なんてないんだ。俺がいるんだから、役割分担していこうぜ?』

 

そう言って俺を手伝ってくれた。

俺に、救う事以外を教えてくれた神楽。

だから俺は自分に出来る事はやる。だけど、出来ない事は他人に任せる……だけどやっぱり、神楽にだけ任せっぱなしには出来ない。俺だってやってみせる。セイバーに戦う為の……いや、せめて、自分を守れる様、闘う為の技術を学ぼう。戦う為の技術は今でなくていい。

 

それと、今の彼奴は、一人で抱え込もうとしてる雰囲気だ。何年一緒にいたと思ってるんだか……知らないと思ったら大間違いだ。今は無理でも、その重荷、いつか俺にも負わせろよ……神楽。

 

 

 

そして話は戻るが、勝ち残った最後の一組が聖杯を受け取る権利が与えられ、己の願いが叶うというものだった。

 

そんな…そんな、馬鹿げた事のために何人もの人達がこの町で亡くなっている。何も知らない一般人達が亡くなっている。その事だけでも俺には耐えられない。

俺はこの馬鹿げた聖杯戦争というモノを終わらせるべくこの闘いに参加することを誓うのであった。

 




はい、今回はここまでとなります。
如何だったでしょうか。
楽しんでもらえたのなら幸いです。

今回もそんなに進まない事について本当に申し訳ない。

士郎は確か、『人間になろうとしているロボット』と例えられていたと思いますので、それの成分をマイルドにしたかった今回の最後方の話です。
神楽のこの言葉で士郎は救う為だけに生きているというようなことは無く他の事にも興味を示していて、原作の根本より人間味がある形になっています。

アニメとかで見ると日常生活とかは普通の人間のように見えるんですけどね…

※これから4月以降忙しくなるので更新が不定期になってしまいます。本当に申し訳ないm(_ _)m
完成次第投稿していきたいと思います。

この作品を読んでくれている皆様、
お気に入り登録、感想、評価をくださった皆様、
本当にありがとうございます。
これからも頑張っていきたいと思います。

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