fateの世界で頑張る俺   作:AKIRA@お豆腐メンタル

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お気に入り登録数が一気に11にもなって驚きと嬉しさで独りでガッツポーズしておりました。
本当にありがとうございます。

UAは592になりました。
本当に嬉しいです。ありがとうございます。

のんびり続けようと思っていたんですけど、なるべく早くしようかと思います。
これからもよろしくお願い致します。



第二話 蒼い槍兵との邂逅

俺は今現在士郎と弓道場に来ている。

まぁもちろん片付けやら掃除やら整備やらをする為だ。

二人でやると早く終わるとよく言うよな?

まぁ結果その通りなんだが結局夜遅くなっちまったよ。何でだろう…あれか、『あ、ここ汚れてるな。よし、掃除しようか…あ、こっちも汚れてる』な感じでずっと掃除してたんだ…あ、そうそう、草抜きとかもしてたな…後は整備かなってところで今の時間。

……夜の8時なんだ…何やってんだよって思うだろ?自分でも何やってたんだろうって思ってるよ。

あれ?アーチャーとランサーの戦いって何時頃だっけ?深夜?

 

それはともかく、今整備してるんだ。的の紙の貼り替えだったり矢を一箇所に纏めたり、次に始める人が気持ちよく始められる様に……あれ?それ俺じゃね?

まぁ自分の為にやってると思ってやると捗る捗る。

 

 

よしっしゃ!終わったよ!士郎と俺でやり切った!

で、時刻は……10時…だと?おいおい、なんでそんなに時間食ってるんだ?マジかよ…あれ?てことは…もしかしたらそろそろ剣戟が聞こえてくる頃か?

 

キャィンッ!カンッ!コンッ!

 

………うわぁ……聞こえてきたよ。士郎は……はぁ……気付いてないみたいだな。どうする?どうする?

………あれ?士郎どこ行った?

 

………え?まさか外に出た?

何やってんだよ俺!おいおい、え?マジで?試しに呼んでみよう。

 

「士郎ー!」

 

・・・・

 

返事が無い、ただの屍のようだ。

 

って、巫山戯てる場合じゃないよ!?何今の無駄な時間!それになんか使い方間違ってる気がする!いや、合ってんのか?いやだから、そんなことはどうでもいい!よし!探しに行こう!そうしよう!

 

とりあえず箒の先がないやつ持って行こう!

何もないよりマシだろうし。

他に何か役立つ物は……?

手帳?これって父さんの…だよな?

 

一瞬ノイズが走る。

 

『神楽…これはお前がピンチになった時に開け』

 

父さん…何の事なんだよ……

 

って、今はそれより士郎が心配だ!

待ってろよ?士郎!

 

 

そして俺は、弓道場を飛び出した。

 

 

________

 

 

ふぅ、終わったな。いやほんと神楽がいてくれて助かったな。俺一人だともう2時間くらいかかってたかもしれないしな。今度なにか奢った方がいいのかな?

 

よし、これから戸締りをしてっと……

 

 

 

キャィンッ!カンッ!コンッ!

 

 

 

……何なんだあれは。あの、青と赤の影は。

──ッ!?まさか!?ここ最近ガス爆発とかの事件はあいつらが関係してるんじゃ?

 

 

パキッ!

 

「誰だ!?テメェ!」

 

 

──ッ!?しまった!気付かれた!?逃げよう!

何処に逃げる?よし、校舎だ!

 

 

 

入ってから気付いた…

校舎に逃げたのは間違いだったと…

廊下は長い。横には狭く攻撃を躱すのには向かない。

それにあんなスピードで戦う奴らにどうやって逃げ切ると言うのか。

 

鬼ごっこは唐突に終わりを告げた。

躓いてしまったのだ。

 

「ぐぁっ!?」

 

青色の猛獣の様な雰囲気の男が詰めてくる。

 

「随分と遠くまで逃げたなぁ…。だが、お前さんの運もここまでだと思って諦めな……」

 

そしてこの男は俺の心臓を貫いた。

 

「か…はっ!?」

 

(俺は……こんなざまで正義の味方なんて……)

 

そして俺は気を失った。

 

 

________

 

 

「そんな……(私の所為だ……犠牲者が出る事くらい覚悟してたはずなのに)……ランサーを追って、アーチャー。ランサーはマスターの下に戻る筈。せめてマスターの顔ぐらい把握しないと……」

 

「了解した。マスター」

 

そしてアーチャーは霊体化してランサーを追った。

 

「せめて…看取るくらいは……なんで…よりにもよってこいつが……」

 

どうして…どうしてなのよ。

なんで………

ごめんなさい。お父さん。薄情者でごめんなさい…

 

──破損した臓器を偽装して代用

 

──その間に心臓を修復

 

………もう、死なないでよね。

 

そして私はアーチャーを追うようにしてここから去った。

 

 

________

 

 

 

──破損した臓器を偽装して代用

 

──その間に心臓を修復

 

 

 

 

……誰、誰なんだ?

 

 

 

 

──俺、誓ったのにな…魔法使いになったら、きっと誰か救うって…

 

 

 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

生きてる?…誰かが俺を助けてくれたんだな…

 

?……これは、ペンダント?

 

俺を助けた人が落として行った…のか?

 

…いつか、この借りを返せたらな……

 

疲れ切った身体を起こそうとしていると誰かが来た。

神楽だったみたいだ。

 

「あ、おーい!?士郎?無事か?血が出てるけど大丈夫なのか?」

 

どうやら、心配かけちまったようだな。

 

「あぁ、すまないな。どうやら大丈夫みたいなんだ」

 

すると神楽は悲しそうな表情をしていた。

 

「そうか…ならいいんだ…」

 

ところで、その手にしているのは何なんだ?

 

「神楽?その手にしてるのって…」

 

どうやら神楽も俺が何を言いたいのか分かったようだ。

 

「あぁ、これか?これは…だな。箒の先端が無いやつ…要するに壊れてたやつ…まぁあれだ何となく嫌な予感がしたから何か持ってた方がいいかな、なんて思って持ってきたんだが…どうやら俺もだいぶ動揺してるみたいだな…」

 

ハハハ、と言うように乾いた笑い方をする神楽。

 

「家に帰るんだろ?送ってくよ」

 

「いいのか?お前、親が心配してるんじゃないのか?」

 

「ん?…あぁ、親はあれだ。今海外旅行に出ている…俺を置いて…」

 

神楽は、自分が置いて行かれたことにこれまた乾いた笑い方をしていた。

 

「まぁいいや、よし、立てるか?」

 

「あぁ、ありがとうな」

 

そして俺は神楽と一緒に家に帰る事にした。

 

 

________

 

士郎、どこ行ったんだよお前…

えっと、あれは確か、廊下だったよな?

よし、気持ち切り替えて…回路を起動させる感じにして…魔力の反応がある方に……よし、あっちか。

 

 

あ、いた!……けど、やっぱり一度死んだみたいだな……血が辺り一面に……俺がもう少し早く来てたら……士郎が死ぬことは無かったかもしれないのに…

俺が居ても足で纏かもしれないけど…

 

すまない…士郎。

 

士郎、本当に大丈夫なんだろうか?

 

「あ、おーい!士郎?無事か?血が出てるけど大丈夫なのか?」

 

 

やはり…運命は変えられないのか?

 

いや、俺が頑張れば何とかなるはずだった。もしかしたら…士郎が死ぬことは無かったかもしれない。

原作崩壊する事を少しでも恐れた俺が…今の、さっきまでの士郎を死なせてしまった。

 

俺は…誓う……もう…俺の周りで、誰も死なせてたまるものか!誰がなんと言おうと…俺は自分の手が届く範囲で助けてみせる!

 

いつかの士郎のように旅をして各地を周りながら助けて回る事は自分からはしないだろう。

だが、士郎を支える事は出来る。

 

士郎が報酬を受け取らなければ俺が受け取る。

そして士郎に渡す。何が何でも。

 

士郎が周りを救けるならその支えになる。

俺も…憧れたんだろうな。士郎やエミヤの夢に。

夢は借り物であっても、夢である。

夢は憧れから始まる物だ。と、俺は思う。

 

で、あれば……

 

士郎と、エミヤの……救いたいと思う気持ちに偽りは無く…尊いものだから……例え借り物の夢であっても、その気持ち、自分に出来ることをする。その事に間違いは無い筈だから…

 

そんな事を思っていると知る由もない士郎は言う。

 

「あぁ、すまないな。どうやら大丈夫みたいなんだ」

 

だろうな…これは遠坂凛が魔術により心臓を修復したからだろう。俺は無意識に表情が曇っていた。

 

「そうか…ならいいんだ…」

 

士郎はその空気を変えようとしたのか話題をかえた。

 

「神楽?その手にしてるのって…」

 

どうやら俺が持ってきたものが気になったらしい。

これは箒だ。しかも学校などでよくあるタイプのだ。

ちなみに木製である。

 

「あぁ、これか?これは…だな。箒の先端が無いやつ…要するに壊れてたやつ…まぁあれだ何となく嫌な予感がしたから何か持ってた方がいいかな、なんて思って持ってきたんだが…どうやら俺もだいぶ動揺してるみたいだな…」

 

なんか嫌な予感がする…という理由だけで壊れた箒を持ってきたんだ。動揺してなくて何をしているんだろうか。

そんな事より、士郎を家に送るとしよう。

 

「家に帰るんだろ?送ってくよ」

 

どうやら士郎は俺の心配をしてくれてるようだ。

血だらけの穴の空いた制服姿でよく言えたものだ。

 

「いいのか?お前、親が心配してるんじゃないのか?」

 

うん、だが、心配しようにも今現在親が居ないのだ。

それは妹が何故かロンドンに行くと言い出し、現在留学をしている。それに親が付いて行っている。しかも両親でだ。俺はてっきり母だけがついていくものだと思っていたのだが、両親の仕事先がロンドンへ転勤となったらしい。どういう事だってばよ…。

 

まぁ、嘘ではないが曖昧に答えるとしよう。

 

「ん?…あぁ、親はあれだ。今海外旅行に出ている…俺を置いて…」

 

俺は遠い目をしていたのだろう。それは自分でもわかった。両親が子を置いて旅行に行ったという図が、今一瞬見えたからだ。どんな親なんだよ…と、思うであろう。

 

まぁ今は本当にどうでもいいことなので流すとしよう。

 

「まぁいいや、よし、立てるか?」

 

俺は士郎が立つのを支えて家へ送ることにした。

 

「あぁ、ありがとうな」

 

だが、この時の俺はこの先に待ち受ける運命(fate)をまだ知らなかった。

 

________

 

 

家に帰る途中、ピンチになったら読めと言われた気がした手帳を読んでみることにした。

 

「神楽?なんだ?それ手帳か?」

 

「あぁ、父さんがピンチになったら読めと言っていたんでな…今がその時だろうと思ってな」

 

 

そして俺はページを開けた。

 

 

 

 

 

神楽、これを読んでいるということは聖杯戦争が始まったということだろう。

 

お前の魔術の起源を教えていなかったな。

 

お前の起源、それは【祈り】だ。

 

おまえの名前は【神楽】…ということは、

神を祭るときに奏する舞楽である。

 

言わば神に祈りを捧げる祈祷である。

 

その魔術の力はお前が、

 

──思った事、願った事

 

──そうあってくれ等、祈った事

 

を現実に起こす力である。

最早、魔法と呼べる物だろう。

 

この力はまだ幼いお前には御せるものでは無かっただろう。だから俺たち父さんと母さんはお前の記憶を封じ、この力を封印した。だがしかし、聖杯戦争が起こる時には恐らく高校生であろう。

その年齢にもなれば自分の力を御する事は出来るだろう。この手帳読むことで記憶、力の封印は解けるようにしてある。

 

お前なら、この力を間違ったことに使うことは無いだろう。俺は信じている。

 

それと、最後に一つ。

 

 

 

そろそろしたら俺達帰るから家開けといてね?

 

 

あ、そうそう、まだあったわ。

 

最後に書き残す事は、

 

ある、呪文だ。

この呪文をお前は有効的に使うだろう。

 

 

 

 

 

そしてその内容が終わるところで丁度手帳は終わっていた。

皆さんも思う事があるだろう。

 

(何このチート!?)

 

手帳が読み終わる頃には士郎の家に着いていた。

 

士郎の家で一息ついていると再びノイズが走った。

 

 

 

『父さん!見ててね──』

 

すると少年の目の前にはお菓子等が何も無い虚空から積まれ始めた。

 

『神楽?お前、今何をしたんだ?』

 

『え?ただ、お菓子が欲しいって願っただけだよ?少し疲れた感じはするけどね』

 

父さんは唖然としながらも表情をきつくして言った

 

『──っ!?……神楽、今からいうことをよく聞け…』

 

子供ながらにして分かったのだろう父さんの様子がいつもと違う事に。

 

『どうしたの?』

 

『いいから聞け…神楽、お前の力は危ないんだ…だから、その力を無闇に使うことを止めてくれないか?』

 

子供には難しい内容だっただろう。首を傾げながらもわかったと言った。

 

『うん?わかったよ。父さん』

 

そして父さんは俺の──子供の俺──頭に手を当てて記憶と力を封印した。

 

そして、場所は変わり父さんと母さんが映っている。

 

『ねぇ、あなた?神楽はどうなってるの?』

 

『俺にも詳しい事は分からない…だが、神楽は名前からして恐らく【神楽】祈祷の意味があるのだろう。そして祈ったり、思ったりして自分の魔力を消費して発動している…と、思う』

 

『思うって、あなた!?』

 

『すまない、憶測でしか語れないんだ。あいつの力は記憶と共に封印しておいた。歳を取るにつれて封印が弱まるだろう。それは、高校生辺りだと思う。』

 

『高校生…なのね?』

 

『あぁ、その頃にはほとんど弱まっているだろう。あとは記憶と切っ掛けの様な物で再び力を使うことが出来るだろうな』

 

 

 

そこで俺の意識は士郎によって戻された。

 

 

「……ぐら!…神楽!」

 

「はっ……すまん、今考え事をしてたんだ」

 

「大丈夫か?今、心ここにあらず、と言ったような感じだったぞ?」

 

まぁた心配されたよ、士郎に…ほんともう、大丈夫か?俺。

 

 

所で、皆さん、また思う事でしょう。

 

何このチート!?ってね。

 

いや自分でもビックリですよ。未だに自分の力がこれだと言われましても、こう…ピンと来ないんですよ。

 

──っ!?

まただ、また、ノイズが走った。

今度はそれより少し時間が経った別の場所だった。

身長からして小学生くらいだろうか。

 

 

『なぁ?士郎…』

 

俺は士郎に向けて疑問をぶつけていたようだ。

 

『ん?なんだよ、神楽』

 

『お前の夢ってさなんなの?』

 

『いや、笑われるから言わないよ』

 

『聞いてもないのに笑うかよ…いいから、教えろよ〜』

 

すると士郎は観念した様で話し始めた。

 

『俺さぁ、正義の味方になりたいんだ』

 

『そっか、なれるといいな…ふむ、で、それは詳しく言うとどんな?』

 

『え?えーっと詳しく?うーん…全部を救う…かな?』

 

『ふーん、じゃあ難しいね…』

 

『親父と同じこと言うなよ…』

 

『じゃあ例えばだけど…戦隊物の番組あるよな?』

 

『あぁ、あるな』

 

『あれってさ、敵を救ってるのか?倒しているんじゃないか?……まぁ中には途中で仲間になったりする奴もいるけどよ…士郎が言う全部を救うってさ……その、敵も救うって言うことなんだろ?父さんが言ってたんだけどよ。[悪が居るから正義だって居る。悪がいなければ、正義だって居ないんじゃないか?]って。俺はよくはわからないけどさ』

 

それに続けて小さい俺は言っていた。

 

『お前ってさ、一人でやろうとしてないか?…その、正義の味方をさ』

 

それを聞いた士郎はなんでわかったとばかりに首を傾げていた。

 

『士郎の話し方でよ、なんとなく分かったんだけどさ……それこそ、お前、バカなんじゃねぇの?』

 

『な、なんだと!?バカにするのか?』

 

それを聞いた士郎は小さな俺に対して怒る。

 

『まてよ、俺が言いたいのはさ、[一人で出来るわけがないだろうが]って言いたいんだよ。片方を助けている間にもう片方はどうなるんだよ。もしかしたら敵が攻めてきているかもしれないじゃないか。だからよ、俺もさ、お前の夢、手伝わせてくれよ…』

 

士郎は一瞬何を言われたか理解してなかった。

士郎は親父──衛宮切嗣──からの夢を引き継いで叶えたいと思っていた。それは、士郎は自分が救われた時、切嗣が一番救われたような顔をしていた、それを見て俺もそうなりたいと、切嗣を見て、憧れたからだ。

それには切嗣がしていたように独りでなければならないとどこかで思っていた。

 

『な、なんで、手伝いたいと思うんだ?』

 

その問に小さな俺は呆れていた。

 

『はぁ…お前さ、戦隊物見てるならわかるだろ?一人で戦隊って呼べるのかよ、一人でヒーローになれると思ったら大間違いだぞ?』

 

すると士郎はここぞとばかりに一つのヒーローを話に持ち出す。

 

『じゃ、じゃあ、スーパーマンとかってどうなるんだよ!あいつだって1人じゃん!』

 

今度は小さな俺が、あちゃーというような表情で言う。

 

『あいつは宇宙人だっただろうが!お前は地球人だろ!?宇宙人なのか!?だったら今初めて知ったぞ!?それに、あいつは地球で自分を支えてくれる家族と呼べる存在が居ただろうが!』

 

すると士郎はハッとした表情になっていた。

 

『だからよ、俺も正義の味方、やってやるよ。お前だけじゃ心配だからな!』

 

『じゃあ、お前の夢は何だったんだよ…』

 

『俺か?…俺の夢はよ、今出来た!それは、お前と一緒に正義の味方になる事だ』

 

すると士郎は今まで周りからバカにされていた自分の夢が誇らしくなった。一緒にやってくれると言ってくれたことがどれだけ嬉しかったことか……

親父は大人になるにつれて難しくなると言った、期間限定の物だと、だが、士郎が叶えてやると言った時、どれだけ安心した表情をしていた事か…そんな、安心してくれた事が子供の時の士郎にどれだけ影響を与えていたことか。

 

──お前となら、親父が任せた。正義の味方になれるかもしれないな……

 

 

と、士郎は密かに思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

そこで神楽の意識を戻したのは衛宮邸の防犯の魔術が反応した音だった。

 

 

 

カランカランカラン

 

 

「神楽、さっきの奴がまた来たかもしれない」

 

俺はそいつを知っている。

 

「さっきの奴?……お前の胸を一突きにした奴か……」

 

俺は手帳に書かれていた呪文のページを破り取って士郎に渡した。

 

「士郎、今は何も聞くな。これを持って土蔵に行け……魔法陣の前に立って魔術回路を起動させ、この呪文を読め!」

 

「え?でも──」

 

「いいから行け!」

 

俺は手にしていた箒を握り直した。

 

「最後に言うならよ、士郎、[俺は、思い出した。お前との誓を]……早く行け…どうやら、相手は待ってくれそうにない」

 

「っ!?わかった、気を付けろよ」

 

すると目の前に上から下まで青一色の、ただ、違うところはその手に朱色の槍を握った男が立っていた。

 

 

「よう…また会ったな、坊主…そっちのお前さんは見てない顔だな…1日に2度も同じ奴を殺さなならんとはな…いや、一人増えたのか…」

 

紅い槍を持った青い男は気だるそうにそう言った。




はい、今回はここまでとなります。

主人公の能力については聖杯の様に万能、という訳ではありません。

えぇ、あの青い御方は、誰だったんでしょうね?
僕わかんないなー(棒

と、まぁ冗談はさておき、如何だったでしょうか。
楽しんでもらえたなら幸いです。

お気に入りしてくださっている皆様、
この作品を読んでくださっている皆様、
本当にありがとうございます。
これからも頑張っていきたいと思います。

2/14:本文にて間違いを発見したので修正しました。

・士郎sideにて

「今海外にいる…俺を置いて…」

「今海外旅行に出ている…俺を置いて…」

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