超超高校級の78期生   作:天星

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次元の管理者

幸運「それは違うよ!!」

 

 幸運の少年は暴走族の少年の発言にあったウィークポイントを的確に突き、言葉の弾丸を使ってそれを論破した。

 そしてその手には、今回の被害者から託されたある物が掲げられていた。

 

眼鏡「おいどういう事だ、説明しろ苗木!!」

幸運「確かに、大和田くんは不二咲さんを殺してしまったかもしれない。そこは変えようの無い事実だ。

   でもね、『もう話すことはできない』っていうのは違うんじゃないかな?」

暴走「ど、どういう事だ! 説明してくれ、苗木!!」

幸運「あ、うん……コレだよ」

 

 幸運の少年は被害者から託されたノートパソコンを開く。

 そこに映っていたのは……

 

プロ『えっと……こ、こんにちわ』

 

 今回の被害者である、プログラマーの少年の姿だった。

 

眼鏡「おいどういう事だ! 強制シャットダウンだ、苗木!」

幸運「いや、閉じたら意味が無いから。

   それじゃあ不二咲さん、出てきて」

プロ『うん。よいしょっと」

 

 そう言いながらプログラマーの少年は画面の中から出てくる。

 

モノ『って、ちょっとぉぉおおお!? 何がどうなってるの!?』

幸運「え? だってプログラマーなら自分のコピーくらい作れるでしょ」

モノ『そういう問題じゃないでしょうが!!』

 

 プログラマーなんだから、自分によく似た人工知能を作るくらいなら江ノ島も驚かない。

 だが、目の前で起きた事は文字通りの意味で次元が違った。

 質量保存の法則とか、その辺の法則に真っ正面から喧嘩を売るような事態である。

 

プロ「えっとね、今までの会話は聞いてたよ。

   約束を守ってくれてありがとね、大和田くん」

暴走「ほ、本当にお前なのか? 本物なのか?」

プロ「正確にはコピーだけど、記憶もほぼ同期してるからほぼ本物だと思ってくれて大丈夫だよ」

暴走「……そうか……本当に済まなかった、不二咲!!」

プロ「そっちこそ、約束を守ってくれてありがとうね。

   投票は君にする事になっちゃうけど……必ず生きて帰ってきてね」

暴走「あ、ああ!! 任せろ!! 男と男の約束だ!!」

プロ「……うん」

 

 何か江ノ島がわたふたしてる間に話がまとまってしまったようだ。

 しかも何か良い話風にまとまったようだ。

 ここで、ただの絶望なら諦めるだろう。

 しかし、江ノ島盾子は超高校級の絶望だ。この程度では諦めない!!

 暴走族の少年のオシオキをきっちりと完遂すれば万事解決だ!

 

モノ『それじゃあ、投票タイムスタートっ!!』

 

 15個の票全てが暴走族の少年に集まる。

 本来なら有り得ない票の数を見て若干へこむが、すぐに切り替えて宣言する。

 

モノ『それじゃあ、オシオキタイムスタートっ!!』




  超超高校級のプログラマー
 『次元の管理者』と謳われた人外級のプログラマー。
 あらゆるハッキングや暗号解析を行うという普通のプログラマーにもできる事は今更言うまでも無いだろう。
 彼の真骨頂はプログラムで組んだものを次元の壁を越えて瞬時に実体化させる能力にある。
 本編中では出てこなかったが、凶器になるような危険物やそれらから身を守る為の装備、あるいは脱出スイッチさえも実体化させる事が可能。
 その真髄が彼自身のコピーであり、記憶媒体さえ無事なら彼は何度でも蘇る。
 彼の凄さを一言で表現すると『カムクラ君が裸足で逃げ出すレベル』

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