超超高校級の78期生 作:天星
1度目の学級裁判が終わり、参加していた
ところで、彼ら彼女らは今現在どんな感情を抱いているだろうか?
自らが投票したクロにオシオキが与えられた罪悪感? 学級裁判を乗り切ったという安堵感?
……言うまでもなく、違う。
江ノ島盾子はそんな
「お、おかしい、こんなハズじゃなかったのに……」
情け容赦の無い絶望を叩きつけるはずだった。
流石に現在の自分のように魂までもが絶望に染まり混沌とした絶望を振りまいてほしいなんて高望みはしていない。
絶望へと堕ちるきっかけを、決して抜けない刺を心に刻もうとした。それだけで良かったはずなのに……
「…………」
予測、できない。
希望なんていうつまらないもの、そんなのは手に取るように分かるはずだというのに……
「……次は、絶対に負けない!」
江ノ島盾子は独り、モニタールームの中でリベンジを誓う。
翌日、江ノ島は
『オマエラ、おはようございます!』
「おはようございます!!」
良くも悪くもクソ真面目な風紀委員の少年だけが真面目に挨拶を返す。
よし、予想通りだ。ちゃんと予想通りに進んでる。
前回の裁判で妙な事になったのは何かの間違いだろう。
「おい貴様、俺の時間は高く付くぞ。さっさと用件を言え」
『ウンウン。そういうやる気に溢れた生徒、嫌いじゃないよ!
それでは発表します。何と! な何と! ななな何と!!!
「小せぇよ! 何でその一番大事な所が小声なんだよ!!」
モノクマのボケに目ざとく反応したのは野球選手の少年だ。
勿論五体満足でこの場に立っている。
『細けぇ事はイイんだよ!!
それより、2階が開放されたから脱出口とか探してみると良いかもね~』
「興味ないな」
「そうですね」
『……え?』
真っ先に興味が無いと断じたのは御曹……噛ませの少年とアイドルの少女である。
『え、ちょっ、興味ないの!? ここから出られるかもしれないんだよ!?』
「別に不満は無いからな」
「はい、一応私の知り合いの安否が気になりますけど、よく考えたらそんな簡単にくたばるような人じゃなかったですから」
お、おかしい、こんなはずでは……
いやいや、きっとやせ我慢だ! そうに違いない!!
『それじゃあ暇つぶしでも良いから行ってくれば? 何か面白い物が見つかるかもよ~?』
「……確かに暇ではあるな。行ってみるか」
そんなこんなで、全員が2階へと移動した。
2階にはプールや図書館、そしていくつかの教室があった。
ちなみに脱出口なんてものは無かった。2階なんだから当然ではある。
図書室にて、あるものが発見された。
ノートパソコンである。中身は厳重にロックされたファイルが少々。それだけだ。
これに強く興味を示したのがプログラマーの少年である。
「これをこうして……よし、開けたよ」
「よし、早速見てみるか。
……なんだ、ただの落書きか」
開いたファイルには適当な文字列が並んでいるだけだった。
勿論暗号の可能性を疑ったが、満場一致でただの文字列だと結論づけられる。
……実は
本当は数週間くらいかかって開けられる難易度のはずなのに……
「……このパソコンは使えそうだね。
よし、これをこうして……できた。
苗木くん!」
「何だい?」
「ちょっと預かっててくれないかな。
絶対に壊されたりしないようにね」
「うん。分かったよ」
こうして、2階の探索は終了した。
パソコンに入ってる情報に対する反応をさせるのが面倒だったので差し替えさせてもらいました。
なお、ロックの解除にふつうに苦戦するようであれば江ノ島が後でこっそりと差し替えるつもりだったもよう。