超超高校級の78期生 作:天星
会ったことのある方はお久しぶり。
注意書きはお読みになられましたか?
本作はネタバレから始まりますので原作未プレイの方はブラウザバックする事を強くお勧めします。
大丈夫ですか? ではスタートです。
江ノ島盾子は勝利を確信していた。
超高校級の絶望である彼女は世界を絶望と恐怖に陥れようとしていた。
彼女自身の才能やら何やらのおかげでその目的は大体達成されていたのだが、人類というのは存外にしぶとく、未だに希望を持って反抗して来る者が居た。
それを見た江ノ島は一計を案じた。
かつて、超高校級と謳われた才能を磨く学校であった『希望ヶ峰学園』。
彼女の母校でもあるその施設を使って同級生15人(潜伏している彼女自身も入れれば16人)にコロシアイをさせ、それを全世界へと生中継しようとしたのだ。
なお、その同級生達は希望ヶ峰学園の技術を使って学校で過ごした記憶を全て剥奪してある。
彼ら彼女らにしてみれば、希望をもって入学したと思ったらいきなり訳の分からないコロシアイをさせられるわけだ。
そんな彼らの絶望を発信する事で、残された希望を根こそぎ刈り取ってしまおう。そんな計画だった。
……しかし、彼女は失念していた。
彼女の同級生たちは『超高校級』なんて器に収まらない、『超超高校級』、いや、むしろ『人外級』とでも言うべきバケモノたちだったという事を……
『え~、皆さんには、この学校でコロシアイをしてもらいます!』
江ノ島自身は潜伏しているので、マスコットキャラである『モノクマ』のロボットを操って15人の高校生達に話しかける。
「ちょっと待ってよ、殺し合いって……」
『コロシアイはコロシアイだよ。
刺殺毒殺絞殺中略。
何でも良いから誰か一人殺せば、その人だけはここから出られる!』
ちなみに、窓ガラスや通気口、その他諸々の外への通路になり得るものは全て金属板で塞がれている。
ここに使われている金属は『超高校級の錬金術師』が作り上げた特殊な合金であり、そう簡単に破られる事は無い。
『超高校級の解体屋』等の協力で様々な破壊試験を行ったが傷一つ付かなかった代物だ。
これを破るのは絶対に不可能……
「ふん」
ズドォォォンン……
『…………え?』
あっさりと、板に風穴が開いた。
「ふん、大したことは無かったな」
超高校級の解体屋には破れなかった。
しかし、この場には『超超高校級の格闘家』が居る。
彼女の手にかかればこの程度の壁は紙クズに等しい。
「こんな茶番には付き合ってられぬ。さっさと出るとしよう」
「あ、待ってよさくらちゃん!」
『ちょ、すとっぷ、ストォォップ!!!』
このままではマズいと判断した江ノ島は禁じ手を切る。
記憶操作の為に皆の頭の中に埋め込んだ機械を使って全員を強制的に眠らせる。
今の場面もしっかりと配信されているのでできれば自分の手による介入は避けたかったのだが仕方あるまい。
「えっと……どーすんのよコレ……」
とりあえず、彼女が持つ才能とモノクマを駆使して破られた壁を修復する。
かなり脆くなってしまったが、それでも普通の人間に破られる事は無いだろう。
「で、記憶をまたリセットして……
……でも、このままだとまた破られるわね」
仕方がないので、埋め込んだ機械を使って暗示をかける。
『壁を殴る寸前に力を抜く』と。
『超高校級の催眠術師』が残した技術があればそのくらいの暗示は造作もない事だ。
「よーし、今度こそ大丈夫よね?
それじゃ、テイク2スタート!!」
……余談だが、外の世界の人間の生き残りたち、『未来機関』の人たちはこの放送を見て大笑いし、生きる希望を感じ取ったという。
せっかくだからキャラ紹介を。
超超高校級の格闘家
『神域の淘汰者』と謳われた人外級の格闘家。
学園に在籍していた当時は『超高校級の空手家』とか『超高校級の柔道部員』とか、そんな感じの連中数十人を相手に一切ダメージを受ける事無く制圧した実績がある。
その肉体は極めて強靭で、ナイフ等の刃物を通さず、銃弾どころか砲弾すら跳ね返す。
毒物に対する耐性も非常に高く、フグを丸飲みしても平然としていた。
彼女の凄さを一言で表現すると『カムクラ君が裸足で逃げ出すレベル』
こんな感じでこの人外どもを絶望させるという江ノ島さんの絶望ゲーが始まります。
ストックがあるうちは週刊更新の予定です。
ではまた来週~