もしも遊戯王GXに転生した奴が恵まれてなかったら 作:夜想曲
積極的に王道を往かないスタイル
クソ神という名の存在X及び駄女神という名の存在Yに対し仕事しろと脅迫したお陰か、都合良く連れてってくれる船が見つかったようだ。
気前のいいおっちゃんの名前はアナシス。世界の海を股に駆ける大商人とのこと。
「ガハハハハ!!おめーら、アカデミア入学試験に通ったのに不合格通知貰ったんか!!そりゃおもしれぇ、教育委員会を脅してなんかええもん貰えんか?」
「いや、ダメっしょ。学内では現金よりも
「沢渡さん打ち解けんの早すぎません?」
我らは今海の上。食べ物や生活物資を運ぶ連絡船とは別に「何か買ってくれるかもしれん」とアカデミアに向かう商船にお邪魔して、おぼろろろろ。
「うわー、やっぱ海は駄目か? 酔い止めなんて持ってないぜ?」
「なっさけないやっちゃのー、
「身体的には一般人ですよろろろろろ」
デュエルマッスルとか頭おかしいと思ってた奴等、アレガチだよ。聞けばアカデミアには火山とか樹海とかあるらしいし、そもそもデュエルディスクって意外と重いし。色々と生き残るには体力必須だよ。三期の砂漠サバイバル怖いし。
マリクさんが「意外と軽いな」って言ってたのは予想と比べて相対的にって意味だよ。本質的には重いよ。
* * *
ようやく落ち着いたところ。アナシスさんと沢渡さんはなんかデュエルしてた。あー、やっぱセブンスターズ編で出てきたおっちゃんじゃないか。
「《暗黒大要塞鯱》で直接攻撃!これでお仕舞いだっちゅーの!」
「おおっと、伏せカードを忘れちゃいけないぜ?《岩投げアタック》!デッキの岩石族を墓地送りにして相手に500ダメージ!そして墓地送りにした《リバイバルゴーレム》は……お、気が付いたか」
「おかげさまで。アナシスさん、あと何時間くらいで着きますか?」
「んー、さっき自動操縦にして部下に任せてきたんだが……四、五時間くらいだっちゅーのよ?」
相変わらずの使いにくい死語尾を使うおっちゃん。しかし、まだかかるか。
「ところでおめーさんはデュエルせんのか? こっちはたった今俺の攻撃で華麗に勝利を収め……てあれえええ?」
「あーそうそう。リバイバルゴーレムはデッキから墓地送りになった時に手札かフィールドに現れるモンスターだ。守備力はあんたの鯱と同じだから破壊できねーぜ」
「ちょっち待て小僧! おめーとのデュエルはこの岩小僧を倒してからだっちゅーの! カードを1枚セットして終了じゃ!」
おっちゃんのデュエル観戦。なお沢渡さんのが有能な模様。以下ダイジェスト。
「俺のターン、まずは墓地の巨大ネズミをゲームから取り除き、《ギガンテス》を特殊召喚だ!さらに鯱に《ビッグバン・シュート》を装備!そして《破壊のゴーレム》を召喚! バトルだ!」
「ガーッハッハ、わざわざ強化までしてくれた大要塞に攻撃するか。ならば返り討ちだっちゅーのよ!」
「だが、ギガンテスの効果だ。戦闘で破壊されたら魔法・罠カードを全て破壊する!」
「さっすがー、沢渡さん、大嵐っすよ?」(←俺)
「そしてビッグバンシュートが消えた事で装備モンスターは除外される。すかさずダイレクトアタック!」
「ぐぬー、もう一回!もう一回デュエルしろっちゅーのよ!油断しなきゃ勝ててたっちゅーの!」
「最後の伏せは?」
「スピリットバリアじゃ。要塞を抜けてくると思っとった」
「流石の俺も試験以外で直接攻撃でトドメってのはやらないっすよ。目の前から正々堂々とぶっ倒すか、姑息な戦法で時間稼ぎしつつ一気に打ち崩すか。じゃないと楽しくないでしょ?」
「んー、それもそうだ。なら大人しく負けを認めて次は小僧とデュエルっちゅー訳だ。デッキの準備は出来てるな?」
あ、ダイジェストが終わったようだ。折角モノローグせずに済んでいたのに。
さぁて、デュエル中にまた酔ったら即サレしよう。まずはデッキの(俺との相性の)試運転だ。
女神「ノーコメントで」
爺神「コメントを控えさせてもらう」
死神「お前らもうちょっとデュエル楽しみだなーくらい言えよ」
駄神ズ「「え、こいつのデュエルが楽しみになるのお前くらいじゃね?」」
死神「ぶっころ」