もしも遊戯王GXに転生した奴が恵まれてなかったら   作:夜想曲

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泥仕合になった時に限ってデッキの質が問われるって話。ロマンを求めてると手札一枚じゃなんもできねぇってリンクス環境で学んだ(学習はしてない浪漫厨)


互いにハンドレス状態だ……この意味がわかるな?

さて。

あの後ベイルがエルフさんに殴られた結果、俺の持ち札は手札にイルミラージュ(チューナーとして使えない)と場にはブースターのみ。殴られたら寝る虚弱体質のデーモンをワンショットで倒す手段を取ってもいいが……しかもシンクロもエクシーズも出来ない以上レベル4モンスター引いたところでクトグアS(シンクロ)召喚からのランク4で追加ドロー(クトグア効果発動)もできない。

だが相手の場にもエルフさんと虚弱体質のみ。手札はキラースネークだけだから、次のドローで何か引けばうまくいくかも?

 

「まぁドローしてから考えるしかないよな、ドロー!…おっ?」

よし来た。結界像やらパキケファロやらで特殊召喚を封じる相手に一矢報いる上級モンスター!

「俺はワンショット・ブースターをリリー…ぃけにえに、《魔装戦士ヴァンドラ》を召喚!このカードは直接攻撃できる!」

「攻撃力2000で直接攻撃だと!?」

 

これぞモンスターを殴っても反撃を食らうなら直接プライヤーを殴ればいいじゃない作戦の要となるモンスターである。なお奈落には落ちるし強制的に脱出もさせられる模様。

 

「ではさっそく。ヴァンドラでエルフさんに攻撃!」

「ぐっ、直接攻撃はしてこなかったか!」LP:4000→3900

 

ようやっと初ダメージ。だが攻撃力1800だと適当な装備カードで超えられる打点である。となると、ケースト装備してて増強できないエルフさん残しておいたほうがよかった…?あれ?

 

「まぁ気にしない方向で。知ってのとおり手札はモンスターなので伏せカードは出さない。ターン終了!」

「私のターン!……《ゴブリン突撃部隊》を召喚」

「げっ」

 

水星4×2から出てくる危険生物mochi(カエル)。その打点を悠々と上回る23打点の使い捨て集団。手札の少ない現状倒せなくはないものの割と困った存在だ。

「突撃部隊でヴァンドラを攻撃!」

「何が嫌ってヴァンドラの効果発動対象(墓地に魔法使い戦士ドラゴン)がいないんだよなぁ!!」

アワレ!龍装の青い戦士は雇われのBANZOKU達にリンチされてしまった!

 

「攻撃後、突撃部隊は守備表示となり次のターンが終了するまで攻撃表示にすることはできない。マッド・デーモンで直接攻撃!ターン終了だ」

「ぬー、めんどい。ドローします」

さーて残りLP700だ。昼夜の大火事とかご隠居の毒薬だばぁで即死亡だ。とはいえ引いたカードでどうにかなりそうなのでイルミラージュはちょっと待っててね。

 

「カードを1枚セットして終了です。試験官さんのターンですよ?」

「わからん……伏せカードに自信があるのなら何故さっきサーチしたモンスターで攻撃してこないんだ…? ドロー、暗黒の狂犬(マッドドッグ)を召喚!」

おおマロンよ。こんなに厳つい姿になってしまって……メカメカしくなるよりはマシか?

 

「壁モンスターを出さなかったことからミラーフォースではないと判断させてもらう。暗黒の狂犬でダイレクトアタック!」

「もちろんトラップを使います。《量子猫》を特殊召喚!発動後モンスターになる(トラップ)モンスターの1種ですね。なおステータスについて種族と属性は自由に決められます」

「守備力2200か……ターンを終了する」

「ホントに互いにドロー勝負になりましたね……ドロー」

エルフに狂犬。やっぱり下級の打点は最高で19がデフォルトらしい。デーモン(貫通持ち)ゴブリン(使い切り火力)みたいな例外を除けば、攻撃力や効果は装備カードで補うデッキのようだ。

しかしこのターンでゴブリンを倒しておかないと起き上がって危ないので、仕方なく攻撃しよう。

 

「手札からイルミラージュを召喚!このカードは場に存在する限り、互いの場のモンスターの攻撃力・守備力を自身のレベル×300下げる!!」

「何っ、全体弱体化だと!?……なるほど、私のモンスターは軒並みレベル4の攻撃力1900。レベルの300倍下がればそのウサギと同じく700になるという訳か。ちょうどデーモンでは100足りなくなるが、壁がいなくては迂闊に出せないな、それは」

「なんかきゃーかわいーとか言ってる外野もいるけど気にしてはならない。なんで伏せカードを出しつつも守備力ゼロの蛮族集団にイルミラージュでアタック!秘技・くびかりうさぎ(ヴォーパルバニー)!」

 

的確にそのツノでゴブリン達の首を切り裂いていくうさぎ。観客席にいる女子はデストーイを見た幼女のごとく一瞬黙り込む。女の子達が黄色くない悲鳴をあげつつターンエンド。教官はドン引きしていた。

 

「おっそろしいことして……それ本当に獣族か?私のターン、ドロー」

幻竜族だけどね。この時代に存在しないけど。サイキック族みたいに。

 

「ふむ…こんなに時間がかかる受験生は初めてだ。去年は受験番号30番代を担当したが、これほどまでにデュエルが長引いたことはなかった」

「お褒めにあずかり光栄です?」

「褒めてるつもりではある。だが、ここまでのようだな。マッド・デーモンを生贄に、《偉大魔獣 ガーゼット》を召喚する!」

 

ゴゴゴゴゴと音を立てながら、攻撃力3600の魔獣が眼前に立ちはだかった。……あ、イルミで2100下がってるな。




女神「ブルーは試験免除っぽいよねー、観戦してるし」
爺神「こんなんだから雑魚ばっかになるんじゃ」
女神「そして転生者チートによるブルー狩リンチが捗る」
爺神「レッドは初めから心が守備表示じゃからなぁ」
女神「やっぱ実力的にはラーイエローが1番か。神のランクと同じく」
爺神「ヲーとは違うのだよ、ヲーとは」

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