もしも遊戯王GXに転生した奴が恵まれてなかったら   作:夜想曲

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次にお前は最初の三行で「ハイハイテンプレテンプレ」と言う


テンプレートに乗せられた入学試験
転生者特有の入学試験(なおHardモードな模様)


「はぁ……」

 

ぱんぱかぱーん。あなたは漫画・アニメ・ゲームの世界に転生してもらうことになりましたー!

とかいう自称神様の巫山戯た文言を聞きつつ、何も無い真っ白な世界で馬鹿そうなジジイと頭の緩そうな女から無理やりくじを引かされ引いたのは「遊戯王デュエルモンスターズGX」。

 

あー、アレな。最初からカードゲームの学校とか頭のおかしい展開になったアニメ遊戯王の方向性を決めつけちゃったアニメな。

いやー遊星が最初と最後にジャンクウォリアーでフィニッシュしたり遊馬が初めて単体シャイニングドローした時の台詞が最終回でも使われてたりする各作品と違ってなー、なんか「このアニメのジャンルは?カードゲーム?」「遊戯王です。」なんだよなー。

 

そんなGXの世界に遊城十代と同じ学年で試験受けてこいと適当な戸籍とカードを渡され現在試験会場。

 

Q.フィールドには相手フィールドに《ブラック・マジシャン》が1体のみとする。相手プレイヤーが《ブラック・マジシャン》で自分へ直接攻撃した際に《魔法の筒》を発動し、相手がその発動にチェーンして《月の書》を発動した。この場合に自分は《炸裂装甲》を発動できるか。また、できる場合はその理由及びその後の効果処理を述べよ。できない場合はその理由を述べよ。

 

覚えてねーよこんな問題!!

聖槍でミラフォ躱そうとした奴にプギャーしながら次元幽閉って出来たんだっけ!?どうだっけ? うん、ぷぎゃりたいからできる前提で書いておこう。理由って何だよ!?

 

Q.自分のデッキは残り1枚、《封印されしエクゾディア》であるとする。自分の手札に《封印されし者の右腕》《封印されし者の左腕》《封印されし者の右脚》《封印されし者の左足》《強欲な壺》が存在する場合に《強欲な壺》を発動できるか。できる場合はその理由及びその後の処理を述べよ。できない場合はその理由を述べよ。

 

あっ、誤字発見。それはともかく、多分「デッキからカードを2枚ドローできない」から不発なんじゃないかな?発動できないっと。

 

そんなこんなで遊戯王とコンマイ語に翻弄されつつ試験が終了。その結果……

 

「受験番号98番、前へ!」

ものすごーく点数が悪かった。何故だ。

試験が残念な結果に終わった原因。それは次の実技試験ではっきりした。

 

試験官が試験用のデッキをディスクにはめる。

「それでは改めて自己紹介を頼む」

転生者特有のデュエルディスクうまくつけられない病と悪戦苦闘しながらこちらも答える。

朝日夕月(あさひゆうづき)です。お願いします」

 

「「デュエル!!」」

 

これまでの試験を見る限り、試験官デッキは攻撃力の高いモンスターをただ立たせるだけの「相手の反応を見るデッキ」のようだ。

勝てないモンスターを守備で出すか、それとも立たせつつカードを伏せるか。魔法カードでパワーアップするのか、カード効果で処理するのか。それぞれの個性を見るための試験らしい。

実際、さっき丸藤翔が負けてた。最終的にはオベリスクブルーを卒業し兄を継いでプロデュエリストになる奴ですらあんな負け方(ジャイロイドサンドバッグ)をする。

 

(ここから回想)

 

試験官「手札をコストにトライス装備!デーモンの斧装備!突進を発動!二回攻撃!」

翔「何か伏せておけばよかったっすー!!」

 

(ここまで回想)

 

それでもレッド寮には入れるのだから、筆記試験の結果でそれほど酷くはなかったのだろうか?いや、成績順だったな。

 

「先行は私がもらう。ドロー!」

という訳で、試験官が先行を取ることになっている。……ここで察しの悪い皆さんですら気付いたことだろう?懐かしいルールの存在に。

 

「………え?」

「私は《ヂェミナイ・エルフ》を攻撃表示で召喚する……何かあるかね?」

「えっ?先行でドロー……あっ、いやなんでもないです」

 

残念なことに俺は今気付いた。

これ、新エキスパートルールである。

 

絆の力、シンクロ召喚!が初実装されたマスタールール。生贄封じの仮面が涙目になる名称変更で数多くの生贄召喚使いがシンクロに逃げた。

かっとビングだぜ、俺ェ!!なマスタールール2。優先権の都合上三幻魔の一つ神炎皇ウリアがその儚い命を終わらせた。

そんで転生の直前では現行であった「いつになったら9期終わるん?」なマスタールール3である。とうとうゾーンを新設しやがった。でも対象の取る取らないがわかりやすくなったのでよしとする。

 

そんなこんながこれからあるにもかかわらず、その全てが時の彼方へと消え去った時代。それがここ「遊戯王GX」の世界である。当然、Pモンスターが破壊されたらエクストラデッキに行くルールも存在しないし、Pゾーンも存在しない。

なので。

 

EM(エンタメイト)モンキーボード》

効果モンスター

星6/地属性/獣族/攻1000/守2400

このカードを手札から捨てて発動できる。手札の「EM(エンタメイト)」モンスターまたは「オッドアイズ」モンスター1体を相手に見せ、このターンそのモンスター及び自分の手札の同名モンスターのレベルを1つ下げる。

 

なぁにこれぇ。




爺神「朝日夕月て」
女神「ナイスネーミング…!(自画自賛)」
爺神「(酷い)で、今回のはなんじゃ?」
女神「はい、縛り内容はこちら」

当時のルールにそぐわないカテゴリ(チューナー、シンクロ、エクシーズ、ペンデュラム、及びそれらに関するサポート)はテキストから抹消
白いカード・黒いカード・二色のカードはソリティアモード(観賞用)でのみソリッドビジョン化可能。

爺神「カードパワー的にシャドールくらいなら使えそうじゃの、ファルコンチューナーとして使ってる奴おるん?」
女神「ははっ、何をおっしゃる。使わせるとでも?」

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