ダンジョンに天パ侍がいるのは間違っているのだろうか 作:TouA(とーあ)
やぁ皆さんジャスタウェイ!(挨拶)
前回や前々回の感想について、読んでくれている友人や読者の皆さんの疑問をここで答えたいと思います。
「お前さ、なんでこんなリューやリヴェリアやロキを可愛く表現出来んねん」
「ん?俺がされて嬉しかった事を書いてるだけなんだけど」
「さ・れ・て・嬉しかったこと・・・って自分まさか!?」
「多分、そのまさかと思うよ?」
「この裏切り者がァァァァァァ!!!」
はい、答えになってるか分かりませんが。友人からはジャスタウェイ(消しゴム)を投げつけられた事だけは報告しておきます。
後書きでは実写化の話題に触れます。
ではどうぞ!!
「ベル君おめでとう!これでLv.2だ」
「そう・・・ですか」
ベルは服を羽織りながらそう呟いた。
ベルの主神であるヘスティアは大きな双丘を揺らしながらベルに問うた。
「ベル君あまり驚いてないようだけど・・・」
「はい、なんかこうレベルが上がる事に疑問を覚えないんです」
「どうしてだい?」
「上手く言えないんですけど・・・敢えて言うんなら自分の限界の壁を壊せた感覚があるから、ですね」
「そっかぁ・・・また一段と恰好良くなったねベル君」
ベルはヘスティアに優しく微笑むと左手でそっと左目を覆った。
「左目が痛むのかい?」
「いえそういう訳じゃないんです。ただ・・・」
「ただ?」
「ミノタウロスの命が
「べ、ベル君?」
ベルは先の死闘で自身が考えた
「あの死闘が、あの瞬間が、あの世界が、僕を掴んで離さないんです・・・・・・神様ッ!多分あの感覚が限界の壁を壊すか否かの刹那の一瞬なんですよ!!」
「そう、なの・・・かい?」
一人、自己完結したベルをヘスティアは引き攣った笑みで返した。
ベルは自身の師と憧憬の人物に一歩近付いた事に喜びを隠せない。ヘスティアはステータスが書かれてある紙をベルに渡した。
「ベル君、スキルが発現したよ!」
「本当ですか!?」
「あぁ!聞いたことがないから恐らく君だけのレアスキルだ!」
《スキル》
【
・寸分違わぬ
・自己が定めた一定の
・但し、補正は自己の
「これは・・・」
「ベル君はこのスキルの意味が分かるかい?僕はよく分からなかったんだけど」
「はい、大体は分かります。でもダンジョンに行かない限りは・・・」
「そうだろうね。でも今日明日ぐらいはゆっくり体を休めなよ?サポーター君にもそう言ってあるから」
「分かりました。そうします」
ヘスティアはそう言うとバイトがあるからとホームを出て行った。
ベルはミノタウロスに破壊された武具やヘスティアから貰ったナイフを見ながらスキルについて考えを巡らせた。
(恐らく
ナイフを握り、数回振る。ヒュンヒュンと空気を斬る心地よい音が鳴る。
「スターバーストストリームは16連撃。語感の良さや攻撃の順番、僕の中では最上級に恰好いい必殺技・・・スキルの最後の『補正は自己の
何百、何千と繰り返し自身の体に染み込ませた連撃“スターバーストストリーム”はベルにとって初めて完成させた必殺技だった。
アバンストラッシュもそう。師である銀時に名を授けられ、自身の中で最高の形で完成させた必殺技だ。
「あ・・・師匠から買って貰った短刀折れたんだった」
鞘から抜き放ち、確認する。その短刀はベルとミノタウロスの攻防の果てに刀身が折れたのだった。
「師匠は確かこの短刀作ってくれた人の名前を言ってたような・・・ヴェルフ・クロッゾだったっけ?」
ベルは少し休んだらその刀匠の元へ足を運ぼうと考え、眠りについた。
《ダンジョン50階層》
「ね、ねぇリヴェリア?やり過ぎじゃ・・・」
「ふん、当然の報いだ」
リヴェリアは御立腹な様子でアイズの問いに答えた。
目の前には逆さに吊るされ、顔が原型をとどめていないほど無惨なベートの姿があった。
「ず、ずびばぜんでじた・・・」
「ほらベートさんも反省してるし・・・」
「ならん。入りたてのファミリアの者ならまだしも幹部級の者が夜中にマヨネーズを盗み取り、あまつさえその場で我慢ならずに啜るなど馬鹿げている。これでさえ、まだ足りないぐらいだ」
リヴェリアは憤慨していた。理由は数日前に遡る。
ベルがミノタウロスと死闘を繰り広げていた時のこと。
その場にはフィンやティオナ、そしてリヴェリアもいた。食堂の犯人はベートであることは明白になり、こうして罰を与えている次第であった。
「アイズ、レフィーヤの様子が最近おかしいのは気付いていたか?」
「うん。聞いても『何も見なかったZ・・・』とか変なこと言ってた」
「あぁ。聞いたところによるとレフィーヤはベートが犯人である事を知っていたらしい。その理由は分からないが、この阿呆に脅されたと言っていた」
「えぇ・・・」
さすがのアイズもベートを冷たい目で見た。
ベートは何よりそれがショックだった。だがただでは終われない。ここまでされた仕返しをしようと奮起する。
「お前だってマヨラーだろうが!クソババア!」
「あぁん?」
「知ってんだぞ!何の具材に対してもマヨネーズをかけていることをなァ!」
「えぇ・・・」
アイズは冷たい目を今度はリヴェリアに向けた。
リヴェリアは取り乱す事なく、淡々と事実を語る。
「確かに私もマヨネーズは好きだ。だが貴様の様な下劣で低俗な真似はしない」
「ハァ!?マヨチュッチュッは下劣でも低俗でもねぇ!!
「なぜ私が説教されねばならん!?恥知らずはお前だバカ
「んだとこのクソババア!!いいか!よく聞きやがれ!オラリオのマヨネーズはァァァァァ世界一ィィィィィ!!」
「うるさい黙れ!あと次ババアって言ったら焼きダルマにしてやるからなっ!覚悟しておけ!!」
ギャーギャー喧しい二人にアイズは眉をひそめる。二人がその様子に気づいた様子はない。
「大体なァ!何で今更俺がマヨネーズを盗んでいる事にキレだしたんだよ!」
「はぁ?それはベル・クラネルの時に知ったからで・・・」
「嘘つけ!俺がこっそり保存していたマヨネーズに“下剤”仕込んだ奴がいるだろうが!アレはテメェらの仕組んだ罠じゃねぇのかよ!!」
「なん・・・だと・・・?銀時やレフィーヤの他にこの事実を黙認してた者がファミリアの中に居ると言うのか・・・やめて欲しかったのか、命知らずなのか、単にバカなのか知らんが・・・」
ベートの発言により更に別の問題が浮き彫りになり頭を抱えるリヴェリア。だが挙げた三つの可能性の他に
アイズはというと────心底どうでもいいと溜息をついていた。
「リヴェリア、そろそろ下ろしてあげよ?」
「む・・・ベート、二度としないと誓うか?」
「反省はしている。後悔はしていない(キリッ)」
「一生そのままでいろ馬鹿者」
「バイバイベートさん」
「待ってェェェェェ!!」
ベートの悲痛な叫びも二人には届かない。最後の最後でアイズがチラッと振り返った。ベートはその瞬間を見逃さず、畳み掛けた。
「おいアイズッ!助けてくれたら俺の秘蔵のマヨネーズ分けてやるからよォ・・・助けてくれ!!」
「私はケチャップ派なので」
「「それはないわぁ・・・」」
「・・・なんでリヴェリアまで反対するの?」
「おーい旦那ァ!」
「椿・・・」
銀時が一人、木に寄りかかり黄昏ていると酒瓶と刀を持った女性が寄ってきた。
名を“椿・コルブランド”という。【ロキ・ファミリア】ではなく【ヘファイストス・ファミリア】である。この遠征においてフィンやロキが武器の磨耗や消費を食い止める為に鍛治の大ファミリアに協力を依頼したのだった。その引き換えに深層域で取れたドロップアイテムを優先的に譲るという契約はあるが。
「相変わらずデケェ乳してんなぁ」
「ハッハッハッ、鍛治場には邪魔で仕方ないからくれてやりたいわ!」
「ロキに聞かせてやりてぇよ・・・あ、ティオナでもいいか」
猥褻な質問にも豪快に返す。【ヘファイストス・ファミリア】の団長であり【Lv.5】は伊達ではない。まぁドワーフと極東のヒューマンのハーフであることが大きな点かもしれないが。
「のォ旦那。深層アタック前に
「会う度にそう言うよなお前。ほらよ」
「おお!ほら、酒じゃ!」
木刀との対価交換として酒を渡される。銀時はちびちび呑み始めた。
対する椿は銀時の木刀をまじまじと見る。その目は鍛治場に生き年生ける歴戦の鍛冶師そのもの。職人としての矜恃、渇望、飽くことなき執念が見て取れる。
「やっぱり綺麗に作られとるのぉ・・・手前ではこんなに繊細に作りきらんわ」
「俺の師匠が魂込めて作ったって自慢げに言ってたな・・・“洞爺湖”ってのも自分で彫ったつってたし」
「そうなのか!?旦那のお師匠の名前は!?」
「────だ、聞いた事ねぇだろ?」
「な、ない・・・色々聞いてみたかったぞ」
「叶わねぇ夢だな。諦めろ」
残念そうに声を漏らす椿。
銀時は叶わない夢だと一蹴したが、どこか嬉しそうな声音だった。師の技術が一流の鍛冶師に認められたのが少し嬉しかったのだ。
「あ、そうだ!旦那の依頼通りに刀打ったぞ!これだ!」
「おっ・・・ん?何コレ」
「刀だぞ?旦那の注文通りに作ったぞ?」
「そりゃ見りゃわからァ・・・俺が訊いてんのはこの鍔の装飾だよ。これウン────」
「ウンコじゃない。とぐろを巻いた龍よ」
「てめェ!俺がウンコと言い切る前にウンコと言ったっつうことは自分でも薄々ウンコと思ってる証拠じゃねーか!」
椿から渡された刀の鍔にはとぐろを巻いた金のウン・・・龍が装飾されていた。
「名は『
「あん?お前特有の〇〇シリーズってのは付けなくて良かったのか?」
「ハッハッハッ!今回は特別よ。初めて旦那が手前に刀を頼んでくれたんだ!この手前、最高の出来の刀は旦那だけの物よ!」
「フッありがとよ、椿」
「いいってことよ!手前と旦那の仲であろう!」
二人はそう言うと酒を呑み始めた。明日から始まる深層域へのアタックに思い馳せながら。
《バベル五十階・最上階》
「ただいま戻りました、フレイヤ様」
「あらオッタル。随分と遅かったじゃない」
「申し訳ありません」
「いいわ、私の我が儘に付き合わせたんですもの」
「寛大な心、感謝いたします」
フレイヤはオッタルにある事を頼んだ。
それはベルに試練を与えること。つまりトラウマとなっているミノタウロスをベルにぶつけることを頼んだのだった。
オッタルはそれを快く承諾し、ダンジョンへ赴いた。ベルにとって最高の相手となるミノタウロスを探し抜き、見つけると鍛え上げた。まぁベルに粉微塵にされたが。
「それで・・・
「スルメが美味しかったです」
「そんな事聞いてないわよ!?」
オッタルの発言に思わず立ち上がりながらツッコんだフレイヤ。オッタルは申し訳なさそうに必死に頭を下げた。
「申し訳ありません・・・」
「はぁ・・・分かればいいのよ。それでどうだった?」
「噛めば噛むほど味が
「味の感想を聞いた訳ではないのだけど!?彼のことよ!ベル・クラネルのこと!!」
「あぁそちらでしたか・・・」
「最初からそれしか聞いてないのだけど!?貴方、ダンジョンで何があったのよ!!」
「【白夜叉】にスルメを貰いました」
「それはわかったから!!やっぱりあの男のせいなのね!あの男に彼を任せたのは間違いだった気がするわ・・・」
フレイヤの意見にオッタルは自身の意見を述べた。即ち、ベルを銀時に任せたのは間違いではなかったという意見だ。
フレイヤはオッタルの意見を徐々に受け入れ、納得した。それからはいつも通りバベルの最上階から下を見下ろし、口を開いた。
「オッタル、お酒に合うツマミはないかしら?出来れば乾燥していて、焼酎などに合う物がいいわ」
「────スルメなど如何でしょう?」
「そ、それでいいわ。そうね・・・ミアから貰って来て頂戴」
「かしこまりました。貰って来ますので少々お待ち下さい」
「で、出来るだけ急ぐことね・・・」
「はい、心得ております」
「プッ」
「ちょっ今貴方笑ったでしょ!!待ちなさいオッタルゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
オッタルさんどうしたんや(困惑)
なんだこの
皆さん、意外とリヴェリアがベートにキレること期待してて良かった。入れるかどうか悩んでたんですよね・・・まぁベートにはこれからたくさん苛められてもらうんで頑張って欲しいところ。
では毎度恒例謝辞。
『白渦かたな』さん、『働き者のキリギリス』さん、『kusari』さん、『タヌキ三世』さん、『メタリカ太郎』さん、『みけにゃん』さん、『墜落精神』さん、『チュロリス』さん、『名無しの無名』さん、最高評価ありがとうございます!!
『くろがねまる』さん、『Mig-21@0』さん、高評価ありがとうございます!!
皆さんの感想や評価はモチベーションアップに繋がりますし、とても嬉しいです(小並感)
さて、話は変わって銀魂実写版。
映画公開に続き、dTVで三話構成のドラマ版【ミツバ篇】・・・エェナンデ!?ミツバ!?ナンデ!?
沖田ミツバ役────『北乃きい』さん。
ごめんなさい、実写版銀魂で一番納得出来ない。だってミツバはナウシ・・・違った。島本さんの声の様な大人の感じじゃないと認められない。私だけかもしれませんが。
まぁどうせ泣くだろうけどね。ちくせう。
ではまた次回!!感想、評価お待ちしてます!!