オウガテイルになったんだが   作:腹ペコ

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感想・ご意見ありがとうございます。
意見というのは素晴らしいですね。自分とは違う考えや価値観を知ることは糧になります。
描写だけでなく物語の構成も上手く組めるようになりたいものです。



自覚と溝

 

 

 

女性を背負いこの場を立ち去る男性。

 

「行っちゃいやしたね」

 

相当に怯えながらではあったが何とかコミュニケーションを取ってみると当然と言うかなんというかさっさと出てって欲しいらしい。

 

コミュニケーションを取れると言っても自分たちはアラガミだ。

人間を騙して食べようとしているのではないか。

という考えを抱いても不思議はない。寧ろそれが普通なのだろう。人間だったといってもこの世界、時代に生きたわけではない。今の人間の気持ちは分からない。

自分がアラガミである事を忘れていた気がする。自分の心は人間だが、体はアラガミだ。人間である事を忘れず、アラガミだという事実も受け入れる。難しいな....

 

というか普通の人間でコレならエミールは凄いな。ゴッドイーターになる様な人間はやはり違うということだろうか。エミールの凄さを実感した気がする。

 

 

「このまま出てくんですか?」

 

勝手に居座っても困るだろうし、かといって人間を襲うつもりもない。

出ていくしかないだろうなぁ...

 

「人間と一緒に生きるなんてのは無理だったんだ」

 

いやいやそんな事はないだろう。諦めなきゃ大抵の事は出来るものだ。

 

アラガミに対する印象が良くなれば...ダメだな、それじゃあ逆に人間が食われる。下手に好意的になってもかえって良くない。

まぁ人間を襲わなきゃいいだけだ。あと群れを大きくしすぎない事か。というかアレは勝手に集まってきたからな...

下手に寝床なんて作らないで少数で放浪するのが正しかったのかもしれない。

 

ひとまずここを出よう。これ以上人様に迷惑をかけるものじゃない。

 

「了解です」

「分かった」

「勿体無いでやすねぇ...」

 

 

細々と小型種を狩りながらその日暮らしかぁ....

 

 

 

 

○○○○○○○○

 

 

「ていう事があったんですよ」

 

「アラガミが文字を書いた、ねぇ...」

 

パッチテストに通らずフェンリルの助けなしで生きている人々の集まり。そこに度々資材や食べ物を渡している。公式にではなく俺が独断で行っている事だ。多少手は貸しているがそれでも彼ら自身の力で生活している。

 

今回は近くの任務ついでに少し様子を見に来たんだが...

 

「にわかには信じられないな」

 

「でも本当に文字を書いてたんですよ!足の爪を使ってこう...」

 

周囲を囲んでいる樹木はオウガテイル程度なら簡単に仕留められる。それを通り抜けて来たということは木の性質を理解しているみたいだな。あれは触れなければ襲われない。通常のアラガミなら気にせず突っ切るからすぐにやられる筈だ。

俺たちが狩った群れの生き残りか?それともまた別の個体?

どちらにしても問題だ。生き残りなら人間に憎しみを抱き復讐を考えているかもしれん。別の個体ならアラガミ全体に知性が生まれたという事になる。

 

 

「情報ありがとな。俺も出来るだけ様子を見に来るようにする」

 

「よろしくお願いします...リンドウさん」

 

 

 

はぁ...こりゃ榊のおっさんに報告だな。

 

 

 

 

 

 

 

 




木に関して、ピターの時は変異してたという事で。

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