オウガテイルになったんだが 作:腹ペコ
ゆるく行こうと思ったんですが、何だかシリアス気味になってしまいました
ヴァジュラテイルという自分たちオウガテイルの亜種がいるんだが....
まさにそれだよな!
「はぁ.....」
先ほど随分慌てて呼ばれたので何事かと来てみればそこには1匹のヴァジュラテイルがいた。ヴァジュラテイルと言っても恐らく亜種なんだろうが、自分の知らないタイプであった。
姿形はヴァジュラテイルで全く知らない訳では無いんだが....うーむ
上半分が火のヴァジュラテイルのような赤オレンジっぽい色。
下半分がコンゴウのような明るい茶色。
というような外見をしているのだが....
・・・・コンゴウである。コンゴウカラーのヴァジュラテイルである。
他の仲間を下がらせてから当人(人ではないけれども)に聞いてみた。それによるとこのコンゴウテイルくん(仮称)は自分の群れの普通のオウガテイルで朝になると姿と体が変化していたという。
うーむ.....これは進化と言っていいのだろうか。自分の知らない進化の形なので色々分からないことも多い。
まぁ、だとしてもスペックはともかく経緯なら何となく推測は出来る。他に変化した仲間はいないらしく彼1人らしい。つまり彼は先日十中八九コンゴウのコアを捕食したオウガテイルだろう。ゲームで存在しなかったのは基本群れで行動するコンゴウにオウガテイルでは勝てないからと言ったところか。
しかし、だったら自分だってヴァジュラテイルになっても良さそうなんだが....
何かコアを捕食する以外に条件でもあるのだろうか。例えばヴァジュラ戦時にしなかったこと、今回したこと....噛みつき攻撃か?確か彼は離れるとき噛みちぎっていた。対象アラガミの活動しているオラクル細胞を摂取した上でコアを捕食するのが進化の条件...?
・・・・まぁそれは後で考えよう。スペックも追々確かめることにして今は取り敢えず
お前をB班の班長に任命する
「はぁ....」
パッとしない返事だな....自分はA班長と合わせてピッタリだと思うんだが。
何か不満・不安があるのだろうか。
「いや、纏めるとか向いてないと思うんスけど」
確かにそういうのには向いてなさそうだ。
コンゴウ戦の様子を見るに率先して前線に出るようなタイプだろう。それに他と比べてだいぶ感情的だ。A班長みたいに冷静な思考が多分できない。
「じゃあなんで....?」
だからこそだ。
他のヤツらと比べてコンゴウテイルくんは情緒が豊かだ。仲間の為に怒れる。それは人としては当たり前の事ではあるがアラガミとしてはそうではない。厳しい生存競争の中で仕方の無いことだと割り切っている者が多い。
だからそんなコンゴウテイルくんであれば仲間を犠牲にしないように立ち回れる、立ち回れるように考えるはず。そんな彼に影響を受けいずれ他の仲間もお互いを少しは考えるようになってくれれば....
厳しい生存競争を生き抜くには不要なものだろう。しかし自分は彼らに仲間が死んでも何も感じないようなままではいて欲しくない。せめて仲間の死を悼むくらいはして欲しい
だから....
「・・・分かりました」
よし!じゃあこれから頼むな
これで班長決めは終了だ。これから班長2人と話すことも多くなるだろうし後で2人の顔合わせしよう。既に会ったことはあるかもしれないが結構な群れになっている。お互いを知らないことも普通にある(というか皆同じだし...)のでそういうことはキチンとしなくては。
自分は話し方(厳密に言えば唸り方なんだが)で分かるがA班長も班長だという事を分かりやすくするために何か考えておかなくちゃな。
そういえば皆自分のことをボスだ、リーダーだなどと言うがどうやって判断しているんだ?
「何となく...っスかね」
・・・まさかの雰囲気!?
A班長がなんかブラッド隊長みたいな使い方になってしまう....