オウガテイルになったんだが   作:腹ペコ

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すぐにエタると思いますがよろしくどうぞ


なんなのだ、これは!どうすればいいのだ!?

敷きっぱなしの布団に倒れ込みため息を一つ。

 

「今日も真面目に働いたっと.....」

 

 全身が疲労を訴え休息を求めている。

 毎日毎日会社の為に働く。サービス残業当たり前、休日出勤もよくある。有給休暇すら消化させてくれない。紛うことなきブラック企業である。

 

 

 そんな会社はさっさと辞めた方が楽ではあるが中々就職出来ずにいた自分を拾ってくれた恩もあるのでもう少し働いてやろう。そんな具合でかれこれ5年である。辞めていく社員が多いのもあり自分が部署で一番の古株になっていた。文句も言わず働き続ける自分を評価されたのかいつの間にか部長になってしまっていた。

 

 

 部長になり多少は仕事も減るかと思ったがそんなことはなかった。部下に相談され彼らに有給を取らせる代わりに自分がその分の仕事をしたり寧ろ以前より仕事は増えた。未だ倒れない自分を褒めていただきたい。

 

 

「飯...食べなきゃ....」

 

 

 布団に倒れ込んだまま晩飯を食べていないことを思い出した。カップ麺を食べようとする自分に強烈な睡魔がおそう。

 

 

「朝...食えばいいや...」

 

 

飯をあっさり諦め心地よい眠気に身を委ねる。

あぁ...気持ちいい.....天にも昇る気持ちとは...まさに...このこと....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軽い浮遊感のあと足が地に着く。

まとわりついた何かを払うように反射的に体を震わせる。

 

 

『何処だ....ここは....』

 

 

そう言ったつもりだったが口から出たのはどこかで聞いたような唸り声だけだった。

 

そういえば視点が低い...ような気がする。それに周囲も世紀末感溢れてる街だ。

 

もしや自分はついに過労死したのか?

いや、死ぬとしたらきっと天国にいくはずだ。

まさかビルに大穴が空いた天国などあるまい。そんな天国、地獄のようなものだ。

 

 

 そもそも自分が地獄に行くなどあるわけが無い。働いていた会社もブラックではあったが業務内容自体は真っ当なものだった。(業務体形も真っ当であって欲しかったが)

地獄に見えるということはつまり夢だ。今より辛い環境があるから頑張れとそう言っているのだ。

 

神は言っている ここで死ぬ定めではないと

 

死んだ方が楽な気もするがね!

 

しかしこの地獄妙に見覚えがある。これは確か....

 

 

『贖罪の街か...?』

 

 

 贖罪の街はGOD EATERというゲームのフィールドの一つだ。最近はゲームする余裕もなくご無沙汰だったが内容は意外と覚えている。(プレイするとなるとまた別だろうが)

夢だし自分の記憶の中で一番近い地獄でも表しているのだろう。バイオハザードとかだともっと酷いことになっていそうだが。幸い聞いたことしかないので夢で見る可能性は低い。ゾンビを相手に銃を手に立ち向かう!なんて芸当は自分には無理だろう。

 

 さて、そろそろ目を覚まさなくてはアラガミに襲われて目を覚ますなど最悪な目覚め方はしたくない。

えぇっと...取り敢えず頬をつねればいいのだろうか?

手、手、手っと....

 

!?

 

手がない!?

 

夢だから精神体で体はないよ!ってか!?

そういえば体の感覚がいつも違うような...

具体的に言うならば

尻尾があるような.....体が前後に広いような....

 

 

 

 

・・・・・・

 

《なんなのだこれは!どうすればいいのだ!?》

 

転生だとかトリップだとかするんだったらせめて人間にしてくれ!

これでは死ねと言っているようなものじゃないか!

 

「ガアアアアアアア」

 

自分の叫びはなんの意味も無い咆哮に変わる。

 

 

私はオウガテイルになっていた。

 

 

 




こいつ無駄にポジティブです

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