Fate/Grand Order~農民は人理修復を成し得るのか?~   作:汰華盧顧

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すいません遅くなりました。
バレンタインイベントで忙しくて………。でもおかげで山の翁が最終再臨出来ました!後は聖杯を捧げるだけです。


腹が減っては戦はできぬ それは万国共通です

「ああもう!ムカつく、ムカつく、ムカつく!!」

 

「まあまあ、落ち着いてマスター。カリカリしてると可愛い顔が台無しですよ」

 

「─ッ~~~!? う、煩いわね!いいから早く準備しなさい!」

 

「はいはい、ちょっと待っててくださいね」

 

 

 

ラ・シャリテの町から逃げ「逃げてないわよ!あれは戦術的撤退よ!」いやそれ同じだから。ただオブラートに包んだだけだから。

というかなんでボクが思ったことがわかったんだ?

 

 

 

「貴女はすぐ顔に出るからわかりやすいのよ」

 

「え゛っ」

 

 

 

し、知らなかった………。

 

 

ま、まぁそれはともかく。

 

ラ・シャリテの町から戦術的撤退をしたボク達はオルレアンへ帰還。そこで新たな戦力としてアサシンのサンソンとバーサーカーのランスロットを召喚。再度突撃しようと逸るオルタを諌め、取り敢えず夕飯にしようとして今に至る。

ランスロット卿を召喚した際にいろいろあって、思わずノックアウトしてしまったが、それについては割愛しよう。

 

 

───あのスケベ野郎、狂化されても本質は全く変わってなかった。

 

 

 

「よしっと、できましたよ!」

 

 

 

テーブルの上に魔術仕様のガスコンロ擬きをセットし、そこに土鍋を乗せて火に掛ける。

今日のご飯は簡単にチーズフォンデュにしてみた。つける具はボクお手製のパンとジャガイモ等の根菜類、それとソーセージだ。

 

 

 

「はふっ、はふっ」

 

「美味しい?マスター」

 

「はふっ───…コクン」

 

「そう、よかった」

 

 

 

チーズを絡めたパンを食べて顔を綻ばせるオルタを眺めながら、ボクもソーセージをチーズにつける。

 

うん、今日のもうまくいッ──

 

 

 

「あちゅっ!?」

 

 

 

───ぬおっ!?肉汁が‼

 

 

 

「み、みじゅ───!」

 

「なにやってんのよ……」

 

 

 

ソーセージの思わぬ反撃に悶えるボクに、呆れながらも水を注いでくれるオルタ。

 

あぁ助かった……。サーヴァントになっても痛いものは痛いんだな──。

 

 

 

「はむっ──そういえば貴女。ランスロットと知り合いみたいだったけど」

 

「ふー、ふー、──ええまぁ。ボクの出身はブリテンでして、いろいろあってアルトリア達……アーサー王や円卓の騎士と知り合ったんです」

 

「アーサー王………。あのアホ毛?」

 

「くせ毛って言ってください。あちちっ」

 

「へぇーーー!あれが王だなんて、世も末ね!」

 

「前はまともだったんだけど、ボクが死んだ後にいろいろあったらしくて。ちょっと拗らせちゃったみたいなんですよね…………」

 

「…………あれはちょっとじゃないと思うわ。はっきり言って病気よ」

 

「はぁ──なんであぁなっちゃったかなぁ。ボクはただご飯作ったり、相談に乗ったり、慰めたり、一緒に寝たりしただけなのに……」

 

「はむ──ひょんらへへぇあひへひゃらはへらっへひひょふひゅう(そんだけ世話してたら誰だって依存す─)

 

 

 

 

 

 

 

 

────んぐっ!?貴女今なんて!?」

 

 

「え? 慰めたり……」

 

「違う違う!その後よ‼何!?一緒に寝たって!?」

 

「あ、はい。なんか寝つきが悪かったらしくて……」

 

 

 

あれはアルトリアと仲良くなって暫くたった頃だった。

その日は城に呼ばれて、来賓室のベッドでベディさんから借りた本を読んでたら寝間着姿のアルトリアが枕を抱えて部屋に入ってきたんだ。

 

 

 

 

 

》》》》》》》》》》》》

 

 

 

 

 

「ん? どうしたのアルトリア?こんな夜更けに」

 

「…………………………」

 

「アルトリア?」

 

「……………………んっ!」

 

「うわっ!?ちょっ!」

 

「……………………んん──」

 

「え? 撫でて欲しいの?──よしよし」

 

「んん~~~~♪」

 

「まったく、甘えん坊だな………満足したら部屋に戻りなよ~~」

 

 

 

 

 

》》》》》》》》》》》》

 

 

 

 

 

「────ってことがあって、気が付いたら寝落ちして一緒に夜を過ごしたって訳です」

 

「───────…」

 

「あの時は大変だったな。アグラヴェイン卿の胃に穴が開きかけたりして────」

 

「その話はもういいです!するなら他の話をしなさい!」

 

「え?もういいんですか? じゃあ代わりにマッシュポテト製造器────間違えた。ガウェイン卿の話でも………」

 

 

 

円卓組の武勇伝を話しながらも食事を続ける。

この日の夜はゆっくりと、穏やかに過ぎていった。

 

 

 

「────それでポテトサラダを教えたんですが、今度はポテトサラダしか作らなくなって…しかもだんだん手抜きになっていって、挙げ句の果てには生のまま……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、朝食を済ませたボクは城の中庭、臨時発着場へ来ていた。

 

時間軸は第7節の序盤辺りか。原作と変わりがなければこれから向かうのは都市リヨンのはず。たしかそこにはすまないさんこと、ジークフリートがいる筈だ

 

あれ? てことはファヴニールに乗ることになるのか?

 

 

 

「………チラッ」

 

「グルルルッ」

 

 

 

………オルタはまだ来てないし、今のうちにファヴニールのご機嫌取りでもしとこう。

 

 

 

 

 

 

「…………エフィーナ、何をしてるの?」

 

「あっマスター、おはようございます。今ちょっとファヴニールに挨拶を「グルルルッ‼」あぁごめんごめん!今あげるから。───しっかし意外だねお前、まさか野菜もいける口とは」

 

 

 

ボクの宝具『農民の食料庫』から野菜を取り出していると、城からサンソンとランスロットを連れたオルタが、首をかしげながら出てきた。

 

 

 

「───まあいいです、行きますよ。サンソンとランスロットはワイバーンに、エフィーナは私と供にファヴニールに乗りなさい」

 

「了解です。 よろしくね、ファヴニール」

 

「グォォォ」

 

「……………ファヴニールって、なつくものだったかしら───」

 

「誠意を込めて賄賂を送れば何とかなるものです」

 

 

 

ボクとオルタが乗り込んだところでファヴニールが飛び立ち、それにワイバーン達が続いていく。

 

 

 

「マスター、戦況は今どんな感じなんですか?」

 

「昨日の夜にマルタが殺られたわ。デオンからの情報によると奴等はリヨンに向かったらしい。リヨンにはファントムを配置してるからそこで足止めさせて………」

 

「ファヴニールで一網打尽、てとこですか」

 

「そういうことよ」

 

「そうですか────それじゃあ朝御飯にしましょう!サンドウィッチを作ってきたんですよ!」

 

「────っ! あ、貴女!ピクニックに行く訳じゃないのよ!」

 

「あれ、じゃあいらないんですか?」

 

「食べるわよ!」

 

 

 

籠から取り出した玉子サンドをオルタがひったくって口に運ぶ。

 

 

 

「─────……」

 

 

 

顰めっ面をしてはいるけど口許は緩んでいる。

どうやら気に入ってくれたみたいだ。

 

 

 

「ふっふっふ……、待ってなさいアホ毛王。このファヴニールで消し炭にしてくれるわ!」

 

 

 

声高らかに悪役笑いをして悦に浸るオルタ。アルトリアの事はアホ毛王で固定なのか聞きたいが、微笑ましいので放っておこう。

 

あ、だけどこれは言っとかないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター、ほっぺにマヨネーズついてますよ」




しまった…今回もあんまし進んでない……

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