クレヨンしんちゃん〜嵐を呼ぶ人類お助け大作戦!〜 作:ちりめん山椒
そして今回は、みなさんお待ちかね、あのひとがしんのすけを救いにやって来てくれます!イヤーダレダロウナー(棒)
そして謝罪を。
今回、戦闘はありますが、とてもあっさりしています。戦闘とは名ばかりの駄文です。そして、しんのすけがいろいろやります。
こんなの滅茶苦茶だ!型月のルールを守れ!などと言われる可能性があります。お気に召さない場合は、ブラウザバックしてください。
ロマンからの通信を聞き、急いで教会跡を離れた後は、大橋前に戻って来た。だが、結局逃げきれずに追いつかれてしまった。しんのすけ達の前に現れたのは、2つの黒い人影。先ほど戦ったサーヴァント同様、その人影も黒い靄に包まれていた。その黒い人影は片手が禍々しく、顔に髑髏の仮面をつけていた。どうやらサーヴァントのようだ。
ロマンが言うには、ここでは聖杯戦争が行われており、本来なら7騎のサーヴァントによる殺し合いがあったらしい。だが、ここは特異点。すでに何かが狂った状況である。ゆえに、マスターのいないサーヴァントがいたとしても、何の不思議もない。そもそも、サーヴァントの敵はサーヴァントだ。又兵衛とマシュが聖杯戦争に関係なくても、敵は狙ってくる。
「見ツケタゾ。新シイ獲物。聖杯ヲ、我ガ手ニ!」
『サーヴァント反応が!そいつはアサシンのクラスだ!』
ロマンの通信により相手のクラスがわかった。
敵サーヴァントは、此方に狙いを定め、飛び出して来た。それに又兵衛は槍で迎撃し、相手とのマージンを取る。
「しんのすけ!周りの者と共に離れていろ!」
「ほっほーい!じゃ、シロ!オラ達は離れた所で隠れてよう。ほらみんなもいったいった」
しんのすけは又兵衛に離れるように言われ、素直に従い離れた瓦礫の裏にみんなを連れて行く。
それを確認した又兵衛は敵との距離を縮めるべく、馬を敵に向かって突進させた。しかしアサシンなだけあって、敵は軽業師のように大きく後ろに飛んで距離を縮めさせない。
「ぐぅっ!」
「おじさん!」
「あっ!しんちゃんまって!」
相手が後ろに飛んだ時、又兵衛の腕に激痛が走った。腕を見ると、黒い短剣が刺さっていた。又兵衛は飛んでくる短剣も短剣を投げる素振りも見えなかったが、確かに短剣は腕に刺さっている。どうやら何かのスキルが働いているらしい。又兵衛の腕に短剣が刺さった所を見たしんのすけは、いてもたってもいられず、立香の制止をふりきり、又兵衛と敵アサシンの方へと駆け出した。幸い、敵はその場から動いておらず、しんのすけに攻撃が来ることはなかった。
「おじさん!…う、腕に包丁刺さってるゾ…。大丈夫⁉︎」
「しんのすけ⁉︎危ないから隠れていろと言っただろう!わしのことは気にするな。サーヴァントにこんなものは屁でもないわ」
又兵衛は心配するしんのすけを安心させるように腕を何でもないように振る。しかししんのすけはやはり心配だった。
「でも、でも。うぅ〜、やい!そこの真っ黒骸骨!オラ達に何の用だ!」
「用モ何モ、オ前達ヲ殺シ、聖杯ヲ手ニ入レルノダ」
「そんなものオラ達持ってないゾ!関係無いのに襲って来るなんて大人気ないゾ!」
「ウルサイ奴ダ。マズハオ前カラ始末シテヤロウ」
しんのすけの言葉にイラついたのか、敵アサシンはしんのすけに狙いを定める。それにいち早く反応した又兵衛が、しんのすけの襟を掴み、立香達の方へと投げた。その後、敵アサシンとの攻防が再開された。
一方放り投げられたしんのすけはマシュがキャッチし、しんのすけはマシュのマシュマロにダイブした。
「大丈夫ですか?しんちゃん」
「えへへぇ〜、マシュお姉さんとっても柔らかいゾ〜」
「あっ、ちょっ、やめっ、あん!」
「こら!貴方何してるの!」
マシュの胸の中で動き回っていたしんのすけをオルガマリーが引き離した。
「ああ〜んもっと〜」
引き剥がされたしんのすけは、マシュの方にまだ行こうとしてたが、
ゴ チ ン ! !
と、オルガマリーからげんこつをくらい、その場で悶えた。
「おぅ!おぅ!おぅ!おぅ!おぅ!…オラの母ちゃんといい勝負だゾ。オルガマリーお姉さんのげんこつ…」
そんなしんのすけ達の方はほのぼのしているが、又兵衛の方は今でも死闘を繰り広げている。
敵アサシンは周りを縦横無尽に飛び回り、又兵衛には一切近づかない。そして、又兵衛は敵の無動作不可視の投擲を、目で見るのを無理と悟った。そこで、又兵衛は敵を見るのをやめた。
「……イヤァァァ!!!」
又兵衛は短剣が空気を裂くのを読み、相手の短剣を何度も擦りながら徐々にはじき返し始めた。これに驚いた敵アサシンはこれ以上は無駄だと悟ったのか、又兵衛にこれ以上短剣が投げられることはなかった。
お互い真正面に対峙して、一度動きを止めた。
「どうした。先のクナイはもうおしまいか?」
「アレハ有限ナノデナ。ソシテ、私ノ目的ハ時間稼ギダ。アノ小娘ノミナラ私1人デ良カッタガ、貴様ハソウ簡単ニハイカナイノデナ」
「なに……っ⁉︎」
敵アサシンがしてやったりと楽しそうな声で又兵衛達に声をかけると、ロマンから通信が入った。
『立香ちゃん!もう一体、新しいサーヴァント反応がそっちに向かってる!そいつが本命だ!』
ロマンの通信とともに、敵アサシンの横に新たな黒い人影が現れた。新たな敵サーヴァントは、又兵衛のように槍を持っており、
「決メルゾ ランサー。ドコノ英霊カ知ラヌガ、
敵アサシンは横のサーヴァントにそう声をかける。すると、ランサーと呼ばれた敵サーヴァントは何がおかしいのか急に笑い出した。
「ハ……、ハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
それは相手を嘲笑っている様に聞こえるが、なにやらおかしい。最初は嘲笑っているかの様に聞こえてきたが、途中からまるで弱いところをくすぐられている様な笑い方に変わった。
「ハハハハ、ワハハハハハハハハハハハハハハ!?!?」
「ほうほーう。おじさんは脇が弱いのですな。もしかして頭の中読める?」
そんな言葉とともに敵ランサーの横腹からしんのすけが出てきた。
「え。あれ?え?え?」
「なっ⁉︎貴方なんでそんなトコいるのよ⁉︎」
立香達は自分達のところにいたはずのしんのすけが、敵の横腹出た事に驚いてしんのすけのいた場所と敵の横腹に張り付いてるしんのすけを何度も見直す。
「ナッ⁉︎小僧、ドコカラ出テキタ⁉︎」
敵アサシンは自分すら出てくるまで気がつかなかった事に驚いている。
「何処からって、こうやって横から普通にきたゾ。必殺!ケツだけ歩き〜」
そう言ってしんのすけは敵ランサーの横腹から離れて、ケツだけで地面を縦横無尽に動き回る。
「ヨクモ恥ヲカカセテクレタナ!オ前カラ殺シテヤル!」
敵ランサーは思いっきり笑わされた事に対して怒り、しんのすけに槍を繰り出す。しかし、急にお尻を出して走り出したしんのすけには当たらない。
皆さん想像してみよう。大の大男が、槍を何度もしんのすけに向けて刺突しても、全て紙一重で、しかもケツを見せながら避けていく様を。槍はしんのすけに当たらず、何度も地面を貫く。
「ケツだけ星人〜。ぶりぶり〜!ぶりぶり〜!ぶりぶり〜!ぶりぶり〜!そんなの当たらないゾ〜!」
人間がサーヴァントの攻撃を避け切った瞬間である。しんのすけは本当に人間なのか…?
「クソォ、ナメヤガッテェ!オイアサシン!手伝エ!」
「無理ダ!コッチモ槍兵ノ相手デ手イッパイダ!」
「うおぉぉぉぉ!しんのすけから離れろぉぉぉぉ!」
敵ランサーが敵アサシンに手助けを要求するが、しんのすけが危ないと、又兵衛が鬼の猛攻を仕掛けており、先ほどより劣勢に立たされている敵アサシンは手助けすることができない。
「コノォ…!アレ、何処行キヤガッタ!」
敵ランサーが少しの間又兵衛と敵アサシンの攻防に視線を送っている間に、しんのすけが敵ランサー視界から姿を消した。しかし、敵ランサーから見えていないだけであって、離れた位置にいる立香達には見えている。もうお気付きだろう。本人には見えなくて、周りからは見える場所だ。
かつてひろしが言った、男は誰でもそこだけは鍛えることができない、と。そしてしんのすけは知っている。いくら屈強で強い男でも、男である限り、絶対に弱点になるところがあると。
そう、しんのすけは敵ランサーの股の間にいた。
「まっ、まさか…。」
立香が息を飲んだ。かつて小さい頃、立香は自分の父に聞いた。
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『おとーさん。今日小学校で男の子がお股を抑えて泣いてたのを先生が保健室に連れて言ったんだけど、お股の衝撃ってそんなに痛いの?』
『……立香。男にはね、女の子にはわからない痛みがあるんだよ。お股の衝撃は、男にとって勝るもののない激痛なんだ。もし、立香に変な事しようとした男が来たら、遠慮せず思いっきりお股を蹴ってやりなさい。そうすれば男は立ち上がる事は出来なくなる」
『はーい!変な事されそうになったらお股を蹴り上げるのね。わかった!』
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立香はかつてのお父さんとの会話を思い出し、しんのすけのしようとしている事を理解した。お父さんの娘に対する過保護というか過剰とも言える言葉とともに。
「えへへぇ〜、ベストポジションだゾ。必殺!アクションアターック!!!」
ゴ チ ン !!!!
「!?!???!??!!!?!」
「んん〜。なんか変な感触〜…」
しんのすけはやった。頭上の敵ランサーの股間に、思いっきり頭突きをかました。
それを見た又兵衛と敵アサシンは、とっさに股間を手で隠した。さしものサーヴァントも、男である限りソコだけは、鍛えられなかったようだ。直立不動のまま前のめりに前のめりに倒れ、気絶した。
「嘘…、人間が、サーヴァントに…、勝った……?」
『あの子は本当に人間なのかい…?最早サーヴァントだって言われても驚かないよボク……』
「すごいです!サーヴァントはサーヴァントでしか倒せないという定石を破りましたよ!」
「すごいよしんちゃん!」
「えへへぇ〜、それほどでも〜」
オルガマリーや通信越しのロマンはあり得ないと、今目の前で起きている事が信じれないのか、首を振っている。
マシュはこの異常より、しんのすけがサーヴァントを倒したことに興奮しているし、魔術をあまり知らない立香は素直にしんのすけがサーヴァントを倒したことを喜んでいる。
「いや〜照れますなぁ。……うわぁ⁉︎」
しんのすけが照れていると背中のリュックを掴まれて持ち上げられた。振り返ると、又兵衛と戦っていた敵アサシンが、しんのすけを持ち上げている。
「貴様一体ナンナンダ!タダノ人間ガサーヴァントニ勝テルワケガナイ!コウナレバ貴様ダケデモ御首頂戴スル」
「しまった⁉︎しんのすけ、逃げろ!」
「「しんちゃん!」」
『逃げるんだ!しんのすけ君!』
「何をしてるの⁉︎リュックを捨てて早く逃げなさい!」
全員がしんのすけに逃げろというが、しんのすけはリュックを手放さなかった。リュックの中には大切なものがたくさん入っているのだ。捨てるなんて事はしんのすけには出来ない。
そして敵アサシンがしんのすけの首めがけて手に持つ短剣を振り下ろした時、しんのすけはある言葉を叫んだ。
「助けてー!アクション仮面ーー!」
しんのすけが叫ぶと、パンツの中で違和感が起きた。まるでタマタマが1つ増えたような感覚だ。するとパンツの中が光り出し、1つの人影がパンツから光とともに飛び出て来た。その人影はしんのすけを掴んでいる敵アサシンの顎を打ち、しんのすけ抱き抱え、又兵衛の隣に着地した。
それはしんのすけが最も見覚えのある正義の味方。しんのすけのピンチを救ったその英雄の名は……
「サーヴァント、アーチャー!アクション仮面!しんのすけ君の声を聞き、正義の名の下にここに参上!」
_________________アクション仮面だ。
というわけで、アクション仮面の登場です。
皆さんなぜアクション仮面がアーチャーなのか気になると思いますが、それはアクション仮面の宝具にする予定の、ある物が関係しています。それは今後オルタ戦で出す予定なので、それまでお待ちください。
しんのすけがハサンと弁慶に近づいても気づかれませんでしたが、これは「雲黒斎の野望」でしんのすけが吹雪丸の股間に手を入れるまで、近づいても気づかれなかったのが元ネタです。
しんのすけがサーヴァントを気絶させた事にご不満のある方は、申し訳ありません。しんのすけが戦う時は、こうだと思ったんです。
ダメだという方はご連絡ください。否定派が多ければ書き直します。
誤字・脱字・ご指摘あれば、お伝えください。