クレヨンしんちゃん〜嵐を呼ぶ人類お助け大作戦!〜   作:ちりめん山椒

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どうもオリフィス01です。今回は戦闘シーンを書いてみましたが前回と一緒でなんかあっさりしてます。誰か私に戦闘シーンの伝授を…。


黒いお姉さん、だゾ

『……報告は以上です。現在、カルデアはその機能の八割を失っています。残されたスタッフでは出来ることには限りがあります。なので、こちらの判断で人員はレイシフトの修理、カルデアス、シバの現状維持に割いています。ひろしさん達はしんのすけ君を探し回っていたんですが、見つかったので此方に手を貸してもらう予定です。外部との通信が回復次第、補給を要請してカルデア全体の立て直し……というところですね』

ロマンはそう締めくくり、オルガマリーからの返答を待った。オルガマリーはロマンの対応に予想ができていたようで許可するようにこう言った。

「結構よ。私がそちらにいても同じ方針をとったでしょう。……はぁ。ロマニ・アーキマン。納得はいかないけど、私が戻るまでカルデアを任せます。レイシフトの修理を最優先で行いなさい。私達はこちらでこの街……特異点Fの調査を続けます」

 

「オラも行くオラも行く〜」

 

「あたりまえでしょう。貴方は戦力にならなくても貴方が召喚したサーヴァントは戦力になるのだから」

 

「しんちゃん、私と一緒に行こっか!」

立香はそう言ってフォウを肩に乗せながらしんのすけを抱っこする。

 

「うっほほ〜い!エヘヘェ、約束ですなぁ」

しんのすけは立香の豊満な胸に抱かれてご機嫌である。又兵衛は立香の胸をみて顔が赤くなり、見られぬように必死に顔を逸らす。相変わらず女にめっぽう弱い鬼の井尻であった。

そんなしんのすけを通信越しに見たひろしはしんのすけの言葉を訂正しながら羨ましがった。

 

『それを言うなら役得だろ!くぅ〜、羨ましいなぁ…。あんな可愛い子に抱っこされて……ハッ⁉︎」

ひろしが羨ましがっていたら、後ろから殺気を感じた。ゆっくり振り返るとそこにはみさえとひまわりの姿が。

 

「ケッ!」

 

「チェッ!」

 

2人はわざと聞こえるように声を出す。それを見たひろしは即座に言い訳を口にし始める。

 

「い、いや違うんだよみさえ。別に俺はお前が嫌だとか全然思ってないよほんとだよ信じてくれよマイハニ〜〜」

ひろしは必死に弁解するがみさえは一切耳を貸さなかった。そんなみさえの態度を見て、ひろしは膝から崩れ落ちた。

そんなひろし達を横目にロマンはオルガマリーとの会話を続ける。

 

『所長〜、そんな爆心地みたいな現場、怖くないんですか?チキンのくせに〜?』

 

「ほうほう、オルガマリーお姉さんはチキンだったのか、コケッコー!」

 

「……ほんっとう、一言多いわね貴方は。そこ!私はチキンじゃないわよ!鶏の真似しない!……はぁ、しんどい。まあいいわ、どうせレイシフトの修理が終わるまで戻れないし、この街にいるのは低級の化け物だけだし、デミ・サーヴァント化したマシュと、しんのすけの呼んだサーヴァントがいれば安全よ」

 

「事故というトラブルはどうであれ、与えられた状況で、最善を尽くすのがアニムスフィアの誇りです。これより立香、マシュ、しんのすけ、又兵衛四名を探索員として、特異点Fの調査を開始します。とはいえ、現場のスタッフが未熟なのでミッションはこの異常事態の原因、その発見に留めます」

 

「解析・排除はカルデア復興後、第二陣を送り込んでからの話になります。貴方達もそれでいいわね?」

 

「発見だけでいいんですか……?」

 

「オラもオッケーだゾ(何言ってるかわかんなかったけど)」

 

『了解です。健闘を祈ります所長』

ロマンが返答すると、さっきのことから立ち直ったひろしとみさえが通信に出る。

 

『しんのすけ!シロ!危なくなったら俺たちを呼ぶんだぞ!どんな時でもすぐ駆けつけるからな!』

 

『そうよしんちゃん!すぐ駆けつけるから絶対呼ぶのよ!』

 

『たたたい!たいあう〜』

 

「ほっほーい!父ちゃん母ちゃんひま、オラ行ってくるゾ〜」

 

「アンアン!」

しんのすけとシロはひろし達の激励に対して元気に返事を返す。そして、そばにいる立香とマシュ、そして又兵衛にしんのすけを頼む旨を伝える。

『立香ちゃんにマシュちゃん、オルガマリーさんに又兵衛さん。どうかしんのすけを守ってやってください。俺たちの大切な家族なんです。本当は俺たちもそっちに向かいたいんですが、今はカルデアの人たちを助けないといけないし、頼もしい人たちがいるので。どうかお願いします』

 

「もちろんです!しんちゃんの事は任せてください!必ず守ります」

 

「ええ、必ず私の盾で守ってみせます」

 

「仕方がないわね。私の出来る範囲でサポートします」

 

「何を今更水臭いことを申す。私とお前達の中ではないか。そもそも私はしんのすけの呼び出しに応じたのだぞ?守るのは当たり前ではないか」

それぞれの返事を聞いてひろしとみさえは安心し、ロマンに通信を返す。

 

『とにかく、これからは短時間ですが通信も可能です。緊急時になったら遠慮なく連絡を』

ロマンのその言葉に対し、オルガマリーは「どうせSOSを送ったところで、誰も助けてくれないクセに」と、小さくこぼす。それは通信越しのロマンや、立香達には聞こえなかったが、しんのすけには聞こえた。しんのすけがオルガマリーの方を向くと、どこか寂しそうな、それでいてどこか諦めているような顔をしていた。

そんなオルガマリーにしんのすけは励ますように声をかけた。

 

「何そんなうんちくさい顔してるんだゾ。だいじょーぶ、オラがお姉さんをお守りするゾ。…だからそんな顔しちゃだめ」

 

「しんのすけ……って誰がうんちくさい顔よ⁉︎それを言うなら辛気臭いでしょ!…全く、第一貴方のお守りをするのは私の方でしょう」

オルガマリーは、しんのすけの言葉に声を張り上げた。先ほどまでの暗い顔は今はない。

 

「お〜。やっぱりこっちの方がオルガマリーお姉さんらしいゾ」

しんのすけはうんうんと頷いて、オルガマリーが元に戻ったことを確認した。

しんのすけとオルガマリーのやりとりを見ていた立香達は、なんだかほっこりした。

 

「んん、とりあえず、通信を切ります。そちらはそちらの仕事をしなさい」

そう言って、オルガマリーは通信を切った。

 

「手ぶらでは帰れないわ。何としてもこの狂った歴史の原因をみつけるわよ」

そうして、まずは大橋を調べるために移動を始めた。

 

 

○●○●○

 

 

しんのすけ達は手がかりを手に入れるため、大橋、港後、と色々回り、現在は教会跡に来ている。道中、立香がカルデアについて何も知らないことにオルガマリーが癇癪を起こしたり、又兵衛が青空が見えないことを残念がったり、低級の敵が襲って来たりしたが、又兵衛が難なく倒したりして、特に問題なくやってこれた。

 

「それにしてもどこもかしこも焼け野原ね。住人の痕跡もないし、いったい何があったのかしら」

 

「お?今オラのこと呼んだ〜?」

 

「焼け野原って言ったのよ。貴方のことじゃないわ」

 

「ほーい。で、ここには誰もいないの?綺麗なお姉さんもいないゾ…」

しんのすけが綺麗なお姉さんどころか誰もいないことに落胆する。そんなしんのすけに皆呆れながら、確かに誰もいないことに疑問を持つ。

 

「確かに誰も見当たらないね。どこいったんだろう?」

 

「もしかしたら地下でサンバ踊ってるのかも!」

 

「そんなわけないでしょ。そしてなんでサンバなのよ…」

 

「いや〜昔コンニャクローンを使ったそっくりさん事件がありまして〜」

 

「何それちょっと気になる」

 

「私も気になります。しんちゃん、コンニャクローンってなんですか?」

しんのすけのコンニャクローンという単語に疑問を持った立香とマシュがしんのすけに尋ねる。少し離れたところでオルガマリーも聞き耳を立てていた。

 

「ん〜とねぇ、コンニャクローンって言うのは、コンニャクでできたそっくりさんだゾ。それが本物と入れ替わって生活していたんだゾ。で、本物の方は地下の大空洞の下でサンバを踊らされるんだゾ」

 

「え?何そのホラー。そしてやっぱり気になるのが何故サンバなのか…」

 

「それはね〜。そのコンニャクローンを使ったアミーガ鈴木ってお姉さんがサンバが大好きで、世界中でサンバを踊らせようとしたからだゾ。そっくりさんがサンバを踊れば、本物の方も体が勝手にサンバを踊り始めるんだゾ。ま、アミーガ鈴木は本当はアミーゴ鈴木って言うおじさんだったんだけど。そしてオラと父ちゃん達と春日部のみんなとSRIっていう組織のジャッキーと一緒にダンス対決をして勝ったんだゾ」

しんのすけから語られた話は到底信じられないが、しんのすけがその時に貰ったという、幸運のサンバホイッスルを見せてもらい、本当の事なんだと理解する。

 

そんな話をしていると急にロマンからの通信が入る。何やら焦っている様子だ。

 

『みんな!今すぐその場から離れて!反応がそっちに向かってる!……この反応は⁉︎』

ロマンが言い切る前に、しんのすけ達の前に黒い人影が姿を現した。

 

「なっ⁉︎……まさか、あれって⁉︎」

 

『そこにいるのはサーヴァントだ!戦うな立香ちゃん、しんのすけ君!君たちにサーヴァント戦はまだ早い……!』

ロマンが立香達に戦わないように忠告するが、立香達の中にしんのすけの姿はなかった。

 

「えへへ〜、お姉さ〜ん。納豆にはネギ入れるタイプ〜?」

声の聞こえる方に振り返ると、しんのすけは敵サーヴァントにナンパしにいっていた。それを見たその場の全員がずっこけた。心なしか敵サーヴァントも困惑しているように見える。

 

「しんちゃん!危ないから帰って来なさい!」

最初に我に帰ったのは立香だった。立香の言葉にハッとなった又兵衛が、馬をかけさせしんのすけを拾い、高速でその場を離れた。

 

「あ〜!お姉さ〜ん!せめて連絡先教えて〜!」

 

「馬鹿者!相手は我々を殺しに来ているのだぞ!そんな呑気な事言ってる場合ではない!」

しんのすけは又兵衛にかかえられて怒られながらその場を離脱する。それを見た他のメンバーも離脱しようとするが、敵サーヴァントが妨害して来て離脱することができない。又兵衛はこれはまずいと馬を反転させ、槍を構えて敵サーヴァントに突撃する。が、敵サーヴァントは激突する直前に高く飛び、又兵衛の突進を避ける。相手は離れたところに着地し、手に持つ武器をこちらに構える。

 

「どうやら逃してはくれなようだな。此方も相手をせねばなるまい。マシュよ、我らのマスターをしっかり守るのだぞ」

又兵衛はしんのすけをマシュに預けながらそう言葉をかける。

 

「わかりました。マスター達は私が責任を持って守ります。又兵衛さんもご健闘を」

 

「うむ、では私が相手をしよう。……井尻又兵衛由俊、参る!」

又兵衛は、敵サーヴァントに対峙するように対角線上に馬を配置し、相手の出方を待つ。その間にマシュ達は離れたところに避難する。

 

痺れを切らした敵サーヴァントが又兵衛に対し、高速で迫っていく。又兵衛は冷静に相手に槍を振るうが、敵サーヴァントの持つ短剣に弾かれる。そのまま短剣を又兵衛に向けて突き出してくるが、又兵衛は弾かれた槍をそのまま縦に一回転させ、槍の持ち手で相手の短剣をしたから弾き返し、そのまま心臓めがけて槍を一閃。しかし相手はバックステップで距離を取り、槍のマージンから離れた。

今度は又兵衛の方から敵サーヴァントに攻撃を仕掛ける。馬を走らせ、槍を下から掬うように振り上げ相手の短剣を持つ手を狙う。がしかし、敵サーヴァントは手に持つ短剣に付いている鎖を又兵衛の槍に絡め、拮抗状態を作る。

 

鎖を振りほどこうと動かすが、まるで蛇のようにひっついて取れない。相手も振りほどかれないように、鎖に力を込める。

一進一退の攻防の末、拮抗を崩したのは又兵衛だった。振りほどこうとしていた鎖を逆に槍から振りほどかれないように固定し、馬を敵サーヴァントめがけて突進させる。これで相手が鎖を手放さない限り、相手は逃げることができない。敵サーヴァントは鎖を解こうと躍起になるが又兵衛の力の方が強かったようで、叶うことはなかった。無理だと判断した敵サーヴァントは武器を手放し、飛びのこうとしたが、又兵衛はその瞬間を狙い、馬から飛び上がり、槍を捨て腰に差してある刀を抜き、上から斜めに切り払った。刀の斬撃を受けた敵サーヴァントはよろめき、それが致命傷になったのか、光の粒子になって消滅した。足元に虹色に光る石を残して。

又兵衛は戦闘を終えると、虹色に光る石と、さっき手放した槍を拾い、馬を連れてしんのすけ達の元に戻って来た。

 

「終わったぞ。そちらに怪我人はいないか?」

 

「はい。又兵衛さんが相手をしてくれたおかげで、此方に敵の攻撃は来ませんでした」

 

「オマタのおじさんすっごくカッコよかったゾ!こうズガーンバゴーンって!でもあのお姉さん、綺麗だったなぁ〜、エヘヘ〜」

 

「あれは敵だぞしんのすけ。いくら美人だろうが次からは勝手に近づくでないぞ?」

 

「ほっほーい」

しんのすけは又兵衛に忠告されるとそう返事を返し、又兵衛の手に持つ虹色に光る石を見た。ゴツゴツした結晶に見える。

 

「おじさん、そのモヤットボールみたいなの何?」

 

「これか?敵が消えた足元に落ちていたのだが、これは聖晶石といってな、これを使えば英霊を新しく召喚できるらしい。わしも聖杯とやらから知識を得ているのでな。これくらいはわかる」

 

「実際には3つで一回召喚ができるわ。まあ、サーヴァントが出るか、概念礼装が出るかは、完全に運に頼るしかないけれどね」

オルガマリーが又兵衛の説明に補足説明を入れる。それを聞いたしんのすけは前に聞いた説明を思い出し、ある事を考える。

 

「ほうほう。……あっ!じゃああと2つ集めたらアクション仮面が召喚できるかも!縁があれば呼べるってオルガマリーお姉さんが言ってたゾ!」

 

「アクション仮面?何ですかそれは?」

聞いたことのない名前にマシュはしんのすけに説明を求める。

 

「アクション仮面は正義の味方だゾ!何度もオラをお助けしてくれたんだゾ!あ〜くしょ〜んか〜め〜ん〜正義のか〜め〜ん〜♪ごごっこ〜レッツゴー!」

 

「あっ!それ知ってる!特撮のやつよね」

 

「そうだゾ。テレビの中でも現実でも有名な正義の味方だゾ」

しんのすけは誇らしげにアクション仮面のことを話す。そして又兵衛から聖晶石を受け取り、背負っているリュックに入れた。

 

「それじゃあと2つ集めに行こう!出発おしんこー!きゅうりのぬか漬けー!」

しんのすけの号令にみんながついて行こうとすると、突然ロマンから通信が入った。

 

『盛り上がってるとこ悪いけど、さっきと同じ反応がそっちに向かってるんだ!早くその場から離れてくれ!』

それを聞いたしんのすけ達は急いでその場から離れていった。

 




と言うことで、今回はシャドウサーヴァントのライダーさんの出番でした。戦闘シーンってやっぱり難しいですね。全然長くうまくかけない。

話を長引かせて話が全然進まない…。ネタ入れたいのになんかギャグにならない。次回はネタに走りたいなぁ。しんちゃんらしさが全然出てないような気もするし。

前回、カルデアの生存者が30人に満たないとかきましたが、原作では20人に満たないです。ひろし達を足したら20人じゃ少ないかなと思い、少し増やしました。

みなさんたくさんのリクエストありがとうございます。この話の投稿をもって、リクエストを締め切らせていただきます。リクエストは面白そうだと思ったものを選ばせていただきます。ありがとうございました。

誤字・脱字・ご指摘ありましたらお伝えください。

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