CrackleCradle 4人目の冒険家   作:光陽@海神

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前回のあらすじ
巨大ガエルと対峙する2人、その力はかなり強力で荒士と奈々は苦戦を強いられる。そこで突如荒士の体に異変が起こる。突如身体能力が大幅に向上し、一気に巨大ガエルを倒すのだった。
しかし、その力の反動か荒士はそのまま気を失い、倒れてしまった。

キャラ紹介
東雲荒士
東雲幽紀の従弟。基本苦労人

天崎奈々
基本無表情で無口系の女子。
人見知りが強いが「なんかやってみたら出来た」系の勘による精度の高い射撃を武器に姉の天崎涼子に振り回される。
以前にあった時から荒士に対しては少し興味を持っているが、なかなか表に出さないでいる。


四話 涼子と幽紀

 今から二日前の、とある施設にて。

「にっひっひ〜お宝み〜っけ♡」

 お宝をとうとう見つけてテンションの高くなる一人の女性。青く長い髪を1つに結び、ショートパンツと胸にサラシを巻いただけというなんとも無防備な軽装でやってきたのは天崎奈々の姉、天崎涼子だ。ちなみに胸はデカい。Dはあるだろう。

「さて、いただきますか。」

「あらあら、どこのコソ泥かと思えば涼子じゃない。」

 その声の方向に振り向く。そこにいたのは

「げっ、幽紀…」

 そこにいたのは金髪でその髪を上にあげて括り付けている一人の女性。そう、プロローグでも登場した東雲幽紀だ。

「これは奇遇ね、またあなたに会うだなんて。」

 そう、この二人はよくお宝探しをするたびに遭遇し、いつもお宝をめぐって争ってる二人でもある。

「こっちもそう言いたいところだけど、悪いけどこっちは一人しか入れないの!だから大人しく引き返してよね!」

「ふーん、本当なんでしょうね?」

「ええ本当よ!嘘なんてつかないわ!」

 注意書きには、しっかりとそのことが書かれていた。しかし、幽紀は

(カメラに映らなければ問題なんてないわ…。)

 そう思い、涼子に挑発するかのように言う。

「じゃあ、本当か試してあげるわ。」

 そう言い幽紀はいつもの無駄に洗礼された無駄のない無駄な動きでこっちへ接近し涼子目掛けてショットガンの先端の短剣を突き刺そうとする。

「きゃっ!」

 悲鳴とは相反して速いスピードで攻撃を回避した。

「ちょっと、あんた何すんのよ!」

「だってあなたのことだしまた嘘つくのかなって思って。」

 バタン!

「え?」

「あ…」

 本当だった。

「本当にしまっちゃったじゃない!」

「またあなたがくだらない冗談を言ったと思ったのよ!」

「だから本当って言ったのよ!」

 そう言い二人で口喧嘩を始めだした。

「そ、そうだ!ねえ幽紀?私たちで協力してなんとか手口を見つけない。」

「嫌よ。」

 即答だった。

「そ、そんなこと言わないでよ〜。じゃ、じゃあ二人でお宝を山分け」

「嫌。」

 また即答だった。

「ねえ、いいこと思いついたの。」

「え?なになに?聞かせて!」

 涼子は興味津々で聞く。もしかして何か秘策があるのかと。しかし、突きつけられたのは現実と短剣付きのショットガンだった。

「こうすれば一人になるじゃない?」

 そう言い引き金を引こうとした瞬間に銃口を違う方向に向けて、無駄撃ちさせた。

「はぁっ!」

「くっ!」

 お互い接近戦で激しい攻防を繰り広げる。そして、涼子はショットガンを受け止め、幽紀はナイフをもつ手を受け止める。

「「だったら今日こそ…」」

 そう言いお互い離れて距離を少しおく、

「「決着をつけようじゃない!!」」

 そう言い涼子は幽紀へ接近する。幽紀はショットガンを撃つが涼子は飛び上がってかわし、ナイフを突き刺そうとする。しかし幽紀はそれをすらっと回避する。

 お互い一歩も譲らない攻防は4時間まで続く。

「はあ、はあ…さすがね涼子…なかなかやるじゃない…」

「はあ、はあ…あんたも変わってないわね、涼子!」

 そう言いまたそれぞれの武器を構える。

「相変わらず、無駄な動きが多いわね!」

「相変わらず、無駄に乳がデカイわね!」

 そう言い再び紙一重の攻防を繰り広げた…。

 

 そして、10時間後…

「ふぇ〜…もうだめぇ〜。」

 疲れ切って倒れる涼子。

「うう…私も…」

 幽紀も同じように倒れてしまう。

「ねえ…もうやめにしない…?あたしつかれた…。」

「賛成ね…。」

 そう言いお互いその場で寝っ転がる。

「あー…お腹すいたー…。」

 涼子のお腹がギュルルと鳴る。

「私も…。」

 幽紀のお腹も涼子に続いて鳴る。涼子はくすっと笑うと幽紀は顔を赤らめてそっぽを向いた。

「ねえ…あたしたちで協力しない?」

 涼子はこの提案をする。

「賛成…。」

 幽紀もさすがに疲れ切ってここから抜け出すことを優先とした。でもどうしても幽紀は諦めきれないことがあった。

「お宝、どーするのよ….。」

 幽紀がそれを聞く、涼子は少し考えた後にこう答えた。

「二人で山分けは…?」

 幽紀は迷うことなどなかった。二人で協力して抜け出すからには宝を独り占めするのも申し訳ない。ここは意見を飲み込むことにした。

「賛成…。」

 そしてその部屋には二人の乱れた呼吸の音とお腹の鳴る音が少しの間響いた。

 

 そして今に戻る。

「…あれ…?」

 荒士は目が覚めた。

「ここは…どこだ…?」

 そう言い起き上がると、なにやら狭い空間にきた。横長の椅子がいくつかあり、ロッカーが何個か並んでる。おそらく作業員か何かの更衣室だろう。

「なんでこんなところに…。」

 そしてあることに気がつく。そう、奈々がいないのだ。

「奈々ちゃん?」

 そう言い我に返る。

 思い出した、体に負担をかけすぎて倒れてしまったこと、奈々ちゃんがきっとここまで運んでくれたんだろう。でも奈々ちゃんはどこへ?

 そう思い、近くのドアを開けた。

「奈々ちゃん⁉︎…ぬわっ⁉︎」

 その目の前の光景を素晴らしいものだった。

 上半身裸の一人の少女が自分の体に応急処置をしている。肌はきめ細やかで白く、美しい。先端は綺麗なピンク色で、胸はまだ丘程度の未成熟。その白い髪は普段後ろで結んで、少しあげてるが。今は完全に解いている。

 慌てて目を手で覆って隠す。嘘、実は隙間からその肌をチラチラと見る。やはり荒士も男なのだ。

 するとこちらに気がつき、いつものジト目で振り向く。

 まずい…さすがにまずい…。

「え、ええと…ご、ごめん!そ、その…で、でるから!」

 奈々が口を開く。

「目、覚めたんですね。」

「え?」

 あれ…動じない…?

 荒士は女の子はこういう時叫ぶのかと思っていたが、その予想を上回っていた。

 すると奈々はため息を吐く。

「あれほど無茶をしないでくださいと言ったはずです…。」

「ご、ごめん…。」

 そう言い奈々は立ち上がる。そして服を手に取る。

「話は後で聞くとして、それよりも1ついいですか…?」

「え?う、うん。」

 何か奈々が言いたそうなので荒士は聞くことにした。

「いるのは構いませんが…あまり見ないでください…///」

 奈々は顔を赤らめて言った。

「ご、ごめん…///」

 

 準備が出来た二人は更衣室を後にして、先へ進むことにした。

「行きましょ」

「待って。」

 そう言い荒士は奈々の動きを止めた。奈々は首をかしげる。荒士は上へと飛び上がり、大剣を振るう。すると何かが切れる音がした。そして奈々のいる場所に着地する。

「ワイヤーが仕掛けられていた。あのまま進んでたら首が飛ぶところだったよ。」

 そう考えるとなかなか恐ろしいことをしてくれるもんだと思った。

「見えたんですか?」

「うん、一応ね。ここには他にはないみたいだから行こうか。」

「はい」

 そう言い上へと上がり、進むことにした。

 上の階へと上がるとより研究所っぽいところへとたどり着く。

「なんだここ?」

 そう言いあたりを見渡す。映画とかでありそうな光景だ。

「バイオ○ザードみたいですね。」

「そうだね。」

 奈々ちゃんってもしかしてゲーマーなのかな?

 心の中でそう思うが、口にはしないでおこう。

「俺が後ろを見るよ、背中は任せて。」

「助かります。」

 そう言い荒士は奈々の後ろに回る。その際に奈々の後ろ姿を見る。

 やはり身長は低い、学校でも背の順では前の方だろうか?

 荒士はふと奈々のうなじあたりに視線が行ってしまう。すると先ほどみた奈々の裸を思い出してしまい、顔を赤くする。

 すると奈々が視線に気がついた。

「どうかしましたか?」

「え?あ、いや、何にも…。」

「そうですか…。」

 するとジト目でこちらを向き、

「やましいこと…考えてませんよね?」

「そ、そんなわけないよ!」

 慌てて否定した。だが、耳まで赤くなった顔を誤魔化すとこをできるはずもなく。

「どうでしょうね?」

 奈々は少し冷たくそう言い放つ。

 少し心が痛い。

 

 少し進むとなにやら扉の閉ざした部屋を見つける。

「奈々ちゃん…ここから誰かの気配がする。」

「はい、私も感じました。」

 すると向こうから声が聞こえた。

「ねえ!誰かいるの⁉︎ねえ!」

 その声に聞き覚えがあった。そして何よりも奈々が反応する。

「お姉ちゃん⁉︎」

「涼子さん⁉︎」

 そしてもう一人の声も聞こえた。

「荒士⁉︎いるの⁉︎私よ、幽紀もいるわ!」

「幽紀!無事だったんだね!」

「奈々、あんたの持ち前の勘でそこのドアを開けてくれる。外にパスワードの入力画面があるから!

「わかった!」

 そう言い奈々は適当に四桁の番号を押す、すると二、三回程繰り返しただけでドアが開いた。

「凄い…」

「助かったー!」

 涼子がその場で倒れ込んだ。荒士はすぐさま幽紀の元へと駆け寄る。

「無事で良かった!心配したよ、幽紀!」

 そう言い幽紀に抱きついた。

「ちょ、ちょっと!恥ずかしいからやめて頂戴!」

 そう言い幽紀は振りほどく。

「あ、悪い。ついつい嬉しくてな。でも、身内だしそんなにきにすることじゃあないと思うよ?」

「そういう問題じゃないわよ…バカ…。」

 そう呟く。

「奈々ー、お腹減ったー!」

 涼子はその場で駄々っ子のように足をジタバタさせる。

「涼子、あんたまたそれ?」

 そう言った途端幽紀のお腹がなる。

「うう…///

 恥ずかしいけど…私も…」

「「は、はあ…。」」

(世話が焼けるなお姉ちゃんは)

(世話が焼けるな幽紀は)

 2人とも心の中で声を揃えた。似た者同士とはこのことを言うのだろう…




今回も読んでいただきありがとうございます!光陽です!
ようやくCCガールズ集合です!
周りは女子だらけに対して荒士君は1人男、少し羨ましいですね。
でも作者は非モテ、チキン、あてもないという希望のない男子です…。はい…。
今回に奈々ちゃんのキャラ紹介を入れてみましたが、少し遅すぎました?ちなみに次回のあらすじには涼子さんと幽紀さんの紹介書きます。
では、次回もお楽しみに!

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