巨大な生物の体内へと入って行った荒士と奈々。中はまるで洞窟のようで、崖あり谷ありと言ったような構造。また、酸があちこちに溜まっていたり、上から降って来たりと荒士達を苦しめた。
そんな中登っていると突如巨大生物の胃酸が逆流し始めた。奈々と荒士は急いで登ることに…。そんな中、荒士が体内の生物にやられて怪我をしてしまう。そして、奈々は躊躇いつつも荒士に言われて先へ進むことに。
そこで見たものは壁一面に目があり、天井から触手がぶら下がった君の悪い化け物だった。奈々は荒士のいない中交戦を試みるも触手に捉えられてしまった。果たして奈々の運命は?果たして荒士は間に合うのか?
そして、触手はそのまま奈々の元へ降ろされた…。奈々は目をつぶり、覚悟を決めた。
カーン!
金属音が響き渡る。奈々は目を開ける。すると奈々の目の前には一人の男が現れた。例の触手は上へと弾かれた。それと同時に触手は奈々を拘束から解く。そのまま落下する奈々を優しく受け止める。
「荒士さん!」
「間に合ってよかったよ…。」
そういい奈々を降ろす。触手は再び活動を始めようとしていた。
「奈々ちゃんはこんな化け物を相手にしていたのか…。」
「いえ、荒士さんがいなければ死ぬところでした。」
触手が荒士を襲おうとする。荒士はとっさに大剣で触手を振り払った。
「奈々ちゃん、こいつに弱点はないの?」
「確か、目が赤くなってるところが弱点です。」
そういい奈々は探す。すると触手は複数に束なり、荒士と奈々を薙ぎ払う。
「ぬわっ!」
「きゃっ!」
そのまま二人は後ろの壁に叩きつけられる。
「いてて…。」
「あいたた…。」
そういい二人は起き上がる。また触手が追撃しようと迫る。
「奈々ちゃん!こいつは俺に任せて!奈々ちゃんは弱点を狙うんだ!」
「はい!」
そういい荒士は大剣を振り回し、触手を全て叩き斬る。しかし、触手はぬるぬる再生し始めた。
「やれやれ…こいつは少し面倒だ…。」
そういい再び触手達の元へと走り出す。迫る触手を次から次へとかわして反対側へと移動する。すると触手は再び荒士を襲う。
「ちっ!」
荒士は大剣を振るい、次々に触手を振り払って行く。何本かの触手は斬り裂いたが、その度に触手は再生を繰り返す。
「キリがないな…」
そういい攻撃を回避しながら奈々の方を見つめる。奈々は的確に弱点を射撃していた。
(かなり順調だな…)
すると突如触手は矛先を荒士から奈々に変える。
「させるかよ!」
そういい荒士は触手を切り刻む。触手はやはり再生し、二人を襲おうとする。
「奈々ちゃんには、触手一本触れさせねぇよ!」
そういい荒士は自ら突っ込んで行き、触手をバラバラに斬り裂いた。
(こうすればまた再生する。これで時間を稼げば!)
しかし、他の触手に比べて一本だけ早く再生し、荒士の腕を掴む。
「な!」
そして他の触手も後々に再生し、荒士を拘束しようとする。
「荒士さん!」
「っ!気にするな!早く弱点を!」
「はい!」
そういい奈々は弱点の赤い部分を探す。その間に触手は荒士を完全に拘束した。
「クソッ!離せ!」
荒士はジタバタと藻がくがそう簡単に離すはずもない。その間に触手は荒士を取り囲み、鳥籠のように塞ぐ。
「⁉︎」
そしてそのまま荒士を閉じ込め、触手と触手の間を狭めて行く。そう、このまま荒士を圧殺するつもりだろう。
「ぐぐ…ぐぬぬ…」
なんとか自慢の怪力で潰されないように耐える。
「死んで…たまるかよ…」
ドクン….
またこの感覚が走る…。死ぬ訳にはいかないという強い意志からアドレナリンが分泌されたのだろう。
ドクンドクン…
「ぐ….っ!」
鼓動のせいで体が疼き、力が入らない。その間に徐々に潰そうと触手は狭まってくる。
ドクンドクンドクンドクンドクンドクン…
(早く…早く…)
体が熱くなる。そしてもう少しで潰し終えるその瞬間だった。突如荒士の体から力が湧いて来た。
(来た…ようやくこの時が!)
そういい荒士は足で触手を蹴っ飛ばす。すると飛んで行った触手の部分に隙間が生じる。
「よし!」
そういい荒士はその隙間から飛び出した。
「荒士さん!」
奈々の顔が明るくなる。
「奈々ちゃん、心配させたね!」
そういい荒士は着地する。そして、触手は再び奈々へと方向を向ける。
「⁉︎」
「大丈夫だ!早く弱点を!」
「はい!」
そういい奈々は銃を構えて、狙いを定める。そして触手の一本が奈々の胸元を貫こうと、襲いかかって来た。
「させるかァァァァァァ!」
荒士は人間離れした速度で走り、伸びる触手に拳をぶつける。それと同時に銃声が響いた。
その瞬間、触手は力なく垂れ、あたりにあった目は閉じて動かなくなった。
「やりました…。」
「ふぅ…疲れた…」
そういい荒士はその場に座り込む。かなりの汗が流れている。
「前に戦った機械と比べたら楽に感じたな。」
「そうですね、今回は荒士さんがヘイトを稼いでくれたので無事に狙うことができました。」
そういい奈々も横で座る。
二人でしばらく休憩していると荒士はあることに気がついた。
「あのさ奈々ちゃん。ここからどうやって出るの…?」
すると奈々は少し考えて、お互いに見つめ合う。そして1つの可能性を思いついた。
「まさか…」
「うん、そのまさかみたい…。
そして二人は声を揃えて嘆いた。
「「肛門から出なきゃいけない⁉︎」」
数分ほど歩き続けただろうか、この巨大生物の体内をずっとうろうろしていた。
「こ、肛門はどこなんだ…?」
「わからないです…。」
そういい二人ともへろへろになりながらも歩き続けると、なにやら大きな黒い塊のようなものがその辺に転がっていた。
「なんだこれ?」
そういい近づくとかなり強烈な臭いがした。
「うわっ!なんだこれ!臭っ!」
すると奈々は鼻をつまみながらこっちへ歩み寄り、話す。
「もしかして、これはこの生物の糞なんだと思います。」
「糞?…となると!」
「はい、出口はもうすぐです。」
そうなると二人は頷き、黒い塊を避けながら先へと駆け足で進んでいく。すると奈々の予想通り出口が見えて来た。
「やった!やっと出口まで来た!」
「久しぶりって感じがしますね。」
そういい二人は出口をくぐり抜ける。するとなにやらまた施設の中へと出て来た。
「また施設…?」
「外ではないみたいですね…。」
二人は辺りを見渡すとなにやら扉がある。
荒士は無言で開くと小部屋だった。おそらく休憩室だろう。
「少し休まない…?」
「はい、私も疲れました…。」
今回も読んでいただき誠にありがとうございます。光陽です。
なんとUAが500を超えました!イェーイ(88888
…はい、ごめんなさい…。
しかし、あまり知られないこの作品で観覧数500を超えるのはなんだか作者としてはとても嬉しいです。
その反面最近腹立てたことがありましたが…
以前文句を言ってたリンク召喚ですが、テラナイトワンチャン生きれると聞いて絶望しました…。もう売ったよ!いい加減にしろ!
…話が過ぎましたね。
では、次回はいよいよステージ5ゲームでここに苦戦した人は多いのではないのでしょうか?
それではみなさん、次回をお楽しみに!