更に先へと進む奈々と荒士。そんな中で荒士は昔のことを思い出した。全く同じタイミングで思い出した幽紀。すると突如何者かの人影を見た。幽紀はその人影を追うことに。
追いついた幽紀はその男と交戦を試みる。しかし、想像以上にその男が強く。ついに幽紀は負けてしまい、気を失ってしまった…
そんなことも知らない奈々と荒士は更に先へと進むのだった…
とある場所にて、青い髪を揺らし、次々に攻撃をかわしていく女が一人いた。
「さて、ここまできたねー。そろそろ出口が見えてもいいんじゃないかなー。」
そう言ってたのは天崎奈々の姉、天崎涼子だ。涼子の手にはナイフ一本のみを握っている。それ以外の武器といえば自分の持ち前の身体能力と妹にはない魅力的なボディ(男にのみ有効)ぐらいだ。
そんなことを言っていると後ろから声が聞こえた。
「お前たちを逃すわけにはいかない…。」
その声とともに振り向くとフードを被った男が一人いた。
「ん?あんた誰?」
「貴様に名乗る名はない。死ぬか捕まるか好きな方へ選べ…。」
そういい脇差二本を構える。
「へえ〜、じゃあ3つ目の選択を押し付けるわ。」
そういいナイフを構える。
「ほう、その選択とは?」
そういい男はフードの中から赤く光る目で睨みつける。だが、涼子は怯みもしない。そして涼子はその問いに答えた。
「あんたを殺すってね!」
そういい涼子は全力で走り出す。ナイフで素早い連撃を繰り出すが全て脇差で受け止められる。
(⁉︎なんて反応なの⁉︎)
だが、連撃をやめない。有利なのはこっちだからだ。だが、向こうが足払いをしてくる。涼子はそれをかわす。続いて脇差で切り掛かってくるが、涼子は腹部を蹴り、後方に下がる。向こうも少しよろめいたが、すぐ体制を立て直し、再び戦闘体制をとる。
「さすがは天崎涼子…。なかなかやるではないか…。」
暗い声がしんみりと聞こえる。
「どうやらあたしのこと知ってるようだね。なんだか不平等じゃないか。」
そういいナイフを片手で回す。
「気に入ったぞ、記念に貴様にいいものを見せてやろう。」
そういい指を鳴らすとそこから二人の男が一人の女を連れてきた。
「⁉︎」
その女に涼子は驚愕した。
「幽紀⁉︎」
そう捕まっていたのは東雲幽紀だった。
「涼子…」
幽紀は悔しそうな顔をしていた。
「俺に勝てたらこの女を返してやろう。だが、お前が負けたら、この女と同じ運命を辿らせてやろう。」
「ふざけないでよ!」
そういい涼子は走り出す。ナイフで連続で切り刻むがやはり全て防がれる。相手の首筋に蹴りを入れる。しかし、腕で止められた。
「なっ⁉︎」
そしてそのまま腹パンを入れられる。
「ぐっ!」
その場で倒れこむ、さらにその頭をフード男は踏みつけた。
「あっ!」
「涼子!」
「どうした?その程度か?私の検討違いかね?」
そのままグリグリと足で頭を踏みつけ、腹部を蹴り飛ばす。
「うぐっ!」
そのまま壁に叩きつけられた。
「ぐ…」
そのまま意識が遠のいていく。
「奈々…。」
そして気を失ってしまった。
バンッ!バンッ!
蜂を殲滅し、下に降りる。するとまたしても君の悪い生物がそこにいた。ピンク色で先端に指のようなものがいくつかあるクリーチャーだ。
「キメエ…」
するとそのクリーチャーが捕食しようと体を伸ばして襲い掛かる。二人ともそれを避けて、奈々は奥のクリーチャーにハンドガンを撃ち、荒士は手間のクリーチャーを大剣で裁断した。そのまま二体とも無力化させる。
「見た目の割には大したことないですね。」
そういい奈々はハンドガンをリロードする。
「なんかクリーチャーが増えてない?」
「おそらくここは生物兵器の開発に携わっているエリアなのでしょう。」
荒士はため息をついた。
「ゴリラみたいなやつならまだしもさっきのとか虫とかは俺まじで無理なんだ…。」
すると奈々は少し頷きながら。
「わかりますよ、私も虫は嫌いです…。」
「その割には奈々ちゃん静かだよね。女の子ならもっとこう…悲鳴をあげるものかと…。」
「まあ、そんなことに動じていたら、トレジャーハンターなんて慣れませんよ。」
そういい歩いていると、下に降りれることがわかる。
「なるほどね…よっと!」
そういい荒士が降りたその瞬間だった。
ガバッ!
「わあっ!」
荒士の声が聞こえた。
「荒士さん⁉︎」
奈々は慌てて下を向くとそこには貝の形をしたクリーチャーが荒士を挟もうとしていた。
「大丈夫だ、くっ…このくそ!」
そういい右手だけで抑えて、左手でマグナムを構えて、貝柱を撃ち抜く。すると貝はパカッと開き、死んだ。
「びっくりした…。こんなやつまでいたとは。」
そういい安全を確認させた後に奈々に降りてくるように言う。
「今のは予想外でしたね。」
「うん、気をつけないと…。」
そういい二人はさらに下へと降りていった。
「うわっ!危な!」
今度は紫色の胴体の長いクリーチャーが襲い掛かる。奈々が出てきたところを咄嗟に狙い撃つ。クリーチャーは紫色の血を流し、倒れた。
「ここの奴らは驚かすのが好きなのか?」
そういい立ち上がり、奈々と一緒にいたに降りる。するとそこにはヘビの体と女性の顔ををしたクリーチャーがいた。すると突如そのクリーチャーは荒士を尻尾で薙ぎ払う。
「ぬわっ!」
反応が間に合わず、向こう側の壁に叩きつけられた。
「荒士さん!」
しかし奈々もその尻尾で腕を掴まれる。
「きゃっ!」
そのまま腕を縛られ吊るされる。
「やだ、離して!」
そして、一撃引っ掻く。ギリギリ外れたが、制服が破ける。
「ひっ…」
奈々は恐怖心に支配される。
「く…そ…。」
荒士はようやくよろめきながら起き上がる。そして目の当たりにした光景をようやく理解した。
「奈々ちゃん!」
するとヘビ女(仮名)は次々に奈々を攻撃した。
「がっ….きゃっ!ぐっ…!」
奈々の白い肌が徐々に傷つき始める。
「貴様ぁ…。」
ドクン…
荒士はあの感覚に襲われる。
早く、早く来い!
そしてその願いに応えるかのように全身が活発になる。
ドクンドクンドクンドクン…
「はあぁぁぁ!」
叫びながら荒士は接近する。するとそれに気がついヘビ女は奈々を拘束から離し、荒士を薙ぎ払う。しかし、今度はかわされる。そしてヘビ女の尻尾を掴み。ヘビ女を振り回した。
ヘビ女も地面にしがみつこうと必死だったがその抵抗も虚しく爪が剥げる。
「でぇい!」
そして壁めがけてヘビ女を投げ飛ばした。ヘビ女はそのまま壁に叩きつけられた苦の表情を浮かべる。
「死ね。」
そういい荒士は背負っていた大剣を投げつけた。無慈悲な鋼の大剣は体と尻尾の部分に突き刺さり、2つに体を分離させた。
声にもならない断末魔をあげて、ヘビ女は倒れた。
「奈々ちゃん!」
荒士は声をあげて近づく、奈々は所々怪我をしているが命に別状はなかった。荒士がすぐさま応急処置を施した。
さらにその先へとどんどん進んでいった二人。
「先ほどは助かりました。」
奈々の腹部には包帯が巻かれていた。
「どういたしまして、傷の調子は?」
「はい、大丈夫です。」
そういい暗い道を進んで行くと。
バタン!
二人が後ろを振り向くとゲートが閉ざされていた。
「前へ進めってことか…」
「みたいですね…」
そういい前を向く、しかし、前の部屋は明かりが点いておらず、真っ暗だった。
「罠かもしれないから気をつけて進もう…。」
奈々は頷き、二人で前へ前へと進み、部屋に入る。すると何か揺れる感覚と生物の気配がした。
「奈々ちゃん…」
「はい、私も感じました。」
すると何か向こうからこっちへと迫ってきた。二人はそれぞれ真逆の方向に回避する。
「おそらくどこかに明かりのスイッチがあると思います。」
「どうしてそう思うんだ?」
「勘です!」
やはり奈々はお得意様の勘を信じる。
「わかった、俺は奈々ちゃんのこと、信じるよ。」
「ありがとうございます。」
そういい奈々は走り出した。何やら気配がこちらへと近づく。
天井からか?
「最初の獲物は俺か?」
すると天井から何やら長い胴体をした何かが襲い掛かる。
「よっと!」
かわしたが、もう一撃くる。
「おっと!」
連続で繰り返すが、全て回避された。
「遅い遅い!」
そういい相手を煽る。するとそれと同時に明かりがついた。
「お、本当についた!」
奈々ちゃんがしてくれたのだろう。ありがとう奈々ちゃん。
すると奈々が戻ってきた。
「少し遅くなってすみません。」
「いや、むしろ感謝するよ。あとは奴を叩きのめすだけだ。」
そういい今度は下に気配が寄ってくるのがわかる。
「どうやら俺狙いか、敵が出てきたら奈々ちゃんが奴を撃ってくれ。」
「はい!」
そういい奈々は銃を構える。そして、敵が飛び出してきた!
「ふん!」
しかしまた、かわされる。また、明かりがついたことにより正体がわかった。その怪物は白く、細長い。
名称は「ワーム」。地面に潜ってから素早い速度で獲物を捕らえ、捕食する。
「よっと!」
20キロの鉄板を背負っているにも関わらず、その身のこなしは非常に軽い。その間に頭を出したときに奈々は的確にワームを狙い撃つ。
するとワームが地面に潜り、横の壁へと移動する。
「荒士さん!」
「ああ!」
そういい二人はそれぞれ逆の方向に回避する。そのまま突っ込んできたワームは反対側の壁に潜り込んだ。そのまま今度は奈々の元へと迫る。
「奈々ちゃん!」
「大丈夫です!その間に荒士さんがダメージを与えてください。」
「わかった!無理はしないでよ!」
そういいマグナムを構えた。
(荒士さん、貴方に言われたくないですよ。)
そういい奈々は身構える。するとワームは上から襲い掛かる。
「!」
後ろに身を引き、回避する。引き続きワームは襲い掛かるが、それらも全て軽いフットワークで回避していく。
涼子や幽紀達と比べて運動神経は劣るが、学校では一応成績もスポーツもトップクラスなのだ。
そして奈々が回避している間に荒士はマグナムの弾を撃ち込む、数発撃つとワームが奇声をあげて潜り込み、横へと移動する。
「そろそろかな…」
そういい大剣を構えた。
「こいよ化け物、ここで斬ってやる!」
そういった途端ワームは突撃してきた、しかし荒士は何も動じず、走る。
そして、そのまま大剣を振り下ろし、ワームの頭を一刀両断した。
グギャァァァァァァ!
奇妙な断末魔をあげたワームはそのまま動かなくなった。
「よし!」
すると奥のゲートが開いた。
「進めますね。」
「ああ、行こうか。」
そういい二人はゲートの先へと進んだ。
しかし、その先には何やら緑色の巨大な口のようなものがあった。
「これは…?」
「わかりません。しかし、この先に何かある気がします。」
そういい二人は顔を見て、頷く。
「行こうか。」
「はい。」
二人はその口の中へと進んでいった。
今回も読んでいただきありがとうございます!光陽です!
最近この小説で初めてコメントをいただきました!ありがとうございます!^^
この作品を読んでくださってる方々のためにも頑張りたいと思います!これからもこの光陽をよろしくお願いします!
では、次回もお楽しみに!