RE:関節のパニック(笑)が始める異世界生活   作:紅の幻惑者

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『幽鬼の如く立ち尽くす彼の名は・・・』

 「ところで貴様はここで何をやっていたんだ?」

 

 とソニックは護衛対象に問う、

 ただ単にこれから彼が起こす行動に好奇心を持っただけだが、

 

 「それはだな、裏路地にいってチンピラに絡まれるいたいけな少女を助けて実はそれがどっかの貴族子女様でしたーっていう王道を歩もうとだな・・・。」

 

 「すまん、聞いた俺が馬鹿だった、というよりもお前の愚鈍さが分かると同時にそれの護衛を受けたわが身に絶望した。」

 

 辛辣な言葉だと思うがかってに自分からトラブルに突っ込まれるといくら頭脳明晰ryの音速のソニック様でも辛い所がある、それはスバルのことを思ってではなく自分の仕事が失敗に終わるという屈辱をもう味わいたくないといったとこらからだった、

 

 まぁ実際にはサイタマに負けただけで仕事は成功させていたのだが、そこを勘違いするのはやはりパニック様だった。

 

 

 「ほぼ初対面になんて辛辣な言葉っ!そこに痺れもしません!憧れもしません!だから我が道をいくぅぅ!!」

 

 

 そういってスバルは裏路地に思いっきり突っ込んでいった!

 

 「あの馬鹿!この俺の指示が聞けないとは、アホなのか!まだこの世界の一般人がどの程度の強さかも解っていないというのに・・・いや!最強の忍者である俺ならばサイタマ以外のどんな敵でも倒せる、・・・フッ、杞憂だったな。」

 

 勝手に自己完結している間にスバルはどんどん遠ざかっていく、

 パニックもスバルも史上最強のバカだった。

 

 「あ!いない!クソッ俺とした事が!」

 

 超スピードでスバルが言った方向とは真逆の方向に行く、残念なパニックだった。

 

 

 

 

 

 

 

 □

 

 

 

 

 

 

 スバル視点

 

 

 

 

 やーやー、みんな!俺の名はナツキ・スバル!

 

 十八歳の高校生である俺はある日コンビニ帰りに異世界へと転移していた!

 

 これで俺は思ったよ、わが世の春が来たァァ!と、

 

 現実はやはり甘いのだと!

 

 きっと日ごろの行いの何かがよかったんだな、

 

 転移したという事はチートを持っているはず、チート把握のためにそこらのチンピラをたおすぜ!

 

 と、思っていたら変な美形が俺の前に現れた、

 

 いかにも怪しいやつだったぜ、

 

 俺の護衛を謎の人に受けたとか言ってた、怪しさマックスだがチートもちの俺には特に問題にならないはずだ!

 

 

 そうして裏路地に入ろうと思ったら止められた、

 

 言おうとしていることはもっともだが何か言い方があるのではないだろうか、めちゃくちゃ辛辣な言葉に苛立ちを覚える、

 

 自分のことを棚に上げる主義だ、俺は。

 

 

 さて、裏通りに行ったら想定通りチンピラABCが現れた、

 

 いやらしい顔に酷薄な笑みを浮かべている、

 

 ここは俺のチートが火を噴くぜ、美少女いないのが残念だな、銀髪の美少女来ないかなー、

 

 さぁ!喰らえ、俺の攻撃を!

 

 とか思っていたら急に少女が俺たちの目の前を駆けていった、

 

 「ちょっと!そこ邪魔!超邪魔!」

 

 少々、いや、かなり失礼な言葉づかいにむっとしたが、言葉を投げかけるよりも早く、風のように少女は去って行った、

 

 「・・・なんだったんだ?」

 

 「こっちが聞きてぇよ・・・。」

 

 チンピラですらも動揺してしまう様な、そんな速さだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、

 ここで皆様にスバルのありえないカンチガイを伝えておこう、

 お分かりの通りスバル君にチートは一切無い、

 身体能力は持久走以外は平均男子をはるかに上回る、がそれだけだ、

 そんな彼が自分をチート持ちだと勘違いしている理由は二つ、

 ネット小説を読み漁り、基本的に異世界転移=チートget、と勘違いしているのだ、

 それともう一つ、ソニックのスピードだ、あれ程の速度を同じ日本人が出せる=あり得ない=チートという計算式が彼の頭の中に浮かび上がってしまったのだ、

 

 そんな彼が三人も相手に喧嘩した結果は?

 

 火を見るよりも明らかであろう、

 

 惨敗である、彼は土下座しつつ必死に命乞いをする、

 

 その光景は笑い事ではなかった、

 しかし、彼等もいきなり殴られ気が立っている、

 スバルの命はこんなくだらない事で風前の灯となっていた、

 己の矮小さを噛み締めながら必死に許しを請う、

 

 

 

 

 

そして、スバルの首元にそのナイフが突きつけられたその刹那、

 

 

 音速の速度を持って彼は現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺の護衛対象である貴様がそこで這いつくばるとはどういうことだ、これでは用心棒である俺の品性まで疑われるではないか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 音速のソニック、彼がスバルの首元に添えられたナイフをその手に持って立っていた、

 

 幽鬼の如く、立っていた。

 

 




次回、戦闘回(笑)

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