お前のような踏み台がいるか!(白目)   作:ジャック・ザ・リッパー

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ほら、新鮮な踏み台(熟成)だよ。
多分、こんな感じの内容だった筈。


第七台

俺の名前は、伊織朱音。

踏み台転生者をめざし、日々頑張っている。

 

今日から、三年に上がる新学期!オリ主君が転校してくるのだ!長かった、この日をどれだけ待ち望んだことか。やっと報われた気がする。これからは彼に頼めばなんだって解決できる気がする!

 

俺がすることはひとつ!適当になのは達に嫌がらせして、オリ主君にヒロインのタゲを取らせモテモテにさせるのだ!どうだ!この、完璧な作戦は!俺は、スキップしながら学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の名前は、赤井烈斗!目標は、友達百人よりも百人分の信頼できる親友を作ることだ!」

 

新学期の朝の朝礼で、転校生の赤井烈斗がそう宣言した。あんな台詞を高々と宣言できるなんて、やっぱり主人公様は格が違うなぁ。

回りを見てみると、殆どの女子が赤井烈斗を見てメロメロである。おい、原作ヒロイン+α、こっち見てないでオリ主君を見なさい。

 

クラス替えは、また原作ヒロイン+αと同じだった。まぁいい、こっちにはもうオリ主君が来たんだ。俺の踏み台計画に失敗はあり得ない!身体が軽い、もう何も怖くない!

 

一時間目、普通に授業だった。

 

二時間目、普通に授業だった。

 

三時間目、自習という名の自由だった。

 

四時間目、普通に授業だった。

 

お昼が来た。可笑しい、何でオリ主君が来ないんだ?まさか、体調不良?病弱系主人公なのか?心配になった俺は、担任にオリ主君の事を聞いてみた。

 

「先生、転校生はどうしたんですか?」

 

「赤井くんのこと?彼は隣のクラスになったわよ?」

 

世界の運命力、仕事しろよ‼なんで隣のクラスなの?普通、テンプレ通りこのクラスに来るのが当たり前だろ?シット!オリ主君のせいでいきなり計画に穴ができた。

 

嫌、まだだ。まだ終わらんよ!

隣のクラスになのは達を連れていって、テンプレ通りオリ主をさせればいい!そう思って隣のクラスを廊下から見てみると、オリ主君が原作ヒロインほっといてハーレムしていた。女子からモテモテで、オリ主君の姿を見ることもできなかった。よく見たら、半分くらいはうちのクラスの女子だ。

 

きょ、今日のところは勘弁してやる!

別に、野獣の眼をした女子が怖いとかじゃないんだからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い髪に赤い瞳の少年は、トイレの便座に座りながら一人話していた。実を言うと、回りの女子からトイレに行くと言って逃げてきたのだ。

 

「今回の挨拶、回りの反応を見る限り中々良かったな」

 

『そうですね、マスター。ですが、マスターは気がつきましたか?』

 

「ああ、踏み台転生者がいたな。」

 

少年が持つ小型端末から、銀髪にオッドアイの少年の姿がスクリーンとなって写し出される。

 

『魔力ランクはB―に限りなく近いCランクです。恐らく、他に能力をもって転生したが全く修行もなにもしていないゴミ屑でしょうね。サーチャーで見た限り、高町なのは及びその他の女子と仲のいい模様。予想では、洗脳系の能力でも貰ったのでしょう。』

 

「そうではない可能性は?」

 

『限りなくゼロでしょう。あんな見た目になる人は、頭が可笑しい奴と相場が決まってます。』

 

「......そうか。」

 

少年は、自分の小型端末から聞かされる話に頭を痛まされ、頭を押さえる。そして、何かを決意したように鋭い目でスクリーンに写る踏み台を睨み付けた。

 

「僕には、オリ主として彼女達を救わなければならない。邪魔になるようなら、彼には消えてもらう。」

 

少年は、とても冷たい声で呟いた。

しかし、ここがトイレでなければもう少し格好がついただろうに。

 

「早くトイレの外にいる女の子達、帰ってくれないかな?」

 

情けないことに、このオリ主も野獣の眼をした女子が怖いらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、最近イリヤがペットを飼ったと聞いたので、見させてもらいに来た。種類はどうやら山猫のようで、名前をリニスと言うらしい。何故、ピンポイントでその名前にしたし。

 

「山猫なのに毛並みが綺麗だな」

 

俺がリニスにそう言うと、懐いてくれた。恐らく言葉がわかるのだろう。頭の良い子は嫌いではない。

イリヤのペットを見たことだし、そろそろ帰らせてもらおう。

 

「そろそろ帰るよ。もうすぐ晩御飯だし、今日は手巻き寿司をするみたいだから。」

 

「にゃ!」

 

リニスが突然反応したと思うと、いきなり頭の上に乗ってきた。重いです、降りてくださいリニスさん。俺が頭の上から降ろすと、すぐにまた頭の上に乗る。

もしかして......。

 

「...寿司?」

 

「にゃー!」

 

どうやら、山猫の癖に海の幸をご所望のようだ。イリヤが申し訳なさそうにしたが、今日だけ預かることにした。海の幸を食べれば、帰るようだし。

因みに、猫は別に魚が大好物というわけではないようだ。猫は雑食で、インドではカレーを食べると言われている。要らない豆知識である。

 

家に帰ると、夕飯の準備は出来ていた。一応リニスは部屋に連れていき、魚を部屋に置いて行く。こっちもお腹が空いたのでゆっくり食べたい。

 

そういえば、猫はイカはダメだったことを思い出して急いで部屋に戻った。部屋に猫はいなかった。変わりに猫耳と尻尾がついた女の人がどんぶりをもって刺身などを食べていた。

俺は、少女のような悲鳴をあげた。

 

「キャアアァァ!化け猫!」

 

「誰が化け猫ですか!私は使い魔のリニスです!」

 

「えっ!?」

 

リニス?本物のリニスさん?彼女は原作前に死んだ筈じゃ......。リニスさん飛ばされる→この地球で息絶える→怨念を残し化け猫に→そして未だに主を探して出現。

俺はまた、少女のような悲鳴をあげた。

 

「イヤァァァ!オバケ!」

 

「何でそうなるんですか!?」

 

こういう役目はオリ主君のものだろう!早く助けて!


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